平成28年度 学校教育研究科案内
46/84

45 家庭科に関わる諸科学の専門的な研究・教育を行う。学生は,講義,実験,演習等(後頁参照)を通して研究・教育に必要な知識を習得すると共に,各自の課題について研究指導教員の指導を受けながら学位論文をまとめる。 「家庭」の科目群は,家庭科教育学,食物学,被服学,児童学,住居学及び生活経営学の6つの専門分野で構成されており,その特徴と目標は次のようである。 家庭科教育学では,教育の原点を児童・生徒の立場から見直し,学習者が主体性を確立し,新しい家庭科学習に目を輝かすことをめざして,教材,授業やカリキュラムの研究を進めている。また,人間形成に寄与する教科のあり方を追求するとともに,新しい時代の変化に対応した生活情報処理教育や生活する人間としてのあり方を追求する消費者教育,福祉教育,環境教育等を重視している。生活経営学では,家庭生活を環境,多文化共生,福祉,人権,ジェンダーのキーワードを基に,経済,労働,家族,社会の視点からとらえ,現代家族の諸問題と実践的課題を解明し,生活化する力を養う。食物学では,栄養,食品,調理及び食事と生体機能等に関する知識を深めて食を総合的に理解する力を養い,また,食科学研究セミナーを通して科学的思考力・分析力を養う。被服学では,消費科学的視点から被服材料の物理・化学的性質及び被服造形の諸特性と快適性等について検討し,衣に関する総合的な理解力を養う。児童学では,子どもの発達と生活圏内の諸要因との関連を子どもの発達保障の視点から分析し,子どもの生活を力動的に理解する力を養う。住居学では,居住者の住要求や住文化の育成に視点をおいた住環境教育を重視している。科目群「家庭」は,文部科学省の進める「持続可能な開発のための教育(ESD)」とも関わる環境,多文化共生,福祉,人権,ジェンダーの内容を含む科目群であり,修了生の世界的視野での活躍が期待できる。 今までに「家庭」に入学した学生は,現職教員を含む社会人や学部の新卒者と幅も広く,出身学部も多様である。修了生の多くは,小・中・高等学校における家庭科の教育を担うだけでなく,学校運営を担う人材としても,教育現場から熱い期待を受け活躍している。また,留学生等を含む修了生の世界的視野での活躍も進んでいる。家 庭2015年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp教 授 佐藤 悦子(さとう えつこ) 025-521-3409 etsuko ※ 3准教授 佐藤 ゆかり(さとう ゆかり) 025-521-3416 yukari教 授 得丸 定子(とくまる さだこ) 025-521-3417 tokumaru ※2准教授 吉澤 千夏(よしざわ ちなつ) 025-521-3402 chinatsu教 授 光永 伸一郎(みつなが しんいちろう) 025-521-3407 mitunaga 食物学に関する講義と実験を担当。発酵食品や植物性食品を用いた実験教材の開発を行っている。また,教科内容学の概念に基づいた家庭科食物領域に関わる内容構成の検討なども行っている。 家庭科教育学を担当。研究は,広い視野からアプローチする家庭科における「いのち教育」。具体的には教材開発,食育,ストレス軽減,ペットロス,高齢者と子どもの世代間交流等など。主な著書『いのち教育をひもとくー日本と世界―』(現代図書、2008)、『学校での「自殺予防教育」を探る』(現代図書、2009)他。 被服構成学特論,被服衛生・機構学特論の講義と実験を担当。主に被服設計の立場から,動作機能性と感覚的性能について着脱動作の特性と着用感および材料特性と外観・肌ざわりなどとの関わりについて研究を行っている。 研究・教育分野は児童学・保育学。特に,幼児期の子どもの発達を「生活文化」の伝承・獲得・共有の視点から捉えるとともに,「生活」概念の形成過程について関心を持っている。子どものままごと遊び場面の分析や具体的な生活場面の観察等を中心に研究を進めている。 研究・教育の分野は家庭科教育である。その中でも家庭科教育に関する実践的研究や教員養成についての研究に取り組む。また,教師と子どもがともにつくる家庭科の授業づくりをめざしている。*1 *1 *2

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です