平成28年 教職大学院案内
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院生学校運営リーダーコース修了生修了生院生学校運営リーダーコース修了生修了生教員という仕事は、自分が行った指導は本当に正しいのだろうかと思い悩むことが多いと思います。その上、自分の指導について検証したり、指導の根拠を見いだしたりする時間はありません。私にとっての教職大学院での学びは、そんな今までの自分の実践を振り返り、新たな実践を学ぶ時間でした。特に、学校支援フィールドワークを通し、講義等で学んだ実践や自分の実践には、数々の理論的裏付け、効果があることを学びました。この学びが今の自分自身の支えとなっています。また、大学院で得た人とのつながりは、他県の教育を知るだけでなく、解決の糸口を見いだす力を与えてくれる貴重なものです。自分の目指す「児童・学級の姿」をより具体的に描き、具現化させるにはどんな手立てを講じればいいのかを現職院生の実体験を聞きながら考えることができました。また、それを実践できるフィールドワークの中で他の院生から率直な助言を得られたことや様々な学級の実態を知ることのできる現場に身を置いたことで、学級の状態を客観的に見る力を培えたと感じています。目指す「児童・学級の姿」の実現に向け、「ルールが徹底されてきたからふれあえる量を増やしていこう」「こういう姿を目指すから、この子とこんな風にかかわっていこう。」というように戦略を持って学級経営を進める大事な視点を得ることができたことは、現在教師としての大きな財産となっています。教職大学院の二年間は、徹底的に自分と向き合う日々の連続でした。「なぜ、教師になるのか」、「教師になって何をするのか」という志を確立するために、内省を徹底的に繰り返しました。本学のカリキュラムである学校支援フィールドワークやリフレクションは、実践と振り返りを繰り返すことで、この思考サイクルを生み出す目的があったのだと実感しています。この二年間は、私の教師としての「基盤」を形成するためにあったのだと考えています。この二年間がなければ、私は志も、夢も、理想も、目的もない教師になってしまっていたと思います。皆さんが本学で教師としての「基盤」をより強固にしていただけることを願っております。小学校で主任を務め、その立場から学校を考え発言してきました。しかし、発言するたびに「経験だけからの判断でしかない」ことも心の中で感じていました。「自信をもって伝えたい」、それが私の大学院進学のきっかけです。2年間の大学院での学びは、予想以上のものとなりました。例えば、授業については、国際比較や歴史的検討など、いろいろな視点から捉え、理論的に学ぶことができました。また、学校支援フィールドワークでは、授業を客観的に捉える機会となりました。支援チームで「目指す授業」を納得できるまで追究し、支援校の先生方と協働して「学びを創り出す」取り組みができました。そして、最も大きな収穫は、学内はもとより他大学の様々な研究分野の先生、出身、年齢、校種の異なる仲間とのつながりができたことです。このつながりを大切にし、学び続ける意欲をもって進みたいと思っています。教育法規や国・地方自治体の教育政策等の法的根拠を踏まえながら、現在の教育的課題やこれまで実践してきた教育活動等について研究するすることが、私自身の教職大学院での2年間を通じたテーマでした。また、小学校や中学校を主なフィールドとする学校支援プロジェクトでは、他の院生やアドバイザー、さらには支援校の先生方と協働しながら学校改善に向けた取組に参画しました。これまで、学校や生徒を「内からの視点」でのみとらえていた私にとって、それらを「外からの視点」でとらえ直すという経験は、非常に貴重なものでした。教育法規を踏まえた研究により教員としての視野を広げるとともに、複数の視点から学校や教育をとらえることができた教職大学院での経験は、現在の教育行政の現場でも大いに活かされています。「教員として、自分はどんな足跡を残してきたのだろう」という気持ちや、「これからの学校教育はどのようになっていくのだろうか」といった疑問を抱いたことはありませんか?また、「他県や異校種の教育現場の空気を直に吸ってみたい」という思いにかられたことはありませんか?上越教育大学教職大学院のカリキュラムには、このようなことについてじっくり考える時間と、解決につながる多くのヒントがあります。さらに、自分の思いや悩みを共に語り合える仲間がいます。入学して1年が経過した今、ぼやけていた教員としての目標が、少しずつクリアになってきました。中堅教員としての自分自身を見つめ直すことは、今後の教員生活の活力となることを実感しています。安田 和可子(平成24年3月修了・静岡県下田市立浜崎小学校教諭)鈴木 文哉(平成26年3月修了・神奈川県足柄上郡松田町立松田中学校教諭)荒川 紗央里(平成23年3月修了・栃木県小学校教諭)吉田 恵利子(現職院生・小学校教諭・新潟県派遣)小関 保仁(現職院生・小学校教諭・宮城県派遣)田中 謙一(平成22年3月修了・新潟県教育庁高等学校教育課指導主事)修了生・院生からのメッセージJoetsu University of Education38

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