【自然系教育講座(数学)】
 

黒 木 伸 明(教 授)
<教育活動>
授 業
 算数・数学を指導することになる学生に対して、より適切な教材観の育成を図るために、次の観点により教材を開発した。@多様な見方・考え方を引き出すことが出来る教材、A作業を伴う教材、これらの教材を講義・演習・レポートを通して指導を行った。また、毎回授業感想レポートを提出させ、数学的活動の文章化の育成についても授業の目標とした。
研究指導
学 部
 数学の問題は学生としてただ解けるというのではなく、教師として子ども達に理解してもらうという教師としての立場からの解決方法の指導をおこなった。
大学院修士課程
 問題解決の解決過程の様相について、具体的な教材を通して調査・分析を行い、その成果を学会誌発表した。
その他の教育活動
・鳴門教育大学大学院での非常勤講師
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年8月:『聴覚障害生徒の学力保障に対する校外支援のあり方』(単) ろう教育科学会第46回大会研究発表
<社会との連携>
社会的活動状況
@SPP(新潟県立柏崎高等学校)
ASPP(宮城県立ろう学校)
 

田 中   博(教 授)
<教育活動>
授 業
学 部
 微分積分学演習では面積や体積の考え方を中心に授業をした。確率論では学校教育で取り扱う確率的な考え方を中心に授業をした。
大学院
 解析学演習では「塵劫記」をテキストとし、江戸時代に数学の教育がどのように為されたかを学んだ。
研究指導
学 部
 江戸中期以降に盛んになった算額について研究指導をした。
大学院
 江戸時代初期の数学書について研究指導をした。
<研究活動>
学会活動への参加状況等
@平成16年10月28日〜29日:第53回北陸4県数学教育研究(小浜)大会に出席
A平成16年10月30日〜11月1日:シンポジュウム「江戸の数学が面白い」(東北大学)に出席
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越数学教育研究会会長を務め、平成16年11月26日に、第48回上越算数・数学教育研究(頚城)大会を頚城村立南川小学校および頚城中学校で開催した。
A新潟県数学教育研究会会長を務めた。
 

溝 上 武 實(教 授)
<教育活動>
授 業
 特に基礎数学演習IIにおいて、次元の考え方を導入し、必ず0次元、1次元、2次元の背景を述べて、当面の3次元空間の諸性質がその一般化として存在することを述べることにより、導入の自然さを強調し、授業の意義を絶えず、意識化した。
研究指導
 学部学生に対しては、単にそれが数学至上主義にならないよう配慮した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@公理論的ユークリッド幾何学(単著)を日本評論者から出すことになった。
@On resolutions of generalized metric spaces, Top. Appl.146-147 (2005), 539-545.
AOn closed subsets of M1-spaces, Top. Appl. 141(2004), 197-206.
BOn general resolutions of generalized metric spaces, Top. Proc. 28(2004), 189-198.
学会活動への参加状況等
@Questions and answers in general topology (The editor)
AReviewer of Mathematical Reviews(American Mathematical Society)
BReviewer of Zentralblatt Math (European Mathematical Society)
Cその他インドのジャーナル3つの編集に携わる。
D中国科学院等のレフェリー
E日本数学会、位相空間シンポジウム、General Topology Symposium への参加
 

森     博(教 授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価での取組
学 部:基礎的な理論を解説する準備として具体的な例を豊富に提示し、定理等として纏めることの意味を理解されるように工夫した。さらに、聴講学生が授業内容の理解を深め、自ら思考し計算をする時間をとり小テスト等を課した。授業時間内で終えない場合は2,3日後に提出できる余裕をもたせた。小テスト等は採点しコメントを付けて返した。
大学院:学部時代に理解が不十分な状態でも、科目の履修がスムーズに行くように丁寧に解説をした。研究セミナーでは大学院できちんとしたゼミ形式に対応できるように、理論の背景についての説明、基礎的な内容の確認・復習等を行い、履修者に理解できるように工夫をした。
【観点2】教育達成状況
 実践セミナー、実践場面分析演習において、「模擬授業」で取り上げた課題・教材について、その数学的な背景を探索し、数学的内容を深める検討を学部生、院生と共同で行った。
研究指導
 研究課題を関連する分野との関連性等の位置づけを理解できるよう時間を掛けた。限られた年限で研究内容を纏めるために、(i)自ら理解できる定理等と、(ii)当面仮定する定理等を分けた。このもとで課題研究を成就できるように議論を積み重ねた。
<研究活動>
共同研究の実施状況
 研究プロジェクト(代表者:岩崎浩)において「教室を拠点とした」協同的数学教材開発研究方法の構築ー「数学の面白さ」に焦点をあててーという題で、数学教育の実践家、数学専門教員と数学教育学教員が共同で行っている。
 「数学の面白さ」とは何かに焦点をあてて、「教室を拠点として」それぞれの立場と距離を保ちながら、共同で新しい教材についての検討及び授業実践の構想・実施・検証・改善を行った。
 共同研究者は中川 仁、高橋 等、岡崎 正和及び滝澤 豊である。
学会活動への参加状況等
9月19日〜22日及び3月27日〜29日 日本数学会出席
 

岩 ア   浩(助教授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 数学教育学Aと数学科指導法の授業では,研究成果の一部を教材として利用することを試みた。特に,その基となるデータである授業のビデオ記録を適宜活用することにより,現場の実践との関係を深める工夫を行った。数学的経験と学習過程では,教育実習前ということに配慮し,実践場面というよりもむしろ教材の面白さを自ら体験できるような教材を工夫している。今年度は,その新しい題材として無理数を取り上げ,連分数を伴う具体的な計算や作図などの活動を取り入れながら,その表現の美しさ,その歴史的・哲学的意味について講義し,学生たちが学校で扱われる教材をみる視点を広げることを試みた。確率論と探究過程では,実験を伴う活動を取り入れ,確率の基本的な概念の意味と意義を現実事象とのつながりにおいて理解できるように工夫した。
○成績評価法に関する取組状況
 今年度は特に,レポートの課題に焦点をあて,学生たちが何をどの程度まで学んだかを評価するために,授業での学生たちの具体的な活動や取組が明確になるようレポート課題を工夫し,学生たちの達成状況をより的確に把握するとともに今後の授業改善に生かすことが出来るように努めた。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 担当した大学院生は1名(小学校の現職教員)であった。現場での実践的問題やこだわりを追求し,その成果を修士論文として提出し,現職復帰を果たした。学部学生は2名で,2名とも,公立学校の教員採用試験に合格を果たし,それぞれ,新潟県の中学校教諭,富山県の小学校教諭として採用されることとなった。
研究指導
【観点1】大学院
 大学院では,院生の臨床的実践力向上のために,院生一人一人の「こだわり」に則して,特に,院生の実践的研究における,実験授業及び臨床的インタビューとそのプロトコル,フィールドノートに現れる事象の解釈・分析を通して,児童・生徒に寄り添った算数・数学の指導のあり方を具体的に捉えることを試みた。また,自らの研究の視点を広げたり修正したりする契機として,さらに第3者から評価される機会として数学教育関係の学会や研究会への参加及び発表を促進した。結果として,平成16年6月26日〜27日に開催された全国数学教育学会 第20回研究発表会(広島大学)にM1生2名M2生1名が出席し,平成16年11月20日〜21日に開催された日本数学教育学会 第37回数学教育論文発表会(岡山)では,M1生3名,M2生1名が出席し,M1生1名が口頭発表,M2生1名が論文発表を行った。平成17年1月29日〜30日に開催された:全国数学教育学会 第21回研究発表会(埼玉大学)には,M1生3名が参加し,3名とも論文発表を行った。その他,平成16年7月10日〜11日に学外の研究者を招いて修士論文中間発表(妙高)を開催し,平成16年3月13日〜15日には,M1生を中心として,主に筑波大学の教官,大学院生(その他,東京理科大学)と合同で修士論文の構想発表を行った。
【観点2】学部
 学部においては,大学院におけるこのような具体的事例や他の論文の具体的な実践場面を例として,講読している文献における著者の主張や学生各自の問題意識をより具体的に捉ることを促した。近隣で開催される授業研究会に積極的に参加することを促し,個々の授業場面についてディスカッションする機会を増やした。
 また,学部学生一人一人の教育実習における研究授業をビデオで記録し,後にそれを視聴し,それについてディスカッションする機会を設けた。その際,教師の教授行為だけでなく,その授業中の一人の子どもの活動を追いかけたビデオ記録も行い,子どもの立場に立った臨床的な指導力の向上に役立てたる工夫を行った。また,卒業論文の大学院生を交えての口頭発表を継続して実施している。
その他の教育活動
@平成16年7月:「長岡の人材教育」中学校数学アカデミー(長岡市教育委員会)の講師を務めた。
A平成16年7月:学校図書館司書教諭講習(学習指導と学校図書館)の講師を務めた。
B平成16年8月:第86回全国算数・数学教育研究(鹿児島)大会 小学校部会において指導助言を行った。
C平成16年11月:平成15・16年度新潟県学力向上フロンティア事業(城西中学校)研究発表会 少人数・習熟度別学習分科会において指導助言者を行った。
D平成16年11月:第48回上越算数・数学教育研究会(頸城)大会 小学校部会において指導助言を行った。
E平成17年2月:第35回尚数会研究発表会において指導助言を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 講義や研究指導と学外で開催される授業研究会や特に大学院生の研究指導に外部評価を積極的に取り入れている点。特に,研究授業やその研究協議会に学部生,大学院生とともに参加し,その場で個々の授業場面についてコメントしたり,ディスカッションするようにしている。また,その際,ビデオ等に記録した研究授業の中から典型的な場面を,その筆記録とともに,授業で取り上げるなどして,臨床的な実践力を目指した指導を心がけている。また,特に大学院生には,できる限り学会や研究会にも参加・発表することを促し,他の研究者との相互交流を図り,それらを外部からの評価として積極的に研究指導に生かすようにしている。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年11月:「「協同的指導実践」に基づく非通約性の理解を図る授業の開発的研究−一人の生徒Taの活動が授業デザインの改善に示唆するもの−」 (単著),『第37回数学教育論文発表会論文集』,日本数学教育学会,2004,283-288頁.
A平成17年3月:「中学校確率の発展的教材としての条件付確率:−面白い問題を中心としたその発展過程の再構成−」(単著),『上越数学教育研究』第20号,上越教育大学数学教室,2005,21-30頁.
@平成16年7月:コメント「6年単位量あたりの大きさ」,『新しい算数研究』, No.402, 67頁.
A平成17年2月:文部科学省検定済教科書 中学校数学科用『中学校数学1〜3』(共著),大阪書籍.
@平成16年11月:Developing Mathematics Lessons that Encourage Students' Awareness of Incommensurability: What A Student Ta's Activities Suggest Us for Improving Our Teaching Method (単著), An Occasional Paper for International Mathematics Education Workshop with Prof Dr. E. Ch. Wittmann,Nara University of Education (November 14, Sunday / 2004).
共同研究の実施状況
・「教室を拠点とした」協同的数学教材開発研究方法論の構築:「数学の面白さ」に焦点をあてて」 代表者:岩崎 浩(上越教育大学助教授),上越教育大学「研究プロジェクト[一般研究]」経費
学会活動への参加状況等
@日本数学教育学会出版部幹事
A平成16年6月26日〜27日:全国数学教育学会 第20回研究発表会出席
B平成16年11月13日〜14日:Third International Seminar of Mathematics Education 出席
C平成16年11月20日〜21日:日本数学教育学会 第37回数学教育論文発表会出席
D平成17年1月29日〜30日:全国数学教育学会 第21回研究発表会出席
◎特色・強調点等
 これらの研究は,「教室を拠点として」専門を異にする研究者と現場の教員とが協同で教室で実現可能な具体的な数学教材とその指導法を開発する点,現場の教員が単なる協力者ではなくフルメンバーである点,研究の過程それ自体が理論と実践との間の実質的な相互作用的サイクルであると同時に,現在進行中の実践に貢献しようとしている点等に特色がある。今年度は,特に,この実践研究を核としながら,上越教育大学研究プロジェクトとして,この研究方法論を「教室を拠点とした」協同的数学教材開発研究方法論として精緻化し,専門を異にする研究者との協同の可能性を模索しはじめたところである。
<社会との連携>
社会的活動状況
@新算数教育研究会(東洋館) コメンテーター
A日本数学教育学会第86回全国算数・数学教育研究(鹿児島)大会 小学校部会指導助言者
B平成15・16年度新潟県学力向上フロンティア事業(城西中学校)研究発表会 少人数・習熟度別学習分科会指導助言者
C第48回上越算数・数学教育研究会(頸城)大会 小学校部会指導助言者
D「長岡の人材教育」中学校数学アカデミー(長岡市教育委員会)講師
E『教育実践研究』第15集(上越教育大学学校教育総合研究センター)における[算数・数学]部門の査読及び審査委員
F新潟大学と上越教育大学との教員養成・現職教員研修の在り方に関する連携協議会 第2部会(教育支援に関する部会)委員
 

中 川   仁(助教授)
<教育活動>
授 業
 基礎線形代数学、線形代数学、代数学Aでは、具体例を多く挙げて解説することによって、線形代数、環論・体論に関する抽象的内容の理解を高める工夫を行った。また、演習問題を解いてレポート提出させることによって、計算力の養成を目指した。
 代数学と探求過程では、毎回授業の後半に講義内容に関する作業的な課題を与えることによって、興味を持たせるようにした。
研究指導
・修士2年の大学院生1名の研究セミナー指導を行った。
・修士1年の大学院生2名の研究セミナー指導を行った。
・学部4年生2名の専門セミナー指導を行った。
・学部3年生3名の専門セミナー指導を行った。
<研究活動>
学会活動への参加状況等
@3月27日〜30日:日本数学会年会出席
A9月24日〜26日:日本数学会総合分科会出席
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越地区高等学校数学研究会顧問
A新潟県立高田高等学校理数科講演会講師
 

 橋   等(講 師)
<教育活動>
授 業
 学部,大学院の授業ともシラバスに授業の方針を記載し,最初の授業のオリエンテーションで授業の日程や内容,評価の方法を示した。学部の授業では,必要に応じ実践でのトピックスを取り上げ,教材への視点と子どもへの視点の双方を扱うようにした。学部,大学院の授業ともできる限り学生や院生が活動する時間を設け,学生や院生の発言を取り上げ,議論の機会を設けた。成績評価にあたっては,レポートの内容を重視し,多角的に評価した。
研究指導
 学生には,数学教育の基礎理論に関する議論の機会を設けるとともに,算数,中学校数学,及び高校数学における実践的課題の明確化と解決に向けての方策の探究をさせ,教育実習を振り返る機会を設けた。院生には,実践事例を踏襲しつつ,数学教育の基礎理論を探究する機会を設けた。さらに,基礎理論と実践例とを結び付け理論枠組みを仕上げ,データの収集と,解釈,考察を行うための指導をした。
その他の教育活動
・平成16年12月22日,「特別教職講座」算数を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教員としての教養と実践力とを高めることに配慮した。授業で扱う内容が基礎的な知識である場合も,実践例を取り上げながらできる限り子どもの活動と指導とに関連づけた。その関連づけを通して,学生や院生の発言を引き出し,学生や院生の積極的な活動を促すようにした。学生や院生が同じ授業に参加し,その参加を通して学生と院生とが交流し,議論する機会も設けた。
<研究活動>
学会活動への参加状況等
・平成16年11月20日〜21日:第37回数学教育論文発表会
◎特色・強調点等
 哲学的な考察からはじめ,人間の数学的活動を解釈し,新たな観点を導入しながら考察している。この分野の研究としては先駆的で,独創性が高いと考える。さらに,実践につながる視点を設けた。
<社会との連携>
社会的活動状況
・平成16年11月26日:第48回上越算数・数学教育研究(頸城)大会指導助言
 

岡 ア 正 和(助 手)
<教育活動>
授 業
 「数学教育学特論演習」では,海外の最先端の論文の内容の理解をはかる上で,実際に論文における教育実践を再現したり,日本の学校の現状との比較検討を議論の中に取り入れる工夫をした。「数学的経験と学習過程」では,学生の活動を活発にするために,具体的な作業や日常的な話題を取り入れる工夫を行った。また,数学が様々の繋がりあうおもしろさを体験することを通して,今後の教育活動における一つの指針を持たせるよう努力した。「計算機数学演習」では,学生の考え方に沿ってプログラムが完成するように助言を行った。「実践場面分析演習」では,院生が行ったマイクロティーチングに関して,数学教育学的に意味づけるように、コメントに配慮した。
研究指導
 数学教育学の修士論文作成において,データを意味づける理論的視点の提供や、分析の仕方に関して助言を行った。また、文献紹介なども行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 指導の特色は、教官側の意図をトップダウン的に学生や院生に伝えるのでなく,可能な限り,学生や院生の意図をくみ取って,当事者の立場から活動を意味づけたり,次に必要な視点や活動を示唆した点にある。こうした指導は,学生や院生の興味,関心を引き起こしながら,当事者の能力を高めることに繋がると考えられるが,まだ模索しながらの指導であり,今後よりよい指導へと高めていきたいと考えている。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年11月:『代数の導入過程としての正負の数の乗除の単元開発における授業展開の様相』(共著)日本数学教育学会,第37回数学教育論文発表会論文集, pp. 241-246
A平成16年8月:『算数を数学に接続する一般化に基づく教授単元の計画・実施・評価に関する開発研究』(共著) 日本科学教育学会, 第28回年会論文集, pp. 127-130.
B平成16年11月:『ドイツがはじめた東洋的な算数教育』(単著) 上越数学教育研究会, 研究と実践.
@平成15年11月:『Characteristics of 5th graders' logical development through learning division with decimals 』(共著) 第3回数学教育国際セミナー
A平成16年1月:『数学教育における記号論的連鎖に関する考察−Wittmannの教授単元の分析を通して−』(共著) 全国数学教育学会第21回研究発表会
共同研究の実施状況
@全体論の立場からの中学校数学への接続を意図した算数の授業開発に関する研究 代表者:岡崎正和(上越教育大学助手) 科学研究費補助金
A算数を数学に接続する一般化に基づく教授単元の計画・実施・評価に関する開発研究 代表者:岩崎秀樹(広島大学教授)科学研究費補助金
B算数と数学の接続を意図した中学校数学の導入過程の開発研究 代表者:岡崎正和(上越教育大学助手) 平成16年度上越教育大学研究プロジェクト経費
学会活動への参加状況等
@平成16年6月26日〜27日:全国数学教育学会第20回研究発表会出席
A平成16年8月6日〜8日:日本科学教育学会第28回年会出席
B平成16年11月13〜14日:第3回数学教育国際セミナー出席
C平成16年11月20日〜21日:日本数学教育学会第37回論文発表会出席
D上越数学教育研究会出席
在外研究の状況
@平成17年1月16日〜:アメリカ・テネシー州バンダビルト大学(担当教官 Patrick Thompson 教授)
◎特色・強調点等
 活動全般を通じての特色は,算数・数学教育においてその乖離が歴史的にも現状においても様々に指摘されている小学校から中学校への移行期をターゲットとして,この移行期における乖離を埋める手だてを臨床的に開発することにある。特に,算数から数学への移行における重要な思考活動としての一般化,またその上昇を促す手だてとしての記号論的な視点を重要な要素として想定し,これらをもとに,学校現場の教師と共同で,授業開発に当たっている。またこの研究活動を通して,大学の研究者,学生,学校の教師,子ども達,あるいはそれらを取り巻く環境が有機的に連携しながら,各々を各々の立場において高める臨床的なシステム作りも視野におさめている。研究の特色上,大学教育にも学校での教育実践にも,臨床的な手法による授業改善のあり方を示唆できると考えている。
<社会との連携>
社会的活動状況
@11月:上越数学教育研究会で指導助言者
A「教育実践研究」の査読者
◎社会への寄与等
 上越数学教育研究会の指導助言では,授業者の意図を積極的に意味づけるとともに,指導法に関わる他の視点を提供したり,フロアからあがった疑問に可能な限り応える努力をした。会の終了後に,複数の方から,直接およびメールを通して,助言へ賛同する意見を頂き,おおむね良好に受け止められたと感じている。