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Ⅲ業務運営の改善及び効率化に関する特記事項

Ⅲ業務運営の改善及び効率化に関する特記事項

運営体制に関する特色ある取組

学長がリーダーシップを発揮し大学の経営戦略をまとめ,運営していくために,平成16年4月から,学長を補佐して大学の教育研究に関する業務を掌理する副学長をこれまでの2人体制から3人体制とした。また,大学の教育研究に関する特命事項を担当する学長特別補佐職を新設し3人を配置するとともに,学内の諸課題に対応するため,副学長と連携して教育研究,大学改革,その他に関し学長の職務を補佐する学内教員からなる学長補佐を8人任命した。

さらに,理事,副学長を室長とする情報収集,社会的ニーズの調査・分析,企画立案を任務とした以下の組織を設置した。室員は,教職員一体の効果的・効率的な運営が図れるよう教員及び事務職員で構成し,教員は助教授クラスを,事務職員は係長クラスを中心に任命した。

  • 総合企画室:法人の将来計画等の企画立案を行う。
  • 知的財産本部:知的財産の創出,取得,管理及び活用等を行う。
  • 地域連携推進室:大学と地域との連携を組織的・総合的に取り組み,かつ,積極的に推進する。
  • 国際交流推進室:国際交流及び留学生交流の推進に寄与する。
  • 学生支援室:学生の修学,就職及び生活に関する支援の企画立案を行う。
  • カリキュラム企画室:カリキュラム改革等の企画立案を行う。

学長は,本学の運営に関する情報を共有し,諸課題に速やかに対応するため,学内理事,副学長及び事務局部長とのミーティングを毎週水曜日に定例開催している。

なお,単科大学としての特性を十分生かしつつ,教職員一体の効率的・効果的な組織運営を達成するため,研究科委員会は,その機能を教授会に統合した。教授会の構成員については,学長,副学長,教授,助教授,講師及び助手の大学教員全員に拡大した。委員会組織については,研究科委員会に置かれていた専門委員会を,教授会に置かれていた専門委員会と統合することとし,更に効率化,合理化の観点から23の委員会を19に統廃合するとともに,教員及び事務職員の連携を強化するため事務局から部課長が委員となり,業務の円滑な運営が図れるよう改善した。

委員会及び会議開催日時の調整や業務の調整等の効率化を目的として,グループウェアによる教職員の業務スケジュール管理の徹底並びに教室・会議室の使用状況及び授業用貸出物品の状況等の情報提供を行った。

国立大学の法人化により,大学では経営協議会を設置し,委員全体の半数以上を外部有識者とすることとなった。本学では企業経営者,市長,私立大学教員及び文部行政経験者など多様な人材6人を同協議会の学外委員に登用して,同協議会を6回開催し,財務・会計等の経営上の様々な事項に関して審議を行った。

中期目標期間中における財政計画の基礎とするため,運営費交付金・授業料等の自己収入及び雇用計画を見通した人件費等の支出について,シミュレーションを実施した。

平成16年度予算編成においては,国立大学法人への移行初年度として,円滑な大学運営を図るとともに,年度計画の諸施策を着実に実施するため,限られた財源の中で効果的・戦略的な予算配分となるように予算編成方針及び同方針に基づく収入・支出予算を策定した。

支出予算では,全学施策経費の予算枠を新たに設け,年度計画に基づく事業の円滑実施を目的とする重点施策経費と,全学的視点から教育研究の充実発展を目的とする学長裁量経費に区分して予算を重点的に確保し,教育研究の活性化や学生支援の充実等,年度計画の着実な実施に努めた。予算科目の設定は,法人化以前の費目別(校費,旅費等)に替えて,目的別に設定し,弾力的・効率的な予算執行が可能となるように改善を行った。

また,本学に業務担当監事及び会計担当監事の2人が配置され,役員会を始めとする主要な会議へ陪席し大学運営状況を把握の上,本学の監事監査規則並びに監事が年度当初に策定した平成16年度監事監査計画に基づき,業務と会計について,それぞれ監査を実施した。

平成16年度は,新潟県内において,大規模災害(7.13新潟豪雨災害や10.23新潟県中越地震)の発生が相次ぎ,小学校や中学校等も建物等の損傷など被害を受け,授業ができない状態が続くなど,学校現場において極めて憂慮される事態が発生した。教員養成系大学である本学は,このような学校から支援の要請を受け,全学挙げて復旧のための支援活動を行い,当該学校をはじめ,関係機関等から感謝等を受けたところである。

このときの経験を踏まえ,「国立大学法人上越教育大学における地震等による大規模災害に伴う被災地等への支援活動指針」を定め,大規模災害に伴う被災地等への支援活動については,本学が教員養成系大学である特性を活かして,小学校や中学校等への支援を中心とした活動を行うこととし,危機管理担当の副学長を室長とする災害支援室を設置した。

教員採用人事面での特色ある取組

業務運営の改善及び効率化に関して本学で特徴的な事柄は,まず人事関係事項等に学長のリーダーシップが大きく発揮できるシステムとしたことである。各講座等の人員配置では,大学院の設置基準等を参考にして学内で合意されている基準人数を上回る分については,学長が全学的な視野に立ち,必要な教員を配置することとした。平成16年度からは,これまで各講座等が発議していた人事案件について,その全てを学長発議としたため,教育研究組織の編成・見直しを戦略的・弾力的に行うことができ,以下のような特徴的な教員採用人事も行った。

  • 学長を補佐し,大学の教育研究に関する特命事項である戦略情報,学生支援及び国際交流を掌理する学長特別補佐を3年の任期で3人採用した。戦略情報担当を学内教員から配置した以外は,学生支援を学外の民間企業スタッフから,国際交流担当を学外私立大学スタッフから採用・配置した。これらの学長特別補佐には,本来の学長を補佐する業務の他に,民間経験を踏まえた大学経営及び国立大学法人職員の意識改革に関する講義や私立大学等の経験者から見た本学の国際交流に関する講義等を依頼し,好評を得ている。
  • 社会のニーズに応えるため,従来にない本学独自のカリキュラム・教育部門を新設することとし,新しい教員スタッフを採用した。小学校英語教育部門の新設では,教育現場での指導実績がある専門的スタッフを採用し,小学校教育現場で英語を指導できる実践的な教員の養成を開始した。本学の学部は初等教員養成を主目的とした学校教育学部であることから小学校教員免許の取得を義務づけており,そのため今後は学部学生全員に,卒業までに一定の英語指導能力や深い国際理解を身につけさせることを計画している。
  • 学校教育における健康教育の実践力を養成するため,大学院学校教育研究科教科・領域教育専攻(生活・健康系コース)に学校ヘルスケア分野を新たに設置し,平成18年度入学生から受け入れることとした。そこで主に看護学関係を担当する専門スタッフを公募した。
  • 実践教育及び教育実習部門の充実,更には大学院修士課程3年在籍を標準とする長期履修学生制度,またその中で学部開講の教職免許関係科目を履修することで教育職員免許取得を目指すプログラムなど,本学独自の新形態の大学院における修学指導に資する目的で,現職教員や指導主事等を一定の任期(原則3年)を付して教員に採用する制度を整備した。その結果,平成17年度においては,学校教育総合研究センターに新潟県教育委員会から3人の現職教員又は指導主事を助教授として採用することとした。
  • 近年は,学生生活や学習・研究に関わるストレス等による学生からの精神面での相談等が増加しており,メンタル的なケアの重要性が極めて高くなっている。そのため,メンタル面での学生の健康管理の充実を図るための精神医学を専門とする教員の配置が必要であると判断し,専門スタッフを公募した。このスタッフは併せて,上記の学校ヘルスケア分野のサポートも行う予定である。

平成16年度には,以上のような特徴的な教員人事を学長のリーダーシップの下で行った。

事務局業務に関する特色ある取組

事務局等が中心となって事務処理の簡素化・効率化を推進した。具体的には,文書管理のペーパーレス化に向けた対応として,新しい文書ファイル管理システムを導入し平成17年2月から本稼働したことで,従来から実践していたペーパーレス化を一層効率的に進めることとなった。また,平成16年4月から財務会計システムを稼働させるとともに,これまで紙媒体で行っていた物品請求に関しては,平成16年10月から各教員及び組織がWebから購入希望物品を入力することにより,購入依頼を行うことができる物品請求システムを導入し,業務の効率化・集中化等を図った。

一方,組織機能の見直しを行い,総務部が所掌する国立大学法人に求められる経営的判断,企画立案,全学の事務の総括及び研究連携・国際交流に当たるための「企画管理・研究支援部門」と,学務部が所掌する学生の教育及び生活の支援並びに入試に係る業務を総括し,併せて附属図書館を所掌し,教員組織と連携した円滑な事務処理の促進に当たる「教育・学生支援部門」の2部門制とした。

総務部には,従来の3課の組織機能を見直した「総務課」(庶務,人事及び労務を所掌),「財務課」(財務監査,資金管理及び契約を所掌),「施設マネジメント課」(施設,保全整備及び資産管理を所掌)と重点的・専門的事項に対応する「企画室」(企画,評価,広報及び情報を所掌),「研究連携室」(研究連携,地域貢献及び国際交流を所掌)を設置した。

なお,研究連携室は教員との連携をより円滑にするため教育研究棟である人文低層棟に配置した。

学務部には,従来の4課の組織機能を見直した「教育支援課」(教務及び留学を所掌),「学生支援課」(学生指導及び生活支援を所掌),「入試課」(入試及び調査を所掌),「学術情報課」(図書等の学術情報管理及びサービスを所掌)と重点的・専門的事項に対応する「就職支援室」(就職を所掌)を設置し,教務,学生に関する事務部門の整備を進め,大学キャンパス全体のほぼ中央に位置する講義棟1階を改装し,「教育支援課」,「学生支援課」,「就職支援室」を1箇所に集中配置し学生の利便性を向上させた。学生は,そのエリアで教育支援,学生指導・生活支援及び就職支援をまとめて受けることができることから,本学では,その学生支援業務機能の集約を図ったエリアを「キャンパスライフスクエア」と呼んで,学生に有効活用するよう周知するとともに,教職員一体となってサポートしている。

情報基盤センターシステム等運用支援業務については,学生・教職員利用端末及び各種システムの利用に係る学内ヘルプデスク並びに同センター及び企画室広報・情報係が管理している各種システムの運用管理を外部委託により実施する可能性を検討し,平成16年7月から外部委託のシステムエンジニア(9時から18時まで及び18時から21時までの間で各1人)を常駐させ,ヘルプデスクや運用管理に対応する体制を構築した。

また,業務活動が法令並びに本法人の方針,計画,制度及び諸規則に準拠し適正に行われているか,財務会計処理の適否,会計記録の正否及び資産管理状況の適否等について監査し,本法人の業務管理全般の適正かつ効率的な運営を図るとともに,財務会計の適正を期することを目的として,内部監査規程を制定し,財務課以外の事務局職員から主任監査員及び監査員を任命した。

活性化のための特色ある取組

法人化のメリットを活用した大学運営の活性化を目指した特色ある取組,特に本学が置かれている状況や条件等を踏まえた,大学運営を円滑に進めるための工夫として,本学のかねてからの懸案事項であった大学院の定員充足問題に対して,法人化を機に財政面からの支援も含めて積極的に取り組み,大学広報活動・PR活動を行った結果,大きな改善が見られた。

具体的には,従来から行ってきた,パンフレット・リーフレットの配付や各地での大学院説明会の他に,法人化前にはやや難しいと捉えていた雑誌等への広告や駅等でのポスターの掲示,教職員による私立大学直接訪問等,平成16年度中に行った一連の積極的なPR活動の結果,平成17年度大学院入学者選抜試験では,本学創立以来,最大の受験者数と合格者数となった。これも,法人化後の学長を中心とした大学の新しい意志決定システムと,財政面で弾力性のある運用が可能となったことによるメリットが大きいと考えられ,結果的には本学の活性化のための大きな取組となった。

また,これまで学長,副学長及び教授を構成員とした教授会を見直し,大学の教育研究を担当する教員全てを構成員とし,大学の運営に直接意見を言える場を設け,各自が大学運営に携わっていることの実感を得ることにより,大学の教育研究の活性化を図った。

さらに,教職員の提案,意見開陳に関する機会を確保するシステムの一つとして,学長が大学運営の基本的な方針等について,全教職員に向けて発信し,教職員が返信できる意見交換システムとして電子メール「nabe-letter」の運用を開始した。「nabe-letter」は,原則,長期の休業期間,祝日及び教授会の開催日を除く毎週水曜日に発信しており,平成16年度は25回発信した。


このページは上越教育大学/企画・広報課が管理しています。(最終更新:2013年04月08日)

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