平成29年度上越教育大学 教職大学院案内
27/40

【担当コース】・教育臨床コース・教育経営コース【担当講義】・教科の固有性を踏まえた算数・数学科の学習指導の理論と実際・校内研修のための授業分析の理論と実際【プロジェクトテーマ例】・算数・数学の学習指導の改善・算数・数学の授業開発研究・算数・数学の授業研究を軸とした校内研修【包含できる研究テーマ】・思考力・表現力を育む授業づくり・算数・数学の学力向上・子どもの自律性・主体性を育む指導研究内容及び指導内容私は、上越教育大学に赴任して以来23年間主に教室をフィールドとして算数・数学の授業づくりを現場の先生と協同で行ってきました。その中で、算数・数学そのものへの興味関心の覚醒、算数・数学という教科の根底にある教育的価値の実現をめざしてきました。わが子に受けさせたい算数・数学の授業であるかどうか― これが、私の教育実践研究のモットーであり、授業づくりの基準です。もともと私は、人間がどのようにして個々の数学的アイディアを創りだしたのかに関心があり、その歴史的・認識論的研究をしてきました。今でもそれは変わりませんが、こうした歴史的・認識論的研究を手がかりとしながら新しい発想の授業づくりに日々挑戦しています。今では、数学的アイディアが教室においてどのようにして生まれ、発展するかが専ら研究の関心事になっています。子どもたちの素朴で豊かな発想から教えられることが多く、これを院生の皆さんと一緒に体験し、共有することが何よりの楽しみです。また、これと並行して、授業で起こっている隠れた事実とそれが児童・生徒の算数・数学学習に及ぼす影響についても研究しています。このような事実に気づくためには、質的研究の方法論を改善したり、様々な立場の認識論を取り入れながら、自らの考え方や発想を転換することも重要です。私は、主に、知識についての知識(メタ知識)を視点として、社会学的及び認識論的視座から研究を進め、独自の研究方法論を確立してきました。教職大学院では、これまでの研究成果及び研究方法論、そして数学教育学の多くの優れた研究理論を基盤として、学校現場が抱えている算数・数学にかかわる喫緊の課題に対して、そこで起こっていることをよりよく理解しながら、チーム一丸となって解決へ向けてのアプローチを試みていきます。その他専門分野は算数・数学教育学。教室をフィールドとする研究を中心に論文を発表。これまでに、この分野における多くの現職・学卒の院生を指導。全国数学教育学会学会賞(学会奨励賞)受賞、現在、全国数学教育学会(研究担当)理事、日本数学教育学会出版部幹事、新算数教育研究会(東洋館)地区理事、新潟県数学教育会副会長。その他、文部科学省検定済教科書の監修や指導書の執筆。日本数学教育学会の全国算数・数学教育研究大会や地方の算数・数学教育研究大会等における指導助言等。(詳しくはホームページ http://www.ocial.jimu.juen.ac.jp/teacher/teacher.php?id=230をご覧ください。)教授岩いわ﨑さき 浩ひろし研究内容及び指導内容 子どもたちが本当に学びたいことは何か。教師の一方的な押しつけによる授業ではなく、子どもたちの純粋な疑問からくる興味関心に基づいて授業を組み立てることにより、真理を追究することになると思っています。そういう視点に立つ授業プランは、子どもたちが自ら疑問に思ったことを自分たちの力で解決するものとなり、子どもたちや教師のハートに火を付けるものになるはずです。 そういう授業から生まれる子どもたちの疑問、つまずき、子どもたち同士の援助を明らかにすることで、教師はよりよい授業デザイン(目標と評価)を作っていけます。 私は27年間新潟県内の公立高校教師として勤務し、2016年度から本学に着任しました。教科では国語の授業を担当していたのですが、国語の教科書には他の教科に比べて「これを修得しよう。」という具体的なものはあまり書いていません。文章が載っていて、教科書の下段や単元の終わりにちょっとだけ問いのようなものが掲載されています。そのせいか、国語の課題設定、目標設定で困っているという感想をよく聞きます。見方を変えれば、その文章で何を修得させるかは国語担当の教師に委ねられていることになります。そこで教師の押しつけでない、子どもたちと教師が共有できる目標を明らかにして「国語授業の難しさ」を払拭できる研究をしています。 また、新潟県内上中下越地区合計6校の高校に勤務し、多種多様な学校で、教育課題の解決に取り組んできました。学校教育の根幹は授業です。しかし、学校現場では多忙感から授業に割く時間(準備・研究など)がどんどん無くなっているのが現状です。その教員の仕事を精査し、労力の割に効果の見込めない仕事を明らかにして不必要な仕事は省いていかなければいけません。教員が充実感や勇気をもって仕事ができなければ学校現場の閉塞感は増すばかりです。 以上のことを子どもたちや教師の授業中の行動記録や会話記録、学習記録などを分析して研究し、これからの時代を生きていく子どもたちを育てられる教育を目指します。その他・1989年新潟県高等学校教諭として着任。・2004年上越教育大学大学院修了。修士論文「高校生の共同作文編集における『個』と『他者』との関わり合いの研究」・著書に「いつでもどこでも群読」(共著 高文研2003年)、「学び合う国語」(共著 東洋館出版社2007)、「群読実践シリーズ古典を楽しむ」(共著 高文研 2008年)他。・臨床教科教育学会所属(事務局長)・日本群読教育の会所属(理事役員)・教室『学び合い』フォーラム実行委員長【包含できる研究テーマ】・文章読み取りにおけるつまずき、誤読・協働的な学習による授業づくり・言語活動と理解、協調性の変容・教師経験と学習集団のみとりの変化片かた桐ぎり 史ふみ裕ひろ准教授(実務家教員)教職大学院教員スタッフプロフィール27Joetsu University of Education

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です