【社会系教育講座】
 

 
赤 羽 孝 之(教 授)
 
<教育活動>
授 業
学部:人文地理学概説、経済地理学、地理学実験、地理学野外実験、地域調査法B、実践セミナーT、地理学専門セミナーT・U
大学院修士課程:人文地理学特論、実践場面分析演習T、地理学研究セミナーT・U
大学院博士課程:総合共通科目「現代社会における学校教育」
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 地理学は地域・場所に関わる実証的な性格をもつ為、スライド写真・パワーポイント・統計・地図などをなるべく利用し、対話型授業を心がけた。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価も筆記試験の成績のみでなく、普段の出席数や態度・姿勢を取り入れ、ほぼ同じ比重で評価した。
【観点2】教育の達成状況
 受講生による授業評価の結果を見ても、一部を除き、大半の受講生の評価は良好であり、概ね目標は達成されていると思われる。問題は、一部の受講生に対する今後の対応を如何にするかであろう。
研究指導
 社会系コースの大学院修士課程院生3人、及び研究生(留学生)2人の研究指導
【観点2】大学院 
 研究セミナーT・Uを通じた指導であるが、M2院生の修論研究では、院生の研究地域である村上市・松代町へ実際に同行し、聴取実態調査に関わり、実態を把握した上で現地で指導した。他は、前期・後期を通じたゼミ指導であるが、各種の先行研究の論文の輪読、実態調査の中間報告などを行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 最近5年間の中国東北部・大韓民国などへの自主的な観察巡検などで得た実態的成果を、スライド映写・説明の形で授業に生かした。また従来、授業内容が立地論等の理論に傾斜する嫌いがあったが、外国や上越地方の地域地誌的事例など、具体的な事象を通じて説明するよう心がけた。課題としては、具体的事象と理論的視座との教育内容のバランスの問題がある。学生の知的意欲・レベルとの関係もあり、授業での反応を見ながら進めている。そのため授業では聴講学生との対話をなるべく取入れている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
分担】@平成18年9月:4社会系教育「内容と方法との結合としての課題に対応する研究の理念形」、『教育実践学の構築…モデル論文の分析と理念型の提示を通して…』兵庫教育大学大学院連合学校教育研究科,東京書籍,307〜312。
発】@平成18年8月:「上越地方の地場産業」,上越教育大学地域連携事業(四交会)
学会活動への参加状況等
@3月27日〜3月30日:日本地理学会春季学術大会(埼玉大学)
A9月23日:兵庫教育大学創立10周年記念シンポジウム ほか(大阪市)
B10月21日:上越教育大学社会科教育学会(上越教育大学 学教センター)
◎特色・強調点等
 新潟県の地理学研究者グループによる共同研究として、『新潟 おもしろ地理BOOK』の執筆・編集などの仕事に関わった。当初の計画から見て遅れ気味であるが、平成19年6月頃に出版される予定である。全国的に旧市町村の大規模広域合併という地域単位の再編の後であり、地理書へのニーズが高まっている。本書は学生・市民向けの出版物で、研究者の地域への貢献として意義があり、小千谷縮・北越雪譜・城下町高田・雁木・フォッサマグナなどの項目を執筆した。また、前年度に引き続き、中国東北地方の経済・図們江経済開発地域・中朝国境の貿易、都市発達史などの文献研究を行った。研究留学生3人と伴に、新潟市の環日本海研究所において中国統計年鑑・省別統計年鑑などに当たり資料収集を行った。それら資料の分析と、成果を講義などの授業に生かしている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市公共事業評価監視委員会委員
A上越市景観審議会委員
B関川流域委員会委員
C上越市商工会議所政策委員会委員
D上越市北陸新幹線建設促進期成同盟会顧問
E上越市新幹線新駅地区土地区画整理審議会委員
F新潟地域文化デジタル化研究会代表幹事
G新潟県公共事業再評価委員会委員
◎社会への寄与等
 上越市の公共事業評価・景観行政や、建設が進む北陸新幹線に関係する地域振興、新駅周辺整備などの問題に、経済地理学の専門知識を生かして関わった。また、上越地域の河川整備の問題、新潟県の公共事業再評価の問題などにも委員として積極的に関わり意見を述べた。
 

 
大 嶽 幸 彦(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部の授業では、いわゆる講義だけでなく作業学習や発表形式も加え、実践能力がつくよう心がけた。
 大学院は現地調査を含む発表形式をとり、質疑は全員に当て、参加意欲が出るよう工夫しているので、毎回欠席者が用事のない限り皆無である。
○成績評価法に関する取組状況
 シラバスに明記したことを第1回目に確認し、出席状況、発表状況、小リポート、最終試験をもとに、学生の納得のゆくよう事前・事後に説明している。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 教職を意識した授業内容にしているため、教員になる気のない学生には辛い授業のようである。4年次の教員採用試験の合格者は、真剣に取り組んだものしか合格していない。
研究指導
【観点1】学部
 みずから考え、調査項目を決めて取り組みさせている。
【観点2】大学院
 専門の研究テーマを院生自らが深めるのを手助けしている。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生・院生がみずから課題に取り組み、教員はその手助けをして、能力を引き出す役に徹するよう心がけている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年2月:「地理知識の効用についての一考察」(単著) 上越教育大学研究紀要、第26巻、pp・113−126
学会活動への参加状況等
@9月22日〜24日:日本地理学会秋季大会出席
A11月10日〜12日:人文地理学会出席
B3月20日〜22日:日本地理学会春季大会出席
◎特色・強調点等
 1999年以来取り組んできた、世界地理体系(フランス語)の翻訳作業が校正までたどり着いた。出版が遅れたために、古くなった内容やデータの大幅な修正など、思わぬ仕事になったが、本学の宣伝になるかと思い、退職後にも継続の予定である。その他、連合大学院の博士候補の審査依頼で兵庫教育大学に数回出張した。
 

 
佐 藤 芳 徳(教 授)
 
<教育活動> 
授 業
 大学院の「自然地理学特論」では,基礎的事項のほか,自然地理学の最新の研究成果を取り入れた。また,授業内容は,資料等の教材化も念頭に入れて構成している。学部の授業では,環境科学的内容を充実させたほか,地理学野外実験などの実験科目を中心に,学生が地理的現象を直接取り扱えるよう授業内容を工夫した。また,IT機器も必要に応じて導入した。
研究指導
 卒業研究においては,地理学関係,特に自然地理学を中心に指導を行った。また,修士論文作成においては,自然地理学関連の論文指導を行った。
その他の教育活動
@信州大学教育学部において「自然地理学概論」を担当した。
A新潟産業大学において「自然地理学A」及び「自然地理学B」を担当した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年5月:『高田平野における被圧地下水の水質と安定同位体組成』(共)地球惑星科学関連学会2006年合同大会 
共同研究の実施状況
@独立行政法人産業技術総合研究所の客員研究員として,同位体水文学についての研究を行った。
A日本水文科学会研究ワーキンググループ「日本の火山の地下水−性状と水文プロセスの体系化に向けて−」における共同研究。
学会活動への参加状況等
@5月16日 地球惑星科学関連学会学会2006年合同大会出席
A10月28日〜29日 日本水文科学会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本水文科学会評議員
A新潟県環境影響評価審査会委員(新潟県)
B上越市水道水源保護審議会委員(上越市, 委員長)
Cダム水源保全・涵養検討委員会(上越地域水道用水供給企業団,副委員長)
D上越市環境審議会委員(上越市)
E「児童文学のふるさと上越」検討委員会委員(上越市,副委員長)
F長岡市地下水対策協議会委員(長岡市)
G上越水資源開発利用協議会顧問(上越市,妙高市)
◎社会への寄与等
@10月2日 上越水資源開発利用協議会総会にて講演
A11月12日 上越地域水道用水供給企業団 ダム水源保全かん養活動
B11月27日 新潟県上越地域振興局健康福祉部主催 揚水設備設置者研修会にて講演
 

 
鈴 木 敏 紀(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 統計資料,新聞資料,学術書等を活用し,学生が現代の経済社会を理解し,学習及び研究目標を確立できるよう指導に心がけた。統計資料から表やグラフを作成し,経済事象の特徴及び問題点を摘出する訓練を重ねた。また新聞資料からは経済欄,国際欄,科学欄等から今日的問題を切り抜き,学生が現代の社会問題を身近な問題として理解できるように解説し,討論及び研究発表を行った。発表原稿は提出することとした。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価は課題発表の仕方,内容によって評価するものと,あらかじめ出された数項目の問題についてのレポートと試験によって評価するものと,授業科目によって評価法を変えた。しかし,それらに共通する評価基準については理解力,論理力等においた。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 指導した中国人留学生2人の大学院修了生を日本国内の民間企業に就職させた。この2人は幹部候補生として採用された。
 指導した学部卒業生2人のうち,1人は民間企業に就職し,他の1人は小学校教員に採用された。
研究指導
【観点1】学部
 二つの卒業研究を指導した。一つは小規模商店の経営実態についての調査研究であり,他は競争的寡占企業の経営戦略に関する調査研究である。これらの調査研究に当たって職種の歴史的分析,統計的分析,現状分析を押し進め,最終的に問題点のアンケート及び聞き取り調査を行って新鮮でオリジナルな結論を得るという成果を出した。
【観点2】大学院
 二つの修士論文指導においては,国際的地域経済分析及びグローバル企業の経営戦略の解明を指導することにあった。前者においては歴史分析,統計資料分析,文献研究を押し進め,後者においては文献研究,統計資料分析を押し進めた。最終的結論としては前者において現地の統計資料及び文献を発掘し,国際的地域経済における特色ある経済発展段階を明らかにし,後者においては現地調査を行って企業戦略の地域的特色を明らかにした。二人の研究に共通することは現地の生の資料を駆使して地域的特色を明らかにしたことである。それらは単なる他の文献の引き映しではない新鮮で特色ある独自な結論を導いた研究であった。
その他の教育活動
長岡工業高等専門学校において「社会学」及び「経済学」を講義する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年2月:『商品価格の二重性と市場価格の形成―池上淳著『経済学への招待』における事例の図式化―』(単著)上越教育大学研究紀要 第26巻 pp.127-150
学会活動への参加状況等
@10月22日:上越教育大学社会科教育学会出席
A上越教育大学社会科教育学会評議員
◎特色・強調点等
 市場価格論の研究において近代経済学で当然視されてきた均衡理論の矛盾を明らかにし,新たな視点で市場価格論を展開したことは,経済理論体系に新地平を切り開くものと自負する。この新理論は利潤論・利子論にも変革を要求する理論である。
 
<社会との連携>
・平成18年11月16日:上越市主催「高齢者生き生き大学『あすなろ学級』」において「協働の街づくり」を講演(市民プラザ)
・毎年夏休みに行われている公開講座「おもしろ柔道教室」で,小学生の子どもたちに柔道の面白さを通じて礼儀作法を身につけさせ,同時に体力の増強に寄与した。参加者のアンケートより高い評価を得ることができた。通年開講を希望する参加者もあった。
・毎週3回,高田スポーツセンターにおいてボランティアで柔道を指導し,年々生徒が増えて高い評価を得ている。
・毎週2回,地域の小中学生に対してボランティアで学習支援を行っている。
・大和小学校区青少年健全育成協議会主催の「こども相撲大会」(8月5日)において相撲体操(相撲の型)の指導を行い,青少協役員より今後も継続して指導するように依頼されるほど高い評価を得た。
 

 
藤 澤 郁 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部授業では、「倫理学概説」において、社会科の教科専門科目としての内実を確保るよう努力した。また「倫理学文献購読」においては福沢諭吉『学問のすすめ』を購読した。福沢の議論が今日的な問題提起にあふれていることを知って、学生諸君にも益するところが多かったのではないか。将来の教員としての基礎教養はもとより、人間形成のための基礎学問として、学生に問題提起しながら授業をすすめた。また、大学院の授業「倫理学特論」においては、アリストテレスの随意性論を論じた。『エウデモス倫理学』と『ニコマコス倫理学』の関連箇所を詳細に検討したが、倫理学に通じていない院生には少々難しかったかもしれない。
研究指導
 指導した院生の修士論文は「カントの理性信仰論」である。なお、この論文は日本倫理学会第57回大会(東京大学)にて、「カントの道徳神学の基礎づけー「信じる」ことの位相ー」としてその一部を口頭発表している。
その他の教育活動(学外を含む。)
@平成18年4月〜9月:国立療養所新潟病院附属看護学校非常勤講師として「論理学」を担当した。
A平成18年10月〜平成19年3月:新潟県立看護大学非常勤講師として「哲学」を担当した。なお、内容としては生命倫理学を講じている。
B指導においては、基本原理の徹底的理解を促すよう鋭意努力している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
口頭発表】@第10回ギリシャ哲学セミナー(2006年9月10日、於:駒沢大学)アリストテレス倫理学特集において、主題研究提題者として「アリストテレスの随意性論ー強制文脈と無知文脈についての若干の考察」を発表。
論】@平成19年3月:「性格と責任」(単著)上越教育大学研究紀要 第26巻 pp.151-158.
A平成19年3月:『アリストテレスの随意性論ー強制文脈と無知文脈についての若干の考察』(単著)『ギリシャ哲学セミナー論集』ギリシャ哲学セミナー編Vol. IV /2007,pp.26-47(なお、本論文はギリシャ哲学セミナーのホームページにおいてウエッブ出版もされているので申し添える。)
 

 
山 本 友 和(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では,各講義・演習内容の連続性と関連性に留意した指導を行うとともに,教材開発にかかわる成果等については『社会科教育法研究・2006年度』という冊子にまとめた。大学院では,社会科・公民教育の基本概念について習得させた上で,比較社会科教育学研究の成果を踏まえた授業分析も行った。成績評価に関してはオリエンテーション時に説明を行うとともに,期末試験前には質問時間も設定した。
研究指導
 学部では3名(3年生が1名,4年生が2名)の学生に対する卒業研究指導を行い,大学院では4名(M1が2名,M2が2名)の院生に対する修士論文指導を行った。ゼミの初年次は各自の研究テーマとかかわる文献・先行研究の講読と分析を中心に行い,研究課題を明確化させた。ゼミの2年次では各自の論文構成に沿った個別指導を中心とし,教材化やカリキュラム開発といった臨床的なあり方を意識しながら助言を行った。
その他の教育活動
 群馬大学非常勤講師として,「中学校社会科指導法C」及び「公民科指導法」の集中講義を担当した。また,本学では,教職講座の講師も務めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 講義においても課題研究と発表活動を取り入れ,能動的な学習となるよう工夫した。演習では,受講生の問題意識や研究テーマに沿った内容を設定し,各自の問題意識の深化と専門性の追究を実現できるように工夫した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月:『初期社会科を踏まえ、乗り越えて』(単著) 教育創造 Vol.155 pp.54-58
他】@平成18年8月:『公民館の原点から新たなる創造へ 』(共著) 関東甲信越静公民館連絡協議会
学会活動への参加状況等
@6月16日〜17日:日本公民教育学会第17回全国研究大会出席
A9月1日〜3日:日本グローバル教育学会第14回全国研究大会出席
B10月13日〜15日:日本社会科教育学会第56回全国研究大会出席
C10月27日〜29日:全国社会科教育学会第55回全国研究大会出席
D平成18年度日本公民教育学会理事
E平成18年度日本社会科教育学会評議員
F平成18年度全国社会科教育学会理事
◎特色・強調点等
 教育現場での社会科教育及び公民教育のあり方を示唆するのに多少なりとも寄与していると考える。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@教科書研究センター特別研究員
A新潟県上越市公民館運営審議会委員
B新潟県上越市女性サポートセンター運営審議会委員
C新潟県教育委員会教員12年研修会講師(「今求められる学力と学習指導の改善」を講演)
D魚沼市学習指導センターにおいて出前講座「社会科の学力をどう捉え,どのように育成するか」を実施。
◎社会への寄与等
 公民館活動や女性支援活動,教科書の改善,教育現場の問題解決等に多少なりとも貢献したと考える。
 

 
浅 倉 有 子(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部・大学院とも、各授業の第1時間目に、授業のおおよその進め方、評価方法について説明を行っている。また中学校社会歴史的分野・高等学校日本史教科書の学説による記述の変化などに言及しつつ、絵画資料などを含む基本的な資料の扱い方や、学校現場における応用について理解を高める工夫を行っている。
研究指導
 1名の修士論文の指導と2名の卒業論文の指導を行った。学部では3・4年生を一緒に、大学院では1・2年生を一緒にしてゼミを行い、研究に取り組む姿勢、資料の分析方法をはじめとする研究の手法等が共有されるよう配慮している。また議論する能力の育成に努めている。そのほかに4年生と修士2年生については、資料読解など論文を完成させるためのゼミを個別に行っている。修士論文は、現在学会誌に投稿中である。なお4年生の内1名は栃木県の小学校教員採用試験に合格、もう1名は本学大学院修士課程に合格した。
その他の教育活動
 東北芸術工科大学の非常勤講師として「歴史遺産応用演習I」、「歴史遺産基礎演習I」を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業では、単調な講義にならないようAV教材を用いるなど、教材や授業方法に配慮している。研究指導については、学生の能力を引き出すように努めながら、懇切で厳しい指導を行っていると考える。また、「地域調査法A」では、上越市の歴史・景観まちづくり推進室と連携して、新潟大学の学生・院生や市民ボランティアの方々とともに調査に参加し、成果発表も行った。
   
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年11月:『列島史の南と北』近世地域史フォーラム1(共著) 吉川弘文館
論】@平成18年12月:「近世寺院の漆器生産と流通」(単著) 『中世考古学文献研究会報』第7号 pp60-61.
発】@平成18年11月:「近世寺院の漆器生産と流通」(単) 第4回中世考古学のための日本中世・近世初期の文献研究会報告
他】@平成18年11月:「高田城下町町人の暮らしと生業」 仲町3・4・5丁目町内会講演
共同研究の実施状況
@中世考古学のための日本中世・近世初期の文献研究
代表者: 矢田俊文(新潟大学教授) 文部科学省特定領域研究
A近世日本における女性のライフサイクルと地域社会
代表者: 薮田貫(関西大学教授) 科学研究費補助金
◎特色・強調点等
 大陸と日本列島、および日本列島の南と北をつなぐ商品である「朱」に注目しつつ、天保期における抜荷の状況と、幕府の蝦夷地政策や新潟上知実施との関連を論じた。また引き続き、アイヌ文化を特色づける漆器の生産と流通に関する研究を進めている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市文化財審議会委員
A上越市総合計画審議会委員
B長野県文化財審議会委員
C「児童文学のふるさと上越」検討委員会委員
D史跡米沢藩主上杉家墓所保存整備委員
Eユートピア地域振興財団理事
F上越市大規模開発行為審議会委員
G上越市歴史的建造物調査専門委員
H榊原家関係資料調査会委員
I「上越ゆきみち会議」座長(国土交通省北陸地方整備局高田河川国道事務所)
◎社会への寄与等
 地域の文化や歴史の掘り起こしと、それらによる人々の歴史認識の形成について、また地域に存在する貴重な文化財や歴史資料の保持と活用等について、一定の寄与を果たしていると考える。
 

 
茨 木 智 志(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部学生対象の授業においては,教育現場を念頭に置きつつ学生の学習状況及び学生の教育実習の対象と時期を考慮して,教科内容の基礎的知識の充実,教材開発に関わる調査能力の向上及び教育実践の場面における表現能力の向上に努めた。特に既習の知識,技能を学生自らの創意工夫により,有効的な教材の開発に結びつける指導に腐心した。その成果の一部を公民教育の山本友和教授,地理教育の志村喬助教授と共同で社会科教育学研究室紀要『社会科教育法研究2006年度』として発行することで、学生による学習成果の確認を促した。
 大学院学生対象の授業においては,各国・各時代及び特定の研究者の社会科教育・歴史教育の理論や教育内容を紹介及び検討すること,又は学生の要望による個別的な事項を取り上げること等を通じて,各自の理論構築に向けた研究能力育成を目指した。受講生の探究の成果をレポート集にまとめ,各自の目標達成への参考とした。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価に関してはシラバス記載とともに授業時での確認に努めた。授業によっては,授業時での取り組みを提出物に反映させる等の方法改善に努めた。 
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 教科教育という担当授業の性格上,常に教育現場を意識しており,一方で,教員採用試験をも意識した授業を行っている。すべての受講生の進路状況を把握できてはいないが,知る限りにおいては教員就職への一定程度の成果があったものと考える。
研究指導
【観点1】学部
 歴史教育をテーマとする学部学生(4年生1名,3年生2名)に対して,論文作成あるいは各自の課題への具体的な研究方法について,ゼミ等を通じて指導を行なった。 
【観点2】大学院
 歴史教育をテーマとする大学院学生(2年生3名,1年生3名)及び研究生(1名)に対して,論文作成あるいは各自の課題への具体的な研究方法について,ゼミ等を通じて指導を行なった。現職の大学院学生の実験授業に際しては,石川県と福島県の勤務校での参観・指導を行なった。 
その他の教育活動
@国立大学法人筑波大学大学院教育研究科で「歴史教育論」の集中講義を行なった。
A本学教職講座「社会科」を担当した。
B本学附属中学校2006年度教育研究指導者として指導助言を行なった。 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 社会科教師としての実践能力と研究能力の育成に努めている。そのため,学生が自己の獲得した能力を自覚できる授業の在り方の工夫を継続している。また,実践場面分析演習・実践セミナーU「社会」において,学部学生と大学院生との連携及び大学と附属学校との連携について模索を継続している。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年5月:『『モンゴル佛教史』研究[二]』(共著)ノンブル社
A平成18年5月:『国境を越える歴史認識―日中対話の試み―』(共著)東京大学出版会
B平成18年5月:『超越国境的歴史認識―来自日本学者及海外中国学者的視角』(共著)社会科学文教出版社
C平成18年8月:『向かいあう韓日史T・U』(共著)四季節出版社
D平成18年12月:『向かいあう日本と韓国・朝鮮の歴史 前近代編 上・下』(共著)青木書店
論】@平成18年10月:『敗戦直後の文部省における教科書改訂構想―1946年1月公布の教科用図書委員会官制の検討過程に焦点を当てて―』(単著)日本の教育史学 第49集 pp.84-96
A平成18年10月:『社会科教育研究社版『社会科教育』(1947〜1951年)に関する考察』(単著)歴史教育史研究 第4号 pp.1-34
B平成18年12月:『戦後の新学制への外国史教育の導入―新制高等学校社会科選択科目としての「東洋史」「西洋史」設置の意味―』(単著)社会科教育研究 第99号 pp.1-13
C平成19年3月:『モンゴル語版『モンゴル佛教史』の研究(12)』(共著)大正大学綜合佛教研究所年報 第29号
発】@平成18年10月:『初の社会科教育雑誌『社会科教育』について』歴史教育史研究会第2回例会発表
A平成18年11月:『東アジア諸国の自国史教育に見る「国家」の枠組み』中等社会科教育学会第25回研究大会シンポジウム提案
共同研究の実施状況
@大正大学綜合佛教研究所モンゴル佛典研究会に参加
A歴史教育者協議会日韓歴史教育者交流委員会に参加
学会活動への参加状況等
@5月20日:日本モンゴル学会2006年度春季大会出席
A10月14日〜15日:日本社会科教育学会第56回全国研究大会出席
B10月27日:歴史教育史研究会例会出席
C10月28日〜29日:全国社会科教育学会第55回全国大会出席
D中等社会科教育学会第25回研究大会出席
E総合歴史教育研究会役員(委員)
F日本社会科教育学会役員(幹事:メディア・リテラシー推進委員,学会誌編集委員)
G中等社会科教育学会役員(評議員) 
在外研究の状況
@9月13日〜20日:モンゴル国 「モンゴル国の世界史・自国史教育に関する資料収集」
◎特色・強調点等
 社会科教育・歴史教育の向上のために,歴史的研究及び比較研究の観点から基盤整備に努め,その成果の一部の発表した。モンゴル国での調査を実施することができた。歴史教育史研究に関する研究雑誌の刊行を継続した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@現職教員支援のための総合的「学校コンサルテーション」推進事業実行委員会に参加した。
 

 
小 田 桐  忍(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
@日本国憲法及び教育基本法等を含む法的・政治的な教養は、短期的には、教員採用試験受験時に必須の知識であるのみならず、長期的には、社会生活を営む上での不可欠の構成原理であり、裁判員制度導入後の一市民としての嗜みでもある。授業ではそうした考え方に立脚し、踏み込んだ講述を行った。
Aセクシュアル・ハラスメント等人権侵害の更なる理解と意識の啓発を図るため、かかる目的を達成するための授業を一度行った。
B本学出身の質の高い保育士を養成するため、最新の社会福祉援助技術まで取り扱った授業内容を展開することにより、社会福祉関連科目(社会福祉T・U及び子どもの福祉)の担当者としての責務を全うした。
C成績評価については、厳格であることを主として、時には必要に応じた救済措置を講じながら、学生が各自の目標を達成できるよう支援した。例年通り、学部の定期試験時の出題形式として、正誤問題・穴埋問題・論述問題等を総合的に採用し、学生の卒業時における質の確保を図る工夫を施した。
【観点2】教育の達成状況
 進路状況に関する取組状況:今年度の学部卒業生2名は、当該学生らの希望により就職と進学の途につくことができた。指導教員として大変満足している。
研究指導
【観点1】学部
 本学で公民教材開発を進める意義について説明するため、上越市板倉区にある中村十作記念館を訪問した。同記念館の創設にも携わった中村宏治氏と平田真義氏から貴重なお話をしていただいた後、中村十作を素材にした授業案の制作指導を行った。
【観点2】大学院(修士課程、博士課程)
@修士課程では、単に条文暗記と思われがちな法律学に向けられる偏見を排除するよう製作したシラバスを使用して、法と人間と社会の関連性を考察した。
A博士課程では、受講者の研究課題に関する法律学的問題点を摘出することにより、当該受講者の研究支援を行った。
その他の教育活動
@平成18年4月〜平成19年3月:早稲田大学法学部非常勤講師「主専攻法学演習(法哲学)」担当。
A平成18年4月〜平成19年3月:帝京短期大学生活科学科非常勤講師「社会福祉概論」及び「児童福祉論」担当。
B集中講義:新潟県立看護大学看護学部非常勤講師「法学」担当。
C教職講座:本学の教員採用試験直前講座「法律一般」担当。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
@拙担当科目及び拙研究室における今年度の活動及びその成果を公表するため、平成19年3月に『高田法学』第6号(ISSN 1347-2402)を刊行した。
A指定保育士養成施設の認可を受けた本学が初めての保育士資格取得者を卒業生として社会に送り出すに当たり、社会福祉の基本文献を読みながら最新知識を授けるための勉強会を開催した。これにより卒業生は自信を持って保育現場に出て行くことができるだろう。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
他】平成19年1月:「児童福祉法解説」『2008年度版必携学校小六法』協同出版、440〜442頁。
◎特色・強調点等
 今年度の研究成果は、福祉学的領域に属する。なお、法律学的領域の研究成果は、次年度に活字化する予定である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成18年6月〜平成19年3月:新潟県立中央病院医の倫理委員会委員。
A平成18年8月〜平成18年12月:妙高市犯罪のない安全・安心なまちづくり条例検討委員。
B平成19年3月:本学eラーニング講座用DVD「これだけは知っておきたい福祉基礎知識」収録。
◎社会への寄与等
 @とAの委員として、法律学の見地から積極的に意見を述べた。BのDVDは、教育現場の方々に知っておいていただきたい最低限度の福祉的知識を取り扱った。
 

 
河 西 英 通(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 ブリッジ科目「社会」の歴史分野では、毎回の授業構成を工夫し、視覚教材の多用に努めた。成績評価にはミニレポートの提出を組み込んだ。
【観点2】教育の達成状況
 歴史認識力の向上、問題発見力の強化など、担当科目は全体的に所期の目標を達成しえた。
研究指導
【観点1】学部
 学部では4年生2名、3年生1名の卒論指導を行い、4年生全員が卒論を提出した。
【観点2】大学院
 大学院修士課程では、2年生3名、1年生1名の修論指導を行い、2年生全員が修論を提出した。博士課程の学生は本年度休学。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 双方向の授業をめざしたが、受講生からの発言は少なかったので、ミニレポートを通した、議論を心掛けた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年4月:『岩波講座 アジア・太平洋戦争6 日常生活の中の総力戦』(共著)岩波書店
A平成19年2月:『周縁地域の自己認識−津軽とオタゴの知識人を中心に』(共著)弘前大学出版会
B平成19年3月:『続・東北−異境と原境のあいだ』(単著)中央公論新社
発】@平成18年6月:The Asian Studies Conference Japan にて地域史研究に関して発表
A平成18年12月:国立歴史民俗博物館共同研究「20世紀における戦争。」公開研究会にて「兵士のいる風景−地域と軍隊−」を発表
他】@平成18年4月:「書評・大谷正『兵士と軍夫の日清戦争』(単著)図書新聞第2789号
学会活動への参加状況等
@5月:歴史学研究会大会出席
A10月:日本史研究会大会出席
B12月:北海道東北史研究会シンポジウム出席
在外研究の状況
@10月16日〜10月31日:アメリカ合衆国 地域史教育の方法論に関する国際的比較検討
◎特色・強調点等
 日本史の地域史からの再構成の作業を在日アメリカ人研究者、在米および在ニュージーランドの研究者と行っている。今後さらに展開する予定である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@公開講座および出前講座を行った。出前講座は初めて町内会(妙高市白山町内会)からの注文があったほか、11月の新潟県立村上高校では約800名、1月の私立桐蔭学園高等学校女子部(横浜、於妙高)では約450名という多数の受講生であった。
 

 
志 村   喬(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部では社会科授業で使用される教材を提示し,社会科教材開発・授業づくり・評価を追体験できるよう努め,一部は『社会科教育法研究』(山本友和教授,茨木智志助教授と共編)にまとめた。大学院では,履修院生の研究領域に配慮した講義内容編成や学術論文執筆要領に沿ったレポート課題で,修士論文作成への展開を図った。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 大学院ゼミ修了生は2名とも教育現場に復帰し,実践的研究成果を還元している。
研究指導
【観点1】学部
 現職派遣院生と接する機会を数多く設けた結果,実践経験談から卒業論文テーマを自主的に考え,探究することになった。
【観点2】大学院
 現職・学部卒という異なる教育経験・学校経験を相互に認識しあう場面設定に努め,様々な角度から教育実践を認識した上で研究課題を位置づけるよう指導した。
その他の教育活動(学外を含む)
@本学教職講座「社会」講師
A新潟県立高田北城高等学校第1学年進路講演会講師
B上越教育大学附属中学校わくわく大学ウィーク講師
C新潟県立柏崎高等学校「人文探究特論」出前講座講師
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部生と大学院生並びに学部卒院生と現職派遣院生の交流・協働をふまえた実践力向上を目指し,成果の一部は社会系コース編『「実践セミナーU「社会」」・「実践場面分析演習U「社会」」実践報告書』にまとめた。地域の中学・高校での教育活動も積極的に行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年6月:「地理教育(学界展望)」.人文地理,58-3,pp.41-43
A平成18年6月:「英国地理教育におけるグラフィカシー概念の書誌学的検討」.地図,44-2,pp.1-12
B平成18年12月:「「持続可能な開発のための教育」(ESD)における地理教育の役割と授業開発−英国の事例から−」.地理教育フォーラム,7,pp.45-53.
C平成19年3月:「イギリス初等教育における地理授業実践の形態−スキーム・オブ・ワークと調査小学校の分析を通して−」.田部俊充編『地理教育からみた地理的技能・学力の構造の解明と向上のための授業開発』(平成17-18年度科研費成果報告書),pp.1-32
D平成19年3月:Geographical Contents of the National Social Studies Curriculum in Japanese Primary Schools.新潟地理フォーラム,3,pp.17-26.
業】@平成19年2月:『文部科学省高等学校地理歴史科検定教科書 新高等地図』(共編)東京書籍
A平成18年11月:『地理教育用語技能事典』(日本地理教育学会編・分担著)帝国書院
他】@平成18年4月:イギリスの地理教科書.地理・地図資料,2006年4月号,pp.16-17
A平成18年6月:井田仁康『社会科教育と地域−基礎・基本の理論と実践ー』(書評)新地理,54-1,pp.28-29
B平成18年7月:村山朝子「『ニルス』に学ぶ地理教育−環境社会スウェーデンの原点−」(書評)地理学評論,59-8,pp.448-449
C平成19年3月:聖徳大学子どもの地図研究会編・冷水悦子絵『ピーピーをさがして』『ピーピーといっしょに日本地図の絵本』『ピーピーといっしょに世界地図の絵本』(書評)地理学評論,80-3,pp.152-154
発】@平成18年7月:持続可能な開発のための地理授業開発−英国ハムステッド中等学校の事例から−,日本地理教育学会年度大会
A平成18年10月:英国における「犯罪の地理」の地理授業―前期中等教育カリキュラムにおける扱い―,東北地理学会秋季学術大会(大西宏治と連名)
B☆平成18年10月:シンポジウム「防災をめぐる地理学研究と地理教育の連携 −地理学・地理教育の社会的貢献−」オーガナイザ−・司会(梅津譲と連名)東北地理学会秋季学術大会
C平成18年10月:イングランドにおける中等教育地理教員の養成課程−ロンドン大学IoE中等PGCE養成コースの事例−,日本社会科教育学会第56回全国大会
D平成18年10月:新潟県中越地震(2004)に関する新聞記事として掲載された地図−被災地周辺住民の視点からの考察−,日本国際地図学会年度定期大会
E平成19年2月:Geographical Content in the National Primary Social Studies Curriculum in Japan. The 10th Charney Manor Conference, Oxford, England.
共同研究の実施状況
@科学研究費補助金・基盤研究「地理教育からみた地理的技能・学力の構造の解明と向上のための授業開発」(研究代表者田部俊充)
学会活動への参加状況等
@日本地理教育学会:評議員・編集委員
A日本国際地図学会:評議員
B日本地理学会:地理教育公開講座委員会委員
C地理科学学会:編集委員
D東北地理学会:東北地理教育研究会世話人
〔上記発表の他での参加状況〕
@平成18年9月:日本地理学会秋季学術大会「地理教育公開講座」企画・運営責任者
A平成18年10月:上越教育大学社会科教育学会参加
B平成18年10月:全国社会科教育学会全国大会参加
C平成19年3月:日本地理学会春季学術大会参加
在外研究の状況
@平成18年9月14日〜9日23日:英国,地理的技能・学力育成に関する調査(科研費)
A平成19年2月22日〜3月2日:英国,地理教育研究会集会参加発表・学校訪問調査(教員研究費)
◎特色・強調点等
 現代英国地理教育研究では現地研究者・教師との交流を深め,2回の現地調査で地理授業実践状況を明らかにするとともに現地研究集会で発表を行った。国内では,学会誌での展望論文執筆などの学術研究に加え,教育現場への研究成果還元を目指し高等学校教科書・事典・書評・教師用雑誌を積極的に編集・執筆するとともに,学会公開講座・シンポジウムも複数オーガナイズした。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成17年度教育課程実施状況調査(高等学校地理)結果分析協力者(国立教育政策研究所)
A新潟県社会科教育研究会副幹事長
B新潟県教職員組合教育研究会共同研究者(社会科)
C平成18年11月:宮城県中学校社会科研究大会講師「社会科でめざす学力と授業づくり」
D平成18年11月:上越市学校教育研究会社会科部会講師「わたしたちと子どもたちの経験から創る社会科授業」
E平成18年6月〜9月:上越市安全・安心まちづくり条例検討委員会(委員長)
F平成18年10月:上越市教育委員会等主催「みんなで防犯安全安心まちづくりシンポジウム」コーディネーター
G平成19年1月〜:上越市みんなで防犯安全安心まちづくり推進会議(会長)
H平成18年12月〜:上越市総合計画審議会委員
◎社会への寄与等
 全国・新潟県内外・上越市といった多段階のスケールで教育改善に資する活動を実施した(上記@〜D)。上越市の地域づくりに関する各公的委員会にも継続的に参画し寄与した(上記E〜G)。
 

 
下 里 俊 行(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 教育方法にかんして,学部「世界史研究入門」,「ユーラシア史認識論」で,1)受講者に毎回,「学習記録レポート」を課し,その内容理解に対する補足説明と質問への回答を次回の授業でおこなう対話型の反復熟考させる授業構成をとり,2)映像教材を活用し,批判的読解の手法を解説した。「ロシア語コミュニケーション」ではアニメ教材を活用し,反復型の聞き取り・活用力の習得を支援した。大学院「外国史システム特論」では,方法論を重視した英語論文の読解を指導した。学部「外国史システム専門セミナー」,大学院「外国史システム研究セミナー」では,個別発表と問題発見型の討論を支援した。実践場面分析演習・実践セミナーでは,高田市内の旧街道筋の実地調査をおこない,電子教材の作成を指導した。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価面としては,事前に受講者に毎回授業時の「学習記録レポート」への評価を60%,期末小論文試験への評価を40%とする評価基準を明示し,内容理解・自己内省・自己評価の3つの観点から成績評価をおこなった。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 教育の達成状況としては,学部セミナー4年次受講者2名のうち2名とも非常勤教員として採用された。
研究指導
【観点1】学部
 学生の研究テーマに応じて,文献史料の活用法の指導をおこない,海外でのフィールドワーク(オーストラリア,チェコ,オーストリア,ハンガリー)を支援した。 
【観点2】大学院
 専門にかかわる文献読解力の向上と問題の分析枠組みの構築を重視した。
その他の教育活動
@教育実習での授業を参観し,専門にかかわる指導法について具体的に助言した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生による海外での実地調査を積極的に支援し,教員による海外での取材にもとづく映像教材を積極的に活用した。また,英語による史料読解の技法を重視した取り組みをおこなった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年5月:「2005年度の歴史学界 回顧と展望 ヨーロッパ(近代─ロシア・東欧・北欧)」(単著),史学雑誌,第5号
A平成18年3月;「19世紀30-50年代のロシアのプラトン解釈の諸相:神学的・美学的・社会学的・哲学的読解の交錯」(単著),プラトンとロシア(II):21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」研究報告集,北海道大学スラブ研究センター
発】@平成18年5月:『19世紀後半のロシア知識人の言説にみる「アジア」表象の諸相』,「越境する歴史学」研究会・例会(京都大学人文科学研究所)
A平成18年9月:『1850年代後半−60年代初頭のロシアにおけるプラトン理解の諸相:ユルケーヴィチの「イデア」論を中心に』,21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」研究セミナー「プラトンとロシア」(北海道大学スラヴ研究センター)
B平成19年2月:『19世紀前半のロシアにおける「プラトン」理解の諸相』,科研プロジェクト「ロシア思想史の多面的包括的再構築」冬季研究大会(市ヶ谷・私学会館)
他】@平成18年7月:『書評:和田春樹著『テロルと改革:アレクサンドル二世暗殺前後』,社会経済史学,第72巻第2号
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@科研費補助金(基盤研究(B))ロシア思想史の多面的包括的再構築(代表者:御子柴道夫・千葉大学)
A21世紀COEプロジェクト「スラブ・ユーラシア学の構築」「プラトンとロシア」研究会(代表者:望月哲男・北海道大学スラヴ研究センター)
B上越教育大学国際化GPプロジェクト(代表:臼杵美由紀)
学会活動への参加状況等
@5月7日:「越境する歴史学」研究会(京都大学人文科学研究所)
A9月16日:21世紀COEスラブ・ユーラシア学の構築研究会「プラトンとロシア」(北海道大学スラヴ研究センター)
B10月28日〜29日:ロシア史研究会・2006年度大会(明治大学)
C2月12日:科研費プロジェクト「ロシア思想史の多面的包括的再構築」研究大会(市ヶ谷・私学会館)
在外研究の状況
@8月11日〜8月24日:ヘルシンキ大学附属図書館
◎特色・強調点等
 各種研究会に参加し,東アジアとロシアの歴史表象にかんして多面的な視点からの研究成果を発表するとともに,長期的な視野からのロシア思想史・教育哲学史の再検討のための新しい研究領域の開拓をおこなった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@5月〜7月:本学公開講座「はじめて習うロシア語文法」実施 
A11月:出前講座「現代の世界情勢を読み解く」実施(十日町高校)
B12月:出前講座「現代の世界情勢を読み解く」実施(小千谷高校)
C上越市男女共同参画審議会
◎社会への寄与等
 出前講座などを通して市民・高校生の教養向上に寄与し,上越市の施策検討に関与した。
 

 
松 田 愼 也(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 概説科目以外では授業の内容密度を高めるため、講義内容目次とそれに関する資料を載せた講義メモを作成し配布するよう努めた。概説科目では基礎知識の定着を図る目的から、作業としてノートを取らせるよう努めた。反省点としては、前者に関しては添付資料が多過ぎて未消化になりがちであったこと、後者に関しては逆に理解度を高めるための補足資料を提示できなかったことである。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価方法は、概説科目については基本的知識に関する試験を記述式で行い、知識の定着度を確認するようにした。それ以外の科目では、事前に課題を示して試験当日に試験場にてその答案を書かせた。主目的はもちろん理解度をみることであるが、あわせて文章力を付けさせることも目指した。
【観点2】教育の達成状況
 宗教学という学生にとってはなじみが薄く、また必ずしも関心が高いとは思えない分野の科目ではあるが、約20名の受講者のほとんどが試験にまで至り、その成績も所期の程度には達していること、また学生による授業評価においても好評であることから、教育目標はほぼ達成されているものと考える。
研究指導
【観点1】学部
 3年次生については、宗教学に関する知識を深めるとともに、読解力を高めるために、読書会形式で毎回レポーターを決め、A4 4枚程度のレジュメを準備させ、それに基づいて報告をさせるようにした。また、レポーター以外の学生には、必ず意見や質問をするように指導し、コミュニケーション力を養うように努めた。4年次生については、卒業論文の作成に向けて、毎週のゼミを通じて進捗状況をチェックするとともに、資料紹介や調査先の斡旋、中間発表会の実施などを行った。
【観点2】大学院
 1年次生については、研究テーマの設定を経て、毎週資料収集やその読み込みに関する報告を毎週のゼミにて聞き取り、それに関する意見交換や資料の紹介等を行った。ただしこの院生は、教員採用試験合格により、本年度だけで退学した。2年次生についても、毎週のゼミにおいて、前期はアンケート調査の結果整理についての報告と意見交換を、後期は論文下書きのチェックを行った。この院生は連合大学院博士課程に合格、進学した。
その他の教育活動
@新潟県立看護大学非常勤講師(「宗教学」担当)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 多くの授業において、独自の視点から資料を収集し、講義メモを作成・配布したことは特記できる。これらについては今後とも加除訂正に努め、教科書のレベルまで高めていきたい。
 
<研究活動>
研究結果の発表状況
著】@平成19年3月:『ダンマパダ心とはどういうものか』NHK出版(単著)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市文化財調査審議会委員(上越市教育委員会)  
 

 
山 縣 耕太郎(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部では,地域環境研究および地理学に関わる実験,演習,調査法を担当した。授業,実習においては,ビジュアル素材を多く提示することを心がけ,コンピュータを活用したGIS教材を用いた。巡検などの実習授業では,実地の観察や経験を通して,基礎的な知識を身につけるとともに,地理的な見方に興味関心を持てるよう配慮した.大学院では,地域環境学特論を担当し,画像資料を多用して,理解と関心を高めるよう工夫した.また,初歩的なGISソフトを活用した作業を取り入れた.
○成績評価法に関する取組状況
 評価にあたっては,課題を設定して,その成果と取り組みへの態度を評価に取り入れた.
【観点2】教育の達成状況
 学部授業,地域環境研究では,環境に関する基礎的な概念を習得することができたと考える.また,地図に関する学習や,実際の野外観察,地図作成の作業を通して,地理的な見方,考え方を経験し,習得することができたものと考える.大学院授業,地域環境学特論では,地域,環境に関わる解説や,実際にGISソフトを使用して環境地図を作成し,それをプレゼンする作業を通して,地理的な視点で環境を分析するプロセスを体験し習得したものと考える.
研究指導
【観点1】学部
 1名の卒業研究指導を行った.上越市名立区を対象として土地利用と環境条件との関係について検討をおこなった.身近な地域を対象とした研究を通して,実践への応用の手がかりを得た.
【観点2】大学院
 2名の修士2年生の修士論文を指導した.1名についてはGISを活用した火山ハザードマップの作成という,既存研究の少ない新しい分野の研究に挑戦し,成果を得た.GISについては,教育分野を含めて,広い範囲で将来の発展が期待されており,この分野での研究を進展させていく手がかりを得た.もう1名については上越地域の潟湖堆積物をもとに,古環境の復元を試み,成果を得た.Human impactを議論する地理学の新しい展開が期待される分野での実証的な研究を試みた.両名ともに研究を通して,地理学を含む,学問研究に対する見識を得たものと考える.また,両名ともに,全国学会において研究成果を報告している.
その他の教育活動
@新潟県立看護大学非常勤講師「環境生態学」担当
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教育においては,基本的な概念の理解と,基礎的な知識の習得,およびスキルの習得の3点を考慮し,授業を構成した.特にスキルの習得においては,野外での観察や実際の作業を取り入れることに留意した.野外活動や作業はどうしても時間をとってしまうが,今後もより効果的な作業を取り入れていきたいと考える.大学院の授業では,GISソフトの作業を取り入れ,好評であった.GISについては,研究指導においても活用に取り組んだ.GISは,今後の発展が期待される分野であるので,積極的に取り入れていきたい.
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月:十勝平野中期更新世段丘光地園面のテフロクロノロジー.平成16-18年度科学研究費成果報告書「鮮新・更新世古地理の高精度復元」
A平成19年3月:更新世における洞爺火山の活動史.平成16-18年度科学研究費成果報告書「鮮新・更新世古地理の高精度復元」
B平成19年3月:Geomorphological research in Sanjian Plain 2006. Report on Amur-Okhotsk Project, no.4, 169-172.
C平成19年3月:Analysis of land cover on the Sanjian Plain, China, using JERS-1/SAR data. Report on Amur-Okhotsk Project, no.4, 161-168.
D平成19年3月:Evaluation of land-cover change in Amur basin using NDVI derived from NOAA/AVHRR PAL dataset. Report on Amur-Okhotsk Project, no.4, 129-1138.
E平成19年3月: Nature-human interactions during the 2004 Chuetsu earthquake in central JAPAN. The international symposium on Natural disaster and Rural planning proceedings, 39-47.
F平成19年3月:新潟県頸城湖沼群湖成堆積物に記録された環境変遷史の解明.平成15-17年度科学研究費成果報告書「遺跡と史料に残る歴史噴火の火山灰層序学的解明と古環境復元の研究」
発】@平成18年5月:ナミビア・クイセブ川中流域に見られる近年の堆積物粗粒化.日本アフリカ学会
A平成18年10月:ナミビア・クイセブ川流域における人為的河川環境変化とその影響.上越教育大学社会科教育学会研究大会
B平成18年10月:自然の猛威から何を学ぶか.東北地理学会シンポジウム「防災をめぐる地理学研究と地理教育の連携 −地理学・地理教育の社会的貢献−」
C平成19年3月: Nature-human interactions during the 2004 Chuetsu earthquake in central JAPAN. The international symposium on Natural disaster and Rural planning.
D平成19年3月:ナミビア・クイセブ川中流域における堆積物粗粒化と森林衰退,日本地理学会春季大会
E平成19年3月:新潟県頸城湖沼群湖成堆積物に基づく環境変遷史の解明,日本地理学会春季大会
共同研究の実施状況
@鮮新・更新世古地理の高精度復元 代表者:山崎晴雄(都立大学教授)科学研究費補助金
A氷河コア解析による北太平洋の気候・大気輸送物質変動の復元 代表者:白岩孝之(北海道大学助教授)科学研究費補助金
Bトキの野生復帰に向けた、佐渡島における中山間地環境問題の研究と地域環境保全の実践 代表者:本間航介(新潟大学助教授)新潟大学地域貢献プロジェクト計画書
C小・中学校における地域社会との連携をはかったエネルギー教育・環境教育カリキュラムの作成.エネルギー環境教育情報センターエネルギー教育調査普及授業 代表者:滝山桂子(上越教育大学助教授)
国際研究プロジェクトへの参加状況
@カムチャッカ半島における完新世古環境変動に関する地生態学的研究 代表者:山縣耕太郎(上越教育大学助教授)北海道低温科学研究所共同研究経費.
Aアフリカの半乾燥地域における環境変動と人間活動に関する研究 代表者:水野一晴(京都大学)科学研究費補助金.
B北東アジアの人間活動が北太平洋の生物生産に与える影響評価 代表者:白岩孝之(北海道大学低温科学研究所助教授)総合地球環境学研究所研究プロジェクト.
C北海道十勝地域の湖沼堆積物を用いた古環境変遷史に関する研究,Richard Jones (University of Exeter,Lecturer).
学会活動への参加状況等
〔学会役職〕
@本第四紀学会PAGES-PEPU対応委員会委員
A日本地理教育学会編集委員
◎特色・強調点等
 従来の研究が少ない東アジア寒冷地域と南部アフリカ乾燥地域における古環境変動に関する研究を行っている.また,新潟,北海道およびアムール川流域における人為作用の自然環境への影響について調査した.これらの研究は,現在行われている国際的なプロジェクト(IGBP.PAGES)による汎地球的な規模での古環境変動の復元に寄与するものと考えられる.