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大学紹介

旅立つ皆さんへ(平成30年3月)

 長かった冬も終わりに近づき,春の息吹を感じられる頃,卒業式,修了式の季節となりました。本学の学部を卒業される皆さん,大学院を修了される皆さん,誠におめでとうございます。本学で研鑽された成果を自信として,それぞれの道で力を発揮することを期待しております。ほとんどの皆さんは,春から学校現場で教壇に立つことになると思いますが,人間を相手にする「教育という活動」では言うまでもなく,教師が最も大きな影響力を持ち,良い教師との出会いが,子供達の未来を大きく左右するといっても過言ではありません。いつまでも子供達の心に残るような思いやりのある教師となって下さることを願っています。

 ところで,以前,心療内科医の海原純子氏が新聞のコラムに興味深いことを書いていました。例えば,学校現場に当てはめると,教室で授業を行っている際に,つまらなそうな顔をしている子供が一人いると,すぐ目に入ってしまう。それが気になり,たった一人の子供に影響を受けてしまうのは何故だろう,という内容のものでした。「あくびをしているのは一人である」「つまらないかもしれないが,睡眠不足なのかもしれない」「自分の話がつまらないと決めつけてはいけない」などと捉えることも大事であるとの趣旨でした。「一人があくびする → つまらないかも → 全員がつまらないのではないか」と感情のままに連想すると気分が落ち込むスパイラルにはまってしまう危険があるとの指摘でした。マイナスはプラスを圧倒するといい,悪いものを見つけ出す力は良いものを見つけ出す力より大きいという脳のメカニズムがあること,動物の脳には悪いニュースを優先的に見つけ出し処理する能力が組み込まれていて,これは生物が生き延びるための危険回避のメカニズムになっているということでした。つまり,悪い評価をいつまでも気にしてしまうのは,性格ではなく,人間が生き延びるために必要な脳のメカニズムであり,それを良いことに目を向けるという次のステップにつなげることで,いやな気分を乗り越えることができるわけです。教育現場ではいろいろ乗り越えなければならない出来事があると思います。前向きに対処することで乗り越えられることを願っています。 

 最後に,高田にも縁の深い堀口大學の「雪国の暦」と題する詩を送ります。四季の豊かな上越の思い出となりますように・・・。

                                         四月の末に雪が消え    八月胡瓜がなりそめる

                                          十月半ばに冬が来て    紅葉の上に雪が降る

学長 川崎直哉

学長

この記事は,「JUEN 上越教育大学学園だより 第39号」に掲載したものです。


このページは上越教育大学/広報課が管理しています。(最終更新:2018年02月28日)

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