【社会系教育講座】
 

 
赤 羽 孝 之(教 授)
 
<教育活動>
授 業
学 部:地域と産業・社会、経済地理学、地理学実験、地理学野外実験、地域調査法B、実践セミナーT、地理学専門セミナーT・U
大学院修士課程:人文地理学特論、実践場面分析演習T、地理学研究セミナーT・U
大学院博士課程:
研究指導
 社会系コースの大学院修士課程院生1人、及び研究生(留学生)3人の研究指導。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 最近5年間の中国華東・中国東北部・アメリカ合衆国・大韓民国への自主的な観察旅行などで得た成果を、スライド映写・説明の形で授業に生かすことができた。また従来、授業内容が理論に傾斜する嫌いがあったが、外国や上越地方の事例など、具体的な事象を通じて説明するよう心がけた。課題としては、具体的事象と理論的視座との教育内容のバランスの問題がある。学生の知的意欲やレベルとの関係もあり、授業での反応を見ながら、という形にならざるを得ない。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成18年3月:『新潟 地図ウオッチング』P227(監修) 鈴木郁夫氏と共に,新潟日報事業社及び(分担執筆):牧・清里150-151、春日山・直江津158-159、高田160-161
学会活動への参加状況等
@3月29日〜4月1日:日本地理学会春季大会(青山学院大学)
A7月30日・31日:教育実践学構築研究会(スペースアルファ神戸)
B10月22日:上越教育大学社会科教育学会(妙高少年自然の家)
◎特色・強調点等
 新潟県の地理学研究者グループによる共同研究として、地形図を利用したガイドマップと説明文章の『新潟 地図ウオッチング』の執筆・編集・校正などの仕事に関わった。当初の計画から約1年の遅れであったが、平成18年3月下旬に出版されるに至った。市町村の大規模広域合併の後であり、地図を利用した本書は市民向けの出版物として、研究者の地域への貢献として意義があろうと思われる。
 また、兵庫教育大学連合大学院博士課程の創立10周年記念に向けた研究活動である教育実践学構築研究会に社会系連合講座の一人として関わり、合宿研究会にも参加した。その成果『教育実践学の構築―モデル論文の分析と理念型の提示を通して―』(平成18年秋出版予定)の一部分担として「地理的見方・考え方に関する一考察」を執筆した。
 また、前年度に引き続き、中国東北地方の経済・図們江経済開発地域・中朝国境における貿易などの文献研究を行った。とくに2月には研究留学生3人と伴に、新潟市の環日本海研究所において中国統計年鑑・省別統計年鑑・省別地誌書などに当たり資料収集を行った。それら資料の分析と、成果を講義などの授業に生かすべく準備を行っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市公共事業評価監視委員会委員
A上越市景観審議会委員
B関川流域委員会委員
C上越市商工会議所政策委員会委員
D上越市北陸新幹線建設促進期成同盟会顧問
E上越市新幹線新駅地区土地区画整理審議会委員
F上越市立博物館市民アートギャラリー施設検討委員会
G新潟地域文化デジタル化研究会代表幹事
◎社会への寄与等
 14市町村の広域合併を行った上越市の公共事業監視評価・景観行政や、建設が進む北陸新幹線に関係する地域振興、新駅周辺整備などの問題に、経済地理学の専門知識を生かして関わった。
 また、地域の河川整備の問題や公共施設の立地移転問題、中心市街地活性化の問題などにも積極的に関わり、意見を述べた。
 

 
大 嶽 幸 彦(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部の授業では、講義だけでなく作業学習や発表形式も加え、学生の実践的能力がつくようにした。
 特に2年生には、教員採用試験を意識させ、毎時間リポートを書かせ、コメントを加えた上添削し、翌週返却した。
 大学院は現地調査を含む発表形式を取り、報告者を中心に討議するとともに、全員で事前・事後の学習を踏まえた1日巡検を実施し、実践的な力がつくよう工夫している。今年度は院生の強い要望により「地誌学特論」授業記録を手作りで作成し、製本だけ業者に発注した。
○成績評価法に関する取組状況
 シラバスに明記したとおりに、出席状況、発表状況、毎回の小リポート、最後の筆記試験を点数化して総合評価し、学生・院生の納得のゆくように事前・事後に説明している。免許プログラムの学生が出席するようになって活気がましたが、一部の学生に欠席の多いものが出てきたことは由々しき事態である。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学部1年次から本学が教員養成大学であることを自覚させ、講義のなかにワークを取り入れたが、従来にない免許プログラムの院生も入り込んできたため賛否両論の授業評価を受けた。授業時の取組と教員採用試験合格との関連が今年度もみられたので、日ごろの授業形態が進路に貢献していると判断する。
 大学院の修了生も指導的立場で活躍している者も多く、授業の方式が十分役立っていると考えている。
研究指導
【観点1】学部
 どのような課題が与えられてもみずから考え、調査項目を決めて調査し、かつ教育現場に還元できるような教育の視点を意識させた研究指導をおこなっている。
【観点2】大学院(修士課程・博士課程)
 修士課程では、専門の研究テーマを院生みずからが深めるのを手助けするとともに、教材化の視点からもテーマに取組ませ、実践力をつけて教育現場に入れるよう指導している。ただ、免許プログラムの学生の論文作成が遅れがちのため、現地指導をしたり春休み中もゼミを開くなどの措置をしている。
 博士課程では、新しい教育実践学の構築に寄与するよう、より独創性のある論文作成を目指し、大阪サテライトや兵庫教育大学に出張している。今年度は本学の院生の授業もおこなった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生・院生がみずから課題に取組み、教員はその手助けをして能力を引き出す役に徹するよう心掛けている点が以上を通底している。しかしながら、以前ほど課題に質的にも量的にも取り組まない学生・院生が出てきているので、どのような動機付けをはかるか、苦慮している今日である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年12月:『地理知識の効用』(単著)古今書院、155P
@平成17年10月:『フランス語版人文地理学概説書に関する一考察』(単著) 上越教育大学研究紀要、第25巻第1号、pp.33−44
@平成17年9月:『地誌学特論』授業記録(平成17年度前期)(単編著)
@平成18年3月:『人文地理学概説書に関する一考察』(単著)
学会活動への参加状況等
@8月4日〜5日:兵庫地理学協会研究大会出席
A10月22〜23日:上越教育大学社会科教育学会20周年記念大会出席
B11月11日〜13日:日本地理学会秋季大会出席
C3月28日〜29日:日本地理学会春季大会出席
◎特色・強調点等
 単著『地理知識の効用』は、40年あまりの研究・教育生活の合間に読んできた地理学関係の本をもとに地理学の有効性を一般の人びとむけに書きおろした啓蒙書である。幸い、読者に広く読まれているようである。
 

 
佐 藤 芳 徳(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 大学院の「自然地理学特論」では,基礎的事項のほか,自然地理学の最新の研究成果を取り入れて講義した。また,資料等の教材化も念頭に入れて授業内容を構成している。学部の授業では,環境科学的内容を充実させたほか,地理学野外実験などの実験科目を中心に,学生が地理的現象を直接取り扱えるよう授業内容を工夫した。必要に応じてIT機器を利用した。
研究指導
 卒業研究においては,地理学関係,特に自然地理学を中心に指導を行った。また,修士論文作成においては,自然地理学関連の論文指導を行った。
その他の教育活動
 信州大学教育学部において「自然地理学概論」を担当した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年5月:『高田平野における地下水の安定同位体組成』(単)地球惑星科学関連学会2005年合同大会
A平成17年10月:『会津盆地の地下水流動系の研究』(共)2005年度日本水文科学会学術大会
共同研究の実施状況
@独立行政法人産業技術総合研究所の客員研究員として,同位体水文学についての研究を行った。
A日本水文科学会研究ワーキンググループ「日本の火山の地下水−性状と水文プロセスの体系化に向けて−」における共同研究。
学会活動への参加状況等
@5月24日:地球惑星科学関連学会学会2005年合同大会出席
A10月29日〜30日:日本水文科学会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本水文科学会評議員
A新潟県環境影響評価審査会委員(新潟県)
B上越市水道水源保護審議会委員(上越市, 委員長)
Cダム水源保全・涵養検討委員会(上越地域水道用水供給企業団,副委員長)
D上越市環境審議会委員(上越市)
E「児童文学のふるさと上越」検討委員会委員(上越市)
◎社会への寄与等
・3月15日:上越地域水道用水供給企業団「ダム水源保全・涵養活動推進フォーラム」司会
 

 
鈴 木 敏 紀(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 授業の特色は、学部の「経済学概説」「経済学文献講読」「社会」「アメリカ事情」「公民教材開発論」「経済学領域専門セミナーT・U」、「実践セミナーT「社会」」、大学院の「経済学特論」「経済学専門セミナーT・U」「実践場面分析演習T「社会」」において、基本的な専門的用語及び理論を文献、統計資料、新聞記事などを活用し解説すると同時に、テキストの各節を受講生が要約し、その関連する事柄について独自の文献及び統計資料の研究を行い、その深めた内容を発表して議論する形態をとったことである。これにより学生は予習・復習の動機付け与えられ、さらに研究成果の発表能力・議論能力が深められた。また特に「公民教材開発論」と「実践セミナーT「社会」・実践場面分析演習T「社会」」(学部生と院生の合同授業)の発表原稿は保存版として冊子にまとめ学生に配布した。
研究指導
 卒業研究では主に先行研究、文献研究及び資料研究に基づいたアンケート調査を行い、先行研究の上にさらに独自の実証内容を付加した優れた卒業研究論文を作成させることに成功した。これは特に卒業後の教育実践において実際的経済活動の姿をシュミレーションすることに役立つものと思われる。
 修士論文では、主に先行研究、文献研究及び最新の統計資料分析を中心に据え、それにアンケート調査を加え、実証性において独自性を発揮し、優れた内容のある修士論文を作成させることに成功した。
その他の教育活動
 長岡工業高等専門学校非常勤講師:「経済学」「社会学」担当(後期)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業の目標は受講生の文献読解能力、資料調査・作成能力及び発表能力を付けることにおき、その目標を達成するためにテキストの要約、関連文献研究、統計資料の調査と作成の指導に力点をおき、それを発表する授業形態をとった。その目標は達成された。
 今後の課題はインターネット活用法である。インターネットは調査の入り口であって、その内容は独自の調査と関連の文献研究によって深めなければならないのであるが、丸写しのままレポートするものがいる。これを改めさせることである。
 
<研究活動>
 市場価格論、独占価格論、利潤論、利子論の研究を続けている。
 「商品・貨幣・資本」の理論体系を試みている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県地域づくりアドバイザー
A新潟県公共事業再評価委員会委員
◎社会への寄与等
@新潟県の公共事業再評価会員として県の公共事業政策に積極的にかかわった。
A公開講座「おもしろ柔道教室」において近隣の子どもたちに柔道のおもしろさと基本的な礼法・技能を教え、アンケートでは夏休みを有意義に過ごせたと保護者の方からよい評価を得た。
B学習支援教室:上越市大和四丁目地内の児童・生徒の学習支援(毎週2回の定期ボランティア)
C少年柔道教室:上越市高田スポーツセンターで幼児・児童の柔道教室(毎週3回の定期ボランティア)
 

 
藤 澤 郁 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部授業では、「倫理学概説」において、社会科の教科専門科目としての内実を確保るよう努力した。将来の教員としての基礎教養はもとより、人間形成のための基礎学問として、学生に問題提起しながら授業をすすめた。
 また、大学院の授業「倫理学特論」においては、カントの永遠平和論を論じたが、適宜ルソ−の思想も参照した。またカントの共和政治論については、プラトンの国制論についても論じた。
研究指導
 院生指導として由井峰雄氏の論文指導、および三浦立氏の論文指導をおこなった。三浦氏はカントの宗教論について研究をすすめているので、ドイツ観念論について重点的に指導を行っている。なお、由井氏は「日本の教育危機克服のために−「いのち教育」の実践に向けて」なる修士論文を提出した。
その他の教育活動
@平成17年4月〜9月:国立療養所新潟病院附属看護学校非常勤講師として「論理学」を担当した。
A平成17年10月〜平成18年3月:新潟県立看護大学非常勤講師として「哲学」を担当した。なお、内容としては生命倫理学を講じている。
B指導においては、基本原理の徹底的理解を促すよう鋭意努力している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年3月:『いかにしてソクラテスは政治家でありうるか−プラトンの政治哲学への一つの序章』(単著)上越教育大学研究紀要 第24巻 第2号 pp.411-444
A平成17年9月:『プラトンの後期政治思想の展開−『ポリティコス』を中心に』(単著)上越教育大学研究紀要 第25巻 第1号 pp.69-103
B平成18年3月:「平成16年度〜平成17年度科学研究費補助金【基盤研究(c)(2)】研究報告書」
共同研究の実施状況
 平成17年度科学研究費補助金(基盤研究(C)(2))の研究代表者(研究分担者:香川大学・経済学部・教授・齋藤和也)として研究に従事した。
 なお論文Bは研究成果報告書である。
 

 
山 本 友 和(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では,各講義・演習内容の連続性と関連性に留意した指導を行い,教材開発の成果を『社会科教育法研究・2005年度』という冊子にまとめた。大学院では,社会科・公民教育の基本概念について習得させた上で,比較社会科教育学研究の成果を踏まえた授業分析も行った。成績評価に関してはオリエンテーション時に説明を行うとともに,期末試験前には質問時間も設定した。
研究指導
 学部では4名(3年生が2名,4年生が2名)の学生に対する卒業研究指導を行い,大学院では5名(M1が2名,M2が3名)の院生に対する修士論文指導を行った。ゼミの初年次は各自の研究テーマとかかわる文献・先行研究の講読と分析を中心に行い,研究課題を明確化させた。ゼミの2年次では各自の論文構成に沿った個別指導を中心とし,教材化やカリキュラム開発といった臨床的なあり方を意識しながら助言した。
その他の教育活動
@群馬大学非常勤講師として,「中学校社会科指導法C」の集中講義を担当
A本学では,教職講座の講師を務めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 講義においても課題研究と発表活動を取り入れ,能動的な学習となるよう工夫した。演習では,受講生の問題意識や研究テーマに沿った内容を設定し,各自の問題意識の深化と専門性の追究を実現できるように工夫した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年10月:『社会科教育と地域・国際化』(共編著) あさを社
@平成18年3月:『公民館事業の重点化−狭くとも深く− 』(単著) 新潟県公民館月報 No.637 新潟県公民館連合会
A『「地域の国際化」に関する教材開発のためのリカレント・ツアー・プログラム調査報告書−群馬県太田市・大泉町−』(分担) 2005(平成17)年度学長裁量経費(特別事業等経費)
共同研究の実施状況
@「地域の国際化」関する教材開発のためのリカレント・ツアー・プログラムの調査 上越教育大学社会系教育講座 2005(平成17)年度学長裁量経費(特別事業等経費)
学会活動への参加状況等
@5月20日〜22日:日本環境教育学会第16回全国大会出席
A9月2日〜3日:日本グローバル教育学会第13回全国研究大会出席
B10月8日〜10日:日本社会科教育学会第55回全国研究大会出席
C10月28日〜30日:全国社会科教育学会第54回全国研究大会出席
D平成17年度日本公民教育学会理事
E平成17年度日本社会科教育学会評議員
F平成17年度全国社会科教育学会理事
◎特色・強調点等
 共編著には,社会科教育実践の理論的考察のみならず,新潟県と群馬県の小・中学校の教員による実証的考察も掲載されている。この共編著は,社会科学習、地域学習、国際理解の学習等に関する学校教育現場での臨床研究に寄与するものであると自負している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@教科書研究センター特別研究員
A新潟県上越市公民館運営審議会委員
B新潟県上越市女性サポートセンター運営審議会委員
C新潟県教育委員会教員12年研修会講師(「『学力向上』と学習指導の改善」を講演)
D新潟県教育職員免許法認定講習の講師として,「教科の指導法〈社会〉」の集中講義を担当
◎社会への寄与等
・公民館活動や女性支援活動,教科書の改善,教育現場の問題解決等に多少なりとも貢献したと考える。
 

 
浅 倉 有 子(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部・大学院とも、各授業の第1時間目に、授業のおおよその進め方、評価方法について説明を行っている。また中学校社会歴史的分野・高校日本史の記述の学説による変化などに言及しつつ、絵画資料などを含む基本的な資料の扱い方や、学校現場における応用に付いて理解を高める工夫を行っている。
研究指導
 1名の修士論文の指導と2名の卒業論文の指導を行った。学部では3・4年生を一緒に、大学院では1・2年生を一緒にしてゼミを行い、研究へ取り組む姿勢、資料の分析方法をはじめとする研究の手法等が共有されるよう配慮している。また議論する能力の育成に努めている。そのほかに4年生と修士2年生については、資料読解など論文を完成させるためのゼミを個別に行っている。修士論文は、現在学会誌に投稿中である。なお4年生の内1名は静岡県の小学校教員試験に合格、もう1名は本学大学院修士課程に合格、修士2年生は東京都の小学校教員に合格(一身上の都合で辞退)した。
その他の教育活動
@東北芸術工科大学の非常勤講師として「歴史遺産応用演習I」、「歴史遺産基礎演習I」を担当した。
A新潟産業大学の非常勤講師として「日本の歴史A/日本事情AA」、「日本社会論AA」、「日本の歴史B/日本事情AB」、「日本社会論AB」を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業では、単調な講義にならないようAV教材を用いるなど、教材や授業方法に配慮している。研究指導については、学生の能力を引き出すように努めながら、懇切で厳しい指導を行っていると考える。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年8月 : 『中世の城館と集散地』 (共著) 高志書院
A平成18年3月 : 『青森県史』資料編近世3 津軽2・後期津軽領 (共著) 青森県
@平成17年6月 : 『一家における男性の役割とは?』(単著)上越教育大学社会科教育学会だより 第56号
A平成18年3月 : 「現職院生、学部卒院生、学部学生のコミュニティー形成に関する研究」(単著)『教師コミュニティーの創成を通じての教員養成・現職再教育プログラムの開発研究』研究成果報告書 (代表戸北凱惟)
共同研究の実施状況
@中世考古学のための日本中世・近世初期の文献研究 代表者: 矢田俊文(新潟大学教授) 文部科学省特定領域研究
A近世日本における女性のライフサイクルと地域社会 代表者: 薮田貫(関西大学教授) 科学研究費補助金 基盤研究(B)
◎特色・強調点等
 アイヌ文化を特色づける漆器に注目し、その生産地である浄法寺地域の漆器生産と流通に関する論文を刊行した。これまで文献史学では、成果が乏しかった領域であり、考古学の成果と文献史料をあわせて考察することで、発展性のある独自な研究領域を開拓したものと考えている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市文化財審議会委員
A青森県史専門委員
B長野県文化財審議会委員
C「児童文学のふるさと」上越検討委員会委員
D平成17年7月2日南魚沼市PTA研究集会講師(「江戸時代の子育てに学ぶ」を講演)
◎社会への寄与等
 地域の文化や歴史の掘り起こしと、それらによる人々の歴史認識の形成について、また地域に存在する貴重な文化財や歴史資料の保持と活用等について、一定の寄与を果たしていると考える。
 なお、平成16年10月29日に、市政功績により上越市から表彰を受けた。
 

 
茨 木 智 志(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部学生対象の授業においては,教育現場を念頭に置きつつ学生の学習状況を考慮して,教科内容の基礎的知識の充実,調査能力の向上及び教育実践の場面における表現能力の向上に努めた。特に既習の知識,技能を自らの創意工夫により教材開発に結びつける指導に腐心した。その成果の一部を公民教育の山本友和教授,地理教育の志村喬助教授と共同で社会科教育学研究室紀要『社会科教育法研究2005年度』として発行した。
 大学院学生対象の授業においては,各国・各時代及び特定の研究者の社会科教育・歴史教育の理論や教育内容を紹介及び検討することを通じて,各自の理論構築に向けた研究能力育成を目指した。受講生の探究の成果をレポート集にまとめ,各自の目標達成への参考とした。
研究指導
 歴史教育等をテーマとする大学院学生(1年3名,2年2名)及び学部学生(3年1名,4年1名)に対して,論文作成あるいは各自の課題への具体的な研究方法について,ゼミ等を通じて指導を行なった。
その他の教育活動
@国立大学法人筑波大学大学院教育研究科の非常勤講師(「歴史教育論」)を勤めた。
A本学附属中学校2005年度教育研究指導者として指導助言を行なった。
B本学教職講座「社会」を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 社会科教師としての実践能力と研究能力の育成に努めるなかで,学生が自己の習得した能力を自覚できる授業の在り方の工夫を継続している。また社会科の実践場面分析演習・実践セミナーUにおいて,学部学生と大学院生との連携及び大学と附属学校との連携を模索した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年10月:『「歴史科専門委員会報告」に関する一考察』(単著)歴史教育史研究 第3号pp.23-34
A平成18年3月:『モンゴル語版『蒙古喇嘛教史』の研究(11)』(共著)大正大学綜合佛教研究所年報 第28号
@平成17年5月〜平成18年2月:『新刊紹介』(単著)歴史と地理(世界史の研究)第203〜206号(4回掲載)
A平成18年3月:『2005(平成17)年度学長裁量経費(特別事業等経費)「地域の国際化」に関する教材開発のためのリカレント・ツアー・プログラム調査報告書−群馬県太田市・大泉町−』(共著)
@平成17年8月:『1951年版世界史学習指導要領の作成過程に関する考察』総合歴史教育研究会第41回定期大会発表
A平成17年10月:『敗戦直後の歴史科専門委員会に関する基礎的研究』歴史教育史研究会例会発表
B平成17年10月:『敗戦直後の文部省における教科書改訂構想−1946年1月公布の教科用図書委員会官制の検討過程に焦点を当てて−』教育史学会第49回大会発表
C平成17年10月:『戦後の新学制への外国史教育の導入−新制高校社会科選択科目としての「東洋史」「西洋史」設置の意味−』日本社会科教育学会第55回全国研究大会発表
D平成17年10月:『東アジアの歴史教育における自国史と世界史の現状−各国のモンゴル史認識の枠組みに焦点を当てて−』全国社会科教育学会第54回全国大会発表
E平成18年3月:『歴史教科書に見る日中の相互認識』シンポジウム「日中若手歴史研究者会議−国境を越える歴史認識のために」発表及び指定討論者
共同研究の実施状況
@大正大学綜合佛教研究所モンゴル仏典研究会に参加
A笹川日中友好基金若手歴史研究者会議に参加
B歴史教育者協議会日韓歴史教育者交流委員会に参加
学会活動への参加状況等
@8月7日:総合歴史教育研究会第41回定期大会出席
A10月8日:歴史教育史研究会例会出席
B10月9日:教育史学会第49回大会出席
C10月10日:日本社会科教育学会第55回全国研究大会出席
D10月22〜23日:上越教育大学社会科教育学会第20回研究大会出席
E10月29〜30日:全国社会科教育学会第54回全国大会出席
F日本社会科教育学会幹事
G総合歴史教育研究会委員
◎特色・強調点等
 社会科教育・歴史教育の向上のために,前年度に引き続いて,歴史的研究及び比較研究の観点から基盤整備に努め,その成果の一部の発表した。歴史教育史研究に関する研究雑誌の刊行を継続した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@現職教員支援のための総合的「学校コンサルテーション」推進事業実行委員会に参加した。
 

 
小 田 桐  忍(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
@ 日本国憲法及び教育基本法等を含む法的・政治的な教養は、短期的には、教員採用試験受験時に必須の知識であるのみならず、長期的には、社会生活を営む上での不可欠の構成原理でもある。授業ではどちらにも対応できるように踏み込んで講述した。
A 平成17年度ハラスメント等講演会に参加するよう指導し、当該問題の更なる理解と意識の啓発を図るため、レポートを提出させた。学生時代に教育現場での教員としてのマナーを身に付けておくことが重要であると考えたからである。
B 保育士関連科目では、子育て支援社会を支える、質の高い保育士を養成するため、社会福祉援助技術論まで含んだ授業内容を展開することにより、本学における「社会福祉(T・U)」及び「子どもの福祉」の担当者としての責務を全うした。
C 大学院(修士課程)では、単に“条文暗記”と思われがちな法律学に向けられる偏見を排除するよう努め、法と人間と社会の関連性を考察した。
D 大学院(博士課程)では、受講者の研究課題に関する法律学的資料を提供することにより、当該受講者の研究支援を行った。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価については、厳格であることを主として、時には必要に応じた救済措置を講じながら、学生が各自の目標を達成できるよう支援した。例年通り、学部の定期試験時の出題形式として、正誤問題・穴埋問題・論述問題等を総合的に採用した。採点終了後に各自の答案は閲覧に供し、その内容を確認させた。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 今年度の学部卒業生2名は、当該学生らの希望通りの職種に就くことができた。指導教員として大変満足している。
その他の教育活動
@平成17年4月〜平成18年3月:早稲田大学法学部非常勤講師「3・4年法学演習(法哲学)」担当
A平成17年4月〜平成18年3月:帝京短期大学生活科学科非常勤講師「社会福祉概論」及び「児童福祉論」担当
B平成17年8月31日〜9月2日:新潟県立看護大学看護学部非常勤講師「法学」(集中講義)担当
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 拙担当科目及び拙研究室における今年度の活動及びその成果を公表するため、平成18年3月に『高田法学』第5号(ISSN 1347-2402)を刊行した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年4月:『2005年版コンパクト福祉関連法規集』(編集代表)久美株式会社
学会活動への参加状況等
@平成17年9月:第8回神戸レクチャー(ウルフリット・ノイマン教授による講演)「ドイツにおける法哲学の議論状況について」(法政大学)
A平成17年11月:国際シンポジウム「アジア地域文化学の構築」(早稲田大学)
B平成17年12月:国際シンポジウム「東アジア共同体のダイナミズム」(早稲田大学)等に出席した。
◎特色・強調点等
 今年度の研究成果は、福祉学的領域に属する。また、法律学的領域に関する今年度の研修成果は、次年度以降に活字化してゆくことにしたい。
 

 
河 西 英 通(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 在外研究のため長期不在であったので、講義は「日本史研究B」のみ行った。相互コミュニケーションをはかることに心がけた。
研究指導
 学部では4年生2名、3年生2名に対する卒業研究指導を行い、大学院では修士2年生1名、1年生3名の修士論文指導を行った。卒業生2名のうち1名は本学大学院修士課程に(もう1名は教採合格)、修了生1名は他大学大学院博士後期課程にそれぞれ進学した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 講義においては一方通行にならないように、極力、ディスカッションをするよう心がけた。今後は最新の研究動向を踏まえながら、平易な講義をめざし、教員採用試験に対しても有効な授業を展開したいと思う。ゼミナールではフィールドワークをなるべく取り入れるよう努めた。今後も具体的な感触を体験させながら、指導して行きたいと思う。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年4月:『Tsugaru : Regional Identity on Japan’s Northern Periphery』(共編著) ニュージーランド・オタゴ大学出版会
A平成17年8月:『ローカルヒストリーからグローバルヒストリーへ』(共編著) 岩田書院
@平成18年3月:『現代社会と自由民権運動』(単著) 自由民権 第19号 pp.4-14
@平成17年4月:『笹森儀助と近代日本』(単著) 青森県立郷土館・辺境からのまなざし-笹森儀助展 pp.6-12
A平成17年6月:『北海道開拓の光と影』(単著) 朝日新聞社・街道をゆく 第21号 pp.12-13
A平成18年2月:『書評・一ノ瀬俊也『銃後の社会史』』(単著) 図書新聞 第2760号
共同研究の実施状況
@新潟県自由民権運動の研究 代表者:横山真一(新潟県立長岡明徳高等学校教諭)
学会活動への参加状況等
@12月17日:北海道・東北史研究会大会出席
在外研究の状況
@2月26日〜8月1日:アメリカ合衆国・プリンストン大学 文部科学省海外先進教育研究実践プログラム派遣者 地域史研究の方法論に関する国際的比較検討
◎特色・強調点等
 平成6年度に次いで、2回目の在外研究をプリンストン大学で行い、大学関係者のみならず、地元の歴史協会や小学校でのインタビューなどを行う事が出来た。学術研究と教育活動のみならず、市民運動との関連で地域史研究の方法論を検討することが出来た点は、特筆に値する。ニュージーランド・オタゴ大学の研究者との共同研究も恒常的に行い、2冊目の著書(英文)を共同編集刊行した。平成18年度は3冊目の論文集を刊行する予定である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@内閣府「災害教訓の継承に関する専門調査会」小委員会委員
A新潟県立文書館運営協議会委員(新潟県)
B青森県史専門委員(青森県)
C出前講座(12月2日長野西高校、1月18日長岡大手高校、2月1日糸魚川高校)
◎社会への寄与等
・内閣府「災害教訓の継承に関する専門調査会」小委員会委員として、「酒田の大火並びに北部日本海地域都市の大火」分科会に所属して、報告書の作成に積極的にかかわった。
 

 
志 村   喬(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では砂場を使った地図学習体験,教科書を使った考査問題作成,教材開発と授業づくりなど実践的な学びと評価に配慮し,成果の一部を『社会科教育法研究』(山本友和教授,茨木智志助教授と共編)にまとめた。大学院では,学術論文執筆要領に沿った書評作成・提出を課し,修士論文作成への展開を図った。
研究指導
 学部生4年生2名,大学院生4名(1年2名,2年2名)を指導した。卒業論文指導では子どもの視点から社会認識を意識するよう,修士論文指導では現職派遣院生として実践的課題の解決へ資するよう研究指導し,卒業・修了後は各人学校に採用・復帰した。
その他の教育活動
@本学教職講座「社会」講師
A平成17年7月26日:上越教育大学附属中学校わくわく大学ウィーク講師(「測量して地図をつくってみよう」)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部4年と大学院2年との連携による実践力向上を目指した授業の成果を社会系コース編『「実践セミナーU「社会」」・「実践場面分析演習U「社会」」実践報告書』として刊行した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年9月:『地図からの発想』(共著)古今書院
@平成17年7月:『英国「ナショナル・カリキュラム地理」にみる開発教育の視点』(単著)地理50巻8月増刊号,pp.127-131
A平成17年9月:初等地図学習教材Mapstartシリーズにおける系統性の分析的研究(単著)上越教育大学研究紀要,25-1 pp.105-115
B平成17年10月:『「ナショナル・カリキュラム」導入期における前期中等教育向け地理テキストブックの研究−『キージオグラフィ』シリーズに焦点をあてて−』(単著)上越社会研究,20 pp.1-9
C平成18年2月:『中越地震に関する新聞掲載地図から考える「地理的見方・考え方」』(単著)新潟地理フォーラム,2 pp.17-26
@平成17年10月:『日本の地理 21世紀』(共同監修・執筆)朝日新聞社
A平成17年12月:『平成15年度高等学校教育課程実施状況調査報告書(世界史A 世界史B日本史A 日本史B 地理A 地理B)』国立教育政策研究所教育課程研究センター(調査結果分析委員(高等学校地理))
B平成18年3月:『新潟 地図ウオッチング』(共著)新潟日報事業社
C平成18年3月:『上越市高田地区における「交通事故危険地図」の作成による児童・生徒の交通安全のための基礎的研究(小学校編)』(共著)上越教育大学朝倉研究室
D平成18年3月:『「地域の国際化」に関する教材開発のためのリカレント・ツアー・プログラム調査報告書−群馬県太田市・大泉町−』(編著)上越教育大学社会系教育講座
E平成18年3月:『文部科学省中学校社会科検定教科書 社会科中学生の地理 世界のなかの日本 初訂版』(共著)帝国書院
@平成17年5月:☆『英国地理教育にみる地理学研究の影響』経済地理学会第52回大会ランドテーブル
A平成17年8月:『英国地理教育におけるgraphicacy概念の成立と変遷』日本国際地図学会年度定期大会
B平成17年8月:『英国初等地図学習教材Mapstartシリーズの系統性』日本地理教育学会年度大会
C平成17年10月:『「ナショナル・カリキュラム地理」における学習テーマの変遷』日本社会科教育学会大会
D平成18年3月:『「交通事故危険地図」作成による児童の安全環境の実態把握−新潟県上越市高田地区における調査結果』(朝倉啓爾と連名)日本地理学会春季学術大会
共同研究の実施状況
@「地理教育からみた地理的技能・学力の構造の解明と向上のための授業開発」代表者:田部俊充(日本女子大学助教授)科学研究費補助金
A「上越市高田地区における「交通事故危険地図」の作成による児童・生徒の交通安全のための基礎的研究」代表者:朝倉啓爾(上越教育大学教授)佐川交通社会財団
B「「地域の国際化」に関する教材開発のためのリカレント・ツアー・プログラム調査」社会系教育講座(研究総括担当)学長裁量経費
学会活動への参加状況等
○学会役職
@日本地理教育学会:評議員・学会誌編集委員
A日本地理学会:地理教育公開講座委員会委員
B東北地理学会:東北地理教育研究会世話人
○上記発表の他での参加状況
@平成18年10月22〜23日:上越教育大学社会科教育学会参加
A平成17年10月29〜30日:全国社会科教育学会全国研究大会参加
B平成18年2月28日:日独教員によるESD地理教材開発プロジェクトシンポジウム「持続可能な開発と教育」(地理科学学会・ユネスコアジア文化センター)参加
在外研究の状況
@平成17年9月22日〜10日1日:イギリス 英国地理教育における教員養成と再研修の実態に関する研究(学長裁量経費)
A平成17年12月1日〜12日11日:イギリス 地理的技能育成に関する調査(科研費)
◎特色・強調点等
 従来からの現代英国地理・地図教育研究(論】@AB)に加え,中学校教科書・児童向け図書(業】@E),教師・一般向け著作(著】@論】C業】B),学校教育実践に関する調査報告(業】ACD)の成果も公開した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@国立教育政策研究所教育課程実施状況調査(高等学校地理)結果分析協力者
A新潟県社会科教育研究会副幹事長
B平成18年2月11日:新潟県社会科教育研究会資料活用研修会講師(「なぜそこにあるのか?−地理の基礎基本−」解説)
C平成18年2月13日:福島県中学校教育研究会田村支部社会科研修会講師(「中学校における地理教育」)
D平成18年2月19日:出前講座「地域巡検の方法を学ぼう」(上越市立三和中学校)
E平成18年2月27日:新潟県高等学校教育研究会地理分科会研修会講師(「地理教育の国際的動向−英国を中心に−」
◎社会への寄与等
 国立の教育研究機関への協力(@),地域の教育研究組織役員(A)・研究会での講演(CDF)・出前講座(E)などを通じ現職教員の研修・実践力向上等に寄与した。
 

 
下 里 俊 行(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 教育方法に関して,学部「世界史研究入門」「総合演習(多文化社会論)」,大学院「国際理解教育特論」で受講者に小レポートを課し,その内容を次の授業に活用する形での対話型授業を行った。ブリッジ「社会」では、歴史方法論を重視し映像教材をもちいた。「ユーラシア史認識論」でも映画教材を活用した。「世界史研究入門」ではフィードバックを重視した。学部「外国史システム専門セミナー」と大学院「外国史システム研究セミナー」では,個別発表と問題発見型の討論に努めた。「ロシア語コミュニケーション」では場面別文法教材を使用し,小テストを実施した。実践場面分析演習・実践セミナーでは上越市職員の協力を得て高田城下町の教材化のための調査をおこないポスター教材・電子教材を作成した。
 成績評価面としては,事前に受講者に毎回授業時の小レポートへの評価を40点満点,期末課題レポートへの評価を60点満点とする評価基準を明示し,内容理解,自己内省,自己表現の三つの観点から成績評価を行った。
 教育の達成状況としては,学部セミナー4年次受講者2名のうち1名が常勤教員として採用、1名が本学大学院に進学した。大学院生1名のうち1名(留学生)が糸魚川市内の民間企業に採用された。
研究指導
 学部では,学生の研究テーマに応じてインターネットの積極活用,視覚資料の作成面の指導を重視するとともに海外でのフィールドワーク(イギリス)を支援した。大学院・研究留学生に関して,専門にかかわる日本語・外国語の文献読解力・翻訳技能の向上を重視して指導し,また日本人学部学生との討論によりコミュニケーション能力の向上を図った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教員による海外での国際交流のビデオ映像の教材化や、海外巡検、留学生との討論により受講者の強い興味・関心を引き出すことができた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年11月:博士論文『論戦するロシア知識人』(単著) 一橋大学大学院社会学研究科
A平成18年3月:「1881年3月1日事件について」(単著) 『ロシア思想史研究』第3号 成文社
@平成17年9月:『1881年3月1日事件について』 ロシア思想史研究会・夏期合宿大会(館山市)
A平成18年2月:『ロシアにおける東アジア表象について』,ロシア東欧文化史研究会(東京国際大学)
共同研究の実施状況
@19世紀後半のロシアの絵入り新聞にみる東アジア表象にかんする基礎的研究 代表者:下里俊行 科学研究費補助金(基盤C)
Aロシア思想史の多面的包括的再構築:グローバリズムと民族主義の問題を軸に 代表者:御子柴道夫(千葉大学) 科学研究費補助金(基盤B)
学会活動への参加状況等
@9月7日〜10日:科研費プロジェクト「ロシア思想史の多面的包括的再構築」・夏季研究大会(館山市)に出席
A12月10日:歴史と人間研究会・シンポジウムに参加(日本女子大学)
B2月11〜12日:科研費プロジェクト「ロシア思想史の多面的包括的再構築」・冬季研究大会(市ヶ谷私学会館)に出席
C3月18〜19日:北海道大学スラブ研究センター・COEプロジェクト研究セミナー(北海道大学)に出席。
◎特色・強調点等
 各種研究会に参加し、東アジアとロシアの歴史表象に関して複眼的視点での研究を点検することができた。また、博士論文を提出し、博士号(社会学)を一橋大学より授与された。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@本学公開講座「すぐ使えるロシア語会話」実施
A12月:長岡大手高校での出前講座「現代の世界情勢を読み解く」実施
B上越市男女共同参画審議会・委員
◎社会への寄与等
 出前講座や公開講座の講師として市民・高校生の教養向上に寄与し,また上越市の施策検討に関与した。
 

 
松 田 愼 也(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部講義概説科目については、前年度同様、基礎的知識・概念の定着をはかるため、事前に板書事項を精選するとともに、配布資料は基本的に使用しない方針で臨み、学生たちにノートをとらせるよう指導した。その他の学部・大学院講義科目においては、前年度同様、講義内容の密度を上げるために、毎回、詳細な講義資料を配布し、それに基づきながら講義を進める形式を遂行した。成績評価は、学部・大学院ともに宗教学という学問分野に関しては初心者がほとんどであることを前提に、用語解説等の基礎的知識の定着度をはかる問題を中心に、試験を行った。以上のような工夫・努力の結果、学生による授業評価においてはいずれの項目においても高い評価、高い満足度の回答が得られている。ただ、反省点として、内容密度を重視したことによる時間的余裕の少なさから、学生自身に調べさせたり、自由に討議させたりして、主体的に活動させる機会が作れなかったことが上げられる。次年度以降においては、それらをなるべく取り込んでいけるように一層の改善を図りたい。
研究指導
 学部3年生のゼミにおいては、所定のテキストについて輪番で内容レジュメを作り報告させる形式を採用し、資料の読み込みを通じてその内容を構造的に把握させることを目指した。次に、学部4年生及び院生のゼミについては、毎週、個別指導の時間を設定して報告させ、対話を通じてその内容の再整理を行って理解を深めさせる指導をした。また、この対話では直接研究に関わることのみならず、日常生活を含めた周辺的なことも話題にのせて相互の信頼関係を深め、教育が全人格的な営みであることを実感させるよう努力した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 宗教を理解していくうえでの基礎的な知識や世界の諸宗教についての基本的情報を精選・整理して教授している点が特色といえる。今後の課題としては、これらの知識をもとに、文化の基底としていかに宗教が重要な役割をになっているか、そのことを理解させていく工夫が必要であると考えている。これに付随して、変化の激しい近年の世界情勢のなかで、それらの宗教がどのように作用し、また変貌をとげているか、最新の情報を収集する努力がますます必要になってきている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成17年10月:『原始仏典第七巻 中部経典W』(共訳)春秋社
A平成18年1月:『呼吸の事典』(共著)朝倉書店
B平成18年3月:『「地域の国際化」に関する教材開発のためのリカレント・ツァー・プログラム調査報告書―群馬県太田市・大泉町―』(共著)上越教育大学
@平成17年7月:『四無量心の構成的意義について』 日本印度學佛教学会第56回学術大会発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市文化財調査審議会委員
A平成17年10月17日:文化庁・長野県主催平成17年度第2回関東甲信越地区 宗教法人実務研修会特別講演講師(『山本七平の「日本教」概念とその有効性について』)
 

 
山 縣 耕太郎(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では,地理学に関わる実験,演習,調査法の授業補助を行った。地理学実験においてはビジュアル素材を多く提示することを心がけ,コンピュータを活用したGIS教材を用いた。巡検などの実習授業では,実地の観察や経験を通して,基礎的な知識を身につけるとともに,地理的な見方に興味関心を持てるよう配慮した。大学院では,地域環境学特論を担当し,画像資料を多用して,理解と関心を高めるよう工夫した。また,初歩的なGISソフトを活用した作業を取り入れた。評価にあたっては,課題を設定して,その成果と取り組みへの態度を評価に取り入れた。
研究指導
 学部1名の卒業研究指導を行った.その他,地理学関係の卒業論文,修士論文を中心に研究指導の補助,助言を行った。
その他の教育活動
@新潟県立看護大学非常勤講師「環境生態学」担当
Aわくわく大学デー講師
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
@平成18年3月:『新潟地図ウォッチング』(共著)新潟日報社
@平成17年5月:Vegetation succession and plant use in relation to environmental along the Kuiseb River in the Namib Desert. (共著) African Study Monographs, Supplement, 30, 3-14
A平成17年5月:Landform development along the middle course of the Kuiseb River in the Namib Desert, Namibia. (共著) African Study Monographs, Supplement, 30, 15-25
B平成17年6月:新潟県中越地震と地域特性.地理,50-6,36-47
C平成18年2月:Distribution of permafrost on the west slope of Mt. Ichinsky, Kamchatka, Russia. (共著)Bulletin of Glaciological Research, 23, 69-75
D平成18年3月:カムチャツカ半島中央部、エッソ東方のカール内における地形発達と植生遷移(共著)北海道大学低温科学研究所一般共同研究報告書「カムチャッカ半島山岳地域における地生態学的研究」36-43
E平成18年3月:カムチャツカ半島中央部エッソ村西方山岳地域における気温、風向風速データ(共著)北海道大学低温科学研究所一般共同研究報告書「カムチャッカ半島山岳地域における地生態学的研究」44-51
F平成18年3月:Small debris lobes and its possible formation processes in mountain slope near Esso town, central Kamchatka. (共著)Report for the Joint Research Program of the Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University, Geoecological Studies in Mountain Areas of Kamchatka Peninsula, 52-60
G平成18年3月: Holocene Glacial History of Kamchatka Peninsula. (共著) Joint Research Program of the Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University, Geoecological Studies in Mountain Areas of Kamchatka Peninsula, 61-72
H平成18年3月: Forest fire in Esso district, Kamchatka peninsula, Russia. (共著)Joint Research Program of the Institute of Low Temperature Science, Hokkaido University, Geoecological Studies in Mountain Areas of Kamchatka Peninsula, 73-83
I平成18年3月:カムチャッカ半島エッソ地域における植生分布と土壌環境条件(共著)北海道大学低温科学研究所一般共同研究報告書「カムチャッカ半島山岳地域における地生態学的研究」84-93
@平成17年5月:『富士相模川泥流堆積物の層序と岩相変化および成因』(共)地球惑星科学関連合同学会
A平成17年5月:『富士相模川泥流堆積物の流下温度,堆積様式および成因:富士相模川泥流堆積物と御殿場泥流堆積物中の礫の自然残留磁化を比較して』(共)地球惑星科学関連合同学会
B平成17年5月:『ナミビア北西部カオコランドに分布する砂漠レス堆積物』日本アフリカ学会
C平成17年10月:『新潟県中越地震によって発生した斜面崩壊の特徴』上越社会科教育学会
D平成18年3月:『ナミビア北西部カオコランドに分布する砂漠レス堆積物』日本地理学会春季大会
共同研究の実施状況
@日本全土を対象にした火山リスク評価のための被災年代マップの作成 代表者:早川由紀夫(群馬大学教授)
A遺跡と史料に残る歴史噴火の火山灰層序学的解明と古環境復元の研究 代表者:杉原重夫(明治大学教授)科学研究費補助金
B鮮新・更新世古地理の高精度復元 代表者:山崎晴雄(都立大学教授)科学研究費補助金
C氷河コア解析による北太平洋の気候・大気輸送物質変動の復元 代表者:白岩孝之(北海道大学助教授)科学研究費補助金
Dトキの野生復帰に向けた、佐渡島における中山間地環境問題の研究と地域環境保全の実践 代表者:本間航介(新潟大学助教授)新潟大学地域貢献プロジェクト計画書
E小・中学校における地域社会との連携をはかったエネルギー教育・環境教育カリキュラムの作成.エネルギー環境教育情報センターエネルギー教育調査普及授業 代表者:庭野義英(上越教育大学助教授)
国際研究プロジェクトへの参加状況
@カムチャッカ半島における完新世古環境変動に関する地生態学的研究 代表者:山縣耕太郎(上越教育大学助教授)北海道低温科学研究所共同研究経費
Aアフリカの半乾燥地域における環境変動と人間活動に関する研究 代表者:水野一晴(京都大学)科学研究費補助金
B北東アジアの人間活動が北太平洋の生物生産に与える影響評価 代表者:白岩孝之(北海道大学低温科学研究所助教授)総合地球環境学研究所研究プロジェクト
C北海道十勝地域の湖沼堆積物を用いた古環境変遷史に関する研究,Richard Jones (University of Exeter,Lecturer)
学会活動への参加状況等
・学会役職
@本第四紀学会PAGES-PEPU対応委員会委員
◎特色・強調点等
 従来の研究が少ない東アジア寒冷地域と南部アフリカ乾燥地域における古環境変動に関する研究を行っている。また,新潟,北海道およびアムール川流域における人為作用の自然環境への影響について調査した。これらの研究は,現在行われている国際的なプロジェクト(IGBP.PAGES)による汎地球的な規模での古環境変動の復元に寄与するものと考えられる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越ケーブルビジョン市民公開講座講師