平成29年度上越教育大学 大学案内
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社会系コース 社会科に関連する人文科学・社会科学・自然科学の諸領域について総合的・専門的な研究・教育を行います。この目的を達成するために,①社会認識の歴史的変遷の跡をたどること,②社会構造を明らかにすること,③これらの研究成果を教育実践に有機的に関連づけること,以上の諸点を重視しています。1年次では人間教育学関連科目の学習が中心となりますが,2年次からは,歴史学,地理学,法律学,政治学,経済学,社会学,哲学,倫理学,宗教学,社会科教育の講義や実験の履修が始まります。さらに,3年次からは多数の専門科目や専門セミナーの科目が開講されます。具体的には,歴史学,地理学,法律学,政治学,経済学,宗教学,社会科教育の講義及び文献講読が開講されると共に,卒業研究へ向けての各分野の専門セミナーが始まります。専門セミナーは4年次にも開講され,2年間にわたって,きめの細かい指導を受け,卒業論文を作成することになります。 また,野外に出て実践的な調査法を学ぶ地域調査法が歴史学,地理学とそれぞれ開講されていること,教育実践力を養う実践セミナー「社会」が開講されていることも本コースの特徴です。 以上のように,社会系コースは各分野の専門性を保ちながらも,その学際性を生かすことに留意し,意欲のある学生を心から歓迎しています。自然系コース 自然系コースは,『数学』と『理科』の2つの科目群で構成されています。数 学 『数学』は,数学や数学的な考え方に興味をもち,それを発展させて,教育に生かしてみたいと思う人のためにあります。小学校の算数教育の中心的な存在になれるような教員の養成,中学校及び高等学校の数学科を担当できる教員をも養成することを目的としています。 『数学』には,代数学,幾何学,解析学,確率論・統計学,コンピュータ,数学科教育の6つの領域があります。それぞれの領域における講義内容の主な特徴は次のとおりです。 代数学,幾何学,解析学,確率論・統計学の領域では,それぞれに対応する現代数学の初歩的内容とその基本的な考え方を講義します。コンピュータの領域では,初歩的なプログラミングの実習を行い,コンピュータの仕組みやその限界について体験的に学ぶ機会を提供します。数学科教育の領域では,算数・数学の教材分析や授業分析などを通して,その背景にある算数・数学教育の理論や指導法について講義します。 特徴的なものを挙げると,第1に,3年次の授業科目「実践セミナー」において,大学院生と一緒に算数・数学のマイクロティーチングを行うことです。授業を見据えた教材分析,授業の仕方,教師と子どもの相互作用などについての議論を通して算数・数学教育実践について学びます。さらに,授業で扱われた教材の数学的背景について考察し,教材の発展の仕方について学びます。第2に,3年次から開始される専門セミナーⅠにおいて,学生は各教員に2,3名ずつに分かれて,数学(代数学,幾何学,解析学)や数学教育学のゼミを行うことです。これは4年次の専門セミナーⅡへと引き継がれ,卒業研究へと発展するものです。数学のゼミでは,主に数学の専門書を人間が考え出したものとして読み解き,それを発表し合います。これを通して算数・数学を教えるときに大切な人間の活動としての生きた数学やその奥深さを体験的に学びます。数学教育学のゼミでは,例えば,算数・数学教育の一つの教材について深く調べたり,その背景にある数学や教育思想について考えたり,あるいは,実際の授業や子どもの活動の様子を分析したことを発表し合います。 これまで数多くの卒業生が,全国各地の小中学校の教員として活躍しています。最近では,本学大学院に進学し,より高い実践力を身につけて教職に就く人も増えてきました。また,数学の知識を生かして企業に就職する人もいます。理 科 『理科』は,自然に興味関心をもち,積極的に自然の研究に取り組む意欲のある人を歓迎します。科学クラブなどの経験をさらに発展させてみたい人,実験や観察に興味のある人,パソコンの利用に関心をもっている人などを待っています。科学研究の体験を踏まえて自分自身を発見し,次世代の教育に生かしてみませんか。 『理科』では,理科の教材研究やその指導法および自然現象の基礎的な教育と研究を行っています。学生は講義,演習,実験,セミナー等を中心に受講します。第3年次からは,指導教員のもとで卒業研究をはじめることになります。これらを通して,自然科学の広い視野と深い素養をもち,理科の教育指導に先導的な役割をはたす人材の育成につとめています。14Joetsu University of Education 大学案内 2017

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