平成29年度上越教育大学大学院案内
38/56

37 本コースでは,教職に関わる精深な学識を授けるとともに,理論と実践の架橋・往還・融合を通して,生き生きとした子どもの学びや教師の活動を実現する学校に必要とされる多様な内容の校務を自ら企画・運営していくことのできる「学校において指導的な役割を果たす教員」の養成を目指します。したがって,初等・中等教育において十分な教職経験等を有する者で,特に学校運営に強い関心をもち,更なる職能発達を目指すことを強く志向する人を求めます。 本コースの名称である「教育経営」は,管理職によって担われる狭義のものではなく,教務主任や生徒指導主事をはじめとする中核的中堅教員(ミドルリーダー)が協働して行うものを広く包含しています。このような判断から,本コースでは,教員の能力・関心に応じた二つの内容領域を想定してリーダーに求められる資質能力の向上を図ることを目指しています。 本コースでは,以下に掲げる二つの領域を想定していますが,コースの運営に際しては,その二つを区分することなく,大学院学生が自由に履修できるようにし,幅広いリーダー的資質の育成を目指します。教育実践高度化専攻学校支援プロジェクトテーマ例●読解力向上のための授業研究 ●思考力を育てる「言語活動」の展開 ●算数・数学の授業研究を軸とした校内研修 ●算数・数学教育全般(学習意欲の向上,思考力・判断力・表現力の向上,基礎的な知識・技能の習得,学習指導の改善,連携協力校の研究テーマに沿った取組)●自己肯定感・自己有用感をはぐくむ全人的な教育-生活科・総合的な学習を柱として- ●幼児教育と小学校教育の円滑な接続を図るための教育課程の開発 ●異学年学習と小学校英語 ●人権教育,同和教育を中核とした教育実践のあの方の探究 ●学校と地域を繋ぐ ●思考力育成のための授業研究 ●小中一貫教育の推進に向けた学校経営の改善 ●探究の筋道を切り拓く子どもの育成●児童・生徒が自ら問題を設定し解決する能力を育成する指導法の研究 ●学級の人間関係づくりのための支援●学級を起点とした学校づくりの促進 ●『学び合い』による授業・学校改革 ●学び合う学習集団づくり ●かかわり合う力の育成 ●教科学習における人間関係作り,多言語多文化児童生徒のルーツを尊重した言語と教科学習の支援●「We」(みんな)でつくる学校 ●授業,校務を円滑に進めるためのICT活用,情報教育研究 ●学力保障●指導技術の共有化と授業力の向上 ●小学校における授業改善と指導技術の共有化 ●小中連携した学校経営●学校組織の特徴の分析 ●「汗支援」と「知恵支援」 ●学級経営を基盤とした学力の向上●小中連携による学力向上 ●小中連携と人間関係づくり ●学校と地域・家庭との連携・協働 ●学校運営・学級経営・学年経営の活性化 ●社会学的調査にもとづく指導改善・学校改革●中学校教育全般の支援(学校評価,学校組織マネジメント) ●協同・共生型学校づくり ●特別支援教育の体制づくり●特別な教育的ニーズのある児童の学習支援の充実 ●公教育における宗教の取扱い ●「特別の教科 道徳」の研修体制づくり ●人間関係づくりの基盤となる道徳教育の創造 ●地域に根ざした中学校教育の充実に向けて●生活科・総合的な学習の時間を中核にした教育課程の編成と実施教育経営コース 教育課程・教務領域で養成するリーダーの職能とは,教育課程の編成と実務に関する校務を円滑に行うために必要とされる資質,すなわち,協働能力・企画能力・運営能力・指導助言能力を意味します。従って,題材となる問題の探求に際しては学校運営全体を視野におき,教育課程,教科に関する専門職集団による協働を形成するための優れたリーダーシップに加え,地域に根ざした学校としての取り組みに係る様々な実践的企画能力の育成を目指します。教育課程・教務領域 学年・組織運営領域で養成するリーダーの職能とは,生徒指導・人権教育・危機管理等に関する総合的な資質を意味します。 従って,題材となる問題の探求に際しては,学校運営全体を視野におきつつも,法律や基準に基づいた管理にとどまるのではなく,信頼される学校づくりを支える生徒指導・人権教育・危機管理等の実践的ビジョンを立案し,それを戦略的に実現していくための構想力や企画力,組織マネジメント能力,危機管理能力などの経営的な専門職的力量の育成を目指します。学年・組織運営領域

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です