3 管理運営組織等
 
(20) 人事
@ 重点的に取組んだ課題や改善事項等
 中期計画・年度計画の「大学全体で教員人事を行う」について,これまで実施した方策を検証し,改善・充実に努めるとともに,人事評価制度の構築及び学校教育法の改正に伴う対応について,重点的に取り組んだ。
 また,平成20年度の教職大学院の設置へ向け,教員配置,同大学院担当の教員審査等の対応について取り組んだ。
ア 教員選考手続の一部変更
 中期計画に掲げた「大学の理念・目的を最適に実現する教員組織を編成理念とし,できるだけ弾力的な組織にして,大学全体で教員人事を行う」ことの方策の一つとして,平成16年度に教員の選考方法を決定し,2年間実施してきた。
 平成18年度は,その検証を行った結果,手続の迅速化及び簡素化の観点から人事教授会で行っている教員選考委員会の設置・委員の指名について,教育研究評議会が行うこととし,「国立大学法人上越教育大学教員選考手続細則」及び「上越教育大学教員選考委員会規則」の改正を行った。
 このことにより,教育研究評議会での教員選考の発議後,速やかに教員選考を開始することができ,更に,教育研究評議会で決定した教員選考の発議について,教授会において助教授以下へ従前より1か月早く報告できるようになった。
イ 教員選考基準の作成及び公開
 教員の選考経過の透明性,信頼性を高め,互いの資質・能力の向上を図ることを目的に,教員選考に係る基準について,各講座・分野の基準を取りまとめ,共有できるようにした。
 このことについて,平成18年10月25日開催の第46回教授会において,教員人事担当の副学長から報告し,当分の間,教員選考委員会及び教授会での選考の指標として用いる旨の説明が行われた。
ウ 人事評価制度の構築
(ア) 大学教員
 「大学教員に係る人材評価の基本的な考え方」(平成18年9月20日役員会決定)をまとめた後,具体の評価項目,評価方法の検討を行った。試行実施後,見直しを行い,本格実施することとした。
 平成19年3月22日開催の第44回教育研究評議会で「平成18年度における大学教員に係る人材評価の実施について」を決定し,第一ステップとして,具体の評価項目を整理の上,各教員による活動業績書の作成,自己評価を行うための準備を行った。
(イ) 附属学校教員
 全ての教員が新潟県教育委員会との人事交流であることを踏まえ,県が試行中の教員評価システムを参考に「附属学校教員に係る人材評価の基本的な考え方」(平成19年1月17日役員会決定)を決定し,引き続き,評価項目及び評価方法・基準等について「附属学校教員に係る人材評価実施要項」(平成19年3月22日役員会決定)をまとめ,平成19年度に試行の準備を行った。
(ウ) 事務局職員
 国が試行中の人事評価及び他大学の評価システムを参考に「事務系職員に係る人材評価の基本的な考え方」(平成19年1月17日役員会決定)をまとめた。
エ 特任教員制度の導入
 教育研究指導の充実・改善に向け教育研究体制の強化を図ることを目的に,「特任教員制度の導入について」をまとめた。(平成19年3月22日教育研究評議会承認)
 特任教員とは,@任期が定められていること,A特別な任務を行うこと,B選考手続が通常の教員と異なるものであり,現在,本学教員に適用されている諸制度を特任教員に適用する場合は,弾力的に扱うこととしている。
 なお,学内の諸規程の整備等については,平成19年度に行う。
オ 学校教育法の改正に伴う対応
 学校教育法の改正により,平成19年4月から,大学教員の職位及び職務内容を整理するとともに,大学設置基準においても大学教員の資格が改正される。
 本学においては,「上越教育大学の新教員組織整備に係る基本方針」(平成18年9月20日役員会決定)に基づき,逐次,学内規程の整備を行った。
 方針の主な内容及び措置は,以下のとおりである。
(ア) 本学に設置する職は,教授,准教授,講師,助教及び助手とした。
(イ) 教員の職務内容は,基本的に改正学校教育法の規定に基づくものとした。
 なお,助教の職務は,「学生を教授し,その研究を指導し,又は研究に従事する」ことのほか,本学の取扱いとして配置部署により必要に応じて教育研究活動の補助も行う方針を示した。
(ウ) 各職の資格要件は,改正大学設置基準に基づくものとし,「国立大学法人上越教育大学教員選考基準規程」の改正を行った。
(エ) 教授,助教授及び講師を,それぞれ,新職の教授,准教授及び講師に移行させることとした。なお,助教授から准教授へ移行については,教育研究評議会において准教授の資格を満たしていることを確認し,決定した。
(オ) 助手は,職務内容及び資格要件により,助教又は助手に移行させるとしたが,准教授,講師への昇任人事により,該当した助手はいなかった。
(カ) 助教については,任期制を前提に検討を行うこととし,助教に任期制を導入(3年任期,特に必要があると認めるときは,3年を超えない範囲内で任期を更新)(平成19年3月22日教育研究評議会決定)するため,平成19年度,学内の規程整備を行うこととした。
カ 教職大学院担当教員に係る対応
 教職大学院に係る教員配置等については,設置認可申請に係る手続等の関係から,教員候補者の選考手順,選考基準及び募集方法に関して特例を設けることとし,「教職大学院設置に係る教員配置等について」(平成19年1月10日教育研究評議会決定)を定めた。
 その主な内容は,以下のとおりである。
(ア) 教員配置数(予定)
 専任教員:教授7人,准教授6人(うち,実務家教員:教授3人,准教授3人)
 兼担教員:10人
(イ) 教員候補者の選考手順
 教員選考委員会に替え,教職大学院教員候補者選考委員会を常設すること。教授会で審査を行わないこととし,「教職大学院設置に伴う教員候補者の選考手順に関する申合せ」(平成19年1月10日教育研究評議会決定)をまとめた。
 なお,教職大学院教員候補者選考委員会において,専任教員13人(うち,実務家教員6人)及び兼担教員6人の教員候補者の審査を行い,教育研究評議会において最終決定した。
(ウ) 教員候補者の選考基準
 教授会で審査を行わないことから,教員候補者の選考基準を明確にするために「教職大学院担当の教員候補者の資格審査の基準」(平成19年1月10日教育研究評議会決定)を定めた。
(エ) 教員候補者の募集方法
 実務家教員の募集については,学内教員からの推薦により募集することとした。
A 特筆すべき点や新たな取組みが求められる点
 平成19年度には,より一層,本学の理念・目的を最適に実施するため,教員組織及び教育組織の検討を行うこととしている。それには,現行より柔軟な教育研究指導体制と適切な専任教員の配置を行うに相応しい教員選考手続のあり方についての検討が求められる。