第一章 組織の運営状況と自己点検・評価
 
1 年度のハイライト
 
<国立大学法人上越教育大学の発足及び記念式典の挙行>
 平成16年4月1日から国立大学法人法が施行されたことに伴い,国立大学法人上越教育大学として新たなスタートを切った。
 平成16年10月2日には,約500名の来賓,教職員の出席を得て法人化に伴う記念式典を挙行した。
 当日は,記念式典に引き続き,遠山前文部科学大臣による記念講演『教育が日本の未来を創る』の他,記念シンポジウム『国立大学法人上越教育大学に期待するもの』や,本学の新しいシンボルとして峯田敏郎名誉教授が制作した彫刻の除幕式等が行われた。
 
<運営体制の見直し>
 学長がリーダーシップを発揮し,より柔軟な大学運営が行えるよう,以下のとおり運営体制の見直しを図った。
@ 副学長を3名体制とした。
A 学長特別補佐職を新設し,3名(うち2名は民間から登用)を配置した。
B 学長補佐として8名を学内教員から任命した。
C 全学的業務に関し,企画立案を主たる業務とする5室1部を新設した。
D 事務組織機能を2部制,7課3室の体制とした。
 
<カリキュラム・教育部門の新設>
 社会のニーズに応えるため,従来にない本学独自のカリキュラム・教育部門を以下のとおり新設した。
@ 「理科野外観察指導者養成部門」:野外観察に秀でた理科を担当する教師を養成する。
A 「小学校英語教育部門」:小学校教育現場で英語を指導できる実践的な教師を養成する。
 
<キャンパスライフ・スクエアのオープン>
 学生サービスのより一層の充実と強化を図るため,平成17年3月に「教育支援課」,「学生支援課」,「就職支援室」をキャンパスのほぼ中心に位置する講義棟1階部分に「キャンパスライフスクエア」として集約配置した。
 
<教員就職率等の増加>
 授業,就職ガイダンスにおける講義・指導及び計画的な教職講座等の実施により,学部卒業生の教員就職率が62.0%(前年度比1.6%増)となり,また,教員採用試験受験者比率に関しても,学部で前年度比0.9%増,大学院で前年度比3.1%増の成果を得ることができた。
 
<大学院入学者の増加>
 大学院の定員充足対策として,全学を挙げ積極的に様々な取組みを行ってきた結果として,今年度実施した平成17年度大学院学校教育研究科入学試験では,合格者331名という成果を得ることができた。
 
<災害支援室の設置と学生ボランティアの活躍>
 今年度新潟県内において発生した大規模災害(7.13新潟豪雨災害,10.23新潟県中越地震)に際し,被災した学校等からの支援要請を受け,全学を挙げて復旧のための各種支援活動を行い,当該学校をはじめ,関係機関等から感謝等を受けた。そして,これらの経験を踏まえ,本学が地震等による大規模災害において教員養成系大学としての特色を生かした被災地等への支援活動を行う指針を制定するとともに,「災害支援室」を設置した。
 また,多くの学生たちが,率先して上記の災害支援活動や,小・中学校等を中心とした各種学習支援等のボランティア活動を行う姿が見受けられた。
 
<新・大学院同窓会組織の立ち上げ>
 国立大学法人元年を契機として,これまでの大学院同窓会の組織を再編成し,大学と連携強化を図ることを目的とした,新しい大学院同窓会(都道府県を単位とした支部組織)が発足した。
 平成16年10月2日の国立大学法人上越教育大学設置記念式典にあわせて,発足式が行われ,全国から多くの修了生が一堂に会し,大学と同窓会の相互の支援強化が再確認された。