平成29年度上越教育大学 大学案内
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(1)教育方法臨床 「子どもの個性が輝き・子ども一人ひとりの学びが生きる」ことを実現する教育方法を多面的に考えることが教育方法臨床のキーコンセプトです。そのために次のようなプログラムを用意しています。 第1に,子どもの学びの本質を理解し,授業構成の方法を,授業実践をフィールドとして研究し,実践的力量を高めていきます。 第2に,専門的な文献や資料を丹念に読み,教育課程を総合的に検討できる理論的な基礎を学んでいきます。 第3に,学級におけるコミュニケーションについて,授業実践をフィールドとして研究し,授業検討の能力を高めていきます。(2)学習過程臨床 学びの中で子どもたちは,問題場面に対し自らの持てる力を結集し,自分なりの理解を作り上げ,そして世界の新たな側面や自らの新たな可能性に気づいていきます。 こうした子どもの学びを支援できる教師をめざすために,学習過程臨床では,子どもの学習場面に寄り添いながら,一人ひとりの学びがどのように成り立っていくのかを共感をもって見つめていくこと,そこでとらえたことに基づき子どもの学びがさらに発展するための手だてを考え出していくことに取り組んでいきます。 こうした取り組みのために,学習場面に焦点を当てる「学習場面観察基礎」「学習場面臨床学」や,教科での個々の子どもの学びの様子に焦点を当てる「国語学習過程論」「社会科学習過程論」「数学学習過程論」「美術表現学習過程論」,教育実践のあり方を社会学や心理学の理論から考える「学習と相互行為」「学習臨床支援基礎」などの講義を準備するとともに,教育実習にもより重点を置き,講義・演習と教育実習とを関わらせながら,子どもを見つめ支援する力を理論的にも実践的にも高めることをめざします。(3)情報教育 これからの学校教育では,情報教育を推進することが大きな課題となっています。情報教育は,a.情報活用の実践力の育成,b.情報の科学的な理解の形成,c.情報社会に参画する態度の形成をめざしています。 そこで,情報教育領域では,情報教育カリキュラムの開発,情報教育を目的とした授業の設計と授業実践及び授業分析評価改善方法,学習課題を解決するためのメディア活用の方法,学習活動を支援するための教材開発及び学習環境開発等に関して,理論的・実践的に内容・方法を検討します。そして,情報教育の実践に関する教師としての資質の向上と能力の習得をめざします。さらに,情報教育の推進するための校内・地域リーダーとしての資質の向上と能力の習得をめざします。 そのために,情報活用能力の育成に関する理論的・実践的な内容を体系的に習得することができるように講義科目が用意されています。演習・セミナー等においては,実践研究,開発研究,実証研究を実際に行うことを通して,授業実践の力量を身に付けるとともに,研究の基礎となる知識の習得と研究・実践に関する考え方の体得をめざしています。(4)総合学習 総合学習領域では,小・中・高等学校における「総合的な学習の時間」や,学習者の主体性と既存教科の枠組みを越えた横断的で柔軟性のある「総合学習」に関する教育実践と理論の統合をめざしています。 そのために,これからの変化の激しい時代に求められる,自律的・創造的・協調的な生活実践力を育む学びを支援する教師としての資質の向上と能力を養います。さらに,家庭・地域との連携を図りながら,教師の日々の創意と工夫の積み上げによる総合的なカリキュラムづくりをする能力を,教育実践・省察・改善を通して育成します。開講科目として,「野外体験演習」「地域文化教育論」「国際交流体験演習」など,体験的・実践的で問題解決的な学習や,学部学生と総合学習領域の大学院生や全教員とが一体となった協同的な学びを重視しています。10Joetsu University of Education 大学案内 2017

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