平成28年度 学校教育研究科案内
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27言語系コース 「国語」は,「国語科教育」「国語学」「国文学」「書写書道」の4つの領域により構成されています。 「国語科教育」は,教科教育としての国語に関わる理論を専門的に学ぶだけでなく,具体的な指導法の構築を目指し,どのような授業を行えば学習効果が上がるのかなどの臨床的なテーマも扱います。したがって,ここでは関連する理論の紹介やその内容についての理解と検討,具体的な教科書教材の解釈やそれに基づく指導法の検討,実際の授業場面の分析などを通して,課題を包括的にとらえながら焦点化した研究となるような指導が行われます。 「国語学」は,語彙,語法,方言,文体,解釈の問題,談話のしくみなどの観点から,日本語についての専門的な知識を深めます。歴史的な文献,現代語の文献を対象とするだけでなく,現実に行われているコミュニケーションの実態についても取り上げます。具体的な事象を分析・考察し,研究論文にまとめていきますが,国語科教材の開発・研究に役立つ基礎的な視点と方法を学ぶことで,実践の場にもいかせるような研究を目指します。 「国文学」は,古典文学や近・現代文学作品を読解するために必要な種々の方法を学びながら,学習者それぞれが文学作品のもつ特質や時代・文化との関わりを明らかにすることのできる力を養成する授業を用意しています。個々の研究課題に十分な成果がもたらされるよう,授業以外にもゼミが開かれ,参加者それぞれの研究課題や能力に応じた具体的で実効的な指導を行っています。 「書写書道」は,国語科書写の授業を中心とする「文字を書くこと」の学習とその基礎・周辺理論について扱います。芸術的・考古学的な従来の書道研究だけではなく,私たちが日常において書く行為や書き表された字形などについての研究,書写の実践と子どもたちが書く文字なども対象となります。授業は,字形,筆順,書字動作などについて具体的に考察し,国語科書写の教材化に役立つ内容を中心にしています。 修了生の多くは,小学校教員をはじめとして,中学校・高校の国語科教員として各方面で活躍しています。また,本学や本学以外の博士課程へ進学する場合も多く,修了後数年をかけて大学に研究者として就職する人もいます。国 語2015年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等 国文学, 主として近代・現代文学の分野を担当。三島由紀夫を中心とした昭和文学研究, 宮沢賢治・小川未明等の童話研究を主とする。『論文集成三島由紀夫』(若草書房),『童話論宮沢賢治 純化と浄化』(蒼丘書林),『小川未明全童話』(日外アソシエーツ・紀伊國屋書店),『文学の体験』(永田印刷出版部)他。 国文学, 古代・中世文学の分野を担当。隠者文学・説話・物語の研究を主とし, 古典文学の近代文学における受容と変容を課題とする。『兼好 人と文学』(勉誠出版,2005),『西行 長明 受容と生成』(勉誠出版,2005),「漱石と方丈記」(『日本文学』1983 ・12), 他。 日本語学,主として文章論・談話論の分野を担当。日本語をテクスト言語学の観点からとらえ,表現類型や相互作用のシステム論的な分析を行う。単著『日本語のテクスト:関係・効果・様相』(ひつじ書房),共著『ケーススタディ日本語の文章・談話』・『文章・談話のしくみ』(おうふう),『日本語表現学を学ぶ人のために』(世界思想社)他。 書写教育を担当。書写教育の内容論とその基礎としての, 手書き文字および書字行為の研究を専門領域とし, 筆記具の持ち方・筆順・字形等の諸相に関する研究を主とする。「汎用性と合理性という視点からみた書写教育の基礎についての試論」(『書写書道教育研究』14号)他。 言語の本質と機能,言語表現,言語芸術(文学)に関する総合的研究を基盤とし,言語・文学及び言語系教科教育に関する専門的な研究・教育を行います。「国語」と「英語」の科目群から構成されています。〈コース長〉 大場 浩正Tel:025-521-3306 E-mail:hohba(ドメイン名等は5ページ参照) 日本語学, 主として語彙論, 語用論, 文章研究の分野を担当。現代日本語の表現行為および理解行為に関係する言語運用の諸相を, 上記分野の枠組で研究することを専門領域とする。電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp教 授 押木 秀樹(おしき ひでき) 025-521-3317 oshiki教 授 野村 眞木夫(のむら まきお) 025-521-3322 nomura ※1教 授 小埜 裕二(おの ゆうじ) 025-521-3316 yuji准教授 髙本 條治(たかもと じょうじ) 025-521-3318 takamoto教 授 下西 善三郎(しもにし ぜんざぶろう) 025-521-3319 simonisi ※2准教授 迎  勝彦(むかえ かつひこ) 025-521-3325 mukae 国語科教育を担当。話しことば教育研究, 授業研究を専門領域とし, 主として「話し合い」活動を対象とした研究を行っている。教室における談話の構造および聴解過程の解明を中心テーマとし, 学習者に応じた指導法の考案,教材の開発について考察を進めている。

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