4 教育・研究活動
 
(3) 学校教育学部
 
C フレンドシップ事業
ア 実施の状況
(ア) フレンドシップ事業実行委員会
 フレンドシップ事業実行委員会は,教員養成学部における教職を志す学生の教員としての実践的指導力育成に資するため,学生が種々の体験 活動を通じて,子ども達とふれあい,子どもの気持ちや行動を理解できるような機会を設けることを目的に設置されている。
 年2回開催し,4月に年間計画の審議,3月に年間活動の反省と次年度の計画立てを行った。
(イ) 企画運営協議会
 企画運営協議会は,新潟県教育庁上越教育事務所社会教育課長,独立行政法人国立少年自然の家国立妙高少年自然の家事業推進課長・主任専門職員,上越市教育委員会生涯学習推進課長,新井市教育委員会社会教育施設長,妙高高原町教育委員会教育課主査,新潟県青少年赤十字上越地区指導者協議会長(国府小学校長)及び実行委員会で構成されている。
 4月は年間計画,受け入れ事業の確認,人数調整,10月は参加学生の状況や成果についての意見交換,3月は年度の総括と次年度への要望事項等の意見交換を主として展開してきた。
(ウ) 平成16年度実施事項
a 「体験学習」
 「体験学習」は,勤労・生産・自然・物づくり体験の乏しい1年生に対して,教職を目指す上での意義ある基礎的体験を必修として位置付けている。教育活動創造のベースとなる体験活動11コースを設定し,経験の不足を補完するとともに,個性の伸長,得意分野の育成という意味から,選択して履修させている。教官27名が共同で展開し,履修記録簿からは「体で学ぶことの大切さと自らの経験の乏しさ,教職を目指して大学生活の中で求めて学ぶ必要性」等が記述され,アンケート調査でも90%の学生が充実した授業として極めて高い評価を得ている。学習を通して,学習素材研究,教材化の手法も学んできている。
b 「ボランティア体験」
 「ボランティア体験」は,企画運営協議会に参加している関係機関との連携の上に,年間不定期で社会・学校教育活動にボランティアとして学生は参加し,子ども達の指導補助に当たりながら,触れ合いと子ども理解を深めてきた。地域に根ざした大学の礎として定着してきた。何よりも素顔の子ども達と触れ合うことで,その後の教育実習に積極性が出てきた,子ども達との接し方が変容してきたなど,多くの成果が報告されている。
 また,子ども達向けの多様な活動を習得できること,時間を守る,子どもに親しみながらも注意すべき所はきちんと注意する,あいさつや言葉かけは大きい声でなど,社会性も培われ,学社連携の成果は極めて大きいものがある。年間延べ参加学生数:420名
c 「学びのひろば」
 「学びのひろば」は,上記a・bの経験を土台に,学生達自身が企画・準備・運営する触れ合い活動である。平成14年度より年2回のイベント型活動から,年間を通した活動を視野に入れた継続型の活動「学びクラブ」に展開した。大学での触れ合い活動はキャンパスで4回,妙高少年自然の家での2泊3日の活動(8月24〜26日)を展開した。地元児童の申し込みは定員を大幅に上回り,地域の期待は年々高まっている。学生達の企画力と実践力は,教員の指導の下,事業計画,細部計画,案内状の作成,名簿づくり,参加への通知など諸活動を通して,目を見張るほどに培われてきている。
・学びのひろば 学びクラブ 第1回6/19,第2回7/17(キッズのみ),第4回10/10,第5回12/4,参加者各283名
・学びのひろば 学びクラブ 第3回(アドベンチャー,青空,サイエンス,クラフト)8/24〜26,参加者181名
d 「シンポジウム」
 「シンポジウム」は,12月11日に学生達だけの討論会を開催した。学生のたて前ではなく本音で,一人ひとりの学生が自らの子ども達との関わりを通した具体的な事例に基づく意見交流がなされた。
イ 今後の検討課題等
 教員養成課程に子ども達と触れ合える場と機会が位置付けられることは,素晴らしいことであり,教職への確かな決意が生まれると共に,自己の課題が浮き彫りになる。今年度も,年間を通して,同じ子ども達との触れ合いが展開でき,より深い子ども理解につながった。
 3年次は授業が多く,4年次は卒論・教員採用試験とあわただしいが,引き続き子ども達と関わっていくようにしたい。
 また,引き続き子ども達と関わった学生達がそれを単なる経験に終わらせずに,経験と学問の統合を何処まで図っていけるかに今後の課題がある。
 体験学習は1コースを増設し,11コースとなった。昨年同様まとまった時間が必要で,週のコマ内で展開することは容易でなく,土曜・日曜・夏休み等の集中で展開せざるを得ないのが現状である。
 4年間を通じて,子ども達と関わる触れ合い活動をという学生の要望に対応するため,学びクラブの更なる充実と改善に取り組む。