平成28年 教職大学院案内
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研究内容及び指導内容30数年前、大学を卒業して勤めたのは民間企業でした。メーカーの営業社員として大阪の問屋街で1年間過ごしましたが、この経験が私の修業時代。問屋のオヤジさんに怒鳴られながらマーケティングを学びました。当時、カバンの中にいつも入れていた愛読書がドラッカーの「経営者の条件」です。目からウロコの本でした。実際に営業の場にたってドラッカーを読むとすうっと頭に入るのです。ドラッカーを読んで、まず行ったのは得意先の問屋の倉庫の整理整頓です。自社のコーナーだけでなく、倉庫全体を整え、問屋の従業員よりも全体を把握できるようにしました。それから、全社の商品の配置を提案させてもらいました。出し入れに無駄が見えてきたからです。問屋さんの信頼を得たあとの受注はまかせてもらえました。たった1年間でしかなかったですが、この修業時代に身に付けた考え方や行動規範が私の原点です。「現場から課題をとらえること」という考え方です。教育委員会に勤務している時に、合併後上越市の10年間の教育計画「上越市総合教育プラン」を作成しました。学校教育だけでなく生涯学習をも含んだ地方教育行政の現場で企画立案を行う仕事をしてきました。学校経営や学校評価などをどのように学校現場に取り入れて行くのか。地方から考えるローカルオプティマムを少ない行政予算の中でどう実現するか。現場で考え、実行するという貴重な機会を得ることができました。理論は実践と組み合わされなければ意味をもちません。特に教育の現場は、社会と連動し常に変動しています。新しい教育課題が次々に生み出され、学校や教員はその対応に現場で取り組まねばなりません。それは、常に社会の基礎を教育が作っていることの表れでもあるのです。教育は常に未来を志向し続けなければなりません。そのためには教師は誰よりも学び続ける存在である必要があります。子どもたちとともに学び続ける教師を目指していきましょう。その他1954年、直江津市(現上越市)生まれ。新潟県公立学校教諭、教頭、校長。新潟県立教育センターで初任者研修研究員2年、国語科の指導主事5年。上越市教育委員会副課長を経て、上越教育大学。専門分野は、学校経営、学校評価、国語教育、情報教育。学校教育実践研究センター兼務。現在、毎週水曜日18:30から、地域の現場教員および大学院生、学生を対象とした教員自主セミナーを実施しています。特別支援、情報教育、教科学習、学級づくりなど様々な分野でのセミナーは年間100近くになります。教育現場での課題解決に結び付くセミナーに、ぜひ参加してください。【担当】・実習コーディネーター【最近取り組んでいること】・学校経営・学校評価・地域教育協議会・メディアリテラシー・校務の情報化・ICTを活用した教科指導・国語教育・教師教育教授(学校教育実践研究センター)石いし野の 正まさ彦ひこ研究内容及び指導内容授業者として「学ぶ喜び、分かる喜び、できる喜びを感じる授業」を基本に、生徒が「習う」から「学ぶ」への転換を図れる授業を心がけてきました。ポイントは分かったことを自分の言葉で伝えることです。そこで「自分が分かって50点、人に教えることができて100点」をスローガンにした、リトルティーチャーのシステムを導入し、学びの質の転換を図るよう配慮しました。その際に学びの集団の基盤となる学級づくりを大切にしました。管理職時代は前記の基本を踏まえた上で、「学校はすべての生徒が心を開き、安心・安全に学ぶ場」の考えを中心に学校経営を行いました。その際、生徒のために「アクティブに動く教職員集団の育成」を念頭に置き、教職員と共に考え・歩んできました。地域に信頼され、地域に愛される中学校を、生徒・保護者・地域・教職員と作ってきました。その中で中学校教育充実の大きなポイントに小中連携や保護者連携(幼保時代から)もあると考えています。また、キャリア教育は生涯学習にも繋がる、学校教育の非常に重要な柱と捉えています。中学校キャリア教育は入学と同時に始まり、卒業と共に終了し、その中心に職場体験があると考えています。その考えの下、上越市内の全中学校が5日間の職場体験を実施する基盤づくりをしました。さらに、私たち人間の心と身体を作る基礎は食にありと感じ、食育についても積極的な指導をしてきました。便利になったがゆえにおろそかになりがちな食を考え直すことは、義務教育段階だからこそ重要だと感じています。これら現場から学び築いてきたものを、教職大学院で学ぶ皆さんに伝えながら、皆さんと共にさらに深めたいと思います。その他新潟県の公立中学校に37年間勤務(内3年間は海外日本人学校勤務)。理科・数学科教諭として県内5中学校で勤務後、教頭(4年)、校長(12年)の経験を経て平成25年度より上越教育大学勤務。教職大学院の学校支援プロジェクトを円滑に実施できるよう、学校と教職大学院とのパイプ役を務める。【担当】・実習コーディネーター【これまでの実践研究、興味がある分野】・キャリア教育と職場体験・学校経営と生徒指導・学校教育と保護者連携・食育・幼保小中連携特任教授佐さ藤とう 賢けん治じ教職大学院教員スタッフプロフィールJoetsu University of Education35

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