平成28年度 学校教育研究科案内
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17 学校心理は,学校や家庭における子どもたちの多様な「心と行動の現象」を心理学の視点から総合的に理解するとともに,子どもたちの発達と学習を適切に援助していくための理論と方法を追究しています。そしてその中で,問題を抱える子どもへの援助だけでなく,日常の学習指導や生活指導・学級経営など学校教育の様々な領域で力を発揮できる教師の育成を目指しています。 学校心理では,子どもたちの心に関わる現象とその背後にあるメカニズムを広く理解するため,心の発達や学習の一般的特徴と個人差,それを支える多様な人間関係など,心理学の各領域にわたる授業科目が用意されています。また,今日的な心の問題を的確に分析するための調査・実験手法や統計解析手法の習得にも重点を置いています。なお,学校心理の授業科目は「学校心理士」の資格申請に対応しており,生徒指導総合または学校心理に在籍して所定の単位を修得し,学校心理学に関連する修士論文を提出することで,申請基準の一部を満たすことができます(申請には,このほか1年以上の実務経験と,試験への合格が必要となります)。学校心理2015年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp最近の学位(修士)論文題目●中学校教師の日常的な指導行動が叱責の効果に与える影響 -叱責を受ける当事者とその観察者の公的自己意識に着目した検討-●中学生の班活動が学級集団アイデンティティと向社会的行動に与える影響 -仲間集団外成員との関係性に着目して-●家族の機能状態と子どものレジリエンス・自尊感情及び学校適応との関連 -小中移行期の中学生に注目して-●中学生におけるSOCと「バランスの取れた負荷」の経験に関する縦断的研究 -教師の意識調査を含めた検討-●想像上の友達と空想と現実を区別する能力が他者理解に及ぼす影響 -心の理論の獲得と感情理解の検討-●通常学級における発達障害のある児童と教師の関わりの研究 -周囲の児童への有効な説明の仕方に焦点を当てて-●受験期におけるライバルの存在が中学生の学習意欲に及ぼす影響教 授 越  良子(こし りょうこ) 025-521-3377 koshi教 授 内藤 美加(ないとう みか) 025-521-3370 mikan教 授 中山 勘次郎(なかやま かんじろう) 025-521-3356 nakayama准教授 奥村 太一(おくむら たいち) 025-521-3541 okumura准教授 森口 佑介(もりぐち ゆうすけ) 025-521-3415 moriguchi 教室の社会心理学。学級において,教師の働きかけや教師-子ども関係あるいは子ども同士の相互作用がいかにあるか,それが学級集団をいかに動かし,子どもの適応や「自己」の育ちに影響するかを研究課題としている。教師同士の協働とサポート関係についても研究している。 認知発達心理学・教育心理学。子どもの知的活動のプロセスや働きについて研究している。特に子どもの記憶,足し算などの問題解決能力,生物や数の概念,言語,ならびに人の心を理解したり推測する社会的認知の発達を主な研究課題としている。 児童の学習への動機づけに関して,内発的動機づけおよび達成動機の領域から研究しており,特に社会的文脈の影響機制の解明を中心課題としている。主要著書:『児童の動機づけ志向性と社会的場面における達成行動』(風間書房) 発達心理学・認知神経科学。人間に特徴的な心の特質がいつごろから発生するのか,それが大脳皮質の成熟とどのように関連しているのかを心理学と脳科学の両側面から実証的に研究している。特に,心と行動をコントロールする能力(実行機能),コミュニケ―ション能力,他者理解の能力に焦点を当てている。 心理統計学・教育測定学。教育実践研究などで得られる学級など集団単位で収集されたデータや発達研究などで得られる縦断的データを統計的に分析する方法について研究している。また,国際学力調査のデータを用いた二次分析を行い,学習行動に関する国際比較研究にも携わっている。http://www.juen.ac.jp/lab/okumura/

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