平成29年度上越教育大学 教職大学院案内
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研究内容及び指導内容学級担任のやるべきことは大きく分けて二つあると言われます。一つは「授業づくり」、もう一つは「学級づくり」です。昨今は、学力向上に大きな関心が払われるようになりました。しかし一方で、学級がうまく機能せず授業そのものが成り立たない学級が出てきているのも現実です。学級づくりができていない状態では、どんな優れた授業プログラムも力を発揮できません。「関係性の成功なくして仕事の成功なし」とは、よく言われることです。これを学校に置き換えれば、良好な関係性が学習の成果を高めると言えます。しかし、その良好な関係性の集団は、何をどのくらい実施すれば実現するのか具体化されていないところがあります。学級集団の機能を高めることによって、児童生徒の意欲が高まり、行事だけでなく様々な教育活動が活性化することが期待できます。学力向上と集団づくりは、別な分野の話のように扱われてきましたが、こうして考えてくると「車の両輪」ではなく、「表裏一体」と言っていい関係にあることがわかります。児童生徒の人生に生きて働く学力は一体どのような授業によって身に付くものなのか、そして、そうした授業はどのような学級ならば可能なのかを追究し、提案していきます。その他新潟県内の公立小学校に19年間勤務。2008年4月より本学に着任。小学校教員の頃より、子どもの意欲を高める学級づくり、授業づくりについて全国各地のセミナーで発信してきた。現在も、研修会やPTAの学習会で講演を行ったり、自治的の教育アドバイザーを務めたりしている。単著書「小学校高学年女子の指導困ったときの処方菱」(2005)、「友だちを「傷つけない言葉」の指導 温かい言葉かけの授業と学級づくり」(2008)、「「気になる子」のいるクラスがまとまる方法」(2010)(以上、学陽書房)、「“荒れ”への「予防」と「治療」のコツ学級づくりの基礎・基本」(2008)(日本標準)、「自立論 子どものやる気を引き出す親になる」(2009)(新潟日報事業社)、「先生のためのアドラー心理学勇気づけの学級づくり」(2009)、「教室に安心感をつくる 勇気づけの学級づくり2」(2010)、「ほめる叱る 教師の考え方と技術」(2013)、「赤坂版「クラス会議完全マニュアル」人とつながって活きる子どもを育てる」(2014)(以上、ほんの森出版)、「スペシャリスト直伝 学級成功の極意」(2011)(明治図書)、「スペシャリスト直伝 学級を最高のチームにする極意」(2012)、「学級を最高のチームにする極意シリーズ」(2015〜)(明治図書)他多数【担当コース】・教育臨床コース・教育経営コース【担当講義】・勇気づけの学級づくり論【プロジェクトテーマ例】・学級経営を基盤とした学力向上・協同的な学習による授業づくり・話し合い活動等による自治的集団の育成・学級に対する適応感を高める学級づくり・学級の良好な人間関、あたたかい雰囲気凝集性(まとまり)を高める学級づくり【包含できる研究テーマ】・自治的集団の育成・協同的な学習による授業づくり・学校生活意欲の向上・社会性の育成教授(実務家教員)赤あか坂さか 真しん二じ【包含できる研究テーマ】・協同的な授業づくり・授業づくりと学級づくりの関係・授業の個別化と協同化の往来・授業を通した人間関係づくり・授業リフレクション研究内容及び指導内容私が小学校現場にいた頃からこだわってきたことが「授業」のあり方です。授業の中で授業の目的を達成する(ことで学力を身に付ける)と同時に、いかにして生活力(特に人間関係を良好に築く力)を身に付けるかということを意識して行ってきました。「授業」は子どもたちの学校生活のほとんどの時間を占めます。つまりは子どもたちの「日常」です。この日常という授業の中で、「学力」と「生活力」が互いに支え合いながら同時に身に付くことができれば今後の社会生活を営む上で大きな力となるでしょう。その際、考えていきたいのは子どもの主体性です。授業の中で「学力」と「生活力」が互いに支え合い、身に付くためには、従来に多く見られた教師の一方的な講義式の授業では難しいです。子どもたちが関わり合いながら目的を達成していくような授業設計が必要です。近年、アクティブ・ラーニングの波を受けて様々に子どもが主体的に活動することを重視した授業実践が発表されています。それらを参考にして、理論と実践の往還をくり返し価値ある授業のあり方を研究し、提案していきたいと考えています。私の27年間の小学校教員人生での活動の中心はNPO法人授業づくりネットワークを代表とする民間教育でした。そこには既成の枠を越えて自分の理想に燃えた授業実践を互いに交流し合える熱い場があります。私がこの場にいるのはこの経験を生かす役割を任されたからと解釈します。民間教育で培った様々な方とのつながりから生み出す創造豊かな実践研究とデータと理論を重視する学術研究を融合した成果を残していくつもりです。その他福島県出身。平成元年より福島県公立小学校教員として採用され27年間勤務。異質からの学びを標榜し数々の新しい提案をしてきた「NPO法人授業づくりネットワーク」の副理事長を担ったり、東北地方で若手教員の実践力を身に付けることを目的として「東北青年塾」を設立したりしました。これらの組織を土台に、集会活動を企画したり、自ら講座講演を開いたり、教育雑誌の執筆をしたりしてきました。著書に「『活用・探究力』を鍛える社会科“表現”ワーク小学校編」(単著,明治図書,2011)、「成功する『学び合い』はここが違う!」(共著,学事出版,2014)、「『頭ほぐし』の学習ベスト50−はじめの5分で頭の準備運動を!」(編著,学事出版,2014)他があります。他の著書、雑誌執筆、研究室活動の様子や授業、講演、等の情報については日々更新する「あべたか研究室HP」をご覧ください(http://www.abetaka.jp)。准教授(実務家教員)阿あ部べ 隆たか幸ゆき教職大学院教員スタッフプロフィール26Joetsu University of Education

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