【障害児教育講座】
 

 
我 妻 敏 博(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価側面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 講義では受講生に聴覚障害者がいることに鑑み,紙資料を毎回用意するとともに補足資料やビデオなどを頻繁に用いてわかりやすい授業を心がけた。臨床実習では学生に実際の障害児の指導に当たらせ,事前打ち合わせ,事後反省会,ケース会議等で実践的な指導力の育成に努めた。あわせて指導案や指導記録の作成方法などを具体的に指導した。
○成績評価法に関する取組状況
 学生に対する評価は出席の他に授業中の質疑応答や期末テスト,レポートなどで評価し,点数が低かった者には追課題を与えて授業内容の理解を徹底させた。
【観点2】教育の達成状況
 障害児教育の科目では少人数の授業が多いことから、学生の理解の度合いが把握できる。理解度が低い学生には質問等を通して復習させるようにしたり、さらに関連する科目で復習するなどの工夫をし、シラバスにある授業の目標を達成させるようにした。また、演習の時間を利用してより深く理解させるように配慮した。
研究指導
【観点2】大学院
 テーマの設定,実施,結果の分析,論文の執筆まで研究セミナーの時間以外にも個別に指導した。さらに,年間3回の合宿指導を行った。資料収集に際しては対象となった学校に学生とともに訪問し,校長ほか関係教師に研究内容について説明し,研究協力を依頼した。また,関係する学会や研究会に学生を連れて参加し学習や研究活動に役立てた。
その他の教育活動(学外を含む)
 独立行政法人国立特殊教育総合研究所非常勤講師,新潟県認定講習会講師,長野県認定講習会講師,福井県認定講習講師,山形県認定講習講師、富山県認定講習講師
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 受講生が少ない授業が多いので,一般的な内容に加えて受講者の個別的なニーズに配慮した内容での授業を実施したり,個別的な質問や疑問に対応してきた。さらに,聴覚障害学生が受講する授業については毎回詳しい紙資料を用意し,情報補償に努めた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年4月:『補聴器の自己評価と満足度に関する分析』(共著)ろう教育科学、第48巻1号、p.23〜30.
学会活動への参加状況等
@8月17日〜18日:北陸教育オーディオロジー研究協議会
A9月16日〜18日:日本特殊教育学会出席
B10月9日〜12日:アジア太平洋地域聴覚障害問題会議・全日本聾教育研究大会
在外研究の状況
@6月11日〜6月18日:中国 中国黒竜江省における障害児教育の現状調査,哈爾濱師範大学との研究協議
◎特色・強調点等
 中国黒竜江省哈爾濱師範大学との連携事業の責任者として継続的に国際交流を実施している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況(寄与等)
@地域貢献事業の一環として毎月地域の難聴児を対象にした教育相談を行った。
A「上越地域難聴児サポートシステム構築会議」を立ち上げ、上越市、妙高市、糸魚川市の教育委員会・子ども福祉課、聾学校、耳鼻科医との連携事業を開始した。
B新潟聾学校の校内研修、長岡聾学校幼稚部との共同研究などを継続して行った。
 

 
大 庭 重 治(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部1年の学級担任を務め,人間教育学セミナーを通して教職に対する動機づけを行った。
 大学院修士課程の授業において,障害児の心理学及び指導法に関する内容を扱った。講義では,専門的な知識の提供とともに,臨床研究における新たな知見を紹介した。その中で,臨床研究における倫理についても積極的に取り上げた。演習では,他の教員と連携して授業にあたり,院生の研究活動と連動した指導を行った。実習では,障害児教育実践センター,地域の小学校,盲学校に臨床研究の場を定期的に設定した。また,カンファレンスにおいて臨床研究の成果に基づく議論の場を数多く提供した。成績評価については,試験やカンファレンスにおける議論への参加状況等を考慮して厳格に実施した。
研究指導
 研究室に所属する大学院生11名に対して毎週ゼミを開いて継続的な指導を行い,3名については修士論文作成の指導を行った。また,留学生1名の指導も行った。修士論文では,知的障害児と自閉症児を対象に,従来の臨床研究において指摘されてきた問題について,事例研究的な手法と実験研究的な手法を融合させた方法により検討することを指導した。また,それ以外の院生に対しては,実践的な観点から問題を設定できるように,できる限り臨床研究の機会を多く設定した。特に,軽度発達障害に関する研究を希望する院生が多かったことから,障害児教育実践センターや地域の小学校においてそのような子どもと接することができるように努めた。
その他の教育活動
 妙高市立矢代小学校において教育実習の指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 年々軽度発達障害に関する研究を希望する院生が増えていることから,地域の小学校において実施してきた放課後学習会を継続して開催した。今後は,軽度発達障害児を対象として諸検査を実施したり,継続的に支援を行う場を確実に設定できるようにしていく必要がある。そのためには,附属学校園との連携をより発展させていく必要がある。また,それらの成果を積極的に公表していくことも必要である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月:『知的障害養護学校高等部の作業学習における教材開発・製作のための体制整備』(共著)上越教育大学障害児教育実践センター紀要 第13巻 印刷中
発】@平成18年9月:『知的障害児・者を対象とした地方都市における余暇活動支援事業の実施に伴う検討課題』(共)第44回日本特殊教育学会ポスター発表
A平成18年9月:『知的障害児を対象とした報告場面における文産出を促すための支援方法に関する事例的研究』(共)第44回日本特殊教育学会ポスター発表
B平成18年11月:『脳損傷者,視覚障害児,逆さめがね着用時の移動行動と視空間の成立過程─ 視覚障害児の歩行における方向定位 ─』第70回日本心理学会ワークショップ発表 
共同研究の実施状況
@発達障害児を対象とした実行機能の評価に関する基礎的研究 代表者:惠羅修吉 科学研究費補助金
A特別支援教育に係わる教員養成・研修を目的とする地域連携システムの試行的構築 代表者:大庭重治 上越教育大学研究プロジェクト
B特別支援教育のための大学院における教員養成・研修システムの開発−障害児教育実践センター及び附属学校の活用を通して− 事業実施責任者 大庭重治 特別教育研究経費(教育改革)
C大学院への障害学生受け入れに求められる配慮・条件の検討 代表者:谷口 清 文教大学大学院人間科学研究科共同研究
D障害児の認知発達支援に関する研究 小学校及び盲学校との共同研究
学会活動への参加状況等
@9月16日〜18日:日本特殊教育学会出席
A11月4日〜5日:日本心理学会出席
B特殊教育学研究編集委員
◎特色・強調点等
 附属学校園との連携を中心にして,特別教育研究経費(教育改革)による事業の推進に努めた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@免許法認定講習講師(新潟県,長野県,富山県,福井県)
A寄宿舎主任指導員資格認定講座講師(新潟県)
B富山県立盲学校障害種別研修会講師(富山県)
C仙台市発達相談支援センター専門職スーパーバイザー(宮城県)
D新潟県立新潟盲学校評議員(新潟県)
E教育研究集会共同研究者(新潟県)
F情緒障害通級指導教室事例検討会指導者(新潟県),他
◎社会への寄与等
 障害児教育実践センター,附属学校園,市内小学校,盲学校における発達支援活動に努め,特別支援教育の推進に貢献した。また,研究室のホームページを通して研究活動を広く公開し,情報の提供を行った。
 

 
齋 藤 一 雄(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取り組み
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 院生の実態は、初めて障害児教育について学ぶ者から現職教員まで幅広い状況にある。そこで、授業の始めに1時間ごとの細かいシラバスと評価方法,参考図書を示している。最後の授業では、独自のアンケートを行い,次年度の内容・方法を改善するように努めている。また,院生の幅広い実態に応えるために,具体的な映像や資料の提供,基礎的な内容と最新の情報や研究成果を取り入れ,バランスよい配置を心がけている。そして,ミニアンケートやグループ討議を織り交ぜて,院生同士の意見交換やお互いが学びあえるような工夫も行っている。教科書に当たる本も作成し,事前・事後学習ができるようにしている。
○成績評価法に関する取組
 授業の目標と評価の内容・方法を示したシラバスを講義の始めに示し,受講生が目当てをもって取り組むことができるようにしている。後期の授業では,冬休みを活用して知的障害児のための自作の教材教具を各自1つ製作することを課題とし,授業の最終回に,自作した教材教具のねらいや使い方,効果等についてレジュメをもとに発表し,受講生が互いに評価し合うようにしている。そのなかの2点について,障害児教育実践センター紀要の「教材教具の紹介」のコーナーで広く紹介している。
【観点2】教育の達成状況                          
○進学や就職などの修了後の進路の状況から判断した取組状況
 受講生は養護学校等の教員を目指して意欲的に取組んでおり,現職院生の話を参考にしたり,お互いの意見に耳を傾けて学ぼうとしている。しかし,学卒の院生にとっては経験のないことだけにイメージしにくい部分があるようだ。そこで,さらに,教師自身の学校現場での経験を話したり,具体的な資料を提示したり,養護学校等での授業を実際に行い,細かい分析を行ったり,公開研究会に参加したりして,実践的な資質を身につける取組みを行っている。臨床実習や教育実習を含めて,養護学校等の教員になって実践的指導力が発揮できるような取組みができている。
研究指導
【観点2】大学院                          
 養護学校等での教員や教育実習の経験のない院生については,地域の養護学校等の学校行事,例えば運動会や学習発表会に参加したり,小学校特殊学級での音楽発表会にゲスト出演したりし,その場で具体的な指導を行うとともに,ゼミ等で討論したりしている。
 また、養護学校や特殊学級等で教員と一緒に授業に参加し,その準備や分析等を行うこと,そして,その研究結果を互いに発表し合い,討議する機会をとおして,臨床的な実践力や研究方法などを身につけるようにしている。
その他の教育活動
@埼玉県と新潟県教育委員会による養護学校教諭免許状取得のための認定講習の講師を勤めた。
A小学校での教育実習1名,養護学校での教育実習2名の指導に当たった。
B埼玉大学教育学部附属養護学校における年間をとおした指導助言,研究会実施に係る指導助言を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 院生が知的障害児のための自作の教材教具を各自製作し,ねらいや使い方,効果等について発表しあうとともに,いくつかについては,障害児教育実践センター紀要の「教材教具の紹介」のコーナーで広く紹介している。
 学卒の院生が多い状況を考慮して、基礎的な講義から臨床実習,そして教育実習,就職へと一貫した指導とともに,養護学校等の教員の教育実践やその他の仕事について学べるようにすることが課題だと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年4月:J.デイヴィッド・スミス(著),西村章次(監訳)『福祉が人を弄んだとき 知的障害をもつジョンの人生史』(分担訳)ミネルヴァ書房 
論】@平成19年3月:『知的障害養護学校小学部におけるリズム同期のための自作曲の活用』(単著)上越教育大学障害児教育実践センター紀要 第13巻 pp.33-39
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@プロジェクトJU「通常学級における障害児教育の在り方」代表者:加藤博之(昭和音楽大学)日本音楽教育実践学会プロジェクト研究
学会活動への参加状況
@平成18年8月:『知的障害児のリズム同期と合奏指導のための教材開発研究』(単)日本音楽教育実践学会第11回全国大会発表
A平成18年8月:『通常の学級における障害児教育のあり方』(単)日本音楽教育実践学会第11回全国大会プロジェクトJU提案発表
B平成18年9月:『知的障害養護学校における自作曲を用いた音楽の授業展開』(単)日本特殊教育実学会第44回大会ポスター発表
◎特色・強調点等
 これまでの研究・実践活動をさらに発展させ,院生とともに地域の小学校特殊学級で実践研究活動を展開し,特殊学級での音楽会にゲスト演奏の依頼を受け,参加した。曲目は,モーツアルト作曲歌劇「魔笛」より「おいらは鳥刺しパパゲーノ」,ショパン作曲「エチュード」,ディズニー映画より「星に願いを」,その他であった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@7月平成17年度附属中学校わくわく大学ウィーク特別授業(『学校におけるバリアフリー』を講義)
A7月群馬県総合教育センター平成18年度盲・聾・養護学校初任者研修(『障害のある子どもの音楽指導の進め方』を講義・演習)
B7月新潟県平成18年度特別支援学校寄宿舎主任指導員研修会講師(『障害のとらえ方とかかわり方』を講義)
C8月埼玉県教育職員免許法認定講習講師(『養護学校における教育課程の編成及び指導法』を246人を対象に講義
D8月新潟県教育職員免許法認定講習講師(『障害児教育の教育課程編成及び指導法』を111人を対象に講義)
E8月平成18年度長岡市三島郡特別支援教育協議会講師(『特別支援教育担当者としてのあり方・リトミック教育法』を講演)
F11月新潟市立総合研修センター平成18年度知的・情緒障害特別支援学級教育研修講師(『知的・情緒障害教育における教育課程編成の考え方及び音楽・リズムの教材選択と指導法』を講義)
◎社会への寄与等
@上越市就学指導委員会委員として,障害児の適正な就学について助言等を積極的に行った。
A新潟県立はまなす養護学校学校評議員として,学校行事や授業の様子を積極的に参観し,教育課程編成や教育実践、地域とのかかわり方,そして学校評価について参考となる意見を述べた。
 

 
河 合   康(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 「障害児教育行政制度論」(大学院)の授業では、「特殊教育」から「特別支援教育」へと移行しつつある国内の動向を取り入れて、内容を再構成した。「実践場面分析演習T、UA(特別支援教育)」では、盲学校における大学院生の教育実習のビデオを教材として取り上げ、1年次生にとっては事前指導の、また2年次生にとっては事後指導となるように工夫を行った。
研究指導
 わが国の障害児教育が、「特殊教育」から「特別支援教育」へと移行しつつある現状を踏まえて、文部科学省の協力者会議等の最新の情報を入手し、その内容を研究指導に反映させ、今後の方向性を明示できるように配慮した。
その他の教育活動
 知的障害養護学校における2名の院生の教育実習生の研究授業に参加し、討論・指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果
著】@平成19年1月:『よくわかる障害児教育』(共著)ミネルヴァ書房 
論】@平成18年9月:『長野県松本尋常小学校の「落第生」学級に関する史的研究ー「落第生」学級の設置・廃止の経緯と成績不良の考え方についてー』(共著)発達障害研究 第28巻第4号
A平成18年1月:『「特別支援教育の現状と展望ー共に生きる社会の実現に向けてー』(単著)教職課程 第32巻1月号
B平成19年2月:『イギリスにおけるインテグレーション及びインクルージョンをめぐる施策の展開』(単著)上越教育大学研究紀要 第26巻
共同研究の実施状況
@特殊教育とインクルーシブ教育の創造的融合による特別支援教育革新のための総合的研究 代表者:中村満紀男(筑波大学教授)平成18ー21年度科学研究費補助金基盤研究(A)
A途上国における特別支援教育開発の国際協力に関する研究 代表者:中田英雄(筑波大学教授)平成17-20年度科学研究費基盤研究A(海外学術研究)
学会活動への参加状況等
 9月16日〜18日 日本特殊教育学会第44回大会出席
在外研究の状況
 途上国の障害児教育に対する国際教育協力を推進するために11月にインドネシアの現地調査を実施した。
◎特色・強調点等
 特殊教育から特別支援教育への転換がなされていく中で、その方向性を諸外国との比較教育学的観点から検討した。
 
<社会との連携>
@上越市障害者社会福祉推進連携協議会委員として、福祉計画策定に関与した。
A福井県教育職員免許法認定講習講師として2単位分担当し、障害児教育免許状の取得率向上に寄与した。
B新潟盲学校研修会講師として、盲学校における教育課程の在り方について方向性を明示した。
 

 
笠 原 芳 隆(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 各授業の開始時に各自が学びたいことについて,また,授業を進める過程で疑問に思うことについてそれぞれ学生から書き出してもらい,授業内容にフィードバックするよう心がけた。
○成績評価法に関する取組状況
 試験やレポートの評価については配点を明確にするなど配慮した。
【観点2】教育の達成状況
@臨床実習では,特別支援教育の現場における自立活動の指導を想定し,動作法を参考に,個別の指導計画を作成して実習を行った。経験者と未経験者のグループ実習とし,ティーム・ティーチングの一端を経験できるよう配慮した。
A病弱・虚弱児指導法では,私自身が参加した病弱虚弱教育研究連盟主催研究協議会等で得た最新の病弱養護学校の指導例や,現場で現在抱えている課題等に関する情報を資料により提示し,実践的指導力を考究するための参考とした。また,障害児自立活動論では,自閉的傾向のある生徒の個別の指導計画作成のシミュレーションを行い,実践力を高める工夫をした。
研究指導
【観点2】大学院
 私自身がかかわっている「自立活動研究ネットワーク」や「上越自立活動研究会」等のメンバーである現職教員と,直接学生が学習会等で対話できる時間を設け,研究に関連する事項について聞き取ることができるようにして,そこから課題意識を高められるよう配慮した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業も研究指導も,実践的指導力や特別支援教育の場における諸課題を解決する力を身に付けられるよう工夫した。また,自らがかかわる障害青年の余暇・学習支援活動や全国規模の特別支援教育に関連する研究会等への参加を促し,授業以外の場でも学生が実践的指導力を高めるための資料を得られるようにした。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年2月:『病弱児の理解推進・病弱教育の充実に向けた教員養成・教員支援について』育療(日本育療学会) 第37巻 pp2-5
共同研究(小・中・高等学校教員との共同研究を含む。)の実施状況
@特別支援教育における個別の教育支援計画作成に関する実践研究 代表者:藤井和子,上越教育大学研究プロジェクト(継続)
A特別支援教育における盲・聾・養護学校の役割と専門性-センター的機能と授業実践を視点として- 代表者:安藤隆男(筑波大学),自立活動研究ネットワーク(全国の特別支援教育に携わる教員との共同研究)(継続)
B特別支援教育における教師の専門性-個別の指導計画・個別教育支援計画を生かした授業づくり- 代表者:小杉敏勝(元新潟県立高田養護学校),上越自立活動研究会(上越地域の特別支援教育に携わる教員との共同研究)(継続)
C教員養成大学の特別支援教育担当教員に対する地域研修組織を活用した支援に関する研究 代表者:笠原芳隆,平成18-19年度科学研究費補助金 基盤研究(C)
学会活動への参加状況等
@平成18年8月18日:第7回自立活動研究フォーラム企画・運営(於 上越教育大学)
A平成18年9月16日〜17日:日本特殊教育学会第44回大会出席(於 群馬大学)
◎特色・強調点等
 科学研究費補助金基盤研究(C)「教員養成大学の特別支援教育担当教員に対する地域研修組織を活用した支援に関する研究」(1年目)では,特別支援教育推進上の課題に関する最新情報を入手し,整理することができた。今後このデータを,地域の教員への支援や大学院の授業,研究室学生指導に生かしたいと考えている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成18年4月−平成19年3月:新潟県立上越養護学校非常勤講師(『動作法を用いた自立活動の指導』について助言)
A平成18年4月−9月:上越保健医療福祉専門学校非常勤講師(『障害者福祉論』について講義)
B平成18年4月−平成19年3月:平成18年度新潟県中越地区特別支援教育推進事業専門家チーム委員
C平成18年6月・9月:新潟県特別支援教育推進員養成研修会講師(『発達障害の理解』『個別の指導計画作成・活用』について講義・演習),
D平成18年8月:新潟県教職12年経験者研修講師(『個別の指導計画と評価』について講義)
E平成18年7月−8月:新潟県教育職員免許法認定講習講師(『教育の基礎理論』について講義)
F平成18年8月:富山県特別支援教育教員初任者研修講師(『個別の指導計画の作成と活用』について講義)
G平成18年8月:関東甲信越地区病弱虚弱教育研究連盟研究協議会助言者(自立活動の指導について助言)
H平成18年10月:関東甲越地区肢体不自由教育研究協議会助言者(自立活動の指導について助言)
I平成18年5月−6月:本学公開講座講師(『個別の指導計画の作成法と活用法』)
J自立活動研究ネットワーク事務局(『第7回自立活動研究フォーラム』を実施)
K上越自立活動研究会事務局(『第1〜4回学習会』の企画・運営
L上越青年の自立を考える会事務局(肢体不自由児・者の余暇・学習支援活動を実施)
◎社会への寄与等
 特別支援教育に携わる教師に対しては,公開講座や研修会,研究協議会等とおして,個別の指導計画作成と活用,評価の方法について具体的な提案をした。また,自立活動研究ネットワークや上越自立活動研究会の活動をとおして,地域や全国の特別支援教育担当教員の支援の一端を担えたものと考えている。
 

 
藤 井 和 子(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 障害児教育専攻には、初めて障害児教育に取り組む院生が多数在籍している。障害のある子どもたちと継続的に接してきた経験も少ない実態を鑑み、授業では資料、映像、演習を多く取り入れ、子どもたちの実態及び子どもたちを取り巻く環境の実態についてできるだけわかりやすく提示するようにした。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価面では、特に臨床実習においては、事前準備状況、実習への参加態度、カンファレンスへの参加状況についても評価の対象とし、多面的な評価を行うように努めた。 
【観点2】教育の達成状況
 現職院生からは、入学前に持っていた疑問等が授業を受ける中で解決され、復帰後は研究の視点を持ち、新たな視点で取り組んでいきたいという報告を得ることができた。このことから、今年度実施してきた教育の成果が現れているのではないかと考えられた。
研究指導
【観点2】大学院
 養護学校は、複数の教員がティームで計画作成・授業・評価を行っていく現場である。したがって、協働による課題解決の力量形成が望まれる。
 研究法演習や実践場面分析演習においては、教育現場において解決が望まれる課題について、複数のメンバーが協働して研究を行い課題解決をする演習を行った。
その他の教育活動
@研究室所属院生の教育実習における研究授業参観、授業反省会参加を通して、学生指導を実施。
 
<研究活動>
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@上越教育大学研究プロジェクト(「特別支援教育における個別の教育支援計画作成に関する実践研究」代表者:藤井和子)の一貫として、上越地域の養護学校教員と個別の指導計画及び個別の教育支援計画作成に関する研究を継続している。 
学会活動への参加状況等
@平成18年9月16日〜18日:特殊教育学会出席
◎特色・強調点等
 学内研究プロジェクトを通して養護学校教員との共同研究を実施していることによって、教育の現場で現在生じている課題を即研究テーマに選定し研究を進めることが可能になり、学校支援という大学の役割を果たす上で大きく貢献できるのではないかと考えられる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越教育大学公開講座「特別支援教育における個別の指導計画作成法と活用法」を開催
A上越市、柏崎市早期療育事業講師
B養護学校における自立活動の指導及び校内研修に対する支援
C第7回自立活動研究フォーラムの開催
◎社会への寄与等
 個々の事例について、課題解決に結びつくようにできるだけ具体的に支援を行っている。
 自立活動研究フォーラムでは、特別支援教育において最も重要な領域である自立活動の指導実践について、全国に向けて情報発信を行っている。