4 教育・研究活動
 
(5) 本学で開催された学会・研究集会等
 
D 第9回美術教育実践学会研究発表大会
『つくり表すことと生きる力〜造形遊び再考〜』
【開催目的】
 本年度の研究大会のキーワードは、昨年度のテーマと重なる「つくり表すこと」と「生きること」としました。つくり表すことは、われわれにとって、自らの〈生〉を成り立たせる上で、また、人としてその〈生〉をつくり続けていくうえで、どのような意味をもつのでしょうか。
 幼い子どもたちは、身体全体で土や絵の具、廃材等にかかわりながら悦びに満ちていきいきとつくり表しています。つくり表すことそれ自体が悦びであり、〈生〉そのものであります。そこに、世界と自己との紡ぎ目として、人と人の紡ぎ目としてのアートが生まれています。
 アートが生まれることと、世界が現れること、他者や新たな自己と出合うことは、子どもたちのつくり表す活動においては、同時に不可分に進行しており、互いに互いをつくり合っているかのようでもあります。子どもたちはしなやかに、そして、いきいきと、もの、他者、自己、世界を紡ぎ合って、〈いま−ここ〉での自らの新たな〈生〉をつくり出しています。
 しかし、私たちは、子どもから大人になる過程で、こうしたアートがアートであるありのままの身体的な実践のありようからずいぶんとかけ離れてしまったようです。
 そこで、本年度は、自らのつくり表す行為を通して、もの、他者、自己、世界を紡ぎ合い、〈いま−ここ〉での自らの新たな〈生〉をつくり出していく経験とその悦びを、われわれのつくり表す身体の原点に立ち返り、もう一度問い直し分かち合う機会といたしたく思います。子どもたちの視点や経験の位置からつくり表すことのよろこびと生きることのかけがえのなさを身体全体で捉えることで、子どもと共につくり生きる教育の在り方を模索したいと考えております。
【開催期日】
 平成17年12月3日(土)
【組織(主催者)】
 主催:美術教育実践学会
 後援:新潟日報社、上越タイムス社、上越よみうり
【参加者】
 76名
【主な研究発表、討議の内容等】
T ワークショップ
『交感する身体〜つくり表すことのよろこび〜』
コーディネーター 岩村伸一氏(京都教育大学教授)
U レクチュアー 1
『作業の実際としてのアート』
岩村伸一氏
   レクチュアー 2
『つくり表すことと生きる力〜造形遊び再考〜』
奥村高明氏(国立教育政策研究所教育課程調査官・文部科学省図画工作科調査官)
V ディスカッション
『子どもと共に学ぶ授業をつくる』
提案者/愛野良治氏(佐賀県塩田小学校)
コーディネーター/松本健義 上越教育大学
パネラー/岩村伸一氏、奥村高明氏