平成28年 教職大学院案内
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研究内容及び指導内容宗教学、哲学、法学、教育学などの学際的研究をベースに、公教育における宗教の取扱いに関する理論と実践をテーマとした新しい宗教教育学の構築を目指しています。教育基本法第15条(宗教教育)の趣旨を学校教育においてどのように具体化するかが研究の中心です。実務家としては、高校生に「倫理」を教えるのが専門でしたが、小学生を担任したこともあります。教職員人事や管理職研修を中心とする教育行政に9年間携わり、中学校長と高等学校長の時は、教育の大目的である「人格の完成を目指す」ことを基軸に据え、法的視点と教育的視点を統合した学校運営の改善を図ってきました。これらの経験をベースに、教職大学院の発足以来、「学校評価を通した学校運営の改善」「小中連携を軸にした学校運営」等のテーマで学校支援プロジェクトを実施してきました。院生がやりたい研究テーマと学校が求める支援テーマの調整を図りながら、よりよい協働の在り方を模索していきたいと考えています。その他富山県の小学校や高等学校の教諭、知事部局主事、教育委員会教職員課主任管理主事・主幹、中学校長、高等学校長等を経て、平成20年から現職。教育実践高度化専攻長を経て平成25年から学長特別補佐。この間、上越教育大学大学院に内地留学したときの修士論文が「公教育における宗教の取扱いに関する理論的研究」(平成6年)。専門分野は、宗教教育学、学校運営、教員人事。上越教育経営研究会会長。日本学校教育学会常任理事。日本教育行政学会、宗教法学会、日本宗教学会などの会員。黒部市教育振興協議会アドバイザー。主な著書・論文に、『学校の中の宗教』(共著、時事通信社、平成8年)、『要説 教員養成・採用と免許法〜教職志望者の必勝指南〜』(共著、協同出版、平成24年)、「日本国憲法上の『宗教』の意味」(『宗教法』14号、平成7年)、「教育基本法上の『宗教』の意味」(『宗教法』29号、平成22年)、「教育の目的に関する一考察」(『上越教育大学教職大学院研究紀要』第1巻、平成26年)などがあります。【担当コース】・教育実践リーダーコース・学校運営リーダーコース【担当講義】・宗教と公教育・教育公務員の服務・勤務【プロジェクトテーマ例】・信頼される学校運営・学校における宗教の取扱い・小中学校の連携【包含できる研究テーマ】・学校評価の改善・学校と家庭や地域との連携・学校の危機管理・人格の完成を目指す教育 等研究内容及び指導内容私は、年少者日本語教育において、多言語多文化共生の立場から主に学齢期に日本の小中学校に編入してきた言語少数派の児童生徒の言語学習と教科学習を支えるための研究に取り組んできました。日本に在住する児童生徒が抱える学業面の課題には、移民を多く受け入れてきた諸外国で指摘されてきた課題と同様に、教科学習と教科学習のための日本語習得の不振、第一言語(母語)衰退・喪失があります。まず、私はこれらの課題に対して個別に解決を図るのではなく、言語能力と教科学習、第一言語と第二言語の習得を統合的に捉え、教科学習に第一言語と第二言語で取り組むことによって相互育成を図る学習モデルの検証を進めてきました。そして、特に韓国や中国出身の子どもたちが在住国である日本の歴史や日本の教科書で出身国の歴史を学ぶ際に葛藤を抱え苦しむ様子がみられたことをきっかけに、小中学校の社会科の歴史学習の教授法の開発に着手しました。出身国と日本の双方を背景に持つ児童生徒にとって出身国の歴史と日本の歴史を関連付けて学ぶことができ、さらに認知的負荷の高い領域での第一言語と第二言語の言語使用を活発にする方法を探究してきました。現在は、中国史と日本史を関連付けた歴史学習のためのカリキュラム開発に関する研究、言語少数派の児童生徒の主体的な言語活動を促す教師の問いかけに関する研究、多言語多文化共生の理念に基づく言語少数派の児童生徒への指導経験による教師教育への意義に関する研究を行っています。外国語活動では、米国の小学校の児童に対する日本語学習活動に従事し、日本語学習カリキュラムの策定、教材作成、授業実施を行ってきました。今後は日本の児童への可能性を追求したいと考えています。また、現在上越市内の小学校において国際理解教育の授業に本学の留学生を派遣して日本と親交の深いアジア圏など多様な国々や人々への理解や交流を図っています。今後は外国語活動としても留学生と英語で話すことによって様々な言語・文化背景を持つ人々と外国語を使ってコミュニケーションを図ることの楽しさを得られるような活動を試みたいと考えています。教職大学院では、いずれの領域においても皆さんと実践の背景となる多言語多文化共生の理論や先行研究を踏まえた上で子どもたちの学習を支える方法を考えていきたいです。その他所属学会:日本語教育学会/母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)研究会(理事)/日本国際理解教育学会/お茶の水女子大学日本言語文化学研究会/全国社会科教育学会/日本教科教育学会【担当コース】・教育実践リーダーコース・学校運営リーダーコース【担当講義】・国際理解教育と外国語活動【プロジェクトテーマ例】・多言語多文化を認め合う教育【包含できる研究テーマ】・国際理解教育、外国語活動、日本語教育、バイリンガル教育・多言語多文化を認め合う教師教育、教材開発、教師と児童生徒とのコミュニケーション・参加型学習、問題提起型学習教授(実務家教員)葊ひろ瀨せ 裕ひろ一かず准教授原はら 瑞みず穂ほ教職大学院教員スタッフプロフィールJoetsu University of Education32

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