【自然系教育講座(理科)】
 

 
小 林 辰 至(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 「理科教育学」では、教科「理科」の目的・目標の歴史的変遷をふまえ、現代的課題に対応できる理科授業のあり方を講義した。その際、常に学生が具体的な教授活動との関連性が理解できるよう配慮した。「初等理科指導法」では、学生一人一人にインゲンマメの栽培と観察記録の作成をはじめ携帯電話のカメラ機能を用いて撮影した野草の画像を「野草図鑑」にまとめさせるなど、小学校現場で活かせる内容を取りあげ講義と演習を効果的に組み合わせて指導した。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価は課題提出物の出来具合やテスト等を総合的に判断して評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 所属していた院生2名及び学部生1名の全員が希望する校種に就職したことから、教育の達成状況は良好であると考える。
研究指導
【観点1】学部
 理科を指導する教員として教材研究と授業改善に取り組み続ける意志と能力の育成につとめた。 
【観点2】大学院
 所属する学校、あるいは地域のリーダーとして活躍するための資質を身につけさせるために、教材開発の視点と方法、生徒の実態把握の手法、新しい指導法の習得、データ分析の手法など高度な実践研究能力の育成につとめた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 児童・生徒の発想を活かして科学的に探究可能な仮説を設定させるFour Question Strategyに基づく新しい指導法を開発し、学部・大学院の授業における学生指導において成果を上げている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成18年6月:未来を展望する理科教育「第6章 探究活動の仕組み方」,東洋館出版社
論】@平成18年7月:清水俊介,稲葉浩一,小林辰至,中学校理科における日周運動の学習用モデル教材の開発とその評価,理科の教育,日本理科教育学会,第55巻第10号,pp.60-63
A平成18年9月:小林辰至,永益泰彦,社会的ニーズとしての科学的素養のある小学校教員養成のための課題と展望,科学教育研究,日本科学教育学会,第30巻第3号,pp. 185-193
発】@平成18年8月:初等教員養成課程学生に対するインゲンマメの栽培・観察の教育効果(供)日本理科教育学会第56回全国大会
A平成18年8月:新規採用小学校教員の理科指導に関する実態と意識(供)日本理科教育学会第56回全国大会
B平成18年8月:高等学校生物における仮説設定能力育成のための新しい指導法 の開発と評価(供)日本理科教育学会第56回全国大会
C平成18年10月:中学校理科における仮説設定の指導法改善に関する実践的研究−単元「電流」の実践を通して−(供)平成18年度日本理科教育学会北陸支部大会
D平成18年10月:小学校理科の単元「もののかさと力」における指導法の改善に関する研究(供)平成18年度日本理科教育学会北陸支部大会
E平成18年10月:高校生物における仮説設定ワークシートに基づいた観察・実験計画立案の手だて(供)平成18年度日本理科教育学会北陸支部大会
他】@)平成19年2月:小林辰至:こうすれば理科の授業が楽しくなる!,教育ジャーナル,pp. 52-56,学習研究社
A平成19年10月:小林辰至,新理科教育講座 環境教育のための教材研究(1)(pp. 38-41),「理科の教育」通巻651号,東洋館出版社
B平成19年11月:小林辰至,新理科教育講座 環境教育のための教材研究(2)(pp. 42-45),「理科の教育」通巻652号,東洋館出版社
共同研究の実施状況
@高校で総合理科を普及させるためのシステム科学に基づいた革新的な教材教具の開発,科学研究費補助金,特定領域研究 
A生物教育における生命尊重についての指導観と指導法に関する調査研究,科学研究費補助金,基盤研究(B)
B「子どもが主体的に学び,科学を好きになるための教育システムの開発」に関する実証的な研究,基盤研究(C)
学会活動への参加状況等
@日本科学教育学会理事
A日本生物教育学会理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@独立行政法人国立科学博物館科学リテラシー涵養のための世代に応じたモデル的なプログラム開発等に関する有識者会議委員
A教職12年経験者研修(高等学校)講師 新潟県立教育センター
B第42回上越市児童生徒科学研究発表会審査委員長 上越市教育センター
 

 
高 津 戸  秀(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部の化学実験(高津戸担当部分)では,昨年度からグループ実験ではなく,学生が一人で実験を行う形式に変えてみた。学生からは充実感や達成感など好意的な反応も得られつつある。
研究指導
 修論生1名,卒論生2名の研究指導を行った。内容は3名とも教材研究に関するものであった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@Regulation of Castasterone Level in Primary Roots of Maize, Zea mays, Physiologia Plantarum (Blackwell Publishing Ltd., The United Kingdom), (2006) 127, 28-37 (共著).
AThe Rice SPINDLY Gene Functions as a Negative Regulator of Gibberellin Signaling by Controlling the Suppressive Function of the DELLA Protein, SLR1, and Is Involved in Brassinosteroid Synthesis, The Plant Journal (Blackwell Publishing Ltd., The United Kingdom), (2006) 48, 390-402 (共著).
BCo-regulation of Brassinosteroid Biosynthesis-related Genes during Xylem Cell Differentiation, Plant Cell Physiology (The Japanese Society of Plant Physiologists), (2007) 48, 74-83 (共著).
C簡易UVメーターの製作と活用,理科の教育 (日本理科教育学会), (2006) 55, 268-272 (共著).
D小学校理科における多様な学び合いの形成に関する研究−てこの学習における学びの三層構造の形成要因の分析を通して−,理科の教育 (日本理科教育学会), (2006) 55, 704-707 (共著).
E自作の簡易比色計を用いた大気汚染調査の教材化−中学校における発展的学習の実践を通して−,理科の教育 (日本理科教育学会), (2007) 56, 132-135 (共著).
F金属識別装置の試作とその教材化,物理教育 (日本物理教育学会), (2007) 55, 21-26 (共著).
◎特色・強調点等
 「植物生長ホルモン,ブラシノステロイドに関する植物科学的研究」を,国内および海外の研究者との共同研究として継続して行っている。本年度の成果は,グローバルスタンダードの観点からの評価が確立している海外および国内の学術誌に3編の論文として掲載された。また,「理科の教材開発とその教育実践」について,本学および学校現場の教員との共同研究を行い,本年度の成果として4編の論文が国内の学会誌に掲載された。
 

 
中 村 雅 彦(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 理科野外観察指導に関する大学院講義では,学習指導要領に基づき,内容構成を精選し,現職院生の要望と現在の研究成果を取り込むこむことで学習効果や内容の理解を深める工夫を行なった。学部授業では,従来通り,最近の研究成果を取り込むとともに,野外に出て身近な生物を対象とすることで動機付けを与え,内容の理解を高める工夫を行なった。全ての授業で日程を含めた授業計画を配布することで,授業計画・学習目標を周知徹底した。個人の具体的な達成度を評価基準とした。
研究指導
 学部4年生1名,学部3年生1名の指導教官となった。研究テーマは学生の希望を尊重し,学部4年生に対しては,生物教育に関わる臨床的な実践力を習得させるための指導を, 学部3年生に対しては科学的問題解決能力の育成をはかる指導を行なった。
 大学院2年生5名,大学院1年生3名(8名中3名が免P)の指導教官となった。研究テーマは学生の希望を尊重し,8名のうち5名は修士論文の作成を通して科学的問題解決能力の育成をはかる指導を,3名は理科教育に関わる臨床的な実践力を習得させるため身近な生物を対象とする研究の指導を行なった。
 就職を希望した本年度の学部卒業生は1名,大学院修了生は1名であった。いずれも教育関係の職業についた。
その他の教育活動(学外を含む)
@平成18年4月〜9月:上越保険医療福祉専門学校非常勤講師として「生物学」を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 上越教育大学は自然豊かな立地環境にある。学部・大学院の授業では,上越教育大学構内に生息する身近な生物を対象とすることによって,受講者が学校現場で児童・生徒に即戦的な指導ができるよう配慮した講義及び指導を行なった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年9月:『本州中部の高山帯に生息するカラスの分布と個体数』(共著)山階鳥類学雑誌 38 (1): 47-55.
A平成19年2月:『Geographical Distribution and Seasonality of the Prevalence of Leucocytozoon lovati in Japanese Rock Ptarmigans (Lagopus mutus japonicus) found in the Alpine Regions of Japan』(共著)Journal of Veterinary Medical Science 69 (2): 171-176.
発】@平成18年9月:『日本のツバメは喉が赤いほど性選択上有利』(共)日本鳥学会2006年度大会
A平成18年10月:『日本のツバメにおける性選択形質』(共)日本動物行動学会第25回大会
B平成18年10月:『ツバメの離婚の理由』(共)日本動物行動学会第25回大会
C平成19年3月:『教育実践の観点からみた教科内容研究の現状と課題 理科』(単)兵庫教育大学大学院連合学校研究科 共同研究プロジェクトF研究会(第2回)
他】@平成19年3月:『理科実験・観察指導に優れた小学校教員養成カリキュラム開発』(共)平成18年度文部科学省「わかる授業実現のための教員の教科指導力向上プラグラム」委嘱事業報告書
共同研究の実施状況
@ニホンライチョウの血液原虫感染および保全医学に関する研究 研究代表者:村田浩一(日本大学教授)日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(C)(2)
A捕食、被食、競争、そして情報盗用:マダガスカルにおける爬虫類と鳥類の相互作用 研究代表者:森 哲(京都大学助教授)日本学術振興会科学研究費補助金 基盤研究(B)(海外).
Bわかる授業実現のための教員の教科指導力向上プログラム委嘱事業 文部科学省 川崎直哉上越教育大学副学長
学会活動への参加状況等
@平成18年9月15日〜19日,日本鳥学会出席
A日本鳥学会評議員(事務局長)及び英文誌編集委員
B生態学教育専門委員会(日本生態学会)
◎特色・強調点等
 昨年に引き続き,高山鳥類イワヒバリとニホンライチョウの保全医学に関する研究を継続した。いずれも研究例が極めて少ない高山鳥類に関する基礎的・応用的研究である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県文化財保護審議会委員(新潟県)
A長野県文化財保護審議会委員(長野県)
B農作物野生鳥獣被害対策アドバイザー(農林水産省)
C新潟県トキ野生復帰推進本部トキ野生復帰支援アドバイザー(新潟県)
D希少猛禽類保全検討委員(中部電力)
E上越教育大学公開講座講師(理科野外観察指導実習A〜C)
F上越鳥の会代表(上越市)
◎社会への寄与等
 上記各種委員・アドバイザーとして生物、特に鳥類の保護・保全施策に関わった.また,新潟県上越市立春日小学校探鳥会事前学習会講師(5/30),新潟県上越市立春日小学校4年生対象親子探鳥会講師(6/2),新潟県上越市立春日小学校6年生親子探鳥会講師(7/5,7/7),第24回上越の理科を語る会講師(演題:マダガスカルの自然紀行,上越科技研, 12/3)を通して社会の教育・研究に関するニーズへ寄与した。
 

 
西 山 保 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 授業科目の性質・目標を重視するとともに受講生の理解力に応じられるよう授業方法を改善し,成績評価は習熟度を指標とし公平であるように心がけた。特に,学部の授業では,学生が積極的に参加できることおよび内容の理解を深めることを目標に,身近な話題や演習問題を多く取入れるなど,授業内容を工夫した。大学院の授業では,専門の授業においても学校現場における活用例を示す等,学生の要望に応じるよう心がけた。
【観点2】教育の達成状況
 学部の授業への免許プログラム学生の参加により,受講生間の理解力の差が大きくなり個別指導の必要な受講生が増えたため,達成状況は目標の8割程度である。
研究指導
【観点1】学部
 該当者なし。
【観点2】大学院
 修士学生4人(免P2人を含む)。個々の研究課題に相応した指導を行うための個別指導のほか,共通ゼミでは,教科内容の再認識や指導上の問題点等についての議論を行っている。免P学生に対しては,教育に対する考え方や基礎学力の育成に配慮している。
その他の教育活動
@学びクラブ「はてな博士の研究所」の顧問として,その活動を支援するほか,学生の自然科学への興味・関心や内容の理解を高めることを目標に,学生が自然科学の事物・現象などを体験できる機会を提供している。
A現職教員,大学院生を対象とした「環境科学セミナー」を開催し,エネルギーと地球環境問題の理解・普及に努めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部生は高等学校での物理履修者が1割未満であること,履修者も事物や現象についての体験が不足していることなどを考慮し,演習や体験を多くして,自然科学の基礎的な考え方や実践力が身につくよう配慮している。また,学部の体験学習では,エネルギーと地球環境問題を考えさせる内容を取り入れている。
 本学が初等教員養成課程であること,入学者が文系であることを考え,理系科目の理解力・指導力を高める必要性を感じて努力はしているが,全学部生が卒業までに履修する理系の科目があまりにも少ない。授業内容の工夫だけでは達成されない問題であり,全学的なカリキュラムの検討が必要であると痛感する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年7月:『水に浮かぶ球体にはたらく表面張力の教材化 −小学校での授業実践を通して−』(共著)理科教育学研究(日本理科教育学会) Vol.47 No.1 pp.17-23.
発】@平成18年8月:『簡易速度計測システムの製作と中学校における運動の学習』(共著)日本理科教育学会第56回全国大会。
A平成18年8月:『アズキ発根テストを用いた測定値処理に関する研究』(共著)日本理科教育学会第56回全国大会。
B平成18年12月:『簡易速度計測器の開発と中学理科における運動の学習』(共著) 日本物理学会新潟支部第35回例会。
C平成18年12月:『グラフ作成能力の育成に関する研究 −中学2年生と大学生への調査』(共著) 日本物理学会新潟支部第35回例会。
共同研究の実施状況
@黒鉛炉表面の分光学的研究(今井昭二徳島大学教授) 
A理科教材の開発研究(小池守長野県教諭)
 
学会活動への参加状況等
@日本理科教育学会第56回全国大会で発表(8月)
A日本物理学会新潟支部第35回例会で発表(12月)
B日本物理教育学会新潟支部主催クリスマス講演会企画・運営(12月)
◎特色・強調点等
 教育現場との共同研究により,実験教材の開発,評価が可能となった。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県環境審議会委員(新潟県)
A上越市環境審議会委員(上越市)
B上越市企業振興審議会委員(上越市)
C上越市新エネルギー導入推進検討委員会委員(上越市)
Dリージョンプラザ上越運営協議会委員(上越市)
E上越科学館主催「青少年のための科学の祭典」実験演示講師(上越市,12月)
◎社会への寄与等
 環境審議会委員や新エネルギー導入推進検討委員会委員として新潟県および上越市の環境政策の形成・推進に積極的にかかわった。また,企業振興審議会委員として上越市の企業振興に寄与した。リージョンプラザ上越運営協議会委員として新潟県立上越科学博物館を含む施設の運営に貢献したほか,サイエンス関連のイベントに学生を参加させることにより,理科が大好きな子どもや学生の育成に寄与した。
 

 
室 谷 利 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部の「理科研究法」では、講義と演習により、基礎となる知識および方法をしっかり身につけることを目標としているが、個人個人の特性や数学などの基礎レベルは学生により大きくことなっている。したがって個人個人の特性、能力を把握し、それぞれに応じた教育を心がける必要性がますます強まっている。そのため、講義支援システム(LMS)により、小テスト、レポートなどでそれらを把握するとともに、必要に応じて個人レベルでの学力不足を補う補習教育も実施した。LMSにより、学生が事前に行う準備学習のための課題を示し、次の授業時間で取り扱う内容を説明し、自らの力で演習問題を解くことの重要性を説明し、演習問題を複数回レポート提出させ、学力の定着に務めた。
研究指導
【観点1】学部
 学部学生の卒業論文では、小学校現場での実際の授業に向けた教材開発の研究として、「電磁誘導を用いた磁束計についての考察」をテーマとしてとりあげ、将来その学生が教員になった時のことを想定し、教員としての実践力が身につくよう、自分の頭で考え、発見し、分析して、解決する方法を見出す一連のプロセスを繰り返しトレーニングすることによって、必要な力が養成されるよう工夫した。
その他の教育活動
 ゼミ学生の教育実習における研究授業の教材研究の指導と研究授業への参加。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年12月:「歪量子井戸構造のバンド不連続の計算と教材への応用」(共著) 応用物理教育 Vol.30 No.2 pp.29-37
A平成18年12月:「表計算ソフトを活用した歪量子井戸構造のバンドギャップおよびバンド不連続の計算と教育への活用」(共著)応用物理教育 Vol.30 No.2 pp.29-37
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新エネルギー・産業技術総合開発機構(NED0)の「革新的次世代太陽光発電システム」技術委員会への出席依頼に基づいて、評価の支援を行った。
Aエネルギー環境教育に関して、地域の実践校の指導・支援を行った。
 

 
森 川 鐵 朗(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 授業では、講師側と受講者側との双方向性が特に大切である。両者が共に質問し回答し、ときには板書する授業方法の、いっそうの改善をはかった。
 化学の授業においては、「科学の考え方(思考法)」や「発展の歴史」などの科学の基礎から出発し、現代化学の動向にまですすめた。
 化学内容をめぐる諸々を理解しやすくするため、入念な準備も提供した。
【観点2】教育の達成状況
 科学の考え方は受け入れにくい点も多い。そこで、しだいに科学的思考法に迫れるように心がけた。現職初等中等教育教員にも興味のもてることを盛り込んだ。教育現場の理科授業に応用が利くようにしたので、受講生は現場にでてから、修得した力を自覚するはずである。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 全国の初等中等科学教育(現職院生など)に資するため、科学教育にかかわる論文を集約し,単著として発展させた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@単著『単位は語る ― 科学のツボ』 (ISBN 4-7655-4453-2)技報堂出版(2006)
論】@共著『科学教育における質量保存の法則 ―「教えられないこと」をめぐって』研究紀要第25巻第2号 pp. 387-398(2006)
発】@(共)非IPRフラーレン C66+10n と Li 原子/イオンの相互作用、講演番号2P12 日本コンピュータ化学会 2006 春季年会(6月)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
 電子雑誌『化学教育ジャーナル(CEJ)』編集長(日本コンピュータ化学会)
 

 
天 野 和 孝(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 シラバスをより具体的に示すため、日程を含めた授業計画表を作成し、学部生、大学院に配付した。また、大学 院の地学教材の授業では「地学教育」誌に掲載された化石教材に関する論文を用いている。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価については試験およびレポートで評価した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学部生1名が東京都小学校教員に就職し、卒業研究で身に付けた方法を用いて野外指導を行っている。修了生1名は、修士研究の成果を学会発表するとともに、修士研究で身に付けた化石の研究方法を活かして地元の博物館相当施設でボランティアとして活躍している。以上から教育の目標は達成されていると考えられる。
研究指導
【観点1】学部
 小学校・中学校における野外実習授業で役立つ臨床的な力をつけさせるべく、学部4年生1名の卒業研究の指導においては地層の野外観察、化石の同定、考察方法などの指導を行った。また、教育において重要な研究成果のプレゼンテーションにも留意して指導した。
【観点2】大学院
 修士課程院生2年生3名、1年生3名に対して、野外調査に同行し、小中学校の理科で行われている野外観察に役立てるべく地層の観察方法、化石の同定、処理方法について指導を行った。また、教育において重要な研究成果のプレゼンテーションにも留意して指導した。また、博士課程2年生1名に対して、化石の同定や専門論文の書き方等の指導を行うとともに、教育論文の書き方についても指導した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 臨床を意識し、野外実習に強い教員を育てるよう心がけている。特に、地学分野を得意とする小中学校の教員は減少しているので、大学で地学を専門にしていない院生には、長期間野外調査に同行し、基本的な調査方法を身に付けさせている。授業に関しては、今後到達目標をもう少し具体的に提示していきたいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年6月:Trophonopsis Bucquoy, Dautzenberg and Dollfus, 1882 (Gastropoda, Muricidae) from the Plio-Pleistocene deposits in Japan. Paleontological Research, vol. 10, no. 2, pp.163-176.(単著)
A平成18年8月:Temporal pattern of naticid predation on Glycymeris yessoensis (Sowerby) during the late Cenozoic in Japan. Palaios, vol. 21, no. 4, pp.369-375.(単著)
B平成18年9月:現生および化石鯨骨群集-軟体動物を中心として-. 化石(日本古生物学会), no. 80, pp. 5-16.(単著)
C平成19年3月:Eocene drill holes in cold-seep bivalves of Hokkaido, northern Japan. Marine Ecology, vol. 28, issue 1, pp.108-114. (共著)
発】@平成18年6月:大桑・万願寺動物群とその変遷過程☆. 日本古生物学会2006年年会シンポジウム.
A平成18年6月:富山市八尾町周辺の鮮新統三田層産軟体動物群. 日本古生物学会2006年年会.(共)
B平成18年7月:化石からみた鯨骨群集の進化☆. 東京大学海洋研究所共同利用集会.
C平成19年2月:化学合成群集中の二枚貝への穿孔捕食痕. 日本古生物学会第156回例会.(共)
共同研究の実施状況
@学内プロジェクト研究『地域の地質素材を活かした総合学習教材の開発』が採択され、地元教員と共同研究を行った。 
学会活動への参加状況等
@日本古生物学会2006年年会, 東京大学海洋研究所共同利用集会, 日本古生物学会第156回例会に出席した。
A日本古生物学会2006年年会にてシンポジウム『日本海の生物相の変遷と環境変動-過去, 現在そして未来へ向けて』を企画した。
B日本古生物学会評議員
C日本地学教育学会編集委員
◎特色・強調点等
 化学合成群集の古生態と日本海の生物相の変遷をテーマに研究活動を行った。特に、化学合成群集中に世界最古の捕食痕を発見し、発表した。また、日本海の生物相の変遷と環境変動をテーマにシンポジウムを企画した。その成果は現在学会誌にて編集中である。また、総合的な学習の時間における地学教育のあり方をテーマに地元教員と共同研究を行っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市環境影響評価会議委員
A飯山トンネル特別委員会委員兼幹事
B新潟県地学教育研究会会長
C長野県佐久地域の地学教育部会の研修会講師
D市内中学校3校、市外小学校1校にて出前講座を行った。
◎社会への寄与等
 上越市の委員など地域の文化向上に貢献した。また、出前講座を行うことにより、公立小中学校への理科教育に貢献した。
 

 
大 場 孝 信(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 地球物質科学実験や地学実験では、小学校・中学校の授業でおこなわれている実験などをとりいれ、基本的な実験を組み込んでいる。例えば、大学院生や学生を大学の周りや高田公園まで連れて行き、岩石標本がなくても授業はできることを体感させる。大学院の授業「地学教材研究」では、現場で役に立つ,観察実験や科学ショーを行えるような教材を示した。また大学にある蛍光X線分析装置や走査電子顕微鏡を用いて、最近、大学でやられている実験を体験させた。必須科目、免許取得のため必要であるため、シラバスを見ていない学生が半分ほどいる。このため初めに授業についての理解を深めさせている。実験終了後はレポートの提出、取得しているか観察をふまえた1人1人の認定テストをおこなっている。地学、地球物質科学、地球物質科学特論、教材研究では厳格な試験をおこない、評価の悪い学生は再試をおこなっている。
 それでも勉強をしない学生は保留とし、次の年受けるよう指導している。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 過去5年の卒業生は13名、修了生は5名であった。卒業生1名は民間に、7名教員となり、3名は大学院に進学した。残り2名は教員志望で今年の採用試験に向け、頑張っている。
 修了生2名は現職で、2名は修了後、教員となり、1人は非常勤で今年の採用試験に向け、頑張っている。卒業論文、修士論文をとおして、自分でテーマを設定し、問題を浮き彫りにし、問題解決をはかっていくように指導している。
研究指導
【観点1】学部
 学部3年生2人、学部4年生1人の研究指導を行った。テーマは各個人で決めるため、個々の実力と努力が良くわかり、指導の方向がよくわかる。朝、卒論を書くための基礎学力の強化をはかっている。
【観点2】大学院
 修士1年生が2人はいり、1人が現職で小学校の現場の様子がよくわかり、学部生の相談にのってくれ大変助かった。地元の大地の生い立ちを明らかにすることで、地元の色々な山がどのようにしてできたか、現場にもどるとそのまま使える。地学の指導できる教員がほとんどいないため専門的知識をもっていれば、先生達の指導的立場にもなれる。
その他の教育活動
@新潟産業大学での非常勤講師
A教職講座(直前実技指導)石川県教員採用試験対策として簡単な理科実験の指導をおこなった。
B学生の小学校と中学校の教育実習を見に行き、授業方法について事後の相談や指導などをおこなった。
C早稲田大学と合同ゼミをおこない。他分野での研究交流をおこなっている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年9月:『新潟第三系にみられる緑泥石やコレンサイトの産状について』(共) 粘土科学討論会.
A平成18年9月:『北部フォッサマグナ,新潟県鉾ヶ岳の火山岩類のK-Ar年代と岩石化学』(単) 日本地質学会.
共同研究の実施状況
@平成18年度文部科学省{「わかる授業実現のための教員の教科指導力向上プログラム」委嘱事業 代表者 川崎直哉
学会活動への参加状況等
@平成18年9月7日〜9日:粘土科学会討論会に出席
A平成18年9月16日〜18日:日本地質学会に出席
B平成18年度粘土学会 幹事(〜9月まで)
◎特色・強調点等
 去年にひき続き北部フォッサマグナに位置する鉾ヶ岳、高妻山、火打山などの西頚城半深成岩のK-Ar年代測定SrとNdの同位体を測定し、上越地域の火成活動が明らかとした。この研究はプレートの動きにともない火山活動や地震活動が関与している。また新潟第3系の続成作用の研究は地すべりとも関連しており、今後、上越地域の生い立ちについて出前講座をとおして地元の人に還元している。これまでの研究が地域貢献に生かされる結果となっている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@いきいきわくわく科学賞審査委員(新潟県教育センター)
A「わくわく大学デー」講師
B公開講座 理科野外観察指導実習G(火山とマグマ)
C長野県屋代高校が理科のスーパハイスクールの指定を受けたため研究課題の実験の手伝いをおこなった。
 
◎社会への寄与等
 研究結果は出前講座や公開講座をとおして地元の人に還元し、地域に貢献している。
 

 
小 川   茂(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 授業では、実際の生物を提示したり、簡単な実験と観察をまじえながら講義を行った。特に、大学院の実験では、本学に設置されている走査型電子顕微鏡を活用して「学校現場で活用できる画像教材の開発」をテーマとして実際に教材の作製を受講生に行わせた。学部の一部の授業では適宜小テストを行い、知識の定着をみるとともに、その結果を授業の改善にむすびつけた。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 研究室に配属された学部4年生(1名)は石川県の小学校教諭として正式採用された。これが授業の効果によるものかどうかは判断できない。 
研究指導
【観点1】学部
 学部4年(1名)、3年(1名)の研究指導を行った。理科の教員として必要な実験器具の使用法、試薬の取り扱い方、生物の飼育・培養法、顕微鏡操作法などを習得するよう指導した。
【観点2】大学院
 大学院M2(1名)の研究指導を行った。専門のテーマの他に教材開発を目指したテーマを与えて指導した。
その他の教育活動
@「わくわく大学ウイーク」講師 
A板倉中学校、春日新田小学校、大瀁小学校における教育実習学生の指導 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部の「生物学野外研究法」では、教材としてあまりとりあげられることのない藻類をいかに教材化するかを指導した。大学院の「生物教材実験」では、教育現場で活用できる教材の作製を指導した。実践力をいかにつけるかまでは指導していない。今後の課題である。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年12月:「単細胞性緑藻ハネモの胞子体における格分裂」(第19回日本植物学会東北支部会、共)
学会活動への参加状況等
@平成18年9月:「日本植物学会第70回大会(熊本)」 
◎特色・強調点等
 学会発表は学術的内容であるが、「実験をとおして生活史を理解させる」ための教材開発につながる研究成果が含まれている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成18年8月:公開講座「上越教育大学理科野外観察指導実習D(ミクロの世界)」講師 
◎社会への寄与等
 公開講座をとおして、野外観察に秀でた教師や自然観察の指導的役割を果たす人材の養成に寄与できたのではないかと考える。
 

 
定 本 嘉 郎(助教授)
 
<教育活動>
授 業
学部
 エジソンが日本の竹をフィラメント材料にして電球作りをしたことを題材として,竹フィラメントを制作し,真空中で発光させると同時に電子を引き出す実験を行った。この実験は学生に興味・関心を持たせたり科学の楽しさを抱かせるのに有効であった。
大学院
 抵抗を並列に接続した場合の電流学習用粒子水流モデル教材を制作した。学生は教材作成の大変さと充実感を体験した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年4月:「簡易UVメータの制作と活用」(共著),理科の教育,理科の教育, 55-4 (2006) 52-56.
A平成18年7月:「水に浮かぶ球体にはたらく表面張力の教材化」(共著),理科教育学研究, 47 (2006) 17-23.
B平成18年7月:" Direct Identification of Magnetic Surface by a Differential Double Probe in JFT-2M"(共著),Jpn. J. Appl. Phys., 45 (2006) L630-L633.
C平成18年9月:「中学校の電流学習における粒子水流模型を用いた授業実践」(共著),物理教育, 54 (2006) 201-205.
D平成18年11月:"Compatibility of reduced activation ferritic steel wall with high performance plasma on JFT-2M"(共著),Nucl. Fusion 46 (2006) 966971.
E平成18年11月:"Overview of Recent Experimental Studies on TRIAM-1M"(共著),Fusion Energy 2006 (IAEA OV/P-2).
発】@平成19年3月:「JT-60Uのデタッチプラズマにおける電子分布関数の評価」(共),日本物理学会 2007年春季大会
A平成19年3月:「トルネードプラズマの特性」(共),スペース・プラズマ研究会 (☆研究会座長)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@JT60Uに於ける静電プローブによるフロー及びイオン温度の計測, 代表者:定本嘉郎(上越教育大学助教授)日本原子力研究開発機構協力共同研究
A外部ポロイダル磁場による球状プラズマの研究, 代表者:定本嘉郎(上越教育大学助教授)宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部共同研究
BTRIAM-IMの周辺プラズマに於ける非対称プローブによるイオン温度の測定とプラズマ輸送の研究,代表者:上原和也(原研 主任研究員)九州大学応用力学研究所共同研究
C長野県と新潟県の小・中学校の教員と物理教材の開発・実践に関する共同研究
 

 
庭 野 義 英(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 自分の意見を持って、物事を多角的に分析・考察できるような学生の育成を目指して授業を行った。考える力と表現する力を育成することを目的とした。
研究指導
 自然観、科学観、自然科学の教育的価値・倫理的側面の研究、「理工系離れ、環境問題、学校の多くの問題」の解決に寄与する理科教育の研究、およびその指導をそれぞれ行った。
 修士論文、古川順子:中学校理科単元「宇宙」における空間概念形成についての研究−視点移動能力・方位認識能力相対認識能力育成のためのトレーニング−の指導をそれぞれ行った。
 大学院の授業で理科教育学基礎論、理科教育研究法の指導を行った。
その他の教育活動
@小学校・中学校段階の教員養成に関して、アメリカでの実情を調査した。
A小・中学校や県・市教育委員会を訪問した。
B現場教師との共同研究を行った。
C教員採用試験対策を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@2006年6月:理科嫌い・理科離れの研究−自然観、科学観と「勉強」の概念との関係−、長洲南海男編著「新時代を拓く理科教育の展望」東洋館出版社、所収
A2007年2月:循環の思想に基づく日本人の自然観、理科の教育、2007年2月号
共同研究の実施状況
@2007年3月;理科実験・観察指導に優れた小学校教員養成のカリキュラム開発、平成18年度文部科学省「わかる授業実現のための教員の教科指導力向上プログラム」委嘱事業(代表 小林辰至)
国際研究プロジェクトへの参加状況
@Collaboration in Science Education Research 2007(代表者:Dr. Robert E. Yager, The Science Education Center, The University of lowa)
学会活動への参加状況等
@日本理科教育学会北陸支部大会参加(新潟大学教育学部、平成18年10月)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@教育実践研究第17集 査読者
◎社会への寄与等
@せんせいのたまご倶楽部を指導して、次の活動を行った。
 大学近くの3小学校を中心に、第5回サマースクール(参加児童約200名、8月21日から25日まで)を計画し実施した。
A出前授業を小・中学校で合計7回行った。
 

 
下 村 博 志(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 無機分析特論においては環境資料の機器分析を中心とし、講義資料を作成、使用し授業を実施した。
 分析化学においては湿式化学分析を中心とし、講義資料を作成、使用し授業を実施した。
 化学実験は実験を主体とし、総合演習は学生の発表と質疑応答を中心とする演習形式で実施した。
○成績評価法に関する取組状況
 評価方法はシラバスに記載し、授業時に説明し実施した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 本研究室のゼミ生の教育成果を卒業(修了)後の進路状況から判断することについては、今年度ゼミ卒業者不在のため判断はできない。
研究指導
【観点1】学部
 河川の理科/環境教育の教材としての有用性について、その水質、特に生活排水の影響を見るための指標として塩化物イオンに注目した研究指導を行った。関川流域の大まかな塩化物イオン濃度の測定とともに、正善寺川の多点で栄養塩類を含めて測定を行った。
【観点2】大学院
 教育現場で必要な分析方法の開発について研究指導を行った。原理を感覚的に理解でき、視覚で高い精度を有する分析方法のための装置を試作した。学部、大学院ともこのような活動を通して教育内容を深く理解し、充分な教材研究能力を有し、教育内容を組み立てることのできる実践的能力の育成に務めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実験を豊富に取り入れた指導を行っているのが研究指導の特色としてあげられる。
 学生の優秀さもあり、3年生と修士1年生で確かな結果を得るよう指導を行えた。
 教員養成系で公害防止管理者の有資格者が環境分析の指導を行っているのは、本学だけである可能性が大きい(他学部には居る)。
 授業、研究指導の実験コストについて更に検討を要する。
 
<研究活動>
学会活動への参加状況等
@日本化学会年会、日本分析化学会新潟地区部会研究発表会
◎特色・強調点等
 環境分析に力点を置き、フィールドに出る事が多いのが化学分野を大きな目で見た場合としては特徴的であるかもしれない。
 得られたローカルなデータをどのように発表するかを一番の課題だと感じている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本分析化学会新潟地区部会幹事
 

 
五 百 川  裕(助 手)
 
<教育活動>
授 業
 学部の生物学実験では,関連基礎知識の解説を丁寧に行い,当該実験の意義を理解した上で,主体的に取り組めるように工夫した。大学院の理科野外観察指導実習Eでは,身近な植物を対象とし,児童生徒の興味を惹きつけるポイント解説と,実践可能な課題の体験を行い,指導力の養成をめざした。成績評価は,初回に記載内容を説明し,最終回後に提出させたレポートに基づいて行い,添削後に返却して,教育実習等の実践場面で指導案作成の参考資料となるように配慮した。
研究指導
 理科教育の目的である科学的な見方,考え方のできる能力の養成のためには,まず指導者自身がその能力を確かに身につけ,その大切さと面白さを知ることが不可欠であるとの認識のもと,植物野外調査を中心とする研究において,観察・記録・考察力の養成に努め,小中高等学校での学習内容との関連を意識させながら指導を行うことにより,教育実践力に結びつく専門性の向上をめざした。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部生と非現職院生に対しては,高校生物までの学習内容の定着が不十分である実態を踏まえ,自身の高校教員経験を生かし,適宜,復習を行って理解の援助をしている。現職院生に対しては,実践経験で持った学習内容への疑問や,指導上の問題点等を解決できるように,対話を重視しながら実践意欲を高める授業改善を試みている。実習課題は小中高等学校での学習内容との関連を考慮し精選している。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年12月:『The genus Uraria (Leguminosae) in China』(共著)J. Jpn. Bot. 第81巻 pp. 332-361.
A平成18年12月:『Identity of Nogra guanxiensis Wei (Leguminosae): Papilinoideae-Phaseoleae)』(共著)J. Jpn. Bot. 第81巻 pp. 362-363.
発】@平成19年3月:『日本産ユズリハの分類と分布』(共)日本植物分類学会第6回大会研究発表
A平成19年3月:『日本,琉球,台湾産イノデ属画像データベースの作成』(共)日本植物分類学会第6回大会研究発表
国際研究プロジェクトへの参加状況
@ネパール・ムスタン地域植物相調査 代表者:大場秀章(東京大学教授)緑育成財団ネパール植物研究助成金,
Aヒマラヤ高山植物相の分子遺伝・地理・分類学的研究 代表者:大場秀章(東京大学名誉教授)文部省科学研究費補助金基盤研究(A)
学会活動への参加状況等
@9月14日〜16日:日本植物学会第70回大会出席
A3月15日〜17日:日本植物分類学会第6回大会出席  
◎特色・強調点等
 アジア温帯域の植物多様性の実態と起源の解明を研究テーマとする。論文は,アジア温帯域の主要部分を占める中国の植物多様性の実態解明をめざすFlora of China projectに参画した成果であり,学問上の意義のみでなく,近年の著しい経済発展により自然改変の進む中国における環境保全政策の基礎資料としても貴重な貢献となる。学会発表は,修士論文の研究成果と,研究室収蔵の植物標本の公開活用を図る試みを共同発表したものであり,教育研究成果の地域貢献を進めるものである, 
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市児童生徒科学研究発表会審査委員長(上越市立教育センター) 
A県下児童生徒生物標本・自然科学写真展示会審査委員(長岡市立科学博物館) 
B理友会研修会講師(秋の植物観察) 
C本学公開講座講師「野外観察指導実習E」
D本学出前講座(燕高等学校,六日町高等学校,安塚高等学校) 
◎社会への寄与等
児童生徒の自然環境への興味関心を高め科学的視点を育む催しに審査委員として実施協力をし,また,中学校教員が自然観察指導力向上を図る催しである理友会秋季研修会の講師として,植物観察の研修に協力した。本学の公開講座および出前講座の講師として,専門の植物研究の成果を社会に還元することに努めた。