平成29年度上越教育大学大学院案内
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23 言語の本質と機能,言語表現,言語芸術(文学)に関する総合的研究を基盤とし,言語・文学及び言語系教科教育に関する専門的な研究・教育を行います。「国語」と「英語」の科目群から構成されています。教科・領域教育専攻最近の学位(修士)論文題目●太宰治「富嶽百景」における不信と再生 ●金子みすゞ研究-大正童謡運動における位置づけ- ●『万葉集』における風-表現をめぐって-●中等教育における文学教材を対象とした読みの指導方法に関する研究−「分析批評」の観点精選を中心として-●物語教材を読み解く方法の開発に関する研究-エピソード間に仕掛けられた意味の関係を読み解く方法の提案-●読むことの授業における学習者の反応-要点駆動の読みを促す学習者像の検討-●絵本の理解過程と表現に関する研究 ●コーパスデータを用いた一人称代名詞「うち」の研究●義務教育段階における日中の書写・書法教育の比較研究-カリキュラムと教材教具を中心に-※過去の学位論文リストについては,本学ホームページ(附属図書館→データベース検索)でご覧いただけます。言語系教育実践コース 「国語」は,「国語科教育」「国語学」「国文学」「書写書道」の4つの領域により構成されています。 「国語科教育」は,教科教育としての国語に関わる理論を専門的に学ぶだけでなく,具体的な指導法の構築を目指し,どのような授業を行えば学習効果が上がるのかなどの臨床的なテーマも扱います。したがって,ここでは関連する理論の紹介やその内容についての理解と検討,具体的な教科書教材の解釈やそれに基づく指導法の検討,実際の授業場面の分析などを通して,課題を包括的にとらえながら焦点化した研究となるような指導が行われます。 「国語学」は,語彙,語法,方言,文体,解釈の問題などの観点から,日本語についての専門的な知識を深めます。歴史的な文献,現代語の文献を対象とするだけでなく,現実に行われているコミュニケーションの実態についても取り上げます。具体的な事象を分析・考察し,研究論文にまとめていきますが,国語科教材の開発・研究に役立つ基礎的な視点と方法を学ぶことで,実践の場にもいかせるような研究を目指します。 「国文学」は,古典文学や近・現代文学作品を読解するために必要な種々の方法を学びながら,学習者それぞれが文学作品のもつ特質や時代・文化との関わりを明らかにすることのできる力を養成する授業を用意しています。個々の研究課題に十分な成果がもたらされるよう,それぞれの研究課題や能力に応じた具体的で実効的な指導を行っています。 「書写書道」は,国語科書写の授業を中心とする「文字を書くこと」の学習とその基礎・周辺理論について扱います。従来の書道研究だけではなく,私たちが日常において書く行為や書き表された字形などについての研究,書写の実践と子どもたちが書く文字なども対象となります。授業は,字形,筆順,書字動作などについて具体的に考察し,国語科書写の教材化に役立つ内容を中心にしています。 修了生の多くは,小学校教員をはじめとして,中学校・高校の国語科教員として各方面で活躍しています。また,本学や本学以外の博士課程へ進学する場合も多く,修了後数年をかけて大学に研究者として就職する人もいます。国 語電子メール:氏名の横のアルファベット表記 @ juen.ac.jp2016年度担当教員と研究・教育の領域,主要著書,論文,作品等 書写教育を担当。書写指導の内容論とその基礎としての,手書き文字および書字行為の研究を専門領域とし,筆記具の持ち方・筆順・字形等の諸相に関する研究を主とする。「汎用性と合理性という視点からみた書写教育の基礎についての試論」(『書写書道教育研究』14号)他。教 授 押木 秀樹(おしき ひでき) 025-521-3317 oshiki 国文学,主として近代・現代文学の分野を担当。三島由紀夫を中心とした昭和文学研究,宮沢賢治・小川未明等の童話研究を主とする。『論文集成三島由紀夫』(若草書房),『童話論宮沢賢治 純化と浄化』(蒼丘書林),『小川未明全童話』(日外アソシエーツ・紀伊國屋書店),『文学の体験』(永田印刷出版部)他。教 授 小埜 裕二(おの ゆうじ) 025-521-3316 yuji 国語科教育を担当。話しことば教育研究, 授業研究を専門領域とし, 主として「話し合い」活動を対象とした研究を行っている。教室における談話の構造および聴解過程の解明を中心テーマとし,学習者に応じた指導法の考案,教材の開発について考察を進めている。准教授 迎 勝彦(むかえ かつひこ) 025-521-3325 mukae 国文学,古代・中世文学の分野を担当。隠者文学・説話・物語の研究を主とし,古典文学の近代文学における受容と変容を課題とする。『兼好 人と文学』(勉誠出版,2005),『西行 長明 受容と生成』(勉誠出版,2005),「漱石と方丈記」(『日本文学』1983 ・12), 他。教 授 下西 善三郎(しもにし ぜんざぶろう) 025-521-3319 simonisi ※1 日本語学, 主として語彙論, 語用論, 文章研究の分野を担当。現代日本語の表現行為および理解行為に関係する言語運用の諸相を, 上記分野の枠組で研究することを専門領域とする。准教授 髙本 條治(たかもと じょうじ) 025-521-3318 takamoto 国語学,主として日本語の変種研究の分野を担当。方言や海外の日本語に目を向け,「多様性」をキーワードにした記述研究を展開する。「福島方言の文末イントネーション」(『日本語文法』11-1),「海外の日本語と方言―ブラジル日系社会における東日本出身者たちの西日本方言形使用―」(『方言の研究』創刊号)他。講 師 白岩 広行(しらいわ ひろゆき) 025-521-3327 shiraiwa 国語科教育, 主として国語教育史, 教師の意思決定研究の分野を担当。大正期の作文教授理論を中心とした指導過程の比較研究,及び授業における教師の即時的な判断について,特に予想外の応答場面を中心に児童との相互作用的観点からそれらを分析することを専門領域とする。教 授 渡部 洋一郎(わたなべ よういちろう) 025-521-3324 wyouichi

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