平成28年度 学校教育研究科案内
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19臨床心理学コース2015年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等 「こころの時代」における高度専門職業人である臨床心理士への社会的要請はきわめて高くなっています。こころの問題が複雑化・多様化する現代では, 臨床心理士には非常に高度な専門性が求められてきています。本コースは日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定校で, 修了と同時に臨床心理士の受験資格を得ることができます。 広く乳幼児から大人までの「こころ」の問題の解決に必要な臨床心理学と関連領域の理論と知識を学ぶとともに,修士1年生の段階から精神科病院,教育センター,児童相談所,作業所,授産施設,グループホームなど幅広い領域の施設において見学実習を行い,さらには大学附属の心理教育相談室において丁寧できめ細やかな指導のもと,さまざまなケースを直接担当し,体系的で密度の濃い臨床実習を行います。併せて精神科病院や教育センター等の現場での臨床実習も臨床実践能力を上げるために行っています。 いじめ, 不登校, ひきこもり, 発達障害,児童虐待,震災や事故などによるPTSDなど,児童生徒のさまざまな「こころ」の問題の解決・改善並びに予防を図るために,現職の小・中・高校の教師と一緒に学び,教育現場における実践的な力を身につけることができます。教育現場のみならず, 医療・保健(精神科病院, 精神保健福祉センター他),福祉(児童相談所,福祉施設他), 司法・矯正(家庭裁判所, 少年鑑別所他), 産業分野(企業内相談室, 障害者職業センター他) 等で活躍できる優れた心理臨床家の育成を目指しています。 修了後, 多くの者が臨床心理士資格を取得し, 各界で活躍しています。また,兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科の博士課程への途も開かれており, ここ最近, 進学する者も増えています。〈コース長〉 加藤 哲文Tel:025-521-3392 E-mail:tetubumi (ドメイン名等は5ページ参照)電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp教 授 五十嵐 透子(いがらし とうこ) 025-521-3364 igarashi教 授 加藤 哲文(かとう てつぶみ) 025-521-3392 tetubumi教 授 宮下 敏恵(みやした としえ) 025-521-3363 miyasita practitioner & scientist のスタンスから,不安のさまざまな表現型をとる状態やOCD スペクトラム,ホーディングへの心理臨床実践と研究と,自己の成熟状態と謝罪や感謝,ユーモアなどの対人関係における言語的および非言語的コミュニケーションおよび文化的差異に関する研究を行っている。また,バイオ・サイコ・ソーシャルモデルを用いたヘルスサイコロジーの観点から,さまざまな領域(医療・保健福祉・教育・子育てなど)でのヘルスプロモーションとリエゾン・コンサルテ-ション精神保健活動を進めている。 小・中・高校における教師のバーンアウトの対策や予防について研究を進め,さらには教師のメンタルヘルス改善に関する研究を行っている。またクライエントの「~ない」,「~しないといけない」という否定文の作用についても研究を進め,さらには臨床心理面接におけるクライエントの発話について語彙分析を用いて分析を行い,面接プロセスを実証的に検討している。主要論文:「中学校教師のバーンアウト傾向に関連する要因の検討」 2012年 学校メンタルヘルス,15,101-118. 主として, 行動・情緒障害,発達障害等の児童生徒への学校や家庭・地域社会での支援に関する臨床心理学的研究を行っている。また, 行動療法, 応用行動分析, 認知行動療法といった心理臨床の方法論や,学校・教員・施設職員等へのコンサルテーションに関する実践的な研究も行っている。文献:『 学校支援に活かす行動コンサルテーション実践ハンドブック(編著) 学苑社, 2011』,『 行動問題への支援に必要なアセスメント-行動の形態面から機能面のアセスメントへー,LD研究,17(3),2008』准教授 山本 隆一郎(やまもと りゅういちろう) 025-521-3305 ryuitiro 「日常生活の中にある“ごまかし”への気づき」と「セルフコントロール」をテーマに,認知行動論に基づいた心身の健康問題(特に睡眠問題)の理解と援助に関する健康臨床心理学的研究,心理臨床活動を行っている。(研究活動の詳細はhttp://www.juen.ac.jp/lab/ryuitiro/を参照)講 師 近藤 考司(こんどう たかし) 025-521-3376 kondo これまで,対象関係のアセスメントに有用な描画法(S-HTPP法)の研究と,描画法一般における「描画後の対話」の研究を進めている。また最近では,臨床心理士の専門職アイデンティティと職業的発達の研究も行っている。主要論文:「描き手が自身の描画を振り返ることの心理臨床学的意義 : 約2年,4枚のS-HTPP法を用いた二つの事例研究」2012.心理臨床学研究,30(3),309-320.など。

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