【芸術系教育講座(音楽)】
 

池 田   操(教 授)
<教育活動>
授 業
 学部の「音楽」における[歌唱指導]においては小学校の歌唱共通教材を用い、現場での指導法を念頭に声の出し方、歌い方、発音の仕方等、基礎技能の修得をはかりながら指導した。また、[選択合唱]では126名による混声3部・4部合唱を指導、個では味わえない豊かな歌唱表現を目指した。
 大学院の「重唱」の授業では基礎的歌唱技能、並びに表現上のポイントとなる歌唱技法の修得をはかりながら外国曲の他、日本の歌も積極的に取り上げた。この授業の成果として、院生演奏会−アウトゥンナーレーでは、演奏にはかなりの力量を要するシューマンの2重唱曲2曲が演奏された。
研究指導
 卒業研究における研究演奏では、発声法の原理、基礎的発声法のトレーニング、歌唱法の基礎技能の修得に重きを置きながら、学校現場での指導を念頭に外国曲に加え日本歌曲を研究テーマとし指導した。
 大学院の研究指導においても将来的により幅広く豊かな演奏ができるようドイツ・リートを専門とするものにもジャンルを固定をせず、ベルカントの作品にも触れさせる等、特に選曲に留意し指導した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年10月:歌唱時の口の開け方に着目した歌声の分析、平成16年度電子情報通信学会信越支部大会講演論文集、(共)
A平成16年10月:歌唱時の姿勢による歌声の分析、平成16年度電子情報通信学会信越支部大会講演論文集、(共)
@平成16年12月:扉の会、ピアノ:戸川夏子、豊島区民センター文化ホール
A平成17年1月:東京室内歌劇場メンバーズコンサート、ピアノ:戸川夏子、日本橋公会堂
B平成17年1月:首都オペラ第8回ニューイヤーコンサート、ピアノ:中橋健太郎佐衛門、首都オペラ合唱団他、横浜みなとみらいホール
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成16年6月:第39回新潟県音楽コンクール予選会声楽部門審査員
A平成16年7月:第34回上越市民芸能祭「合唱の集い」講師、上越文化会館大ホール
B平成16年7月:第39回新潟県音楽コンクール本選会審査員 新潟市民芸術文化会館コンサートホール
C平成16年8月:第33回NHK全国学校音楽コンクール上越地区予選会審査員
D平成16年8月:第71回(平成16年度)NHK全国学校音楽コンクール新潟県大会審査員
E平成16年11月:長野県発声研究会第56回例会講師、講義実習公開レッスン長野市城山公民館
◎社会への寄与等
 新潟県音楽コンクール声楽部門の実行委員として長年にわたり新潟県の音楽文化、声楽教育発展に寄与しているが、今年度は年度委員を務め、全4部門の審査に関わったり、各部門成績優秀者による受賞者コンサートのプログラムに声楽部門を代表しメッセージをおくった。
 生涯教育にも関わる地域の合唱発展のため、第34回上越市民芸能祭「合唱の集い」では講師を務めた。また、学校教育における合唱の発展のためにNHK全国学校音楽コンクールの上越地区予選会、並びにNHK全国学校音楽コンクール新潟県大会で審査員を務め、今後の指針となる助言もおこなった。
 

小 川 昌 文(教 授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
@学生の興味関心を尊重し、学習意欲を高めるように身近な問題からアプローチしている。
A最初の講義の時には必ずシラバスを配付し、それぞれの講義の目的と内容、そして評価の方法を通知している。
B一方的な講義形態を取るのではなく、適宜その時のトピックについて自由な意見や主張を学生が発表する機会を作っている。
C講義の時間外において、学生の演奏の練習にできる限り立ちあい、適宜アドバイスを行なった。
D講義の時間外において、当該講義に関しての質問に対応、また発表等の準備の方法や内容について指示、示唆を行なった。
○成績評価法に関する取組状況
 大学院においては、履修学生の発想を尊重し、企画力、構成力、文章力、取材力等をトータルに把握、評価することを意図した。したがってすべての授業においてレポートを課し、上記の点を中心に評価した。また、評価後は、必ずコメントを入れて返却し、今後の改善点を通知した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 卒業論文を担当した学生(いわゆるゼミ生)は4名。卒業後、1名は石川県公立小学校教諭、1名は秋田県秋田市幼稚園教諭、1名は新潟県上越市教育委員会付き非常勤講師、1名は岡山県公立小学校非常勤講師として赴任した。修士論文を担当した学生(ゼミ生)は1名。福島県の公立小学校教諭として赴任した。以上、5名全員卒業、終了後教職につき、うち3名は常勤教諭として勤務している。
研究指導
【観点1】学部
 卒業論文を指導した学生は4名。2004年5月、6月の中学校教育実習の際、実習に参加した全員の授業を観察し、指導を行なった。さらに、卒業論文研究は@小学校の音楽指導に関するもの、A幼児のリズム教育に関するもの、Bピアノの技術上達に関するモノ、C教員養成課程の学生の音楽能力に関するものそれぞれ1本を指導した。いずれの卒業研究においても、各学生の資料収集やインタビューのセッティングをするとともに、取材に同行した。
【観点2】大学院・研究留学生
 修士論文を指導した学生は1名。院生は教職を目指しており、修士論文研究は高度な実践力を養うための基礎的能力やコンセプトに関連するものとして、ポピュラー音楽家の音楽修得過程を学校音楽教育に応用する方法についての研究の指導を行なった。インタビューのセッティングをするとともに、取材や資料収集に同行して適宜アドバイスを行った。
その他の教育活動
〈公開講座〉
 上越教育大学主催 「現職教員のための音楽ワークショップ」10月13日より各週水曜日 合計10回 の企画と運営にあたった。小川は1月12日に「音楽科授業の構造と方法」というタイトルで講義を行った。
〈教職講座〉
 平成17年1月19日に教員採用試験対策講座を各1時間、第二講義棟203教室において実施した。
〈教育実習〉
 中学校4年次の教育実習は、音楽コースの学生が配属されている中学校のうち、4校を訪問、授業観察を行なった。上越教育大学附属中学校においては13日間の実習中、4日間訪問した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 卒業論文、修士論文研究指導においては、学生、院生個人個人の興味を最大限に尊重し、能力と適性に応じて研究のオリジナリティが見られるように指導している。特に、大学院のゼミ生には岐阜県より派遣された現職教員が含まれ、ゼミ全体の教育実践力の強化および推進に貢献している。また、ホームページにおいて、教官の経歴、業績、講義内容、ゼミ生、行事、今後の予定等の情報を公開し、プライバシーに配慮しつつ情報公開を推進している。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@Music Teacher Education in Japan -Structure, Problems and Perspectives-Philosophy of Music Education Review, vol.12 Number 2 Fall 2004 pp.139-153.
指導・審査歴
〈研究会講師〉
@「歌唱指導についての研究」(大島村立大島小学校)2004.7.27, 2004.8.3
A千葉市教育研究会音楽部会研修会 「合唱・発声指導法研修会」(千葉市千葉大学教育学部附属中学校)2004.8.19
B合唱指導 (燕市立燕西小学校)2004.7.7,2004.7.20
〈指導助言者〉
@平成16年度上越教育大学附属中学校教育研究協議会 「自分を知り、世界とのかかわりを深める教育の創造」(第2年次) 音楽科「表現力や完成を自らはぐくむ資質、能力の育成」題材「伝えようメッセージ」(上越教育大学附属中学校)2004.10.14
共同研究の実施状況
・附属中学校 長谷川泰山 教諭、附属小学校 岡村芳恵 教諭と継続して、教育実習に関する共同研究を行っている。
国際研究プロジェクトへの参加状況
・共同研究 音楽と統合学習に関する日米比較研究  サウスカロライナ大学 スティーブン・ジンスキー 助教授 継続中
学会活動への参加状況等
〈参加状況〉
・日本音楽教育学会全国大会(神戸)2004.11.13,14
〈学会役職〉
@日本音楽教育学会音楽教育事典編集委員
AIPSME(国際音楽教育哲学学会役員)
〈国内学会の企画〉
・2005.9.9-11まで日本音楽教育学会音楽教育ゼミナールの事務局長として企画、運営に携わっている。
在外研究の状況
 アメリカ合衆国における音楽教員養成カリキュラムに関する研究打ち合わせのため、平成17年2月22日から3月7日にかけて、インディアナ大学、セントラルフロリダ大学、南フロリダ大学、マイアミ大学を訪問した。
◎特色・強調点等
 本学に赴任以来一貫して「音楽教育の実践」のあり方を諸外国と比較しながら追求している。この実践にあり方とは単に「よい実践の方法」を方法論的に模索するだけでなく、音楽と教育の本質を追求することにより自ずと「実践」が導き出されることをねらっている。学生、院生の指導においては、学部、大学院いずれにおいても理念や目的をアプリオリに受容するのではなく、自らが考え、批判的精神を持ちながら実践することを中心に教育している。
 当面のテーマである教育実習のありかたの改善は継続して研究をしている。また、実際の教育現場での実践も継続して行い、中頸城郡頸城村立南川小学校、大島村立大島小学校、新井市立新井小学校の音楽指導を行った。来年度以降も、上越地区をはじめ様々な学校において自らが音楽の授業を行いながら現場について学ぶと共に、大学と学校教育現場のコミュニケーションを密にしていきたいと思っている。
 

後 藤   丹(教 授)
<教育活動>
授 業
 学部1年の「体験学習I・コンサートを創ろう」では音楽コース6名の教員とともに連携授業を行い、秋には講堂で受講者全員が出演するコンサートを開いた。「作曲基礎」では個人指導を多く取り入れ、学生の進度や個性に応じた学習の手助けをした。「音楽劇創作」では学生の自主性を重んじながら、きめ細かな指導を行い、2月の一般公演を成功させた。また、宇野教員の転出に伴い、新たに「指揮法I」を担当した。
 大学院の「音楽劇分析」ではミュージカル作品を取り上げ、いくつかの作品を様々な角度から分析した。「実践セミナーI」および「実践場面分析演習I」では、映像による音楽教育番組についての授業をオーガナイズした。
 成績評価は出席数を重視し、普段の授業での活動状況を加味して行った。
研究指導
 学部4年次生のゼミでは主として卒業作品の制作を指導した。ゼミ生3名中2名が公立小学校に採用された。
 大学院ゼミでは2名の現職教員の修士論文および卒業作品の指導を行い、両作品とも修了演奏会で発表され好評を得た。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 専門の「作曲」という領域にこだわらず、幅広い音楽活動を学生と共に実践することにより、学校教育の中での音楽のあり方を示唆しようと考え実行した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年11月:《海へ抜ける小道》 ピアノ曲集「アラビアのヴァイオリン」に収録 カワイ楽譜出版
@平成16年8月:《二つの砂山》(混声合唱、Pf.) 新潟市芸術文化会館ホール(新潟市)
A平成16年12月:《Christmas Tapestry》(Cl.Vn.Vc.Pf.) 菅又スタジオ(新潟市)
B平成16年12月:《クリスマスの贈り物》(Pf.)響きホール(福井市)
C平成16年12月:《三国節幻想》(Pf.)みくに文化未来館(三国町)
D平成17年1月:《秋の衣装》(混声合唱、Pf.)やすね(上越市)
@平成16年6月:日本音楽表現学会札幌大会のオープニング音楽《時計台の鐘》の編曲(北海道教育大学)
A平成16年8月:NHK札幌制作のテレビ番組におけるマーラーの《アダージェット》( Cl.Cb.)の編曲
共同研究の実施状況
・上越市立大手町小学校6年生の合唱組曲創作の編曲及び演奏指導(平成17年3月)
学会活動への参加状況等
・日本音楽表現学会札幌大会出席(平成16年6月5,6日)
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県立新潟翠江高等学校校歌の作曲(平成16年4月制定)
ABSNのラジオ番組「音楽夢語り」におけるクラシック音楽コーナーの選曲及び原稿の執筆(平成16年4月〜平成17年3月)
B新潟県音楽コンクールピアノ部門の年度委員
C上越市・岩内町合唱交歓会の企画・運営及び指揮(平成16年9月、上越市)
D東京芸術大学同声会新潟県支部主催の中越地震チャリティーコンサートでの編曲及び指揮(平成17年1月、新潟市)
E平成17年10月開催予定の新潟県音楽コンクール第40回記念演奏会実行委員長
F新潟国際情報大学校歌の吹奏楽編曲(平成17年3月)
 

茂手木 潔 子(教 授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 教員養成の大学という現実を踏まえて、教科専門の立場からアプローチできる教材研究を重視し、学校教育で応用できる日本音楽の指導方法を提示するように試みた。授業内容は可能な限り記録し、授業によっては報告書を作成して学生に配布した。
 平成16年度は海外からの演奏家や研究者(ギリシア、ドイツ、オランダ)の研究室訪問を受けて、授業に参加してもらい、学生との交流を行ったことで、日本音楽や日本文化の国際的な重要性を学生が認識することができたように思う。
○成績評価法に関する取組状況
 評価については、授業への意欲的な取り組み、課題に対する考察の深まりなど、授業過程での個々の学習状況を、提出課題に応じて観察して評価した。出席も重視した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学部生は本学大学院へ進学、院生は現職なので学校に戻った。
研究指導
 大学院修士論文については、2年生1人、1年生1人の指導を行なった。
 博士課程についての課題研究および授業を岡山大学で行なった。
 また、外国人研究生1人の指導を行なった。
 卒業論文については4年生1人、3年生3人の指導を行なった。
【観点1】学部
 学部生は、教育実習以外に、部活動の部長として修了院生の勤務する近隣の小学校で三味線の指導を行なう機会を得た。また、筆者の企画した「酒屋唄演奏会」や「バンベルク大学民俗音楽演奏グループ」の演奏会などで、ドイツの学生たちとの交流を行い、地域とも積極的に関わらせることで、机上だけでは得られない体験をさせた。
【観点2】大学院・研究留学生
 研究対象となる地域の囃子の研究に際して、現職だった体験を生かして地域社会における調査を綿密に行い、学校と地域とのネットワークを築く契機ができた。
 博士課程学生については、課題研究に他大学に出向いているが、留学生ということもあり、日本語能力の限界のため、指導目的を達成することが非常に困難であった。遠方の他大学に出向くことの時間的デメリットは大きい。
その他の教育活動
@ 中学校教育実習校(城北中学校)にて、中学生のための「箏曲演奏会」を実施した。
A 来日したバンベルク大学学生による民俗音楽演奏グループ「Baumannschaft」とともに、地域の小学校(下保倉小学校、直江津小学校、越路西小学校、新井中央小学校)などで奨学生との交流演奏会を行なった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 平成16年度は、ドイツの民俗音楽の演奏会や、現代ピアノ作品の演奏会などを大学に於いて行なうことができ、演奏者が授業にも参加して国際的な視点で日本音楽を見つめなおすことができたことは、非常に幸運だった。また、ドイツの民俗音楽については、地域の小学校での交流演奏会を行い、1,000人近い小学生との交流を行なったことも意味があることだった。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年8月:『国立劇場芸能鑑賞講座 日本の音楽 歴史と理論』(資料編改訂版を前原恵美と共著 pp.100-111)
@平成16年9月:茂手木潔子・江谷和樹「日本の音具を教材とした日本音楽の学習−小学校低学年を対象として−」『上越教育大学研究紀要』第24巻第1号 pp.199-218
A平成17年3月: 茂手木潔子・秦野育子「小学校音楽授業における「チンドン」を題材とした日本音楽の学習」『上越教育大学研究紀要 第24巻第2号 pp.497-514
@平成16年8月:新潟県高校音楽祭の審査委員(新潟県音楽文化会館)
A平成16年7月:「Minas Borboudakis 自作自演の夕べ」上越教育大学講堂
B平成16年10月:「頸城杜氏の酒屋唄」企画監修 頸城村坂口記念館
C平成16年11月:「西潟昭子 独奏の系譜」の舞台司会 銀座・王子ホール
@平成16年6月:国立劇場第4回伝統音楽鑑賞教室 プログラム「津軽三味線・声明」を執筆。頁番号なし。A4版全4頁のうち3頁を執筆
A平成16年9月:NHK 教育 TV放映「わくわく授業 “日本の音”で四季を奏でよう 小5音楽 江谷和樹先生の授業」への協力
B平成17年2月:「学校や文化施設での日本の楽器の見せかた聴かせかた」(社)全国公立文化施設協会 芸術情報プラザ編集・発行『芸術情報アートエクスプレス』 vol.20 pp.32-33
共同研究の実施状況
@平成15年度科学研究費補助金(基盤研究B)(代表者:澤崎真彦学芸大学教授)「日本の太鼓を用いた教材開発と実践指導に関する実証的研究」の研究分担者として、報告書の執筆に参加
学会活動への参加状況等
【学会参加】
@平成16年5月26日−27日:教大協音楽部門全国大会「上越教育大学大会」実行委員長
A平成16年12月19日:日本民俗音楽学会第4回民俗音楽研究会ラウンドテーブルで発表 埼玉県秩父市「ホテル美やま」
【学会役職】
@東洋音楽学会理事 平成16年10月〜
A日本記号学会評議員 平成16年10月〜
◎特色・強調点等
 今年度から、本学修了院生や卒業生で現職の教師との研究を、大学紀要に投稿することを始め、2編を投稿した。この趣旨は、現職教師との密な研究交流により、大学と教育現場とのそれぞれのメリットを活かした実践研究を行ないたいと考えたためである。共同研究している江谷和樹教諭の授業はNHK 教育 TV「わくわく授業」にて全国放映された。
<社会との連携>
社会的活動状況
【各種学外委員会等への参画】
@文化庁文化審議会専門委員 平成15年〜継続
A文化庁文化財部芸術団体重点支援事業等協力者会議委員 平成12年〜継続
B文化庁平成17年度新進芸術家国内研修制度専攻委員
C独立行政法人日本芸術文化振興財団国立劇場調査事業委員会委員 平成15年〜
D独立行政法人日本芸術文化振興財団国立劇場雅楽・声明専門委員 平成15年〜
E独立行政法人国際交流基金海外公演助成事業コンサルティング 平成14年〜
F新潟市文化創造・発信懇話会委員 平成17年1月
【各種の研修・セミナー等における講演・指導・助言等】
@平成16年5月18日:第1回越州塾講師 「越後の酒造り唄」中頚城郡朝日山荘
A平成16年6月21日:第2回フルブライトメモリアル基金米国教育者の本学訪問に際しての発表
題名「Learning Japanese Music through the Use of Japanese Sound Sources in Elementary School」
【公開講座】
@平成16年11月10日:現職教員のための公開講座「日本音楽へのアプローチ法」
A平成17年1月〜2月:上越教育大学公開講座開催「日本音楽入門」合計3回
 

山 本 茂 夫(教 授) ※実技教育研究指導センター
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学生の授業評価を受けて授業形態の改善を図った。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 1名は大学院進学、1名は幼稚園教諭、1名は卒業延期となった。
研究指導
【観点】学部
 学生それぞれの専攻楽器について指導を行っているが、専攻楽器の演奏技術だけではなく、理論や表現など他の音楽指導にも応用できる力を身に付けさせようとしている。
その他の教育活動
@教職講座の音楽実技指導
A岐阜大学、群馬大学の管弦打楽器専攻の教員・学生との研究交流会(岐阜大学)
B本学吹奏楽団第22回定期演奏会指揮(上越文化会館)
C東小千谷市立東山小学校支援プログラム参加(講堂)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 1年次担任として人間教育学セミナーを担当した。個別セミナーは各担任ごとの内容であるため授業の計画には大変苦労をした。しかしながら授業目的を踏まえた内容を行うことができたと評価する。教員にとっても教職の意義を考えるよい機会と捉えた。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@第1回子どものためのアドヴァイスコンサート、アドヴァイザー
A上越地区吹奏楽連盟平成16年度第2回指導者講習会講師
学会活動への参加状況等
・日本教育大学協会全国音楽部門大学部会第29回全国大会《上越大会》参加、同実行委員会事務局長
◎特色・強調点等
 指導者講習会では指導を受けた団体が、後に開催されたアンサンブルコンテストにおいて、優れた成績を収める成果があった。
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越地区吹奏楽連盟理事
A上越文化会館企画委員会委員長
B上越市指定管理者選定委員会特別委員
C現職教員を対象とした音楽ワークショップ講師
D新退教上越支部結成10周年記念集会記念演奏
E新潟市立寄居中学校吹奏楽指導
F新井市内における市民向けコンサート
◎社会への寄与等
 新潟市立寄居中学校吹奏楽部の指導を行い、同校の西関東吹奏楽コンクールへの県代表としての出場に寄与した。
 

阿 部 亮太郎(助教授) ※実技教育研究指導センター
<教育活動>
授 業
 単に「現場で役立つ専門性」という観点だけでなく、動機を含め体験そのものを重視し、また実践場面の中で課題を発見する力の養成に重点を置いている。時には模擬授業を取り入れながら、場面の見取りの能力の向上をはかっている。「表現・相互行為教育演習」(3名で分担)では、教育の場面および表現領域での問題の存在について、学生に自分自身の体験を遡らせて考えさせる授業を行った。
 「楽曲分析A」(院)では、意味の生成のプロセスの解明が、即楽曲分析であるという今までの方針を踏襲した授業を行った。
研究指導
 場面から離れた一面的な客観性に偏らず、意味の生成に即した考え方を欠かさないようにしている。また、音楽や授業の場面に於いては、待った無しの状況下で問題が起こるので、決められた課題の解決だけなく、思わぬ課題の想定、発見の能力の向上を心がけている。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
・「教える」「行動する」「表出する」だけでなく、その場で「どう受け取るか」も重視している。
・動機や感動も含め、体験に即した考え方を、あらゆる授業の局面に生かそうとしている。
・実践場面に即した授業を行うことが、学生の実践力の実態の大学教員による把握にも役立っている。
・継続して「実践場面分析演習」を中心とした実践の教育のあり方の考察に力を入れている。これは全体の課題だが、教員が実践場面の問題に触れる場面がまだだいぶ不足している。個人の努力にも限界があるので、システムのレベルで改善する必要がある。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年4月7日:越路西小学校校歌(杉みき子 作詞)
A平成17年1月11日:《流れに逆らう・流れに寄り添う》(ヴァイオリン独奏のための作品)
日本作曲家協議会第9回アンデパンダン
・その他 平成16年4月24日にパリ日本文化会館で行われた「1950年以降の日本現代音楽の軌跡」で、作品が取り上げられた。
@平成16年5月27日:『実践力としての「受け取る力」〜問い直される学校音楽教育の在り方〜』
日本教育大学協会全国音楽部門大学部会 第29回全国大会(上越)第3分科会
A平成16年6月5日:『「言語の拒否」から「言語の不可避性の洞察」へ〜遠山一行の武満徹論〜』
第2回日本音楽表現学会研究発表
B平成17年3月28日:『芸術の営みについての評価のあり方とその影響について 音楽の営みの対象化と、数値評価の落差の視点から』平成16年度芸術教育実践学会研究発表
◎特色・強調点等
 創作が、決して技法の択一に陥らず、ある「意味」が定立する契機の模索でもあるようなあり方が特色と言える。言うまでもないが、器楽作品から校歌や授業の課題に至るまで、最上の質の音楽を目指している。
 実践場面に即した対応のしかたを、「教育の実践力」「作家論」「評価のあり方」というように、多角的に研究し発表した。
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 地域の授業研究会への参加、授業参観を頻繁に行い、課題の発見の方法をともに模索した。
 小千谷市立東山小学校校歌(阿部作曲)の別バージョンの伴奏を作曲した。 音楽専科の不在等に対応したもの(東山小学校は、中越地震後本学あげて支援した学校。その際、弦楽器の体験学習を行った)。
 

植 村 幸 生(助教授)
<教育活動>
授 業
(1)大学院科目「音楽学研究入門」を新設した。これは2003年度より「音楽学概説」の内容を変更したことに伴い、従来の同科目内容を満たすべく設けたものである。
(2)前年度同様、受講生への円滑な情報告知のために、WEBサイトを開設し運用した(平成17年3月閉鎖)。
(3)「アジア音楽概論」「音楽文化論B」は受講生がいなかったため開講されなかった。
研究指導
(1)音楽分野4年生2名の卒業研究(論文)の指導を担当した。ほかに修士課程学生1名、研究生(留学生)1名の研究指導にもあたった。いずれも指導にあたっては、研究史と実証性を尊重する研究態度が養われるよう心がけた。
(2)卒論・修論執筆マニュアルの改訂版を当該学生に配布して研究指導に生かした。
(3)前年度同様、上記WEBサイトを在学生・修了生の研究題目・業績の公開にも活用した。
その他の教育活動
@平成16年4月:新潟産業大学人文学部非常勤講師として「韓国・朝鮮文化論/文化史A・B」(Aは前期、Bは後期)を担当
A平成16年7月:上越教育大学附属中学校「わくわく大学ウィーク」にて特別授業「ハングルにチャレンジ」を担当
B平成17年2月:沖縄県立芸術大学非常勤講師として「民族音楽学研究」(大学院修士課程開設科目)の一部(集中講義)を担当
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 通常の授業および論文指導においては、音楽文化の多様性を偏見なく認識させること、学生個人に学的探究への関心をもたせること、その探究に必要なルールを身につけさせることに特に留意した。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年3月:「音楽文化の『標準化』−音楽学校とコンクール」岩井・寺内・藤野編『日本音楽学会第54回全国大会パネルディスカッション報告集』22-24(植村報告部分) [昨年度分の補遺]
A平成16年3月:「楽譜−東洋の楽譜」「田辺尚雄」[事典項目]日本音楽教育学会編『日本音楽教育事典』東京:音楽之友社、230-231、571-572 [昨年度分の補遺]
B平成16年6月:「韓国伝統音楽の音楽学校と競演大会の相互関係:パンソリを中心に」『アジア・オセアニア地域における音楽のグローバル化とローカル化に関する民族学的研究』(科学研究費基盤研究(B)(1)研究成果報告書)、197-206
C平成16年6月:「解放後の韓国における《大吹打》の復興:創出された伝統の観点から」前掲書、207-220
共同研究の実施状況
・日本コロムビアの「外地」録音に関するディスコグラフィー的研究 代表者:細川周平(国際日本文化研究センター) 国立民族学博物館共同研究
学会活動への参加状況等
@(社)東洋音楽学会理事、東日本支部委員(平成16年10月まで)
A韓国・朝鮮文化研究会理事(平成16年10月再任)
B平成16年10月23日:東洋音楽学会第55回大会出席
◎特色・強調点等
 韓国をフィールドとし、歴史学と人類学の方法を援用しながら、伝統音楽の持続と変容、及び近代における伝統音楽の再認識という問題に取り組んでいる。一昨年度からはそのフィールドを中国朝鮮族へと拡大しつつある。
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成16年7月:上越市立八千浦中学校生徒を対象としたバリガムラン体験(本学音楽棟107教室)
A平成16年10月:新潟県立はまなす養護学校にてジャワガムラン演奏
B平成16年11月:上越教育大学越秋祭にてジャワガムラン演奏「ジャワの風に誘われて」(本学音楽棟101教室)
C平成16年11月:妙高村立関山小学校にてジャワガムラン演奏
D平成16年11月:清里村立櫛池小学校にてジャワガムラン演奏
E平成16年12月:小千谷市立東山小学校児童を対象としたジャワガムラン演奏(本学音楽棟101教室)
F平成17年1月:本学公開講座「現職教員のための音楽ワークショップ」第8回講師(本学音楽棟107教室)
G平成17年2月〜3月:浜松市楽器博物館による韓国伝統音楽資料調査に協力
H平成17年3月:魚沼市立小出小学校6年生を対象としたジャワガムラン演奏と体験(小出ボランティアセンター)
I福岡アジア文化賞推薦委員(前年度より継続)。
◎社会への寄与等
(1)上記@〜EおよびHは、ガムラン音楽の演奏と体験講座を組み合わせた公演活動である。そのほとんどは、顧問を務める「アジア音楽サークル」とともに行われた。これらの活動は各学校からの依頼に応じるものであって、実質的に、出前講座と同様の効果を発揮しただけでなく、サークルのメンバーである本学学生に対しても一定の教育的効果を及ぼした。
(2)上記Gは同博物館からの委嘱に応じて調査全体のコーディネートを行い、現地調査の全日程に同行したものである。同調査の取材資料(主として映像)は平成18年度以降に同博物館の展示に利用される予定である。
 

酒 井   創(助教授)
<教育活動>
授 業
 ピアノ演奏研究T・U他実技授業においては従前どおり学生個々人の技術力・表現技量にそくして現実的な到達目標をきめ細かく設定し総合的な表現力の向上を目指し指導した。
研究指導
 修士論文2名の各研究対象に関する資料収集と整理・分析に重点を置いて指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実技関連で,演奏者自身の表現状況を客観的・多角的に把握し修正しながら即応できる能力の育成こそ,教育現場での真の実践力に直結するという考え方に沿って指導を行っている。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年3月:「ラヴェル《水の戯れ》についての考察」上越教育大学研究紀要 第24巻 第2号
@平成16年12月:「ラヴェルピアノ作品における音楽語法の革新性について」
◎特色・強調点等
 ラヴェルの「水の戯れ」を全く新しい視点で分析研究を行った結果,この作品が従来のクラシック音楽のフォーマットから脱却し,全く新しい和音構造で構築された革新性に満ちた作品であることが明らかになった。
<社会との連携>
社会的活動状況
・審査
・平成17年1月:「ピアノフェスティバル」日本楽器(株)/新潟市
・公開講座
@平成16年4月:「ピアノ入門」
A平成16年10月:「現職教員の為の音楽ワークショップ」
 

時 得 紀 子(助教授)
<教育活動>
授 業
 学部1年次の「体験学習I・コンサートを創ろう」では、講堂における演奏発表に向け、創作ダンスチームのメンバーに加わり、学生と共にステージでの表現活動に携わった。また、受講生に生の演奏会を体験させるべく、授業の一環として上越文化会館での「ベルリン交響楽団演奏会」に学生価格での鑑賞を実現させた。1年次のブリッジ「音楽」では鑑賞の講義を担当し、受け身の鑑賞活動に止まらない主体的な表現活動体験を盛り込んだ講義を構成した。学部2年次及び4年次の「中等音楽科指導法」、学部3年次の「初等音楽科指導法」においては、授業の実践場面の映像をふんだんに活用し、音楽科の今日的課題を積極的に扱った。さらに音楽の諸要素を身体表現や遊びを取り入れながら体得する活動も重視した。大学院「総合的な学習と音楽科」および「総合芸術と表現活動」においては、多様な表現領域に学びの可能性を求め、全国の小、中学校の実践例等を積極的に取り上げた。特に後者の講義では、視聴覚教材による鑑賞を通じて広く諸芸術に触れる学びに努めた。
研究指導
 学部では、教採試験の対策としての作文指導を希望するゼミ生には、論文指導と並行させて傾向に応じた添削指導を行った。その結果、3名が現役で小学校の採用試験に合格した。(新潟県、神奈川県、名古屋市)また、1名は幼稚園教諭の再受験に向け、現在指導を継続している。大学院生では、舞台表現の仕事に携わることを希望する院生等と共に生の舞台の鑑賞を奨励し、努めて同行した。さらに音楽、演劇、舞踊の専門誌(欧州、米国)も文献対象として、積極的に表現芸術の最新情報をも探求した。
その他の教育活動
 新潟大学、上越教育大学附属小・中学校、お茶の水女子大附属小、筑波大附属小、京都市立御所南小等、全国の研究先進校において、音楽科や総合的な学習の時間における表現活動の参観、及び実践指導に多数携わった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 講義全般を通じて表現教育に携わる為の礎として、多様な表現芸術にあまねく親しみ、各々の感性を磨き、かつ創造性を培う素地づくりを支援していくことを今後も心がけたい。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年3月:『学校音楽教育研究第9巻』(共)「指導内容とカリキュラム・音楽学習における総合化へのアプローチ」日本学校音楽教育実践学会
@平成16年5月:金森嬢(振付家・ダンサー・新潟市民芸術文化会館舞台監督)特別講演〜世界を舞台に活躍するアーティストの立場から〜「未来の表現者を育てる人たちへのメッセージ」金森嬢、時得紀子対談。於:上越教育大学講堂。企画・構成、対談
A平成16年6月および9月:新潟大学教育人間科学部附属長岡小学校「夢日和・夢に向かって努力する」指導講師。テーマ「総合芸術の様々な世界について探求しよう」
B平成16年7月:同附属長岡中学校「総合芸術のさまざまな世界に触れよう」指導講師
C平成16年7月:上越教育大学附属中学校わくわく大学ウィーク「オペラやミュージカルなどの総合芸術に親しもう!」(全4時間)公開講座・講師)
D平成16年7月:招待講師:Teachers College, Columbia University M.A. Program in TESOL. Title:“Trends in Language Teaching II”
E平成17年3月:指導講師。「埼玉県ちくみ幼稚園、公開音楽発表会」ミュージカルおよび合唱指導、講評
@平成16年11月:「星野圭朗の目指した音楽教育の今日的意義を考える〜教え子の追跡調査を通して〜」(共)日本音楽教育学会第35回大会、研究発表
A平成16年8月:「指導内容とカリキュラム」日本学校音楽教育実践学会第9回全国大会、司会、コメンテーター
@新潟日報平成17年1月:文化欄「音楽時評 綾戸智絵上越公演」
A芸術欄コラム平成16年7月:「ベルリン交響楽団演奏会」
B芸術欄コラム平成17年1月:「高橋アキ・ピアノリサイタル」
共同研究の実施状況
@創造的な音楽学習の実践の成果に関する共同研究を継続。「東京学芸大学附属竹早小学校卒業生を対象とした追跡調査をもとに」(共)平成16年10月:日本音楽教育学会において、その成果を研究発表した。
国際研究プロジェクトへの参加状況
@異文化理解教育に関する日米比較研究の試み。Teachers College, Columbia University, Prof. Sandra Epps(Chief) (平成16年1月〜)
学会活動への参加状況等
@平成16年5月:日本教育大学協会全国音楽部門大学部会全国大会出席。主催校:上越教育大学。総会の書記を担当及び分野教員と共に大会の企画・運営に携わった。
A平成16年7月:日本カリキュラム学会第15回大会出席。
B平成16年8月:日本学校音楽教育実践学会第9回全国大会出席。
C平成16年10月:日本音楽教育学会第35回大会研究発表。
◎特色・強調点等
 アカペラサークル、ストリート・ダンスサークルの顧問として、平成17年度4月からの正式な部活動への昇格を目標として様々な公演、発表の機会を支援した。その成果が認められ、4月より両部共に部活動団体として発足する。
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成16年4月:内宮音楽教室演奏会、企画、運営、司会。於:長岡リリックホール。
A平成16年6月:金森嬢講演「ダンスに、今、できることは何だろう?」におけるコメンテーター。於:東京銀座資生堂ビル。
B平成16年6月:朝日カルチャーセンター公開講座「ダンスの可能性 身体の可能性」におけるコメンテーター。於:新宿住友ビル・朝日カルチャーセンター。
C上越市文化・スポーツ振興基金審査会委員(任期継続)。
以上、表現教育に携わる大学教員としての立場から助言に携わった。
◎社会への寄与等
 平成16年5月:特別講演「未来の表現者を育てる人たちへのメッセージ」金森嬢、時得紀子対談においては、県内外から400名以上の集客を上越教育大学講堂において実現させた。講演者の長い海外生活体験に基づいた芸術観は、教育に携わろうとする本学学生のみならず、広く芸術に関心を持つ方々にとっても意義深いメッセージであったようだ。(アンケート結果、新聞各紙の報道より。)地域に向けての開かれた学びの機会を今後も提供して行きたい。
 

平 野 俊 介(助教授)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 演奏実技に関する授業では、各学生の技能の到達度や適性を慎重に見極め、演奏表現力を最大限のばせるように一人一人に合った指導内容の組み立てに留意した。音楽教員として身に付けておくべきピアノの基本的な技能の習得を重視しつつ、教育現場で生かせる実践力や応用力の育成に繋がるように考慮した。
○成績評価法に関する取組状況
 実技関連授業では授業の中で浮かび上がった問題点や課題を、学生が自主的に解決し克服できることが重要である。評価に際しては、技術の優劣ではなく、あくまでも各学生の学習目標の到達度を重視した。学部の授業では、最終回に行った演奏発表の成果を、また大学院では最終的な楽曲の習得状況も含めて評価した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 教職、及び音楽指導に携わる職に就くには、音楽教育の場で幅広く使われるピアノの演奏表現力を身に付けておくことが重要である。今年度の指導学生に対してもこのことを十分に認識して、指導にあたった。
研究指導
 指導内容が専門のみに片寄ることなく、学生の卒業修了後の仕事の中での実践に生かされること、及び表現には多様な可能性があることも理解させるよう努めた。その上で、大学院の修論指導では理論的な考察と実際の演奏行為とが遊離せず一体であることを認識させた。
その他の教育活動
・教職講座で音楽実技指導(ピアノ、弾き歌い)
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年12月:『バルトーク《10のやさしいピアノ小品》における一考察』日本ピアノ教育連盟紀要 第20号 2004年
@平成16年10月:『バリトンとピアノとチェロの競演』巣鴨・白泉寺
◎ 特色・強調点等
 継続して研究しているバルトークのピアノ作品研究の一つが日本ピアノ教育連盟の紀要に取り上げられた。
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県退職教員連絡協議会でファッゴットの伴奏
A新潟県音楽コンクールピアノ部門実行委員、及びコンクールの審査
B高田木曜会合唱団でピアノを担当
 

上 野 正 人(助 手)
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 実技指導では、授業を個人指導の形態で行い、単に実技向上の指導ではなく、現在の状況と、それを克服するための課題を明瞭に提示し、学生が自らの身体を通してその過程を明瞭に把握できるよう取り組んでいる。
○成績評価法に関する取組状況
 授業への取り組みの意欲、出席状況とあわせて、実技試験における各学生の習熟度をもって評価とした。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 担当実技ゼミ生は3人であったが、内2名はそれぞれ石川県、愛知県に採用となった。また1名については新潟県で常勤講師として教育に当たることになった。
研究指導
【観点】学部
 自らが持つ実技実践力を、教育の臨床的な場面における実践力として発揮しうるよう、実技習得の中でその過程を自らが分析するよう指導を行い、ディスカッションの中でその知識が実践力の礎として定着できるよう授業を行った。
その他の教育活動
@6月:本学附属小学校の「朝の音楽集会」において、曲の解説を交えながら《待ちぼうけ》他、計4曲の演奏を行い、さらに歌唱時のポイントなどを指導した。
A9月:本学附属小学校「朝の音楽集会」において、合唱曲《ビリーブ》を用いて全校合唱の指導を行った。
B9月〜10月:財団法人長岡市芸術文化振興財団の主催により、長岡市立大島小学校、長岡市立山本中学校、長岡市立才津小学校、長岡市立黒条小学校において、鑑賞教育を目的とした演奏を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教育において、これまで行ってきた実技能力の臨床場面への応用のための指導は成果を挙げていると考える。これからは、卒業後、現職教員として活躍する学生の指導状況を把握することにより、大学での指導の精度を上げる必要があると考える。又、積極的な県内小・中学校との連携によって、大学での研究が教育現場に寄与できる環境を作る必要があると考える。
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成16年10月:「新潟ニューセンチュリーオペラ《てかがみ》演奏会形式「竹田勇一役」」塩沢町公民館
A平成16年10月:「本山浄興寺『報恩講の夕べ』バリトン独唱会」本山浄興寺本堂
B平成16年12月:「歌劇《奴奈川姫》大国主命・八重事代主役」 糸魚川市民会館
C平成17年1月:「新潟ニューセンチュリーオペラ《てかがみ》演奏会形式「竹田勇一役」」白根市ラスペックホール
D平成17年2月:「歌劇《愛の妙薬》ベルコーレ役」 新潟県民会館
@平成16年11月:『オペラ「フィガロの結婚」』新潟日報掲載
A平成16年11月:「第51回高田木曜会合唱団定期演奏会」指揮
B平成17年3月:「合唱団雪ん子演奏会」指揮
C平成17年3月:「上越市民オペラ合唱団演奏会」企画、構成、司会、指揮 上越文化会館
◎特色・強調点等
 本年度は、例年のように地域自治体制作のオペラへの出演に加えて、Cの上越市主催演奏会において、企画、構成をも担当し、その中で地域人材の発掘に努め、出演を依頼することにより、音楽による地域おこしを行い、多大な成果を得た。
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県音楽コンクール実行委員・審査員
A10月〜2月:本学公開講座講師「現職教員のための音楽ワークショップ」
B高田木曜回合唱団指揮者
C合唱団「雪ん子」指揮者
D10月〜3月:上越市民オペラ合唱団指揮者
E「ロシアの歌姫ラリーサ・シャーリナ&上越教育大学芸術系音楽講座交流演奏会」における企画・運営・司会
◎社会への寄与等
 新潟県音楽コンクールの実行委員・審査員として同コンクールの運営に携わり新潟県の音楽文化向上に寄与した。
 平成16年度に行われた公開講座「現職教員のための音楽ワークショップ」では声楽領域を担当し、現職教員の技量向上に努めた。
 高田木曜回合唱団、合唱団雪ん子、上越市民オペラ合唱団の指導・指揮に携わることによって生涯学習としての合唱団活動に寄与し、それぞれの団の演奏会開催に当たっては、製作に参画しそれぞれの演奏会を成功させた。
 大学と市民の交流及び体験を通した学生教育支援を目的として、「ロシアの歌姫ラリーサ・シャーリナ&上越教育大学芸術系音楽講座 交流演奏会」における企画・運営・司会を行い、好評を得た。