平成29年度上越教育大学大学院案内
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21 本コースは,障害のある幼児児童生徒の教育的ニーズに応じて適切な指導と必要な支援を行うことができるように,教育の現場で直接活かすことができる実践的指導力を持つ教員の養成を目標としている。教育課程は,専門的な知識に関する講義だけではなく,特別支援学校をはじめとする種々の教育現場への視察,日本特殊教育学会等への参加,特別支援教育実践研究センターでの臨床実習で構成されていることが大きな特徴で実践的な臨床指導を重視している。 対象とする特別な教育的ニーズのある児童生徒等は,知的障害,肢体不自由,病弱,視覚障害,聴覚障害,言語障害,情緒障害,重複障害,発達障害と多岐にわたっている。それぞれの障害に対して,教育,心理・生理,診断法,指導法などの分野から多角的にアプローチしており,これからの特別支援教育が直面するあらゆる問題や課題に対応できるよう配慮されている。 また,本コースでは,特別支援教育についての実践経験や学習経験をもたない者に対しても,専門的教員としての知識・技能を獲得することができるように,基礎的な内容から応用的,実践的な内容へと段階的な教育課程を構成している。これまでも,特別支援教育とは異なる分野を学んできた学部卒の学生や特別支援教育の経験がない現職教員も多数学んでいる。 大学院修了後,現職教員の場合は各都道府県の学校に戻り,研究部の主任や特別支援教育コーディネーターを務めるなど指導的な役割を果たしており,最近では,指導主事や管理職として活躍している者もいる。学部卒の学生については,小・中学校や特別支援学校の教員をはじめとして,学校・病院等の心理職,施設職員などとして幅広く活動している。また,近年では,大学院博士課程に進学する者もいる。 本コースでは,特別支援学校(視覚障害,聴覚障害,知的障害,肢体不自由,病弱の5領域)の専修・一種・二種の教員免許状を取得することができる。なお,特別支援学校の免許状以外の基礎免許状(一種)を既に所有している場合には,修士課程の他コース(科目群)の単位を修得することにより,それを専修免許状にすることが可能である。基礎免許状を所有していない者については,教育職員免許取得プログラムを受講することにより,特別支援学校の免許状に併せて基礎免許状を取得することが可能である。学校教育専攻電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp2016年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等 聴覚障害児の言語能力及び言語指導法を研究領域とし,特に乳幼児期のコミュニケーション能力の発達及び学童期の言語発達を臨床的に研究する。著書:『改訂版 聴覚障害児の言語指導〜実践のための基礎知識〜』(田研出版,2011年)教 授 我妻 敏博(あがつま としひろ) 025-521-3382 agatsuma ※1 視覚障害児の心理学及び指導法に関する臨床的研究を行う。また,学習障害児の学習支援方法に関する臨床的,実践的研究も行う。論文:点字とディスレクシア(特別支援教育実践研究センター紀要,第17巻,2011年),小集団を活用した特別な教育的ニーズのある子どもの学習支援(同,第18巻,2012年)教 授 大庭 重治(おおば しげじ) 025-521-3384 sohba 言語障害のある子どもの指導法,知的障害児や肢体不自由児にみられるコミュニケーション障害の指導法について,自立活動の指導の観点から教育・研究を行う。論文:特別支援教育における難聴・言語通級担当教員の専門的力量形成に関する研究(上越教育大学研究紀要,第27巻,2008年)准教授 藤井 和子(ふじい かずこ) 025-521-3388 fkazuko 知的障害児や自閉症児の教育,特に応用行動分析に基づく個別指導や小集団指導における指導法に関わる実験研究,授業づくりに関わる臨床研究を行う。著書:『困ったからわかる,できるにかわる授業づくり』(明治図書,2015年),『知的障害児の指導における課題遂行の促進』(溪水社,2015年)准教授 村中 智彦(むらなか ともひこ) 025-521-3391 muranaka 障害児教育の行政,制度,歴史を研究領域とし,わが国と欧米諸国について比較教育学的観点から教育・研究を行う。主な著書:『特別支援教育-理解と推進のために-』福村出版 2011年,『理解と支援の特別支援教育』コレール社 2009年教 授 河合 康(かわい やすし) 025-521-3383 kawai 肢体不自由児の特性に応じた教育課程・指導法や生活を見すえた支援のあり方等について,自立活動の実践,個別の指導計画作成・活用,個別の教育支援計画作成・活用等の視点から研究・教育を行う。論文(共著):肢体不自由児が在籍している特別支援学校における理学療法士の活用について(特殊教育学研究,第51巻第2号,2013年)准教授 笠原 芳隆(かさはら よしたか) 025-521-3387 kasahara 視覚障害児(者)の読みに関する心理学的研究を中心に,視覚・知的障害児(者)の触読技能と触覚的コミュニケーションの研究も行う。また教育と医療の連携についても構想している。論文:重度視覚障害者への触読支援についての一考察 ―点字触読研究からの福祉心理学的提案― (福祉心理学研究,第12巻第1号,2015年)准教授 佐藤 将朗(さとう まさあき) 025-521-3379 smasaaki 病弱・身体虚弱児における適応の評価と支援に関する研究を行う。特に健康行動と関連がある自己認知について実践的に研究する。論文:病弱・身体虚弱教育における精神疾患等の児童生徒の現状と教育的課題(小児保健研究,第72巻4号,2013年)准教授 八島 猛(やしま たけし) 025-521-3351 yashima 聴覚障害者を対象とした環境音認知に関する実験的研究や講義場面における情報支援に関する研究,また認知・行動面に困難を有する聴覚障害児の指導法に関する研究を行っている。論文:聴覚障害者の視覚情報処理に関する研究の動向(上越教育大学特別支援教育実践研究センター紀要第20巻,2014年)講 師 小林 優子(こばやし ゆうこ) 025-521-3674 yuuko 知的障害・発達障害児を対象に,認知発達のアセスメントと支援に関する研究を行う。特に,思考や行動をコントロールする能力(実行機能)について実験的研究を進める。論文:Stroop/reverse-Stroopinterference in typical development and its relation to symptomsof ADHD(Research in Developmental Disabilities, 34, 2013)助 教 池田 吉史(いけだ よしふみ) 025-521-3390 yosifumi特別支援教育コース

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