平成28年 教職大学院案内
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多言語多文化を認め合う教育アドバイザー 原 瑞穂 現在、学校には生まれ育った国を離れて学齢期に日本の学校に編入する、また外国にルーツがあり日本で生まれ育つ等、多言語多文化の児童生徒が多く在籍しています。日本語習得や教科学習の不振、第一言語の喪失など深刻な課題を抱えていますが、学校では充分なカリキュラムも方向性も不在のまま対応を迫られてきました。また、外国語活動や国際理解教育等を通して学級全体が多言語多文化に対するマインドを深めることも肝要です。そこで、本チームでは学校と協働して多言語多文化を認め合う教育を探究します。総合的な学習の時間における教師の「見取り」の充実アドバイザー 松井千鶴子 生活科・総合的な学習の時間の研究発表会を控えている支援校の要望を受け、教師の「見取り」が充実するための支援に取り組みました。①担任教師と院生による「見取りの交流会」の実施、②収集・分析した「見取り」の情報提供、③授業者への「見取り」のインタビュー、により、意識的に見取るようになる、子ども一人一人の様相や作文シートの記述を根拠にした「見取り」を行うようになる等の成果がありました。一人も見捨てない教育の実現アドバイザー 西川  純 本チームが最も大事にしているのは、「子どもも教師も一人も見捨てない」ことです。そのため、一人の教師が全てを背負うのではなく、同僚と子ども達と一緒になって、『学び合い』を実践し、学校教育の諸問題を解決します。協働で授業を経営することによって、教員の授業能力の向上とそれを支える研修体制の確立、教員同士の協働の確立による負担感の軽減を行います。「汗支援」と「知恵支援」アドバイザー 葊瀨 裕一 「人格の完成を目指す」という教育の大目的を基軸に、「小中連携」「学校評価」「学年運営」など、様々なテーマで連携協力校の学校改善を支援してきました。 先ず、授業補助や調査データ分析等を通して子供の実態と学校の課題を把握します(汗支援=当事者性)。それを踏まえて課題解決の方策を探り、チームで検討し、提案します(知恵支援=専門性)。 この支援プロセスを通して学生自身が学びを深めます。算数・数学科の学習指導改善の取組アドバイザー 松沢 要一 岩﨑研究室との合同あるいは単独チームです。授業の観察や補助を通して、子どもたちの現状を把握します。どのような手立てが連携協力校に少しでも役立つかを探り、提案します。これまで、思考力・表現力を高めるために「問い返し」や「展開の工夫」に着目したチーム、生徒の振り返りシートを細分化しながら、授業者にフィードバックしたチーム、グループ活動の活性化を図ったチームなど様々です。自立した人間として他者と共によりよく生きる基盤としての道徳性の育成アドバイザー 早川 裕隆 昨年度は、小・中学校において、教科化される「道徳」への準備を意識しながら、「道徳授業づくり」を協働で行い、道徳性を育てる効果的な授業のありかたの探究と、授業力の向上を目指しました。子どもたちが自ら、相手の立場に立って自分のあり方を見つめ直しながら、価値の再構築ができる授業づくりを、協働で行います。社会学的調査研究にもとづく指導 改善・学校改善アドバイザー 堀 健志 学校は、一筋縄ではいかない矛盾や葛藤に満ちています。そうした現実をふまえながら、子どもの指導や組織経営のあり方を検討していきます。そのためには、学校で繰り広げられる日常を多面的・重層的に読み解くことが欠かせません。そこで、社会学的なアプローチを採用して、子ども・教員・保護者を対象とした質問紙調査や学力調査、聞き取り調査や観察調査といった社会調査法のいくつかを組み合わせて実施します。調査研究のテーマは、大学院生の問題関心に応じて多様に設定されることとなりますが、個人的には、沈黙を余儀なくされた声に耳を傾けること、その沈黙を強いる力学や仕組みに目を向けることで、学校教育が抱え込む矛盾や葛藤に対峙したいと思っています。「We」(みんな)でつくる学校アドバイザー 水落 芳明 学び合う授業づくりや高め合う校内研修をテーマに、現場の先生方と一緒に研究しています。大切にしているのは同じ目標に向かって「We」(みんな)で協力してつながること。ICTを活用した英語や社会科の授業、特別支援を必要とする子のいる学級づくりやフォロアーシップを育てる生徒会活動の支援等々、学卒院生、現職院生が現場の先生方と一緒に取り組む中で、個人の努力では得られない様々な成果や感動を共有しています。僻地の子どもの人間関係を多様化する全校『学び合い』「学校支援プロジェクト」って、具体的にどんなことをするのでしょうか?Joetsu University of Education17

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