平成28年度 学校教育研究科案内
44/84

43 科学技術の急速な進展に伴い,生活における情報化や国際化に対して主体的に対応する能力や,地球資源やエネルギーを持続的合理的かつ賢明に利用し,地球環境保全に配慮した技術的活動能力を育成することが,学校教育の重要課題の一つである。「技術」の科目群では,人間の生活と技術とのかかわりを正しく現状認識し,人間形成のあるべき姿や,その教育的対応を究めてゆく。 技術科教育では,人間の成長と発達に必要な技術に関する諸科学の知識と技能について,学習者の心身の発達特性に基づいて教育の適時性や系統性をはかる。中学校技術・家庭科技術分野をはじめ,初等中等教育における技術教育の原理や教育内容・方法を総合的に考究し,教材・教具の開発や授業の設計・実践場面分析と評価について専門的研究を行う。 各専門科目では,人間の生活の持続と向上に不可欠な技術に対する科学的見方や考え方を探究する。技術の対象である材料・エネルギー・情報・環境などを,道具,機械,装置,システム等を通して加工・変換・処理等で利用する技術的知識・技能をはじめ,技術を最適化するための計測・制御,システム思考,地球環境系における人間の技術的行為を含めた多様な角度から,理論的実験的に考究する。また,教育効果を高める教材・教具の開発や教育内容の研究も行う。具体的には,木材加工学,金属加工学,電気・電子工学,機械工学,情報工学,栽培学に関する専門科目があり,技術科教育学と各専門分野に対して,相互が見渡せる力量の形成を目指した研究を行う。 特に,情報化社会,コンピュータ社会という環境変化に応じて,情報教育の重要性が言われている昨今,「技術」においてもこの現状に対応する研究がされている。すなわち,パソコン,ワークステーションの取り扱いはむろん,各種情報機器の活用を通してコンピュータネットワークの構築,教育データベースの構築,人工知能,画像処理,マルチメディア等の情報に関する基礎から応用に至るまで幅広く研究が行われている。またプログラミング実践,アプリケーションソフトの活用や教材開発を通して情報教育の実践,評価等が積極的に行われている。 修了後の進路先の多くが,中学校技術科教諭であり,特別支援学校教諭,工業高校教諭,大学教員,小学校教諭,教育委員会,博士課程進学,企業等へ進んでいる。技 術2015年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp教 授 川崎 直哉(かわさき なおや) 025-521-3404 kawasaki ※3准教授 大森 康正(おおもり やすまさ) 025-521-3685 oomori教 授 山崎 貞登(やまざき さだと) 025-521-3406 yamazaki准教授 東原 貴志(ひがしはら たかし) 025-521-3405 htakashi教 授 黎 子椰(れい しや) 025-521-3403 liziye 情報関係の講義および演習を担当。研究分野は情報工学,教育工学,知識工学である。特にインターネットを活用した遠隔教育支援,プログラミング教育支援,問題解決過程に基づく教育支援などに関した応用・実践指向の研究を行っている。 技術科教育方法特論,技術科教育教材開発演習,木材加工学特論及び木材加工学実験演習を担当。技術科教育に関する研究,木材の圧縮加工や曲げ加工に関する研究,地域の森林資源を活用した木工教材の開発や,森林・林業及び木材利用に関する教育実践研究に取り組んでいる。 電気回路特論及び電気技術実験実習などを担当。主な研究分野は,初等・中等教育におけるメカトロニクス教材・ロボット教材や科学技術啓発教材の開発。とくにマイクロコントローラを搭載した小型自律型ロボット教材やアミューズメント制御機器,エネルギー変換教材等の開発などを行っている。 技術科教育を担当。1)小・中・高校に一貫した技術教育課程開発と国際比較,2)学習者の心身の発達水準に応じた「ものづくりと技術リテラシー」育成に着目したカリキュラムのデザインと学習評価法,特にポートフォリオ評価法の開発と実践研究,3)学校における教師との協働による教育実践研究を主に行っている。 機械工学特論及び機械工学実験実習を担当。(1)ものづくりの学習教材・教具の開発,(2)メカトロニクス技術の小中学生技術教育への応用,特にCAD/CAM,旋盤シミュレータの開発,(3)技術科教員養成におけるCAD/CAM・NC教育に関する研究を行っている。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です