平成28年 教職大学院案内
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 上越教育大学の教職大学院では、刻々と変わる教育現場の状況を即時に判断し、適切に対応しながら教育実践を展開していく「即応力」を育成することを目的としています。「即応力」とは、研究過程と一線を画する、まさに教育実践を特徴づけるコンセプトです。一方、私たちは、この「即応力」を真に実現するためには、それを支える「臨床力」と「協働力」を育成することが必要不可欠であると考えました。即応力「臨床力」とは、学問知と実践知の動的なバランスを保持する力で、実践のただ中に身を置き、学問知を用いて教育実践の記録・分析を行い、それに基づいて実践知を組み替えていく力のことです。また、「協働力」とは、教員同士はもちろん、保護者や地域の人々など、様々な人々とのつながりを持ちつつ課題を解決していく力や、人々の中に協働性を構築する力のことです。そして、これらの力は、常に動いている学校現場の教育課題を解決する教育実践の過程の中でこそ、より効果的に学ぶことができるのです。 最近の教育学研究は、文献による研究や実験室での研究ばかりではなく、現実の教育現場に密着した研究が行われるようになりました。 上越教育大学がこれまでに積み上げてきた臨床的な研究成果、すなわち、臨床的な実態把握や提言を基本的に活用しながら、本学教職大学院では具体的に教育現場の教育課題を解決する「臨床力」を育成します。臨床力今までの大学院では、様々な講義・演習を受け、それに関する研究を行うことを通して、教師としての能力を高めてきました。大学院修了後に、学校現場において、その能力を生かして、学校の様々な教育課題を解決することが期待されてきました。即ち、学校の教育課題を「いつか」解決するために、そのための基礎的・基本的な講義・演習を受け研究をするのが、今までの大学院でした。一方、教職大学院では、在学中に「いま、ここに」ある現実の学校の教育課題を解決する過程に参画する教育実践に取り組みます。こうした現実の学校の教育課題を解決する実践過程の中で、経験を通して「臨床力」を育成するのです。本学教職大学院では、「即応力」「臨床力」「協働力」の育成を前述の連携協力校等において、後述する「学校支援プロジェクト」を中核とした本学教職大学院ならではの特色あるカリキュラムによって実現します。実際に教育課題を解決する経験を通して解決能力を高める訳ですが、教職大学院ではこのような現実の学校の教育課題を解決する過程に参加する授業を実現するため、後述する特色あるカリキュラムによって教育を行います。3つのキーワード「即応力」、「臨床力」、「協働力」って何ですか?Joetsu University of Education6

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