【生活・健康系教育講座(家庭】
 

大 瀧 ミドリ(教 授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 子どもの生活を身近に感じられるよう配慮した授業形態は、学生から肯定的評価を得ており、今後もこの形態を継続したい。
○成績評価法に関する取組状況
 受講者に対して成績評価方法だけでなく、評価基準を明示する方向で検討したい。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 ゼミに所属していた学部4年生及び大学院2年生の学生は、いずれも第一希望の職種に就職できた(公立保育園保育士及び小学校教諭)。いずれの学生もプレスメント・プラザで就職指導を定期的・継続的に受けた。これは、彼等の就職対策として非常に有効であったと推察している。また、学部3・4年生及び大学院生の合同ゼミを行うことは、相互的な学びだけではなく、適度な緊張感とやる気を喚起するとともに、就職活動をも支える効果を持ったように思われる。
研究指導
【観点1】学部
 学部3年次は、文献読みに時間を掛け、4年次にデータ分析を行うという研究指導の方法が定着し、学部生は卒業研究について具体的作業イメージを持ち、主体的な研究姿勢が顕著に認められるようになった。
【観点2】大学院
 学部生と同じ研究対象であるが研究テーマがよりレベルの高いものにすることで、大学院生の研究への動機つけが効を奏し、研究に関する真摯な態度が育成されたと学生自身も評価していた。また、連合大学院を満期退学し、私立短大に講師として就職した者に対して、連合大学院の論文博士の学位を取得するための研究指導を行った(学位取得:平成17年3月)。
その他の教育活動
・平成16年8月:新潟大学非常勤講師(「保育学」及び宇都宮大学非常勤講師(「児童学特論演習」)
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年3月:子どもが生活文化の意味体系を構築する過程に関する実証的研究 平成16年度科学研究費補助金研究成果報告書
学会活動への参加状況等
@国際幼児教育学会理事
A日本家政学会評議員
◎特色・強調点等
 保育園に在園する1歳児を対象に3年間継続研究を行うことにより、子どもが自己の外に存在する生活文化を自己の内に取り込む過程及びそれらを他児と共有化して行く過程を解明することを目的としている。本年度はその初年度に相当する。
<社会との連携>
社会的活動状況
@家事調停委員(最高裁判所)
A新潟家庭裁判所参与員(新潟家庭裁判所)
B平成16年度科学研究費委員会専門委員(独立行政法人日本学術振興会)
Cベビー健康プラザ相談員(上越市)
D上越青少年問題協議会委員(上越市)
◎社会への寄与等
・家事調停委員及び参与員として、特に子どもの最善の利益が考慮されるように調停等に関わった。
・ベビー健康プラザ相談員及び上越青少年問題協議会委員として地域の育児支援等に関わった。
 

佐 藤 悦 子(教 授)  
<教育活動>
授 業
 学部における被服学関連の授業は,講義・実験・実習の内容を関連づけて理解できるよう構成している。しかし,以前よりスリム化した時間内で行うため,プリントの配布や実物資料の提示,ビデオ視聴等を積極的に取り入れている。また,講義では,授業後小レポートの提出を課し,添削して返却する等,基礎的かつ必要な内容の理解が深まるよう工夫した。製作実習では,履修者が製作技術や製作経験が様々であるため,初回時に授業計画表を配布し,各自が全体を見通せるようにした。昨年度と同様に,外部業者の協力を得てミシン等の縫製機器類を安全かつ適正に取り扱えるよう解説し,機器操作実習を兼ねた授業を継続して行っている。
研究指導
 被服商品の消費性能ならびに衣服の着脱動作に関する研究として,生活に密着した事象から学生自身が課題を見い出し,研究テーマに発展できるよう心がけて指導を行っており,この点を特色としている。本年度は,衣服の着用選択と着用場面を取り上げ,その関連性について検討した。着脱動作に関する研究では,衣服の打ち合わせの違いが片手でのボタンかけはずし操作にどのような影響を及ぼすかを検討した。本年度も,セミナー共通の課題として「衣生活」に関するテーマを継続して取り上げ,各自のテーマに沿って資料等を調べ,レポートにまとめ報告し合い,討議できるよう指導した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年10月:「上衣のボタン位置によるかけはずし動作の変化について」(共),日本衣服学会第56回年次大会研究発表
学会活動への参加状況等
@平成16年10月30日:日本衣服学会第56回年次大会出席
A平成17年3月24日〜25日:日本家政学会被服心理学部会春季セミナー出席
B日本繊維製品消費科学会北陸支部幹事
C日本家政学会被服心理学部会地区委員
 

滝 山 桂 子(教 授)
<教育活動>
授 業
 学部の初等家庭科指導法の授業では、教員養成系の大学の学生として時代を拓く教材の開発を、分野をベースとしたグループで実施した。作成した教材には分野の特徴がみられ学生相互の刺激となった。受講者が子どものニーズと時代のニーズをふまえた教材開発をめざすよう指導した。
研究指導
 現職の大学院生の論文作成にあたり、当該家庭分野の手法に学習臨床コースの研究手法を導入して指導した。これは、本学大学院の履修条件に幅があるため実現した。院生が現場に戻ったときに役立つ研究がしたいという希望に可能な限り沿い、学習過程の分析を実施した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 研究指導では、研究成果を広く保護者、児童・生徒、職場の同僚にも伝えることが容易になるよう、視覚化を試みた。また、授業分析の方法として、学習者の本音にアプローチするためにテキストマイニング法を取り入れた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年3月:『若者の携帯電話・PHSの利用における機能と料金に関する調査研究』(共著)上越教育大学研究紀要 第24巻第2号 pp.483-496
@平成16年6月:『家庭科カリキュラムにおける授業実践の理論化の試み』(共) 日本家庭科教育学会第47回大会研究発表
ADevelopment of Multimedia Teaching Materials Utilizing Information Concerning Drinks. The 20th World Congress of International Federation for Home Economics(共) 2004. 8.pp1-7.
B平成16年10月:『テレビCMに対する視聴者の反応−茶系飲料を事例として−』(共) 日本家庭科教育学会北陸地区第21回大会
C平成16年10月:『学生宿舎における近隣騒音の実状』(共) 日本家庭科教育学会北陸地区第21回大会
学会活動への参加状況等
@日本家庭科教育学会評議員
A日本家庭科教育学会編集査読委員
◎特色・強調点等
 現代の人間生活に生起している新たな状況を取り上げ、客観的に測定しようとしているという点で特色がある。発表Bにおける視線分析、発表Cに関連した騒音測定はその例である。測定に基づいた実態把握は、子どもにとって大きな発見であり、教育実践への寄与という点で発展性がある。
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成16年度日本教育大学協会全国家庭科部門運営委員
A11月:NPO法人エコネット上越主催エコライフ講座講師「環境と体にやさしい衣生活」
 

立屋敷 かおる(教 授)
<教育活動>
授 業
 学校全体で行う食の教育を協同的に担う教員を養成する立場から、学部2年次選択必修である総合演習に「学校と食の教育」を開設し、来年度より教員養成実地指導講師と共に担当することとした。
 また、中越地震発生数日後の学部調理実習は、予定を変更して消火器による消防訓練を実施し、併せて調理実習中に地震が発生した際の防災マニュアル(小学生用・大学生用)の作成を受講者に課した。
 大学院特論では、引き続き自身の研究を軸にして食を総合的に取り上げ、教養的な内容に専門的な内容を加えて講義している。大学院特別実験では小・中学校の授業を視野に入れた内容を加えている。
研究指導
 学生、院生が研究を通して、ものの見方や考え方、洞察力などを錬磨すると共に各自の研究成果が論文として纏まることを目標として指導した。さらに、学部、大学院ともに、各自の研究課題と学校教育や教科との関連について明確にし、常に認識するよう指導した。また、研究課題と併行して、学校教育における食の教育や栄養教諭の制度化などについて共通のセミナー課題として取り上げ、様々な観点より検討・考察させた。
その他の教育活動
@新潟県立看護大学非常勤講師「臨床栄養学」(30時間)
A早稲田大学人間科学部非常勤講師「食生活論」(30時間)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学校全体で行う食の教育を協同的に担う教員養成。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@飲酒と健康、体力科学、54(3)、印刷中(2005)(共)
A箸使用時の利き手と非利き手のパフォーマンスに対する視覚の影響、日本調理科学会誌、38(3)、印刷中(2005)(共)
B箸およびスプーン使用時の利き手と非利き手の比較と箸のトレーニング効果、日本調理科学会誌、38(4)、印刷中(2005)(共)
C小中学生における箸の持ち方と鉛筆の持ち方との関連、日本調理科学会誌、38(4)、印刷中(2005)(共)
@Species- and sex-differences of mouse liver cytosolic alcohol dehydrogenase activities.(共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S232 (2004), 第81回日本生理学会大会
AComparisons among three life-stages in capsaicin-induced changes of plasma energy substrate levels in rats.(共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S232 (2004) 第81回日本生理学会大会
BFood deprivation-induced changes of liver cytosolic alcohol dehydrogenase activities in infant, adult and aged rats. (共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S232 (2004) 第81回日本生理学会大会
CFood deprivation-induced changes of plasma energy substrate levels in infant, adult and aged rats. (共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S233 (2004) 第81回日本生理学会大会
DIn vivo effect of hydrocortisone on plasma energy substrate levels in rats. (共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S233 (2004) 第81回日本生理学会大会
EIn vivo effect of synthesized glucocorticoid, dexamethasone on plasma energy substrate levels in rats. (共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S233 (2004) 第81回日本生理学会大会
FEffect of β2 agonist, clenbuterol on plasma energy substrate, insulin and cyclic AMP levels in rats. (共)Japanese Journal of Physiology, 54 (Supplement) S234 (2004) 第81回日本生理学会大会
G箸操作のlateralityに対する視覚の影響(共)体力科学、53、635(2004)(共)第59回日本体力医学会大会
H箸操作のlateralityとそのトレーニングの影響(共)体力科学、53、648(2004)(共)第59回日本体力医学会大会
Iカプサイシン投与による幼齢期・成熟期・高齢期ラット血漿glucoseレベルの応答(共)体力科学、53、733(2004)(共)第59回日本体力医学会大会
JGlucocorticoid投与によるラット血漿エネルギー基質およびインスリンレベルの変動(共)体力科学、53、736(2004)(共)第59回日本体力医学会大会
K絶食によるラット肝臓内アルコール代謝関連酵素活性の変動(共)体力科学、53、748(2004)(共)第59回日本体力医学会大会
L教育講演:飲酒と健康(共)(2004)第59回日本体力医学会大会
共同研究の実施状況
・β2アゴニストおよび糖質コルチコイドによるエルゴジェニック効果の分子生理学的研究、平成14-16年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2))研究、代表者:今泉和彦(早稲田大学教授)
学会活動への参加状況等
@6月2日〜4日:第81回日本生理学会大会(札幌)出席
A9月14日〜16日:第59回日本体力医学会大会(大宮)出席
B日本生理学会評議員、日本体力医学会評議員、日本運動生理学会評議員
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市食の安全を考える市民会議委員
A群馬県総合教育センター講師(「健康教育と学校栄養職員の役割」を講演)
B本学学校教育総合研究センター主催「食育フォーラムin上越」の提言・まとめ担当)
 

得 丸 定 子(助教授)
<教育活動>
授 業
 学部・院共に全授業で講義支援システムを用いてレポート管理、学生との連絡・交信を取り総合的に成績評価を行った。学部の授業では食生活に重点を置いた生命健康教育や、初等・中等家庭科の指導法では教育原理である「生きる」ことに関与する授業や家庭科の教材観の検討と教材作成を行った。大学院の授業では英書講読を中心に「いのち教育」について多面的に検討した。
研究指導
 学部は小学校全教科書を対象に「いのち教育」の題材分析と悲嘆についての文献研究・調査を行い、いのち教育の具体的取組を探った。大学院は中学生対象に味覚官能検査を実施後、食意識・行動との関連性を考察し、中学生の食育の在り方ついて検討。また教育現場でのいのち教育に資するため、ペットロスについて日米で意識調査を行い、日本的ペットロス対策を検討した。
その他の教育活動
@教職講座U「家庭」担当
A附属中学校の生活健康科における研究指導・助言
B教育実習先訪問と学生指導
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 「いのち教育」の視点の立った教育活動を行った。「いのち教育」は教育的基礎として重要な内容であり、社会的・時代的要請があるものの、我が国の学校教育では緒についたばかりである。今後はより日本人の感性に沿ったいのち教育の検討が課題である。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年7月:「生と死の教育」、浅倉書店『新版 家政学事典』所収
@平成16年11月:「死んだら生き返る?生き返らない?」新潟県教育月報685号(新潟県)、p40
A平成17年1月:「悲嘆を伴う死別に関する意識調査」日本家庭科教育学会誌、第47巻4号、pp.358−367
B平成17年2月:「「宗教、いのち、教育」そのかかわり」眺龍、通巻644号、pp.10−15
C平成17年2月:「家族の死に直面したとき」児童心理 臨時増刊No.819、第59巻第3号、pp.118−122
D平成17年3月:「学校教育における自殺予防教育の取り組み」教科教育学研究、第23集、pp.415−427
@平成16年8月:『Development of Instructional Materials for Life & Death Education』(単)IFHE the 20th World Congress他4件
@平成17年3月:科学研究費補助金研究成果報告書2件
A平成16年5月:日本教育大学協会研究助成報告書1件
共同研究の実施状況
@学校教育におけるスピリチュアル・エデュケーションの理論・実証的考察 代表者:得丸定子(上越教育大学)科学研究費補助金
A福祉・環境・ジェンダーを視点とした家庭科の横断的カリキュラムの構造化と授業開発 代表者:荒井紀子(福井大学)科学研究費補助金、 他2件
学会活動への参加状況等
@8月8-10日:IFHE 2004 Kanazawa Post Congress出席
A8月26-29日:The 18th Symposium on Life Information Science出席
B10月2-3日:世界尊厳死協会第15回世界会議東京2004出席
C3月16-19日:6th Asia Pacific Hospice Conference出席、 他
◎特色・強調点等
 「いのち教育」に関する研究で、漢字、儒教、仏教等の文化を基底に共有する近隣諸国の「いのち教育」の調査・研究や、「いのち教育」とスピリチュアリティの関係性の探求、それらの学校教育への実践の試みは先駆的な取り組みである。国内外の研究者と共同研究を進めている。これらの取り組みは、日本の学校教育における「いのち教育」の新展開に貢献できるものである。
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市の各種委員(情報公開・個人情報保護審査会他2委員)
A日本死の臨床研究会企画委員
B5月24:日長野県「生徒指導専門研修講座」講師
C8月20-21日:「第5回いのち教育実践のための研修講座」上越教育大学にて開催
D9月8日:北辰小学校、オープンスクール講師
E10月25日:アイオワ大学にて授業
F1月30日:寺泊教育委員会講演会講師、 他
◎社会への寄与等
 上越市の委員会に複数参画し市民への奉仕に積極的にかかわった。
 「第5回いのち教育実践のための研修講座」を開催し、全国の市民、小・中・高等学校・大学教員等の研修・研鑽に寄与した。
 

細 江 容 子(助教授)
<教育活動>
授 業
【観点】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
多様化する学生の学習への動機付け
 家庭経営学領域(家族関係、家庭経済)であるので、学生が日常生活の中で、特に日頃、疑問に思う身近な事柄をとらえながら授業の導入を行い、知識の習得と同時に、そのような問題がなぜ生じるかを考えさせる授業の展開によって、思考力や判断力を育てる授業を展開した。
学習・研究目標確立のための指導
 将来、家庭科の教員として授業を行う可能性のある学生たちに対し、授業での知識の習得と同時に、思考力や判断力を育てるために、ディベートや発表などの時間を設けて授業を展開した。
事前・事後の学習
 文献、資料等の提示により事前・事後の学習をさらに深める方法をとった。
○成績評価法に関する取組状況
 各授業における学習目標を知識、思考、判断、表現、意欲といった項目を基に、その目的達成のための授業の計画と方法を考え、その視点から成績評価をおこなうと同時に、学生からの授業評価を得ることで、自己の授業改善を行った。
研究指導
【観点1】学部
教育に関する臨床的な実践力習得のための指導
 各授業における学習目標を知識、思考、判断、表現、意欲といった項目を基に、その目的達成のための授業計画と方法によって、学生が教育現場に出た時の評価基準への学生自身の応用も可能となる授業の展開を図った。
【観点2】大学院・研究留学生
教育に関するより高度な臨床的実践力習得のための指導
 大学院においては特に思考力を身に付けることをねらいとし、レポートの報告やディスカッションを多く行う授業実施した。また、指導・研究内容に関わる国際会議に出席する事により、最新の研究・教育に関する内容について、指導できるように努力した。
その他の教育活動
・共立女子大学非常勤講師(家族関係学)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業においては、導入部とその展開に関する方法を工夫する中で、学生達が授業に興味・関心を持つことが出来るようにすると同時に、学生の長所を積極的に評価し、学生の意欲を引き出すための努力を行った。そのことがとりもなおさず、学生達が児童・生徒を指導する教育現場において、役立つことと考えた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年5月:『抵抗体としての家族』(共著)至文堂
A平成16年5月:『ライブラリー生活の科学』(共著)コロナ社
@平成16年8月:『中高年女性の配偶者に対する感情と性に対する評価』(共著)家族社会学研究
@平成16年8月:『Family, community and children's well-being in Japan 』(共同)第20回国政家政学会(IFHE)世界会議
@平成16年8月:『書評「若者が社会的弱者に転落する」』(単著)家庭経営学研究
共同研究の実施状況
・家族関係学部会研究活動委員会「子どものウェルビーイングと家族・地域社会についての実証的研究」(代表:長津美代子、群馬大学、事務局:細江容子)
国際研究プロジェクトへの参加状況
・「東北アジアにおける高齢者扶養と高齢者のウェルビーイング」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University、事務局:細江容子)
学会活動への参加状況等
@第20回国際家政学会議出席
A家政学会家族関係学部会出席
国内外の学術賞の受賞状況
・産業教育功労者記念会長賞
◎特色・強調点等
 国勢比較調査等で高齢者扶養や介護の研究を行う中で、高齢者のウェルビーイングがコミュニィテー形成の在り方と深い関わりを持つとの認識にいたった。さらに、このコミュニュテー形成は子どもの社会力とも関係しており、子ども、高齢者のウェルビーイングに関する研究を行っている所である。これらの研究はまだ十分に研究が行われていない分野であり、調査・研究の結果が、社会に貢献できるとの強い認識を持っている。
<社会との連携>
社会的活動状況
@第20回国際家政学会プログラム委員
A家族関係学部会役員
B新潟県労働審議会委員
 

光 永 伸一郎(助教授)  
<教育活動>
授 業
 食についての興味を学術的に発展させることを授業の目標とした。学部授業においては,食を学ぶための基礎知識を講義するとともに,それらを化学的・生物学視点から理解するための広範な情報を提供した。大学院授業では,食に関する話題性の高いテーマを中心に取り上げ,その科学的背景を的確に理解できるような解説を行った。また,いずれの担当科目についてもシラバスの内容を検討し,それらを反映した授業展開を心がけた。
研究指導
 卒業研究の指導は,発芽した植物(特に発芽玄米)に関する栄養学的研究を行った。分析方法については,教育現場でも利用できる比較的簡単な手法を用いたが,学術的にも十分に意義のあるデータが得られるよう計画した。卒業論文の作成の際は,ひとつの自然現象を解明し,それを文章としてまとめるといった一連の作業をマスターできるように配慮した。
その他の教育活動
@新潟県立看護短期大学において,保健栄養論の非常勤講師を務めた(平成16年4月1日〜平成17年3月31日)
A本学主催の平成16年度の「附属中学校わくわく大学ウイーク」において特別授業を実施した。テーマは「遺伝子の正体・DNAを見てみよう」(平成16年7月)
B全学1年生対象の体験学習において,我々の主食である穀類の栄養や文化についてわかりやすく紹介した。
C4年指導生が担当した教育実習時の研究授業を参観し,実験部分の実施にあたっては器具類の補助や助言を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 食についての知識をより確実なものにするために,講義内容と実験との関連については,特に重点を置いて検討した。そのために講義においても具体的な食品や実験器具を提示した。刻々と変化する食研究の現状についても,関連の新聞記事などを利用するなど,資料については十分な工夫を凝らした。その一方で,氾濫する食の情報を正確に伝えることにも配慮した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年:『Measurement of the Concentration of Bioactive Gibberellin in Germinating Rice Seed Using the α-Amylase Induction from Aleurone Cells』(共著)Journal of Applied Glycoscience(印刷中)
A平成17年:『Regulatory Mechanisms of α-Amylase Expression in Germinating Rice Seeds』(共著)Current Topics in Plant Biology(印刷中)
B平成17年:『発芽玄米調製時における生育条件の検討,および発芽玄米好適品種の同定』(単著)飯島記念食品科学振興財団 平成15年度年報(印刷中)
学会活動への参加状況等
@平成17年3月24日〜26日:第46回日本植物生理学会に年会委員として参加し,年会の運営にも携わった。また,一般講演においては座長を務めた。
A平成16年12月4日:本学学校教育総合研究センター主催の2004食育フォーラムin上越に出席した。
B平成16年10月21日:中央農業総合研究センター北陸研究センター主催の農林水産業北陸地域研究成果発表会に出席した。
C平成16年10月2日:社団法人農山漁村文化協会主催の2004食育実証研究発表会に出席した。
◎特色・強調点等
 穀類の発芽生理に関する最新の情報を収集し『Regulatory Mechanisms of α-Amylase Expression in Germinating Rice Seeds』という表題のもとに総説にまとめたことは,本研究分野の食科学・生化学領域における重要性を再確認するという点において,たいへん意義のあるものである。
 

藤 木 一 浩(助 手)
<教育活動>
授 業
 学部3年生対象の授業科目「被服学実験」において,昨年度に引き続いて,界面活性剤の性質を理解する上で重要な「乳化の型の判別」及び「乳化力」の実験項目について,望ましい結果が得られるように実験操作を改善し,学習効果や内容の理解を高める工夫を行った。授業に際しては,実験の前に事前準備のレポートを課し,コメントを付して返却することで,学生自身が実験の目的を正確に把握するとともに内容の理解度を高められるように工夫した。
 また,学部1年生対象の授業科目「体験学習」において,高分子材料のリサイクルに関する講義と簡単な実験を担当した。この授業においては,経済及び技術の発展による我々の豊かな日常生活と,それに伴う環境に与える負荷との関連性について,常に問題意識を持てるように学習内容を配慮した。
 大学院生対象の「被服学特別実験T,U」では,実験操作の目的を事前レポートとして調べさせ,コメントを付して返却することにより,実験結果と対比させて内容を正確に理解できるように工夫した。
 いずれの授業においても,試薬や実験器具の取り扱い方,及び実験操作の仕方については詳細に説明し,安全確保に対する認識を各自が十分に身につけるように配慮した。また,次年度以降の授業内容や方法の改善に反映させるべく,授業に対する感想や意見・要望等を自由に記述させた。
 成績評価法に関する取組としては,レポートの書き方等に関する指導を十分に行い,特に提出の締切期日を厳格にして,評価対象の重要項目とした。しかしながら,評価基準の明示については曖昧であったと思われる点もあるので,昨年度に引き続き今後の課題としたい。
その他の教育活動
・教職直前講座において,家庭科被服領域の授業担当補助の任に当たった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実験実施前に,実験目的や操作を予習させる目的で事前レポートを課し,誤っている部分等は添削するとともに注意事項等のコメントを付して,必ず実験前に学生に返却している。これは,学生が実験操作を正確に把握し,安全に実験を行うことが出来るように配慮しているとともに,返却したレポートが,そのまま実験中の記録ノートとしても使用できるようにすることで,理解を高められるように意図しているからである。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年4月:「Surface grafting of polymers onto carbon nanofibers and electric properties of conductive composites prepared from polyester-grafted carbon nanofibers」(共著) Polymer Journal Vol.36 pp.316-322
A平成16年9月:「Grafting of vinyl polymers onto VGCF surface and the electric properties of the polymer-grafted VGCF」(共著) Carbon Vol.42 pp.1923-1929
B平成16年12月:「Grafting of polymers onto vapor grown carbon fiber surface by ligand-exchange reaction of ferrocene moieties of polymer with polycondensed aromatic rings of the wall-surface」(共著) Polymer Vol.45 pp.8723-8730
@平成16年4月:「配位子交換反応による炭素材料表面のグラフト化」(共) 第12回複合材料界面シンポジウム研究発表
A平成16年5月:「カーボンナノチューブとポリマーラジカルとのグラフト反応」(共) 第53回高分子学会年次大会研究発表
B平成16年9月:「ポリマーグラフト化ナノカーボン複合体のセンシング機能」(共) 第53回高分子討論会研究発表
C平成16年11月:「ラジカル捕捉性を利用したカーボンナノチューブのポリマーのグラフト化」(共) 第53回高分子学会北陸支部研究発表会研究発表
共同研究の実施状況
・グラフト重合による高分子機能材料の合成に関する研究 共同研究者:坪川紀夫(新潟大学工学部・超域研究機構教授)
学会活動への参加状況等
 上記『研究成果の発表状況』の「学会等における口頭発表」の項に記した各学会に出席した。(全4学会)
◎特色・強調点等
 次世代を担う基幹技術の一つとされるナノテクノロジーにおいて,非常に重要な材料として注目を集めているカーボンナノチューブを用いて,昨年度に引き続いて機能化に関する研究を実施した。これまで困難とされてきた,カーボンナノチューブ表面のπ電子系を損なうことなくナノチューブの表面を改質する新規な方法について更に研究を発展させ,新機能を有する複合材料を開拓する際の実用・応用面で,いくつかの重要な成果が得られている。
<社会との連携>
社会的活動状況
・4月〜12月:高分子学会北陸支部主催日本海ポリマーワークショップ2004「未来産業を支える高分子材料」運営委員
◎社会への寄与等
 新潟市で開催された高分子学会北陸支部主催,新潟県工業技術総合研究所共催の日本海ポリマーワークショップ2004「未来産業を支える高分子材料」の運営に委員として携わり,産官学連携活動に貢献した。上越地域からも数社の民間企業の参加があり,交流を深める場を提供できたことで地域貢献にも寄与した。