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専修・コースについての紹介


 上越教育大学は,学生が,初等教育全般にわたる総合的な理解を深め,初等教育教員と して必要な資質能力を培うとともに,さらに特定の分野の専門性を深め,中等教育をも見 据えて力量を高めることができるよう,次の各専修・コースを設けています。
 学生は,2年次以降,本人の希望と1年次の成績に基づいて決定された専修・コース(科目群)に所属し,その専修・コース(科目群)に応じて,それぞれ所定の授業科目を履修することになります。

 専修・コース名及びその概要は次のとおりです。

学校教育専修
学校臨床コース (学習臨床,生徒指導総合,学校心理)
臨床心理学コース
幼児教育コース
教職デザインコース
教科・領域教育専修
言語系コース (国語,英語)
社会系コース
自然系コース (数学,理科)
芸術系コース (音楽,美術)
生活・健康系コース (保健体育,技術,家庭)

学校教育専修
学校臨床コース
 学校臨床コースは,『学習臨床』,『生徒指導総合』,『学校心理』の3つの科目群で構成 されています。
学習臨床
 『学習臨床』は,学校教育の課題のひとつを一人ひとりの子どもの学習を実現することととらえ,子どもの学習場面に臨みながら学習の過程と学習の成り立ちを適切に把握し,子どもが自己を確立・表現できるような教育活動を展開できるカリキュラム開発能力を備えた教員の養成をめざします。そのために,実際に子どもとのかかわりをもちながら,一人ひとりの子どもの学習の実現のあり方を学ぶ科目が用意されています。
  『学習臨床』では,(1)教育方法臨床,(2)学習過程臨床,(3)情報教育,(4)総合学習の4つの領域について専門的に学習できるように授業科目が構成されています。開設科目は大学院科目との連動を考慮して作られています。大学院に進学してより専門的に研究を進めたい場合もスムーズに移行することができ,さらに専門的能力を伸ばすことが可能です。
(1) 教育方法臨床
 「子どもの個性が輝き・子ども一人ひとりの学びが生きる」ことを実現する教育方法を多面的に考えることが教育方法臨床のキーコンセプトです。そのために次のようなプログラムを用意しています。
 第1に,子どもの学びの本質を理解し,授業構成の方法を,授業実践をフィールドとして研究し,実践的力量を高めていきます。
 第2に,専門的な文献や資料を丹念に読み,教育課程を総合的に検討できる理論的な基礎を学んでいきます。
 第3に,学級におけるコミュニケーションについて,授業実践をフィールドとして研究し,授業検討の能力を高めていきます。
 主要な科目は,「教育方法学」「教科・教材基礎論」「比較教育改革史」「学級コミュニケーション論」「授業研究法」などです。
(2)学習過程臨床
 学びの中で子どもたちは,問題場面に対し自らの持てる力を結集し,自分なりの理解を作り上げ,そして世界の新たな側面や自らの新たな可能性に気づいていきます。こうした子どもの学びを支援できる教師をめざすために,学習過程臨床では,子どもの学習場面に寄り添いながら,一人ひとりの学びがどのように成り立っていくのかを共感をもって見つめていくこと,そこでとらえたことに基づき子どもの学びがさらに発展するための手だてを考え出していくことに取り組んでいきます。
 こうした取り組みのために,学習場面に焦点を当てる「学習場面臨床学」や,個々の子どもの学びの様子に焦点を当てる「学習臨床支援基礎」などの講義を準備するとともに,教育実習にもより重点を置き,講義・演習と教育実習とを関わらせながら,子どもを見つめ支援する力を理論的にも実践的にも高めることをめざします。
(3) 情報教育
 これからの学校教育では,情報教育を推進することが大きな課題となっています。情報教育は,a.情報活用の実践力の育成,b.情報の科学的な理解の形成,c.情報社会に参画する態度の形成をめざしています。
 そこで,情報教育領域では,情報教育カリキュラムの開発,情報教育を目的とした授業の設計と授業実践及び授業分析評価改善方法,学習課題を解決するためのメディア活用の方法,学習活動を支援するための教材開発及び学習環境開発等に関して,理論的・実践的に内容・方法を検討します。そして,情報教育の実践に関する教師としての資質の向上と能力の習得をめざします。さらに,情報教育の推進するための校内・地域リーダーとしての資質の向上と能力の習得をめざします。
 そのために,情報活用能力の育成に関する理論的・実践的な内容を体系的に習得することができるように講義科目が用意されています。演習・セミナー等においては,実践研究,開発研究,実証研究を実際に行うことを通して,授業実践の力量を身に付けるとともに,研究の基礎となる知識の習得と研究・実践に関する考え方の体得をめざしています。
(4) 総合学習
 総合学習領域では,小・中・高等学校における「総合的な学習の時間」や,学習者の主体性と既存教科の枠組みを越えた横断的で柔軟性のある「総合学習」に関する教育実践と理論の統合をめざしています。
 そのために,これからの変化の激しい時代に求められる,自律的・創造的・協調的な生活実践力を育む学びを支援する教師としての資質の向上と能力を養います。さらに,家庭・地域との連携を図りながら,教師の日々の創意と工夫の積み上げによる総合的なカリキュラムづくりをする能力を,教育実践・省察・改善を通して育成します。開講科目として,「野外体験演習」「文化体験演習」「国際交流体験演習」など,体験的・実践的で問題解決的な学習や,学部学生と科目群の大学院生や全教員とが一体となった協同的な学びを重視しています。  
生徒指導総合
  『生徒指導総合』では,不登校,いじめ,暴力など現代社会の子どもをめぐる問題や,学級運営や学校経営,教育行政や保護者・地域社会に関わる問題などを総合的に研究します。これら様々な教育問題について考え,その具体的な解決方策を探ることを通じて,将来,教師あるいは教育に関わる仕事に就こうとする学生諸君に必要な,高い技能と識見を身につけることをめざしています。
 現代の学校が抱える複雑な問題を解決するためには,個別的・技術的な対処法だけでなく,学校教育に関する根本的な理解を踏まえることが不可欠です。このため『生徒指導総合』では,子どもや教師という個人に注目する観点から,学校を支える社会や国・自治体の行政,教育の歴史や理念といった大局的で大きな観点までを包括的に視野に入れています。具体的には,以下のような3つの観点から研究を進めています。
(1) 生徒指導の基本である児童・生徒の自己指導力をはぐくむための具体的な理論と方法を学びます。そのために,キャリア教育,特別活動,道徳教育,生徒指導や教育相談など,教科以外の教育活動に関する科目が幅広く用意されています。
(2) 学校教育を支える組織的な活動や仕組みについて学びます。学級,学校という組織,教育に関わる法規や制度などについて学ぶことにより,実行可能な解決方策を立て協同して取り組める指導力ある教員をめざします。
(3) 学級内の教師と子どもとの関係,子どもの仲間集団,学校の雰囲気や風土,学校と家庭や地域との関係,社会環境と子どもの歴史的な変容などについて,観察や質問紙調査,文献資料による科学的な研究手法を通して学びます。
学校心理
  『学校心理』では,学校や家庭における子どもたちの多様な「心と行動の現象」を心理学の視点から総合的に理解することをめざしています。子どもの認知的・社会的発達や学習のプロセス,それを支える多様な人間関係,個性の確立と危機など,子どもたちの心を多角的に探求するとともに,彼らの発達と学習を適切に援助していくための理論と方法を追究しています。
 そのためのカリキュラムとして,心の発達,学習,学級集団などの心理学の各領域にわたる授業科目が用意されています。また,心と行動について調べるための調査・実験法とデータ解析法を,実習・演習を通して詳しく学びます。知識だけでなくそうした科学的で実践的な方法と態度を学ぶことによって,子どもたちの心によりよく働きかけ,また今日的な心の問題にも取り組むことができるような教員を養成しようとしています。
 大学院修士課程との一貫性を重視したカリキュラムを編成していますので,さらに大学院へ進学してより専門的に研究を進めたい場合にも,スムーズに移行することができます。


臨床心理学コース
 臨床心理学は「こころ」の問題を抱えた方々を的確に理解し,その解決を目標として働きかける生きた実践・研究を目指しています。「こころ」の問題は実に多様であり,さまざまな悩みや症状となって現れます。その現れ方も決して一様ではありません。人によって身体面,行動面,精神面とさまざまな現れ方をします。そのような問題を心理学的手法によって理解し,解決できるように援助することが臨床心理学の実践家にとって共通の目的でもあります。
 臨床心理学コースでは,子どもから大人までのさまざまな「こころ」の問題を抱えた方々の悩みや症状を理解する臨床理論と方法,並びにその方々が自らの問題を解決できるように援助する上で必要な臨床理論とさまざまな心理療法技法について専門的に学びます。特に学校教育において対応に困難をきたしている不登校,いじめ,ひきこもり,発達障害などをもつ児童・生徒については,学校臨床心理学ないしは教育臨床心理学の観点からより専門的に学びます。
 教授陣は全員が臨床心理士の有資格者であり,卒論指導においても臨床心理学に関する基礎的および応用的な研究を推進するための支援体制が充実しており,研究方法の基礎から臨床的な応用研究の方法まで習得できる教育体制を用意しております。
 卒業後の進路としては,教育相談や生徒指導に臨床心理学的な知識や技能を活用できる学校臨床心理学を志向した教員,並びに医療,福祉,教育,司法,産業分野などで臨床心理学の実践家として活躍できる人材の育成をめざしています。
 大学院修士課程の臨床心理学コースは,日本臨床心理士認定協会の第一種指定大学院であり,本コースへ進学することにより,修了と同時に臨床心理士の受験資格を取得するなど,より実践的,専門的に臨床と研究を進めていくことが可能です。さらに,臨床心理学の研究者を志す人のためには,連合学校教育学研究科博士課程への進学の途も開かれています。  
幼児教育コース
 幼児教育コースでは,初等教育の第一段階としての幼稚園教育に重点を置きながら,第二段階としての小学校教育についても学びます。まさに初等教育全般にわたって,理論と実践の両面から総合的な理解を深めることをめざしています。
 心身ともに著しく発達し,生活の場が急速に広がるのが幼児期です。彼等の発達にふさわしい環境を,教師や親と幼児自身が一緒になってつくり上げていくことから,幼児教育は始まります。小さい子の教育ほど簡単だ,という考え方があります。しかし,これは誤りのようです。
 私たちの主な学習内容は,幼児教育学,幼児心理学,保育内容の研究から構成されます。保育内容の研究には,健康,人間関係,環境,言葉,表現の領域が含まれます。幼稚園や小学校での教育実習も重要な位置をしめています。
 幼稚園教育への関心が,近年,小学校側を含めて各方面から寄せられています。将来を見通すとき,幼稚園教育と小学校教育の両方について深い洞察をもつことはこれまで以上に重要となるはずです。多くの仲間が幼児教育コースに集うことを期待しています。
教職デザインコース
 学校の中ではさまざまなことが次々と起こります。教師には,それらのできごとを正確にとらえ,すぐさま適切に対応することが求められています。そのためには,子どもの気持ちや行動の意味を理解すること,教科の内容や教材などについて深い知識を持っていること,子どもの置かれた社会の状況についてきちんと理解していることなど,多面的で総合的な力を備えている必要があります。
 その一方で,教師という仕事は一人でやるものではなく,同僚の教師たちと一緒に授業や行事を運営したり,保護者や地域の人々と協力して子どもの健全育成に取り組んだりなど,さまざまな人々と協同して行う仕事ですから,多様な人々と協力する力も求められます。
 これらの力を身につけるには,大学で多くの知識や技能を学ぶだけではなく,学校現場に実際に関わることが大切です。そのため,教職デザインコースでは,学校現場に実際に足を運び,そこで起きていることに学びながら,教職で求められる多面的で総合的な力を身につけていきます。
 また,教職デザインコースでは,平成20年度に新しく発足した教職大学院と連携し,学部の学生とは立場の異なる大学院生と共に学ぶ機会を設けています。それによって,さまざまな人々と協力する力も高めていくことができます。
 教職デザインコースは,このような特色あるカリキュラムを通して,みなさんの夢の実現をサポートします。

教科・領域教育専修
言語系コース
 言語系コースは,『国語』と『英語』の2つの科目群で構成されています。
国 語
  『国語』では,国語学・国文学・漢文学・書写書道・国語科教育の各専門領域にわたり,基礎の学力を確実に身に付け,さらにその上に高度な学問的な成果が学び得られるように授業が組み立てられています。
 国語学では,日本語の音声・音韻・表記・語彙・文法・文章・文体などに関して,関 連資料を幅広く講読するとともに,日本語の使用実態を具体的に分析する授業を行います。国文学では,代表的な古典の講読・演習を通じて古典を深く理解する方法を学び,また,近・現代作家の作品の主題や構造を把握するための方法を学ぶ授業が組まれています。漢文学では,思想・史伝・詩文関係の資料の講読を行う授業が用意されています。書写書道では,姿勢や持ち方・筆順・字形などの文字を書くことに関する事項や,書の基礎に関する講義,硬筆毛筆の実技に関する講義・実習を受けることができます。国語科教育では,国語科教育の目標・教材・学習指導法など,多角的な視点からその原理と実践について検討することを通じて,国語科教育の全体像の把握ができるような授業が組まれています。
 なお,2年次後期から,各自の希望に応じて,国語学・古典文学・近代文学・書写書道・国語科教育などのセミナーに参加して,各担当教員の指導の下で専門レベルの学習・研究に取り組むことになります。
英 語
 『英語』は,中学校・高等学校における英語教育と,小学校における外国語活動に関して,実践力のある教員を養成することを目的としています。
 そのために,英語および英米文化,あるいは広く異文化に興味を持ち,学習意欲の旺盛な人を歓迎します。そのような学生を受け入れて,英語によるコミュニケーション能力を育成するとともに,英語科教育,小学校英語教育,英語学,英語文学に関する理論的・実践的な研究を指導します。
 英語科教育では,英語科教育の理論と方法,教材,評価方法,言語習得,実践的な英語コミュニケーションなどについて,多角的な視点から学びます。小学校英語教育では,支援・指導方法,教材・教具作成方法などについて,理論と研究方法を学びます。英語学では,英語の音声,歴史,文法について基本的事項を学習する授業や,英語学の個別のテーマについて掘り下げて検討を行う演習の授業が用意されています。英語文学では,英語を読み,書き,話し,聞く力の育成を基盤とした上で,英語文化圏における口誦文学・童話・詩・劇・小説などの作品をたのしみ,さらに研究につながる指導を目的としています。異文化理解のための授業としては,「比較文化」が開講されています。
 また,本学では,LL教室とコンピュータが融合したマルチメディア語学教室での授業や,外国人教師による授業も取り入れられており,多様で充実した学習が可能です。

社会系コース
 社会科に関連する人文科学・社会科学・自然科学の諸領域について総合的・専門的な研究・教育を行います。この目的を達成するために,①社会認識の歴史的変遷の跡をたどること,②社会構造を明らかにすること,③これらの研究成果を教育実践に有機的に関連づけること,以上の諸点を重視しています。1年次では人間教育学関連科目の学習が中心となりますが,2年次からは,歴史学,地理学,法律学,経済学,倫理学,宗教学,社会科教育の講義や実験の履修が始まります。さらに,3年次からは多数の専門科目やセミナーの科目が開講されます。具体的には,歴史学,地理学,法律学,経済学,倫理学,宗教学,社会科教育の講義及び文献講読が開講されると共に,卒業研究へ向けての各分野のセミナーが始まります。セミナーは4年次にも開講され,2年間にわたって,きめの細かい指導を受け,卒業論文を作成することになります。
 本コースのもう一つの特色は,野外に出て実践的な調査法を学ぶ地域調査法が歴史学,地理学とそれぞれ開講されていること,3・4年次には教育現場に直結する実践セミナー「社会」が開講されていることです。
 以上のように,社会系コースは各分野の専門性を保ちながらも,その学際性を生かすことに留意し,意欲のある学生を心から歓迎しています。
自然系コース
 自然系コースは,『数学』と『理科』の2つの科目群で構成されています。
数 学
  『数学』は,数学や数学的な考え方に興味をもち,それを発展させて,教育に生かしてみたいと思う人のためにあります。小学校の算数教育の中心的な存在になれるような教員の養成,中学校及び高等学校の数学科を担当できる教員をも養成することを目的としています。
 『数学』には,代数学,幾何学,解析学,確率論・統計学,コンピュータ,数学科教育の6つの領域があります。それぞれの領域における講義内容の主な特徴は次のとおりです。
 代数学,幾何学,解析学,確率論・統計学の領域では,それぞれに対応する現代数学の初歩的内容とその基本的な考え方を講義します。コンピュータの領域では,初歩的なプログラミングの実習を行い,コンピュータの仕組みやその限界について体験的に学ぶ機会を提供します。数学科教育の領域では,算数・数学の教材分析や授業分析などを通して,その背景にある算数・数学教育の理論や指導法について講義します。
 特徴的なものを挙げると,第1に,3年次から開始される実践セミナーⅠで,大学院生と一緒に算数・数学のマイクロティーチングを行うことです。授業を見据えた教材分析,授業の仕方,教師と子どもの相互作用などについての議論を通して算数・数学教育実践について学びます。これは4年次の実践セミナーⅡへと引き継がれ,さらに,授業で扱われた教材の数学的背景について考察し,教材の発展の仕方について学びます。第2に,3年次から開始される専門セミナーⅠにおいて,学生は各教員に1,2名ずつに分かれて,数学(代数学,幾何学,解析学)や数学科教育(数学教育学)のゼミを行うことです。これは4年次の専門セミナーⅡへと引き継がれ,卒業研究へと発展するものです。数学のゼミでは,主に数学の専門書を人間が考え出したものとして読み解き,それを発表し合います。これを通して算数・数学を教えるときに大切な人間の活動としての生きた数学やその奥深さを体験的に学びます。数学科教育のゼミでは,例えば,算数・数学教育の一つの教材について深く調べたり,その背景にある数学や教育思想について考えたり,あるいは,実際の授業や子どもの活動の様子を分析したことを発表し合います。
 これまで数多くの卒業生が,全国各地の小中学校の教員として活躍しています。最近では,本学大学院に進学し,現職の大学院生と一緒に研究し,より高い実践力を身につけて教職に就く人も増えてきました。また,数学の知識を生かして企業に就職する人もいます。  
理 科
 『理科』は,自然に興味関心をもち,積極的に自然の研究に取り組む意欲のある人を歓迎します。科学クラブなどの経験をさらに発展させてみたい人,実験や観察に興味のある人,パソコンの利用に関心をもっている人などを待っています。科学研究の体験を踏まえて自分自身を発見し,次世代の教育に生かしてみませんか。
 『理科』では,理科の教材研究やその指導法および自然現象の基礎的な教育と研究を行っています。学生は講義,演習,実験,ゼミナール等を中心に受講します。第3年次からは,指導教員のもとで卒業研究をはじめることになります。これらを通して,自然 科学の広い視野と深い素養をもち,理科の教育指導に先導的な役割をはたす人材の育成につとめています。  

芸術系コース
  芸術系コースは,『音楽』と『美術』の2つの科目群で構成されています。

音 楽
 『音楽』では,自ら音楽に興味を持ち,それをさらに発展させて教育の場に生かそうとする意欲を持っている人を歓迎します。 
 『音楽』には,声楽,器楽,作曲,音楽学,音楽教育学についての授業があります。具体的には,ソルフェージュ,指揮法,合奏,合唱,作曲,声楽,ピアノ・管楽器の基 礎や表現法を学ぶ授業,アジアの音楽や日本の伝統音楽を学ぶ音楽学の授業,初等・中等音楽科指導法などの講義や演習が開講されています。実践セミナーでは,学部3年生から大学院2年生までと教員全員が一同に会して,学校における音楽授業に焦点をあてて実践的に学んでいます。
 『音楽』の特徴には,次の点があります。
①様々な専門の教員による指導体制が充実しているので,音楽の実技・理論の両面にわたって,また,幅広い時代と地域の音楽について専門的に学ぶことができます。
②合唱の授業は,学年を越えて,合同で行われています。
③世界の諸民族の音楽については,バリガムラン,雅楽などの楽器が揃えられ,アジア及び日本の伝統音楽についての授業が行われています。
④3・4年次の専門セミナーの授業では,学生の希望に応じた研究内容に即して個人指導又はゼミナール形式で行う専門性の高い研究の場が提供されています。これらの授業は,卒業演奏会や卒業論文へと発展します。
⑤音楽劇創作演習では,台本・作曲・演奏・演技をはじめとして,舞台制作に関わる部分も含めた授業が行われ,本学講堂を舞台に,学生による自作自演の音楽劇を毎年上演しています。
⑥また,吹奏楽,合唱,管弦楽,箏・三味線など多様な音楽の課外活動も活発で,定期演奏会の他,地域との積極的な交流演奏会を行っています。
 『音楽』の学生は,入学時までの音楽体験の多少にかかわらず卒業する頃には見違えるほどの力がついてきます。また,卒業生は,本学大学院に進学する人,小学校,中学校,高等学校で教職に就く人を主として,音楽の専門分野,音楽関連企業など多方面で活躍しています。
美 術
 『美術』は,絵画,彫刻,デザイン,工芸,美術史・美術理論の専門領域と指導法にかかわる美術科教育を通して,人間と美術の関わりについて研究し,美術教育について学んでいく科目群です。
 『美術』では,カリキュラムを通して,デッサン,水彩画,油彩画,版画,日本画,フレスコ画,テンペラ画,塑造,テラッコッタ,木彫,グラフィックデザイン,写真,コンピュータグラフィックス,プロダクトデザイン,スペースデザイン,木工芸,陶芸,金工,複合素材,西洋美術史,作家論,制作論,アニメ,絵本,美術館教育など,美術と教育に関する多様なテーマで研究を進めることができます。 
 また,美術館での作品鑑賞,作家や工房を訪れるなどの研修など,楽しく有意義な授業や活動が用意されています。
 『美術』の学生は,一人ひとりの意向を尊重したセミナーにおける個人指導のもとに,恵まれた施設及び設備を使って学ぶことができます。高校で美術を履修していない場合でも授業を通して各種の展覧会や発表で,自分自身の表現を身につけることもできます。それは,自分の自信になるだけでなく,教師としての資質も高められ,教職の場でも大いに生かされるでしょう。
 学校教育における美術(図画工作)は,子どもたち一人ひとりの表現の意味と価値を認める大切な教科です。見たり,聞いたり,つくったりすることの大好きな子どもたちを育てていくために,教材研究,指導法など子どもの学びの姿をもとに,学部学生と大学院生と教員が共に研究を深めていきます。
 卒業生は,小学校,中学校,高等学校の教職だけでなく,美術館学芸員,文化や社会教育にかかわる公務員,美術の専門分野,美術関連企業など,多方面にわたって活躍しています。
 また,大学院に進学し,さらに研究を深めることもできます。


生活・健康系コース   生活・健康系コースは,『保健体育』,『技術』,『家庭』の3つの科目群で構成されています。  

保健体育
 『保健体育』は,将来,小学校における体育指導の中心的存在として,あるいは,中 学校または高等学校の保健・体育教科を担当できる専門的資質をもった教員の育成をめざしています。
 児童・生徒の活発な戸外の遊びや運動は,体格,体力,運動能力の発達を促すとともに,人間的な成長にとって極めて大切な情緒の安定,自己統制力,他人を理解し思いやる心などを得ることと深い関わりがあります。児童・生徒の人間的な成長・発達や人々の健康増進を願う指導者にとって重要となる課題は,健康や運動についての正しい理解と適切な方法を身につけ,実際の指導に結びつけていくことです。
 『保健体育』は,健康や運動に興味・関心を持ち,児童・生徒の人間的な成長・発達や人々の幸福のために尽力しようとする人,さらには運動の意義や価値を人間の立場から探求することに興味のある人,また,自らも運動実践に興味を持つ人を歓迎します。『保健体育』では,専門科目の学習や研究を通して,科学的な運動の原理,健康の意味,さらに,体育の指導・経営などについて理解を深めることを目標にしています。
技 術
 『技術』では,生活に役立つ製作品の創造・開発,コンピュータの基本的構成・操作,情報活用能力と技術を身につけ,それを生活に生かせる能力を持った教員を育成します。 
 この目標のため,『技術』では,次の7つの学問に関して授業科目を用意しています。さらに,3年次から専門セミナーを受講し,専門的な知識を身に付け,卒業研究に取り組みます。各学問の主な内容は次のとおりです。
 技術科教育学では,「技術とものづくり」や「情報技術」に関する教育が,全人的な陶冶と感性を発達させ,工夫・創造能力を育むために不可欠であることを学びます。技術科のカリキュラムづくり,教材研究論などを学び,技術科教員として必要な基礎的・基本的実践力を養います。
 木材加工学では,木材の性質・特徴を理解し,木材を生活に役立つ製作品(例えば,本立て,椅子)に仕上げるための基礎的な知識と技術を習得します。手加工では,さしがね,平かんな,両刃のこぎり,げんのうなどの工具を使用し,機械加工では,手押しかんな盤,自動かんな盤,丸のこ盤などを使用します。これらの実習では,安全を保持 する態度も育てます。
 金属加工学では,「金属加工法」で中学技術科での指導に必要とされる金属加工の基礎事項を学習し,これに必要な知識・技術の習得を図ります。
 電気・電子工学では,日常なにげなく利用している電気に対する認識を再確認することから始まり,そのために電気工学,電気回路,電子工学などの基礎を学んだ後,それらを応用した電気・電子回路の製作実習や特性測定などを通じて,電気・電子工学の基礎理論から応用技術までのアウトラインを学びます。
 機械工学では,物作りの基本である機械部品・機構の設計プロセス,材料選択,強度計算,製作法などを学習します。3年次で機械工学実習を行い,手動機械の操作および物作りの喜びを体得します。また,コンピュータを駆使し設計・製図を行うCAD及びそれをもとに工作機械を操作するCAMの技術を習得し,メカトロニクス(機械工学と電子工学が融合した技術)の基礎知識を身につけます。
 情報工学・科学では,1年次に教育情報基礎演習で行われた基本演習の理解をさらに深めるため,コンピュータの歴史・動作原理・構成,インターネットの仕組みと構成機器に関する講義と演習が行われています。
 栽培学では,作物の栽培により,国内の食料自給と環境保全の社会的役割を学び,草花の栽培を通して緑化環境がもたらす心身の癒しの効果を学習します。
家 庭
 『家庭』では,生活について自然・社会・人文科学などの立場から総合的に学び,社会環境の変化による複合的な生活の問題に対応できる専門的な資質・能力をもった人材を育成することをめざしています。  
 具体的には,家族関係学,家庭経済学,保育学,被服学,食物学,家庭科教育学,生活情報処理などを学び,3年次からの専門セミナーでは授業で学んだことを総合化する力をみがくとともに専門的な知識を深め,卒業研究につながるよう課題に取り組みます。
 今や家庭科は,小・中・高等学校とも男女必修の教科です。教育現場では,男女を問わず意欲的に家庭科を担当する教師を強く望んでいます。また,『家庭』で身につけた力は,家庭科を担当する上でのみならず,小学校の生活科や小・中学校の「総合的な学習の時間」を担当する上でもいかんなく発揮されることでしょう。
 卒業後の進路には,幼・小・中・高等学校の教員のほか,消費者問題や社会福祉等に関する教育や指導の道,地域活動での活躍の道などが開かれています。また,教員としての資質向上や教育実践能力の向上,あるいは専門知識・研究を深めるなどのために,本学大学院へ進学する道も開かれています。
 人の生活にかかわる様々なことがらや問題に興味と関心を持ち,「学びたい」という意欲のある男子学生や女子学生には最適な教育・研究の場です。