6 附属施設等
 
(6) 実技教育研究指導センター
@ センター
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
 生涯にわたる人間教育の基礎を培う初等教育教員には,各教科・領域の専門的知識は勿論,すべての教科・領域に関わる優れた実践的指導力が要請されているが,特に,実技を伴う音楽・美術・体育・外国語及び書写書道の分野では,それらの実践的指導力の向上が求められている。このような社会的要請に応えるために,当該センターは,音楽・美術・体育・外国語及び書写書道の各分野に係る教育研究及び指導技術の開発を行い,併せて,それらの成果を具体的に教育運営に生かす実践的指導能力を身につける場と機会を,学生たちに提供することを目的として設置された。
 当該センターの組織は,6名(音楽教育分野2名,美術教育分野1名,体育教育分野1名,言語系教育分野2名)の教員で構成されている。
イ 運営・活動の状況
(ア) 音楽教育分野
 音楽に関する実技能力の育成,各種楽器(特にピアノ)の指導と実力認定,教員採用試験のための実技(弾き歌い,ピアノ,リコーダー等)の特別指導,地域の音楽文化団体との共催によるコーラスワークショップ及び子どものためのアドヴァイスコンサートの開催,ブリッジ科目「音楽」で使用する教科書「上越教育大学学生のための音楽」の編集
(イ) 美術教育分野
 美術に関する実技能力の育成,絵画・彫塑・デザイン・工芸などをもとに総合的な表現力に関する自学自習の支援と実力認定
(ウ) 体育教育分野
 体力の増強と各種の運動技法の習熟及び実力認定,教員採用試験受験者の実技特別指導(器械運動,陸上運動,水泳,ボール運動)
(エ) 言語系教育分野
 外国語の読解,作文,聴解,対話に関する能力の伸長と,書写に関する理解の深化,各種表現技法の習熟及び実力の認定
(オ) センターセミナーの開催
○言語系教育分野(外国語)セミナー(期日:平成18年11月1日,講師:埼玉県立大学 助教授 飯島博之 名称:TOIEC:その活用実態と対策法,参加人数:42人)
○言語系教育分野(書写書道)セミナー(期日:平成19年3月11日,講師:新潟大学 助教授 岡村 浩 名称:地域の文化としての書〜新潟の書を例に〜,参加人数:37人)
A 運営委員会
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
 実技教育研究指導センター運営委員会は,センター長の諮問に応じ,センターの運営に関する重要事項等を審議することを目的として設置されており,センター長,音楽教育分野・美術教育分野・体育教育分野及び言語系教育分野及び各部から選出された教授又は助教授各1人,研究連携室長及び教育支援課長の12人により構成されている。
イ 運営・活動の状況
 平成18年度においては,運営委員会を3回開催し,センター運営予算,センターセミナー実施計画,委員会の審議事項や構成員の見直し,実技教育研究編集に関すること及び施設等に関する改善・改修等に関する要望等について審議した。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
 隔年で発行していた年次報告書を毎年発行することに改め,誌名を「実技教育研究」として従来の年次報告に加え研究論文を掲載し,内容の充実を図った。
 今後,以下の取り組みを継続して行う必要がある。
(ア) センターとしての学術的・実践的研究と学生の学習状況に関する調査研究を継続し,初等教育教員を志 望する学生には,どのような資質・能力が必要であり,それをどのように指導したらよいかを明らかにして行く。このため,兵庫教育大学,鳴門教育大学の実技教育研究指導センターとの共同研究の可能性を探って行く。
(イ) センターの全分野に共通するテーマ,または各分野・領域ごとに学外から出来るだけ多くの講師を招聘してセミナーを行い,学生および教員の研究に資する。また,現職教員のための教育実践セミナーとしても関係講座・分野と連動して検討して行く。
(ウ) 実技能力及び実技指導能力に対する評価の方法と具体的な基準について研究を継続し,センターの運営に反映する。
(エ) 研究と実践の進展につとめ,それに必要な設備や施設も充実して行く。
(オ) 附属学校,協力学校との研究協力を志向し,地域社会との連絡も密にして行く。
(カ) 学生の実技能力を発表するための場と機会を増やして行く。