【生活・健康系教育講座(保健体育)】
 

青 木   眞(教 授)
<教育活動>
授 業
○教育方法及び成績評価面での取組
 体育科教育関係の学部授業では、授業づくりの基本をおさえた上で学生自ら授業計画を立てて実践する演習形式を取り入れて実施した。また、大学院では、新しい授業の創造を求めた授業構想を提起し検討し合う問題提起協議型の形式を取り入れて実施した。
 また、成績評価に関しては、期末テストで評価することより、普段の授業の中での取組を重視して評価するようにした。評価の観点は、「課題への取組」と「それによって起きた自己の脱構築性」である。
○教育の達成状況
 ゼミ所属であった大学院修了生(4名)は、それぞれ、修士論文の内容を実際の授業展開で確かめるべく取組を始めている旨の報告を受けている。このように、修士課程における学習・研究が実際の教育活動に直結し連続していることから、教育のねらいはほぼ達成されていると判断している。
研究指導
○大学院
 学習への規範的アプローチから、解釈的アプローチヘの広がりを主題化し、実際の授業における学習の意味解釈について学生と共に検討した。4名の修士論文とも、この学習活動が基になって作成されたものである。
その他の教育活動
@学部の直前教職講座及び3年次対象の教職講座で、体育領域を担当した。
A新潟県教育委員会が所掌する教員免許認定講習において、体育の分野を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学習の意味解釈から授業の構成を検討しているところに研究内容上の特色がある。これは、授業の諸条件と学習成果の因果関係を問題にする授業研究に対して、もう一つの研究法を開発しようとするものである。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@共著:「体育の学びを育む」、三重大学、2005.3、共著者 山本俊彦、岡野昇
共同研究の実施状況
@心地よさを大切にする体育学習を求めて 代表者:松本哲也(船橋市立芝山西小学校長)文部科学省指定、体育・スポーツ研究推進校
◎特色・強調点等
 体育における実体論的な学習から関係論的な学びを大切にした授業展開を模索している。特に、共同研究では、体育における「仲間とのかかわりの豊かさ」や「心地よさ」を基調とした授業を提案できた。
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県立教育センター「学校体育実技指導者講習会講師」(『学習指導要領改定の趣旨と個に応じた指導の在り方』を講演すると共に、研究協議会の指導助言)
A新潟県立教育センター「高等学校体育研修会講師」(『高校体育の課題と運営』を講演)
B上越市教育委員会「マラソンコース設置検討委員会委員長」(上越市にマラソンコースを設置する問題について教育委員長より諮問を受けた検討委員会)
◎社会への寄与等
 実際の教育現場における体育授業について問題点の共有を図り、その解決の糸口を提供すると共に具体的な指導のあり方を協議できた。
 

伊 藤 政 展(教 授)
<教育活動>
授 業
 体育心理学、体育心理学特論の授業では、付加的フィードバックの機能、文脈干渉効果等の運動スキルの学習に関する最新の理論と研究成果を取り込み、小学生を対象とした体育・スポーツの学習指導上の諸問題について問い直す努力をするとともに、生態学的知覚論の視点から運動遊具や運動遊びの場の設定について積極的な討論を行った。
 また体育心理学実験、体育測定評価の授業では、体育に関する現場研究・現場実験を行う上で応用可能性の高い要因計画の中から4つの計画を精選し、データの収集をとおしてそれらの解析方法と解釈の仕方を理解させるとともに、各自の研究成果の発表をとおして研究会や学会におけるプリゼンテーションの在り方について学ばせた。
研究指導
 卒業論文1件と修士論文3件の指導に当たった。卒業論文では、ボールの飛翔コースの予測と身体サイズの関わりについてエコメトリクスの観点から検討を加えた。修士論文では、児童の疾走スキルを高める言語教示の在り方、バランス保持の学習における注意の内的・外的焦点化の影響、ボール運動場面における児童の瞬間的状況認知の問題について追求した。
 また体育心理学を選択したゼミ生とともに、身体運動における認知スキルの学習に関する文献を広く収集し、児童の発育発達のレベルを考慮した体育指導の在り方について情報の整理を行なうとともに、これらの問題について積極的な討議を試みた。
<研究活動>
学会活動への参加状況等
@9月24日〜26日:日本体育学会出席
A12月2日〜4日:日本スポーツ心理学会出席
B平成16年度日本スポーツ心理学会理事
C学会誌「スポーツ心理学研究」の編集
D平成16年度日本スポーツ心理学会学会賞選考委員
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本体育協会認定講習会心理学部門講師
A上越教育大学出前講座(柏崎市立荒浜小学校にて『体力・運動能力の発達と臨界期』を講義)
B上越教育大学出前講座(新潟県立柏崎高等学校にて『体力・運動能力の発達と臨界期』を講義)
 

加 藤 泰 樹(教 授)
<教育活動>
授 業
 学部の授業では、一貫して学生の主体的取り組みを啓発することを主軸に置きながら、体育・スポ−ツに関わる学生個々人の興味・関心を基に、問題性の深化に向け、毎時間のミニレポートやグループワーク、そして発表や意見交換など、授業展開の工夫に努めた。
 大学院の授業では、現職院生たちが研究活動へスム−ズに移行できるような内容構成を工夫し、自己開示に関わる個別演習並びにグループ演習を適切に組み込んだ。
研究指導
学 部
 体育・スポーツに関わる時事的な諸問題について、資料収集や分析等のフィールドワークを課し、レポート作成と発表を積み重ね、当該の専門的教養の広がりを得ると共に、研究の発展、展開が適切になされた。
大学院
 実際にフィールドに出かけての実技演習を通して、身体的な実感を伴う運動認識の獲得と運動感性の覚醒に努め、それらの成果は充分に修士論文に反映できた。その後博士課程への進学に意欲を向けている。
その他の教育活動
・国立病院機構新潟病院附属看護学校非常勤講師として、平成16年4月〜9月まで「体育実技」を担当
・小中学校実習に際して、ゼミ生と共に実習校を訪れ、授業観察とそれに基づく事後検討会など行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 院生との「合同ゼミ」による、知的再生産効果をねらった全体指導と様々なフィールドワークを課題とした身体知の覚醒と獲得に基づく研究活動を行うところに特色がある。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年11月:「心豊かに生きる子どもをはぐくむ教育課程の創造」、上越教育大学附属小学校研究紀要p.1
A平成17年3月:「教育創造」上越教育大学附属小学校高田教育研究会編 第149号、pp.10-15
学会活動への参加状況等
@8月21〜23日:日本体育・スポ−ツ哲学会第26回大会参加
A平成16年度日本体育・スポ−ツ哲学会理事
B平成16年度新潟体育学会評議員
<社会との連携>
社会的活動状況
@6月18日:平成16年度生涯スポーツ指導者講習会[高齢者]講師
A8月4〜5日:平成16年度新潟県教育職員免許法認定講習(教科の指導[体育・保健体育])講師
B8月5日:出前講座「やさしい運動の指導法」(上越市古城小学校)講師
C8月27日:出前講座「やさしい運動の指導法」(柏崎市荒浜小学校)講師
D10月20日:「遊びと教育」(平成16年度新潟県内国立学校等係長研修会)講師
E11月19日:「心豊かに生きることと賢いからだ」(附属小学校研究協議会)講師
 

佐 藤   誠(教 授) ※保健管理センター
<教育活動>
授 業
学 部
 健康管理の観点から、「救急蘇生法」の実習、教員として知っておかなければいけない感染症およびその対処法について講義した。また、比較生理解剖学的な観点から、動物とヒトとの相違点を講義することによって、生きることの意義を討議した。
大学院
 教員として知っておかなければいけない感染症およびその対処法、運動生理学の基礎について講義を行い、救急蘇生法及び運動負荷試験の実習講義を行なった。
その他の教育活動
@新潟大学医学部非常勤講師として、「内科学・呼吸器病学」
A3学会合同呼吸療法認定士「更新認定のための講習会」講師
B栃尾南小学校「健康における睡眠の役割」講師
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年4月:呼吸機能検査ガイドライン (分担) 日本呼吸器学会肺生理専門委員会編 (2-3頁)
A平成16年7月:睡眠時無呼吸症候群スクリーニングハンドブック (分担) 厚生科学研究所 (25-32頁)(102-107頁)
B平成16年7月:呼吸のバイオロジー「なぜ呼吸は止められるか」 (分担) メディカル・サイエンス・インターナショナル (122-127頁)
C平成16年7月:睡眠時無呼吸症候群の診断と治療 (分担) 日本内科学会誌別冊 (122-127頁)
@平成16年6月:しゃっくり (共著) Medicina 62巻:6号 (553-560頁)
A平成16年11月:Short-term use of continuous positive airway pressure ameliorates glomerular hyperfiltration in patients with obstructive sleep apnoea syndrome. (共著) Clin Sci (Lond) 107:317-22
学会活動への参加状況等
@平成16年度日本呼吸器学会評議員,肺生理専門委員会委員
A6月:日本睡眠学会
B7月日本呼吸管理学会
C12月4日:第5回CPAP研究会基調発表司会
D保健全国大学保健管理研究集会出席
E新潟在宅呼吸療法研究会幹事
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越ケーブルテレビ番組(健康医学関係)コメンテーター
A睡眠と健康生活について考える市民講座講師(福岡市、北九州市、上越市)として、「いびきと睡眠時無呼吸症候群」の講義を行った。
B実践睡眠医療講座講師として「睡眠時無呼吸症候群」の講義を行った。
C職場の安全管理と産業医学の関係から、群馬県トラック協会、北海道釧路トラック協会講師として、「居眠りと睡眠時無呼吸症候群」の講義を行なった。
 

下 村 義 夫(教 授)
<教育活動>
授 業
 学校現場で行われている保健の授業あるいは活動の実際を調べさせ,毎時間授業の始めに発表させた。問題意識をもって授業に臨めるよう配慮したことによって,受身的な受講態度を払拭できたと判断したが,学生自ら問題意識を掘り下げ,自分自身の課題として追究させることはできなかったように思える。その原因の一つとして,保健領域の基礎的な知識が学生に不足していることが上げられる。本学だけの問題ではないが,教員養成における開設科目の系統性やカリキュラムの見直しの必要性を感じた。まず分野におけるカリキュラムの系統性を検討していきたいと考えている。
 大学院では,現職教員の受講生から学校現場での保健活動の実際を紹介させ,教育における臨床場面の分析を通して,教育実践としての視座や具体的な観点を確認あるいは理解できるよう工夫した。現職教員から自分自身の実践の意味を再確認できたとの評価を得た。実践や研究事例の分析から教育・研究における実践能力の向上を図れると考えている。
研究指導
 年度中途から赴任したため,担当する院生をもたなかったが,保健分野のテーマで修論をまとめていた院生に対して,これまで集積してきた知見等の紹介を通して指導的な役割を担えたと考えている。
その他の教育活動
・平成17年8月:徳島大学人総合科学部(大学院)非常勤講師として「教育保健特論」を担当した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年11月:『最新「授業書」方式による保健の授業』(共)大修館
@平成16年6月:『学校における喫煙防止教育に関する研究−喫煙防止教育の効果と実施状況についての検討−』(共)教育保健研究 第13号 pp.35-49
@平成17年3月:『養護教諭のバーンアウトに関する実証的研究』(共)第2回日本教育保健学会研究発表
@平成17年2月:『経験豊富な先生に教えてもらう異動・引継ぎの準備と工夫』 健,33(11) pp.19-24
A平成17年2月:平成16年度 保健学習推進委員会報告書 『保健学習推進上の課題を明らかにするための実態調査』(共)日本学校保健会
学会活動への参加状況等
@6月26日〜27日:中四国学校保健学会出席
A平成16年度中四国学校保健学会理事会
B11月12日〜14日:日本学校保健学会出席
C平成16年度日本学校保健学会評議会
D11月20日〜21日:日本教育実践学会出席
E12月11日〜12日:子どものからだの連絡会議出席
F3月18日〜19日:日本教育保健学会出席
G平成16年度日本教育保健学会理事会
◎特色・強調点等
 保健学習を推進するために実施した「保健の学力に関する実態調査」は,児童生徒の保健認識実態を全国規模で行った初めての試みであり,調査結果は今後の保健の授業を考えていく上で貴重なものといえる。
<社会との連携>
社会的活動状況
@保健学習委員会委員(文部科学省委託・(財)日本学校保健会)
A平成16年度岡山県養護教諭夏季宿泊研修会指導助言
B平成16年度山口県小・中・高等学校教職経験養護教諭研修講師(『保健学習のすすめた方』を講演)
C新潟県養護教員研究協議会助言
D市振校区青少年健全育成協議会事業講師(『児童生徒の生活習慣に関する課題』を講演)
 

長 澤 靖 夫(教 授)
<教育活動>
その他の教育活動
@教員採用試験対策として、実技指導を11回実施した。
A実技教育研究指導センターセミナーとして、一本杖スキー講習会を立案、実施に当たった。
<研究活動>
学会活動への参加状況等
@日本体育学会(9月)
AKJ法学会(11月)
Bスポーツ運動学会(3月) に参加した。
<社会との連携>
社会的活動状況
@県の依頼で、認定講習(実技:器械運動)を担当した。
A上越体育研究会の依頼で、講演と実技「研究授業5・6年:マット運動」を古城小学校で実施した。
B小千谷市立東山小学校スキー教室(於:当間スキー場)の実技指導を実施した。
 

市 川 真 澄(助教授) ※実技教育研究指導センター
<教育活動>
授 業
学 部
 「ブリッジ科目T(体育)」は,陸上運動,表現運動および基本の運動の3コースを受講することにより,初等教育教員としての基本的な心構えや考え方について導入的な指導を行うことをねらいとして授業を行った。実践的人間理解科目の「スノースポーツ」においては,スキーコースとスノーボードコースを設定し,基礎的滑走技術の習得をめざし,冬季における生涯体育種目として楽しむことができることをねらいとして授業を行った。教科専門科目である「陸上競技」では,小学校における教科内容の指導を中心にカリキュラムを設定し,中学校および高等学校の教材も含めて指導を行った。「バイオメカニクス」では,運動種目の特性や原理について主として力学的観点から講義を行った。「野外運動A(スキー)」においては,スキー,スノーボード,テレマークスキーを取り上げ,基礎技術の正しい理解と,基本的な指導法の習得に重点をおいて指導した。
大学院
 「運動方法学演習B(陸上競技)」の授業においては,「バイオメカニクス特論」の授業と関連し,バイオメカニクスの理論をいかに授業実践に活用するかを目標として,マルチメディア的手法を活用して授業を行った。
 それぞれの授業において,事前に達成すべき目標を設定し,受講生全員がその目標を達成できるような指導を行い,実技テスト,筆記試験およびレポートにより評価を行った。
その他の教育活動
@名古屋工業大学において,「健康運動科学演習(スキー)」の非常勤講師を行い,スキーおよびスノーボード実技の指導を行った。
A名古屋リゾート&スポーツ専門学校において,「スポーツ生理学」および「バイオメカニクス」の講義を行った。
B学内では「教職講座W」の講師として,陸上運動および陸上競技の指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 運動生理学及びバイオメカニクスに関する基礎的知見を実践にいかに応用するかを目標とし,マルチメディア的手法を活用して実技系授業を展開した。その結果,実技教材の本質的理解をより深めることができた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年2月:『高速down running におけるヒラメ筋錘内筋線維型の動因様式』(共著) 日本運動生理学雑誌 12(1), 23‐31.
@平成16年10月:『制御能でみる重心動揺検査』(共)日本人間工学会東海支部2004年研究大会
A平成16年11月:『重心動揺はカオス過程により生成されるか』(共)第63回日本めまい平衡医学会総会
学会活動への参加状況等
@7月31日〜8月1日:第12回日本運動生理学会出席
A9月9日〜11日:第18回日本バイオメカニクス学会大会出席
B9月14日〜16日:第59回日本体力医学会出席
C9月24日〜26日:日本体育学会第55回大会出席
D10月23日:日本人間工学会東海支部2004年研究大会出席
E11月18日〜19日:第63回日本めまい平衡医学会総会出席
◎特色・強調点等
 ヒトの平衡機能に関する研究を中心に行った。平衡機能(バランス)は,小学校期において顕著に発達する身体機能のひとつであり,運動時においても重要な身体的能力となる。本年度は,主として視覚外乱刺激の繰り返し呈示が立位姿勢調節系に与える影響について検討を行った。その結果,ヒトの姿勢制御戦略には視覚依存性と前庭依存性があることが推測された。さらに,運動がヒトの姿勢制御戦略にどのような影響を与えるかを検討している。
<社会との連携>
社会的活動状況
@全日本スキー連盟教育本部ブロック技術員
A愛知県スキー連盟教育本部専門委員
B妙高高原スキー産業活性化委員会アドバイザー
◎社会への寄与等
 日本陸上競技連盟A級公認審判員として,上越教育大学陸上競技記録会をはじめ各種公認陸上競技大会の審判を行い,地域の陸上競技振興に寄与した。
 全日本スキー連盟教育本部ブロック技術員として,全日本スキー連盟の指導員研修会の理論講師および実技講師として指導員および準指導員を指導し,スノースポーツ界に寄与した。
 

榊 原   潔(助教授)
<教育活動>
授 業
 学部では、学生が将来小学校の教員になることを想定し授業を構成した。授業用ノートを作成し授業の初回に配付することによって、事前の準備学習と事後の復習をしやすいようにした。また、学習カードを用い、授業後に学生が自己の学習活動を振り返る機会を設けた。また、体験学習では、春日小学校放課後児童クラブと連携し、児童と共に活動する機会を定期的に設けた。
 大学院では、身近なスポーツ運動をテーマとして、自らが実際に動く中で指導過程を構築する時間及びそれらを受講生間で討議する時間を設けた。
研究指導
 大学院では、附属中学校と連携し中学1年生を対象としたサッカー単元(7時間)の指導計画立案及び指導実践を行った。
その他の教育活動
・上越教育大学附属中学校教育研究指導者として、生活健康科の指導・助言を行った。
・「留学生スキー教室」において実技指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 スポーツ実践(サッカー)では、小学校の体育授業を疑似体験できるように授業を構成した。その上で、サッカーの集団的スポーツとしての特性に焦点を当て、『チームの仲間とのかかわり方を学ぶ』ねらいのもと構成した授業を紹介した。現在の体育授業の課題を理解する上で有効であったと思われる。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年10月:『サッカーにおけるフリーランニングの研究』(共著) 新潟体育学研究 第22巻,pp.23-27
◎特色・強調点等
 研究設備が不十分な学校等でも可能な研究方法である運動観察法を用い研究を進めている。
<社会との連携>
社会的活動状況
@6月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 上越市立大和小学校
A7月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 越路町立越路小学校
B11月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 三和村立里公小学校
C9月:第64回国民体育大会上越市準備委員会専門委員
D11月:上越地区D級コーチ養成講習会講師 日本サッカー協会
◎社会への寄与等
 新潟県サッカー協会及び上越サッカー協会と連携して、サッカーの普及、競技力の向上にかかわった。
 出前講座「運動遊び」では、小学生を対象とした活動、小学生とその保護者を対象としたPTC活動、小学校の教職員を対象とした研修活動など幅広い要望が寄せられた。運動遊びを通して人との関わり合いがより円滑になることを実感してもらえたものと思われる。
 

清 水 富 弘(助教授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部授業では「スポーツ実践」の水泳を担当している。受講生の技術・能力レベルが授業開始時点で大きく異なっており、それが学生相互にも認知しやすい特徴がある。そこで各レベルの学生個々の動気づけを高めるため、泳げない者を泳げるように保証する「マニュフェスト」を作成したり、授業での進化・変化を明確にする「到達度評価」を毎授業で受講生に示している。また、授業では能力レベル別のグループを作り、各グループごとに達成可能な課題を提案している。また夏休みに補講を実施し、泳ぐ技術習得に時間のかかる受講生に対し、個別指導を行うことで受講生とのコミュニケーションを深め、自己の課題に挑戦し、その結果を出すことを重視している。
 その他集中授業の「マリンスポーツ」「野外運動B(カヌー)」では、シラバス、全体ガイダンス、受講者ガイダンス、学内実習、本実習というステップを経ることで本実習までに野外教育に必要な情報、方法を段階的に伝えることを重視している。
 大学院でも上記と同様の「到達度評価」を実施しているが、特に指導理論と自己の能力との融合を重点的にとらえさせている。また、自己の課題も学部より多岐にわたるよう工夫している。
○成績評価法に関する取組状況
 「到達(達成)度評価」を実施している。これは、授業開始時に学生の能力レベルが大きく異なるため、技術・能力レベルおよび知識レベルにおける観点について開始時から終了時までにいかなる変化が生じたかを評価の大きな観点とし、その客観的変化を毎回の授業ごとに、受講生に公開した。また、受講生の行う授業評価については、大学側アンケートの他、独自で作成した授業評価チェックリストを授業最終回に無記名式で実施した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 特に学部授業の「スポーツ実践」において「水泳」を担当しているが、前期授業において水泳初心者には100m(クロールおよび平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。最初の授業の段階でこの基準を既に達成している者には、200m(クロールおよび平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。また、5分間泳のパフォーマンス向上を最終課題においている。本学の学生は、当授業終了時までに水泳の能力を必ず身に付けることになる。また、その過程における支援的教授により、水泳能力が未熟な学生にとっては不可能と思える課題を系統的に挑戦することで、段階的に克服する体験を味わい、さらに成果を上げることを重視している。さらに学生が自主的に水泳技術を習得するために、具体的にどのような課題に取り組めばいいかを明確にするために水泳教材データベースを作成した。また、夏期休業期間には基準の未達成者に対し4-5日の補講を実施している。
研究指導
【観点1】学部
 研究指導を開始する時点で、1年間の最終目標を明確にし、その目標の達成のために、毎月の活動がどのような意味をもつのかを学生自身が自己評価することを重視することで、学生の研究に対する動気づけを高める指導を行った。
【観点2】大学院
 研究課題となる内容について、院生自身が実験・調査のために必要な環境を具体的に明確にし、その交渉自体を院生の手によって行わせる。研究目的の明確化(GOAL)→現状の把握・問題の認識(Reality)→選択肢の創造(Option)→具体的スケジュール(Will)という「問題解決をめざすGROWモデル」を院生自身が推進するための、コーチング(教官は直接指示することなく、質問・傾聴・提案・要求・承認により院生に気づかせる手法)を主体にコミュニケーションをとることを重視した。このようなゼミを前期は週に1回、後期は週に2回実施した。また、学校教育現場との教員と関わりからの学びの必要性から修了生を中心とした現場教師との共同ゼミを積極的に開催した(年間4回)。
その他の教育活動
 他大学の非常勤講師は、新潟県立看護大学にて『健康スポーツ学』(講義及び実技)を、前期及び後期担当した。
 教職講座では、水泳を担当し、受験する都道府県の出題傾向に応じた実技(特に水泳)指導を行った。個別の指導により、短期間で技術(泳法技能、スタート、ターン)の改善に成功した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 上記(授業、研究指導、その他の教育活動)を通じて、学生とのコミュニケーション及び教授過程において、「コーチング」手法を導入した。コーチングとは、教官は直接指示・指導することはなく、質問を多用し、状況に応じ提案や要求を提示することに徹し、学生・院生自身に気づかせ「自問自答」する習慣をつくることを目的とした支援型コミュニケーション法である。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年5月:『新温泉医学』(共著) 日本温泉気候物理医学会
A平成16年6月:『Water Exercises Workouts with the Aqua Noodle』(共著) Meyer & Meyer Sport(英国)
B平成16年12月:『スイミングQ&A教室バタフライ編』(共著) (株)ベースボールマガジン社
C平成17年3月:『健康入浴推進の手引き』(共著) (財)全国生活衛生営業指導センター
@平成17年3月:『温浴水中体操の開発と実証的効果究』(共著) 上越教育大学研究紀要第24巻第2号 pp.471-481
@平成16年9月:『水泳教材のデータベース化に関わる研究』(共) 第55回日本体育学会
A平成16年9月:『水泳指導に関する学習内容の開発』(共) 第55回日本体育学会
共同研究の実施状況
@海洋深層水に関する研究 代表者:山本正治(新潟大学教授)「新潟県海洋深層水利活用技術先導研究開発事業」研究助成金
 「海洋深層水に関する研究」は、新潟大学医学部との共同研究で海洋深層水による人体への健康に及ぼす影響を生理学的見地・免疫学的見地からアプローチしており、他に例をみない先進的研究と評価されている。この研究プロジェクトとして通年4年目となる。
A東京ガス健康福祉事業「疲労回復の入浴研究」のプロジェクト研究 代表者:清水富弘(上越教育大学助教授)
 「疲労回復の入浴研究」は、プロジェクトの代表として、2年期間の1年目として研究会・実験のエビデンスを報告書にまとめた。参加メンバーは、金井茂夫(玉川大学教授)、野坂俊弥(長野看護大学助教授)を含む7名であった。
B社団法人民間活力開発機構「温泉療養ネットワーク事業推進委員会」 代表者:里敏行((社)民間活力開発機構理事長)
 「温泉療養ネットワーク事業推進委員会」については、ワーキンググループの研究員として大学、民間研究所および民間企業の研究者とともに予防医学・健康科学としての温泉入浴、運動、栄養の処方的実証調査・研究を実施した。
学会活動への参加状況等
@平成16年9月1日:日本油科学会第2回油科学セミナーに講師として参加
A平成16年9月24日〜26日:日本体育学会大会に出席・発表
<社会との連携>
社会的活動状況
@文部省認定・日本体育協会公認A級スポーツ指導者養成講習会講師(日本体育協会)
A(財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会委員(日本水泳連盟)
B平成16年度経済産業省「健康サービス産業創出支援事業」のうち「温泉療養システム研究会」会員および「温泉療養効果判定データバンク部会」メンバー(経済産業省)
C社団法人民間活力開発機構「温泉療養事業推進委員会」委員
D平成16年度「海洋深層水利活用技術先導研究開発事業」委託研究者(新潟県)
 

直 原   幹(助教授)
<教育活動>
授 業
 学部ブリッジ科目や大学院の教科専門における実技を伴う授業では、授業形態は、運動技能の上達過程における身体の内的変容に対する問いかけを重視した示範型の一斉授業の形式で実施した。また、指導方法では、運動技能の上達に伴う身体的実感の意識・言語化を学習目標とし、受講者の運動指導における臨床的な指導実践能力と結びつくよう配慮して授業内容を工夫した。特に、大学院については学校現場における対人的な危機管理能力を啓蒙する視点から、武道学、運動学および体育学を基盤とした専門的な知識と技能の拡充および得られた知識の指導実践への応用可能性について指導した。
研究指導
 学部学生、大学院生の研究志向に応じて、教科「体育」における教育現場の今日的課題を教科教育学的、体力学的、運動学的視点から幅広く取り扱っている。今年度は、運動学の領域(サッカー、野球、バスケットボール、テニス、ソフトボール)に関わる卒業研究(4年生1名、3年生4名)の研究指導を担当した。各研究テーマ上の専門的な知識の拡充および教育現場における臨床的課題に関わる学術的な論文が纏められるよう指導したが、全員が教職希望者であることから、教育現場での指導実践に関わるフィールドワークを重視した指導実践やマルチメディア教材の活用可能性を重視して指導した。また、ゼミ所属の大学院1年次生2名が教員採用試験に合格し、就職のため本学大学院を退学した。
その他の教育活動
・課外活動(剣道部)顧問として、年間を通じ稽古指導および合宿・大会の引率
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学の研究内容、授業内容等において教科臨床的視点に立った専門内容の再構成化を試み、@日本の型文化からみた現代の子どものからだにおける拘束性、A武道教育からみた「いじめ」と「フザケ」、B東洋的体育の再構成化と身体開発、C学校現場における対人的な危機管理能力の育成等、東洋的な身体運動文化の学校教育における今日的意義を検討している点に特色がある。また、本研究・授業指導とは直接の関連はないが、今後の課題として、本年度に生じたような大学院1年次生が教員採用試験に合格して2年次に退学する場合、将来的な再入学の可能性と単位取得の関係を考慮・検討する必要を感じた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年7月:『教育剣道の科学』(共著)大修館書店
@平成16年7月:『小学生剣道における間合学習とマルチメディア教材活用の有効性に関する実践的研究』(共著)武道学研究、37(1), pp. 43-51
A平成16年7月:『中学生剣道における礼法指導後の心理的特徴の変化と競技面への適応可能性』(共著)武道学研究、37(1), pp. 21-30
B平成16年10月:『脳性マヒ児の歩行訓練とマルチメディアを活用した評価の有効性』(共著)新潟体育学研究、第22巻, pp. 3-11
@平成16年7月:『第39回全日本少年剣道錬成大会』新潟県代表(監督)日本武道館(全日本剣道連盟)
A平成16年8月:『第46回全国教職員剣道大会』新潟県選抜(選手)広島県廿日市スポーツセンター(全日本学校剣道連盟)
B平成16年9月:『第22回全日本都道府県剣道道場対抗優勝大会』新潟県代表(選手)群馬県立体育館(全日本道場剣道連盟)
C平成17年3月:『第2回全日本学連剣友会剣道大会』新潟県選抜(選手)大阪市立中央体育館(全日本学連剣友剣道連盟)
@平成16年10月:『運動技能学習におけるマルチメディア教材の活用と示範動作の呈示方法に関する基礎的研究』(共)新潟県体育学会平成16年度大会研究発表
@平成17年3月:『教科「体育」における運動技能学習とマルチメディア活用の有効性に関する実践的研究』平成14・15・16年度科学研究費補助金(基盤研究C−2)研究成果報告書
学会活動への参加状況等
@平成16年9月:日本体育学会、日本体力医学会、日本身体運動文化学会出席
A平成16年10月:新潟県体育学会平成16年度大会出席
B平成16年度日本武道学会評議員
C平成16年度日本運動生理学会評議員
D平成16年度新潟県体育学会理事
◎特色・強調点等
 発表した研究内容は、小学生年齢の運動学習においてマルチメディア教材活用の有効性を運動習熟の面から実践的に検討した点、中学生年齢の剣道学習において「礼法」の指導実践の心理的効果を競技への適応度から具体的に明らかにした点に特色がある。特に「礼法」の指導実践については、従来の学校教育ではその徳育的効果が期待されてきたが、本研究では「礼法」指導を剣道実践の「場」における「心のあり方」に着目した技術的行為の側面から実践することにより、競技における心理的コンディショニングの面から捉えることが可能となった。
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成16年4月:学校コンサルテーション事業(小学生剣道の指導、学内)
A平成16年5−7月:上越教育大学公開講座(少年剣道教室)講師
B平成16年7月:新潟県夏季剣道講習会(新潟県剣道連盟)指導講師
C平成16年7月:全国教育系大学学部学生剣道セミナー講師(指導法、審判法)
D平成16年8月:上越教育大学・信州大学間の連絡協議会(地域貢献部会)平成16年度個別事業(少年剣道交流フレンドシップ)実施
E年間:上越地区小・中・高校生剣道強化練成会指導(年間24回)
F年間:上越市内在住の幼児・児童の剣道指導(スポーツ少年団、週2回/年間)
G年間:県内の各種剣道大会に審判員として協力参加
H年間:高齢者を対象とした早朝剣道稽古会(週1回/年間)
Iその他:全日本学生剣道連盟理事、全日本学生剣道連盟事業委員会委員、北信越学生剣道連盟理事、全上越剣道連盟常任理事、上越市剣道連盟常任理事
◎社会への寄与等
 上越地域の児童の健全育成に寄与するため、上記のような剣道を通じたフレンドシップ的な活動および新潟国体に向けた技術強化事業としての錬成稽古会を、本学学生と共に年間150日以上実施した。草の根的なボランティア活動であるため、表彰や新聞報道とは無縁であるが、多くの児童および保護者からその継続が依頼されている。
 

土 田 了 輔(助教授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部教育では、近年、球技に関するゲームの発展様相についての実感が乏しい学生が多いことから、自分達の手によるゲームの改善を支援する授業スタイルを心がけている。
 大学院教育では、児童生徒が学習に取組やすい「環境作り」としてのグルーピングから、バスケットボールのゲーム課題に焦点をあてた指導法を重視した。
○成績評価法に関する取組状況
 学部教育では、実技授業が技能中心の評価に陥らないよう、スポーツ教材を通じての関わりを重視し、仲間との交流の深まりを評価できるような項目を工夫した。講義においては暗記量の評価にならないように学生自身の理解度を見るためにレポート形式での表現を重視した。
 大学院教育では従来はレポートを重視した評価をしてきたが、文章表現能力の高い現職教員がもともと多い演習においては、レポートだけでは差異化が困難なことからレポート課題や授業中での評価方法に改善の余地があると感じた。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学部の実技授業においては教育現場での指導力を念頭において、常に「子ども」への配慮等を強調した。特に大人の目線からではなく、児童生徒の目線から見た体育授業の空間を再現、説明しながら、将来教職に就くであろう学生を支援した。
 大学院の授業においては現職が多いことから、球技のゲームの深層的課題について具体化し、そこで今児童生徒にとって何が生じており、何が必要なのかを考えさせる授業を工夫した。
研究指導
【観点1】学部
 学部教育のセミナー等研究指導においては課題の発見から解決までのプロセスを重視し、自主性を尊重しながら論文作成までを支援した。
【観点2】大学院・研究留学生
 大学院のセミナーにおいては、現場での問題意識を重視した研究課題をなるべく壊さないよう配慮し、修士での研究成果がそのまま現場から持ち込んだ問題意識への回答になるよう工夫した。
その他の教育活動
 宮崎大学にてバスケットボール実技の非常勤を行った。教職講座に関しては、短期間で必要最低限の技能修得ができるよう、ドリブルシュートやパスの実践力を育成した。
 また、課外活動においても専門であるバスケットボールの指導に従事し、北信越地区の男子選抜チーム監督として全国大会に出場した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 今年度は月2〜3回、上越市バスケットボール協会主催のジュニアバスケットボール教室に出向き研修を行い、児童の指導に従事した。また、外部講師として上越市立八千穂小学校に出向き、4,5,6年生の体育(バスケットボール)を指導した。これにより児童の活動の様子を大学での学部・大学院の指導内容に直接反映させることができた。また専門であるバスケットボールに関しては正課外でも積極的に現場指導に出向き、学内外で教育活動を行った。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年2月:『からだをひらく「体育」から「からだ」へ』お茶の水女子大学附属小学校NPO法人お茶の水児童教育研究会
競技指導 @平成16年7月2日〜4日:第8回日本男子学生選抜バスケットボール大会北信越学生選抜チーム監督(第6位)
共同研究の実施状況
@球技教材の分類論 代表者:鈴木理(宮崎大学),共同研究者:廣瀬勝弘(鹿児島大学),鈴木直樹(埼玉大学)
学会活動への参加状況等
@平成16年10月23日(土):新潟県体育学会平成16年度大会出席
◎特色・強調点等
 球技教材の分類論に関しては、従来ゲーム課題に着目した系統的な指導が発案されてこなかったことを批判的に検討している点が特色である。
<社会との連携>
社会的活動状況
@北信越学生バスケットボール連盟理事.
A北信越男子学生バスケットボール選抜チームアシスタントコーチ.
B甲信越学生バスケットボール定期戦大会理事.
C新潟県学生バスケットボール連盟副理事長.
D新潟県バスケットボール協会公認審判員.
E上越市バスケットボール協会理事.
F上越市ジュニアバスケットボール教室指導補助.
◎社会への寄与等
 新潟県学生バスケットボール連盟副理事長として、県内の大会企画運営で新潟県の学生バスケットボールの普及に積極的にかかわった。また地域の小学生対象ジュニアバスケットボール教室の指導補助に出向き、地域の指導者との交流や指導法の情報交換をした。
 

大 橋 奈希左(講 師)
<教育活動>
授 業
 学部・大学院ともに、授業の方針、目標をシラバスに明記し、最初の授業で評価の方法を示した。学部の授業では、将来学生が指導者になったときの実践力、特に課題設定とその解決のための指導・支援に焦点を当て、授業を展開した。大学院の授業では、新学習指導要領で新たに加わった内容と従来からの内容とのつながりを意図した授業実践を試みた。成績評価にあたっては、実技とレポートを中心に評価した。
研究指導
 学部生には、実践的課題を明確化し、運動学的視点から解決に向けての方策を探求するよう支援した。
 大学院生には、実践事例について、運動学の理論をもとに議論する機会を設けた。特に、運動観察の視点の明確化と教育実習の反省については、合同ゼミ形式で、研究交流を図った。
その他の教育活動
@国府小学校親子の活動講師
A古城小学校PTA・児童健康づくり講師
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年5月:新潟県高校ダンスフェスティバル 創作コンクール部門審査員
A平成16年8月:全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸) 指導作品『繋生〜いのち〜』発表
B平成16年12月:全国創作舞踊研究発表会(島根) 指導作品『八方裏人』発表
@平成16年9月:『「体ほぐしの運動」についての考察−現職教員への問いかけによる現状把握』(共)日本体育学会研究発表
共同研究の実施状況
@公立小学校の英語科導入に関する包括的開発研究 代表者:齋藤九一(本学)科学研究費補助金
A地域における高齢者指導システムの開発−仲間との交流を目指す運動プログラムの展開− 代表者:大橋奈希左 科学研究費補助金
学会活動への参加状況等
@平成16年8月:日本体育・スポーツ哲学会出席
A平成16年9月:日本体育学会出席
◎特色・強調点等
 昨年度内地研究員として取り組んだ研究の成果を大学での授業や小学校での講師の際に実践することができた。
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県健康運動実践指導者認定試験委員
A新潟県女子体育連盟常任理事
B全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)審査係
Cいのちの教育レクリエーション講師
D新潟県 健康運動実践指導者養成講習会講師
E中越地区 高体連ダンス指導者講習会講師
F上越市 運動普及推進員育成研修会1回目・運動推進養成講座2回目講師
G名立町 「歩こまいか名立」歩き方指導講師
H出前講座 柏崎市荒浜小学校
◎社会への寄与等
 科学研究費補助金を受けて取り組んでいる「高齢者の指導システム」の開発の成果も実践的な場面で紹介・展開することができた。この成果はこの分野では先駆的で独創性が高い。その一部は今後地元上越市の体操として採用される予定であり、さらに研究の進展と社会への貢献が期待できる。