平成29年度上越教育大学大学院案内
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19 臨床心理学コースは日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定校で, 修了と同時に臨床心理士の受験資格を得ることができます。 「こころの問題」が複雑化・多様化している現代社会において,臨床心理士には高度な専門性が求められています。本コースでは,こうした社会的要請に応えるべく充実した教育カリキュラムを用意しています。修士1年次には,臨床心理学の理論や関連領域に関する知識を学ぶことに加え,さまざまな関連領域の施設において見学実習を行っています。また修士1年次の後期から附属の心理教育相談室において教員の指導のもと心理相談を担当します。修士2年次には精神科病院や教育センター等において実習を行っています。 本コースの修了生は,教育現場のみならず,医療・保健,福祉,司法・矯正,産業など幅広い分野で活躍しています。学校教育専攻最近の学位(修士)論文題目●関係的自己の可変性と精神的健康との関連-親子と友人場面における比較-●教師研修プログラムが特別な支援を要する児童生徒の行動問題支援に及ぼす効果●発達障害のある児童に対するセルフモニタリング手続きを取り入れた社会的スキル訓練の場面般化への効果●自己志向的完全主義と精神的健康の関連-認知された養育態度と愛着スタイルに着目して-●自己受容・他者受容のバランスとコミュニケーション・スキルの関連●体験の回避と認知的フュージョンが怒りの維持モデルに与える影響●発達障害者の示す問題行動の機能査定に関する研究-Motivation Assessment Scale を用いた行動頻度および複合機能の分析-●周囲からの利用期待が大学生の学生相談室に対する被援助志向性に及ぼす影響●アレキシサイミア傾向とストレス反応性との関連●小学校新任教員が先輩教員に求める職場内のソーシャル・サポート-先輩教員が行うサポートとの比較検討-●児童の学校生活における役割と学校適応感との関連●自己呈示欲求と対人不安との関連●小学校教師における教師レジリエンスとバーンアウトとの関連●心配に関するメタ認知的信念と入眠困難との関連●職業決定および職業忌避的傾向に関連する要因の検討●心配に関するメタ認知的信念と問題解決能力が心配に与える影響●青年期における居場所と文化的自己観および精神的健康の関連※過去の学位論文リストについては,本学ホームページ(附属図書館→データベース検索)でご覧いただけます。電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp2016年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等 practitioner & scientist のスタンスから,不安のさまざまな表現型をとる状態やOCDスペクトラム,ホーディングへの心理臨床実践と研究と,自己の成熟状態と謝罪や感謝,ユーモアなどの対人関係における言語的および非言語的コミュニケーションおよび文化的差異に関する研究を行っている。また,バイオ・サイコ・ソーシャルモデルを用いたヘルスサイコロジーの観点から,さまざまな領域(医療・保健福祉・教育・子育てなど)でのヘルスプロモーションとリエゾン・コンサルテ-ション精神保健活動を進めている。教 授 五十嵐 透子(いがらし とうこ) 025-521-3364 igarashi 主として, 行動・情緒障害,発達障害等の児童生徒への学校や家庭・地域社会での支援に関する臨床心理学的研究を行っている。また, 行動療法, 応用行動分析, 認知行動療法といった心理臨床の方法論や,学校・教員・施設職員等へのコンサルテーションに関する実践的な研究も行っている。教 授 加藤 哲文(かとう てつぶみ) 025-521-3392 tetubumi 小・中・高校における教師のバーンアウトの対策や予防について研究を進め,さらには教師のメンタルヘルス改善に関する研究を行っている。またクライエントの「〜ない」,「〜しないといけない」という否定文の作用についても研究を進め,さらには臨床心理面接におけるクライエントの発話について語彙分析を用いて分析を行い,面接プロセスを実証的に検討している。主要論文:「中学校教師のバーンアウト傾向に関連する要因の検討」 2012年 学校メンタルヘルス,15,101-118.教 授 宮下 敏恵(みやした としえ) 025-521-3363 miyasita 描画法の有用性を高めるために,描画法(主にS-HTPP法)やその臨床的な用い方を検討している。また臨床心理士の専門性を向上させることを目標に,臨床心理士の専門職アイデンティティの形成要因や発達過程の研究も行っている。主要論文:描き手が自身の描画を振り返ることの心理臨床学的意義(心理臨床学研究30(3),309-320,2012)講 師 近藤 孝司(こんどう たかし) 025-521-3376 kondo ネガティブな思考の制御困難性を研究テーマとして取り上げている。認知行動論や自己制御の観点から, ネガティブな思考の制御困難性のメカニズムを理解するとともに,その低減に向けた支援方法を洗練することを目標に研究を行っている。主要論文:「実行機能とマインドフルネス」2015年.心理学評論,58(1),139-152.講 師 田中 圭介(たなか けいすけ) 025-521-3368 keisuke臨床心理学コース

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