平成29年度上越教育大学 大学案内
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臨床心理学コース 現在の学校現場では,いじめ,不登校,ひきこもり,非行,虐待,発達障害など,子どものこころに関するさまざまな問題に対応することが求められています。『臨床心理学』コースにおいては,教科を教える力だけではなく,子どもの内面についても理解する力を身につけることを目指しています。「こころ」の問題は実に多様であり,さまざまな悩みや症状となって現れます。子どものさまざまなこころの問題を理解し,解決できるように援助する心理療法の理論と技法について専門的に学ぶことができます。学校現場での教育相談や生徒指導に生かすことができる専門性を身につけることを目指します。 希望する教科の免許を取得することはもちろん,カウンセリング技法をはじめ,子どもたちとかかわる力を育てる技術も身につけることができます。このような技術は,学校現場で学級経営に生かすことができます。 教員は全員がさまざまな現場での経験豊富な臨床心理士の有資格者であり,実践に基づいた指導を行っています。 また学校現場に関心を持ち,さらに臨床心理士を目指す方は,大学院修士課程へ進学してより専門的に学ぶことができます。臨床心理学コースの大学院修士課程は,日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定大学院であり,実習の充実をはじめ,高い評価を得ています。本コースへ進学することにより,修了と同時に臨床心理士の受験資格が取得できます。修士課程修了後は,スクールカウンセラーをはじめさまざまな分野で実践家として活躍できる人材の育成を目指しています。生徒指導総合 『生徒指導総合』では,不登校,いじめ,暴力など現代社会の子どもをめぐる問題や,学級運営や学校経営,教育行政や保護者・地域社会に関わる問題などを総合的に研究します。これら様々な教育問題について考え,その具体的な解決方策を探ることを通じて,将来,教師あるいは教育に関わる仕事に就こうとする学生諸君に必要な,高い技能と識見を身につけることをめざしています。 現代の学校が抱える複雑な問題を解決するためには,個別的・技術的な対処法だけでなく,学校教育に関する根本的な理解を踏まえることが不可欠です。このため『生徒指導総合』では,子どもや教師という個人に注目する観点から,学校を支える社会や国・自治体の行政,教育の歴史や理念といった大局的で大きな観点までを包括的に視野に入れています。具体的には,以下のような3つの観点から研究を進めています。(1)生徒指導の基本である児童・生徒の自己指導力をはぐくむための具体的な理論と方法を学びます。そのために,キャリア教育,特別活動,道徳教育,生徒指導や教育相談など,教科以外の教育活動に関する科目が幅広く用意されています。(2)学校教育を支える組織的な活動や仕組みについて学びます。学級,学校という組織,教育に関わる法規や制度などについて学ぶことにより,実行可能な解決方策を立て協同して取り組める指導力ある教員をめざします。(3) 学級内の教師と子どもとの関係,子どもの仲間集団,学校の雰囲気や風土,学校と家庭や地域との関係,社会環境と子どもの歴史的な変容などについて,観察や質問紙調査,文献資料による科学的な研究手法を通して学びます。学校心理 『学校心理』では,学校や家庭における子どもたちの多様な「心と行動の現象」を心理学の視点から総合的に理解することをめざしています。子どもの認知的・社会的発達や学習のプロセス,それを支える多様な人間関係,個性の確立と危機など,子どもたちの心を多角的に探求するとともに,彼らの発達と学習を適切に援助していくための理論と方法を追究しています。 そのためのカリキュラムとして,心の発達,学習,学級集団などの心理学の各領域にわたる授業科目が用意されています。また,心と行動について調べるための調査・実験法とデータ解析法を,実習・演習を通して詳しく学びます。知識だけでなくそうした科学的で実践的な方法と態度を学ぶことによって,子どもたちの心によりよく働きかけ,また今日的な心の問題にも取り組むことができるような教員を養成しようとしています。 大学院修士課程との一貫性を重視したカリキュラムを編成していますので,さらに大学院へ進学してより専門的に研究を進めたい場合にも,スムーズに移行することができます。11Joetsu University of Education 大学案内 2017

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