【生活・健康系教育講座(家庭)】
 

 
大 瀧 ミドリ(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部保育学専門セミナーでは、学部3・4年生だけでなく社会人の参加を認めたため、多様な視点から内容のある発展的なゼミを行うことが出来た。保育学実習では外部講師による授業機会を挿入した授業展開を行ったことで学生の主体的学習を喚起することができ、受講者から高い評価を得た。来年度も今年の授業運営を踏襲したいと考えている。
 また、大学院の子どもの家庭教育論・児童学特論では、受講者の希望もありできるだけ討論の時間を組み込むようにした。来年度もぜひ取り入れたいと考えている。
研究指導
 保育園の子どもの遊び場面におけるものの操作における生活文化の伝承に関する分析を消縦断的に行うことを目的に研究指導をおこなった。保育士を希望する学生が多いこともあり、積極的かつ集中力のある学習態度が見られた。研究を纏め上げる過程で修得した諸能力は、当該学生の他者関係のダイナミクスを捉える目を育むことができたと確信している。
その他の教育活動
 平成18年9月:新潟大学非常勤講師として「保育学」を担当した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月:『ままごと遊びにおける食に関するスクリプト(1)』(共著) 上越教育大学研究紀要 第26巻 pp.183-197
A平成19年3月:『ままごと遊びにおける食に関するスクリプト(2)』(共著) 足利短期大学研究紀要 第23巻pp.183-197
B平成19年3月:『子どもが生活文化の意味体系を構築する過程に関する実証的研究』(単著) 平成16-18年度科学研究費補助金研究成果報告書
共同研究の実施状況
 人とかかわる力を育む新しい教育課程の開発 代表者:大瀧ミドリ 上越教育大学研究プロジェクト
学会活動への参加状況等
@国際幼児教育学会理事
A日本家政学会評議員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@ 家事調停委員(最高裁判所)
A新潟家庭裁判所参与(新潟裁判所)
B上越市ユニバーサルデザイン検討委員会委員長(上越市)
C上越青少年問題協議会委員(上越市)
◎社会への寄与等
@家事調停委員として特に子どもの最善の利益が考慮されるように調停に関わった。
A上越市ユニバーサルデザイン検討委員会委員長として地域のUD化の指針作成に関わった。
 

 
佐 藤 悦 子(教 授)
 
〈教育活動〉
授 業
 学部における被服学関連の授業は、講義と実験・実習等の内容を関連づけて構成し、消費科学的な視野が養えるよう努めている。平成17年度から学部生と共に免P院生の履修があるため、多様な学生に対応できるように授業後のミニレポートを課して理解度を把握するなどを行った。製作実習の基礎となる教材を取り上げた。大学院における授業は、小学校・中学校・高等学校の家庭科の授業内容との対応を意識して取り上げ、専門的な視野からの解説や問題点などを各自指摘するなどの意見交換を行った。
研究指導
 研究テーマを設定する際には、生活に密着した事象から課題を見い出し、研究テーマに発展できるよう指導上において心がけている。本ゼミの共通テーマとして、被服商品の消費性能に関する研究ならびに衣服の着脱動作に関する研究をメインテーマとして位置づけているが、学生が希望するテーマも多様であるため、可能な限り希望に添えるよう指導体制を取りつつ展開している。本年度の学部生は、既製衣料の消費性能としてTシャツを取り上げ、着用・洗濯を繰り返し行った時の寸法変化を測定して外観変化を捉え「着用におけるTシャツ衿ぐりの外観変化について」として成果をまとめた。衣服の着脱動作に関しては、着慣れてや着装の習慣など、衣生活の実態を把握するための調査内容を検討して、課題研究を進展できるよう指導した。
 研究室の活動として、衣に関連する地域産業や文化への興味・理解を深めることを目的として、施設見学や手作りの機会を設けている。本年度は、手縫いの応用技法としてニードル・ワークを行った。こうした活動が将来教員として授業展開に役立てられることを目差しているが、時間的な制限もあり、ゼミ単位での活動スケジュール調整が今後の課題である。
 
〈研究活動〉
研究成果の発表状況
発】@平成18年5月:「男子大学生におけるボタンかけはずしの動作特性―片手でのボタンかけはずし操作について―」日本家政学会第58回大会研究発表
A平成18年6月:「幼児期の衣服着脱動作に関する研究―ボタンかけはずしの習得過程について―」日本繊維製品消費科学会2006年年次大会発表
学会活動への参加状況
@平成18年5月27日〜28日:日本家政学会第58回大会発表、出席
A平成18年6月10日〜11日:日本繊維製品消費科学会2006年年次大会発表、出席
B平成18年8月24日〜25日:日本家政学会被服心理学部会夏季セミナー出席
C平成19年3月13日:日本家政学会被服心理学春季セミナー出席
D日本家政学会被服心理学部会地区委員
E日本繊維製品消費科学会北陸支部幹事
 

 
滝 山 桂 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 教育免許状を取得希望の大学院生(免P)の受け入れ2年目となり、小免必修科目である初等家庭科指導法では、免P専用の1講座を新設、非常勤講師の加配があり、教育条件が改善された。大規模授業においてより高い学生サービスのために、遅刻と私語防止対策として、前方一人おき着席とし、プリント資料の事前配布を行い整然とした受講が確保された。
○成績評価法に関する取組状況
 全学必修科目の期末テストにおいて、これまでの論文中心から基礎知識、記述、論文を含む出題形式に変更し、評価の客観性と学生の将来における役立ち感を高めるように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学部生は、より高度の教育研究と複数免許の取得を望んで本学の大学院に進学した。院生は免Pであるため、本年度の就職該当者はいない。
研究指導
【観点1】学部
 学部生に環境教育として古着をとりあげた研究指導を行い、近年の古着流行の意識には、環境意識とファッション意識が混在していることを明らかにした。時代の若者意識の一端を掘り下げることは、教育現場の生徒理解に役立つ点で意義がある。
【観点2】大学院
 院生2名にエネルギー環境教育に関する実践的な情報収集の方法を指導した。実際に学校現場に行き、水、エコ調理などの授業観察を通して、授業展開の仕方、児童の反応について認識を深めた。又、地域の施設見学、フォーラムや学会への参加により、実践に役立つ最新の情報収集を行い、教材開発への指針を得た。
その他の教育活動
@5月に附属小学校公開研究会の指導者として、家庭科および心の教育の2教科において指導助言を行った。その際、ミニ講演会として「日本とドイツの暮らしの工夫」について講師を務めた。
A11月に教職講座で小学校全科家庭を担当した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 代表をつとめている上越教育大学エネルギー環境教育研究会の活動を効率的に遂行するために、ゼミ活動、授業計画にもこの内容を導入した。地域との連携をはかった実践的な教育活動を研究や教育の場面に反映することが、教育及び研究に活力を与え、好循環をもたらすという成果を得た。ただし、活動量が多すぎて過重負担となり、国立大学法人化以後のきびしい労働条件のなかで活動そのものの絞り込みが検討課題として残された。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年7月:『小学校高学年における生活情報教育に関する研究』(共)第49回日本家庭科教育学会大会研究発表
A平成18年8月:『小学校5年生のエコクッキングの授業による環境意識の変容』(共)日本家庭科教育学会北陸地区会第23回大会研究発表
B平成18年8月:『中学校技術分野と家庭分野を融合させたエネルギー・環境教育カリキュラムの開発』日本産業技術学会第49回大会研究発表
他】@平成18年4月〜平成19年3月:『教職課程』共著 協同出版(小学校家庭の学習頁、中高家庭の学習頁月1回 12回掲載)
学会活動への参加状況等
@7月1日〜2日 日本家庭科教育学会大会出席
A8月20日 日本家庭科教育学会北陸地区会 運営
B平成18年度 日本家庭科教育学会評議員 北陸地区会会長
◎特色・強調点等
 エコ料理に関する学会発表においては、ライフサイクルアセスメントの視点を導入した。これは、生活をシステムとしてとらえて問題解決する児童の育成という点で意義があり、今後の教育実践の視点として有効であろう。生活システムについては、昨年、学会誌論文として公表し、その継続的研究である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@社会経済生産性本部エネルギー教育調査普及事業地域拠点大学代表(経済産業省 資源エネルギー庁)
Aエネルギー環境教育フォーラムin 新潟の共催(経済産業省 資源エネルギー庁)
Bエネルギー環境教育フェアin島根で講師(経済産業省 資源エネルギー庁)
C新潟県不当取引行為調査会議構成員(新潟県)
Dにいがた食の安全・安心審議委員(新潟県)
◎社会への寄与等
@地域社会との連携をはかった上越教育大学エネルギー環境教育研究会の会長として、地域のネットワークの構築を積極的に進め、上越・妙高地区のエネルギー環境教育の発展に寄与した。
Aエネルギー環境教育に関するフォーラム、フェアの共催、講師として招聘されることにより、地域への啓発活動に寄与した。
B不当取引行為調査会議構成員として、特に高齢者の悪質商法対策に寄与した。
C新潟県の食の安全・安心審議委員として、条例制定に積極的にかかわった。
 

 
得 丸 定 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 現代、学校教育における「いのち」の問題が重要視されており、教員養成大学として、教育の必要かつ基礎として「いのち教育」に主眼をおいた授業に取り組んだ。学部では「いのちと食生活」に関すること、初等・中等家庭科指導法では「いのち教育と家庭科」に関与することや教材論と教材開発を行った。大学院では「いのち教育」について討議や英書講読等、多面的に行った。
研究指導
 学部では「いのち教育」の基礎として「ペットとペット葬儀」「学校で可能なスピリチュアル教育」について行った。大学院では「味覚教育」についての文献研究、附属中学校と共同研究による中学生向け味覚教育プログラム開発とその授業実践を行った。
その他の教育活動
 附属中学校の生活健康科における研究指導・助言者として活動を行った(前期のみ)。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 「いのち教育」の視点の立った教育研究活動を行った。「いのち教育」は全ての教育の根底に共通してある重要な内容で、社会的・時代的要請がある。欧米の輸入的視点ではなくより日本人の感性に沿ったいのち教育の内容検討が課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年4月:得丸定子他3名、日本の大学生における死と死後の不安、日本家政学会誌、Vol.57, No. 6 ,411-419、2006.
A平成18年6月:Tanida1 N, Becker C, Hayashi T, Yamamoto K, Iwata F, Tokumaru S. Survey on the contributions of hospice and palliative care staff to spiritual and life-and-death education at school. Pallative Care Research. 1(1): 109-113. 2006.
発】@7月:「「味覚教育」授業実践プログラム」日本家庭科教育学会第49回大会研究発表
A7月:「アメリカの大学生におけるペトロス意識調査」日本家庭科教育学会第49回大会研究発表
B8月:「統合教科(「生活健康科」における家庭分野の取り組み」日本家庭科教育学会北陸地区研究大会研究発表
他】@平成18年3月:『学校教育におけるスピリチュアル・エデュケーションの理論・実証的研究』科学研究費補助金成果報告書、研究代表者 得丸定子
共同研究の実施状況
@学校教育におけるスピリチュアル・エデュケーションの理論・実証的考察 代表者:得丸定子、科学研究費補助金
学会活動への参加状況等
@7月23〜27日:National Center for Death Education 2007 Summer Institute 参加
A日本家庭科教育学会評議員
B日本死の臨床研究会企画委員
C日本家庭科教育学会評議員
D日本家庭科教育学会北陸地区会会長
E平成18年度日本家庭科教育学会北陸地区会研究大会実行委員長
F日本死の臨床研究会全国世話人
G日本死の臨床研究会関東支部役員
在外研究の状況
@8月20日〜12月21日:平成18年度大学教育の国際化推進プログラム(海外先進研究実践支援)を得て、米国Mount Ida College、National Center for Death Educationの客員教授としてSpiritual Educationに関する研究。
A1月4日〜2月7日:米国Mount Ida CollegeにおいてGrief Care, Spiritual Educationに関する研究
B2月22日〜3月2日:米国Hawaii University にてPhilosophy for Childrenに関する研究。
◎特色・強調点等
 「いのち教育」の一環として「ペットロスとペット葬儀」に関する研究や「いのち教育」とスピリチュアリティの関係性の探求、それらの学校教育への実践の試みを行った。それらは我が国では先駆的な取り組みである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市各種委員(情報公開・個人情報保護審査会他2委員
A6月3日:新潟県立中央病院附属看護専門学校同窓会18年度研修会講師
B6月24日:「平成17年度上越教育大学地域貢献フォーラム」開催
C11月12日:第2回国際セミナー「子どものスピリチュアリティと悲嘆の回復」開催
D2月20日:頸城中学校講師
E3月13日:柏崎市学校保健研修会・教育研修会講師
◎社会への寄与等
@地域貢献フォーラム「いのちを語る〜教育、医療、宗教とのつながり〜」を開催し、地域の教育、医療、宗教的な観点から市民と交流を行い、参加者の反応は大好評であり次年度の開催を要望された。
A上越市の委員会に複数参画、また、地域の小・中学校への研修会講師として地域市民への奉仕に積極的にかかわった。
B第2回国際セミナー「子どものスピリチュアリティと悲嘆の回復」を開催し、全国の市民、教員等の研鑽に寄与した。
 

 
藤 木 一 浩(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部2年生対象の授業科目「被服学」では,次年度に実施する「被服学実験」の実験項目と関連付けて内容を構成した。しかしながら,限られた時間の中で,ミニマムエッセンシャルをいかに満足させるかが重要な課題として残ったように思われる。3年生対象の授業科目「被服学実験」においては,昨年度に引き続いて,界面活性剤の性質を理解する上で重要な「乳化の型の判別」及び「乳化力」の実験項目について,望ましい結果が得られるように実験操作を改善し,学習効果や内容の理解を高める工夫を行った。授業に際しては,実験の前に事前準備のレポートを課し,コメントを付して返却することで,学生自身が実験の目的を正確に把握するとともに内容の理解度を高められるように工夫した。また,学部1年生対象の授業科目「体験学習」において,高分子材料のリサイクルに関する講義と簡単な実験を担当した。この授業においては,経済及び技術の発展による我々の豊かな日常生活と,それに伴う環境に与える負荷との関連性について,常に問題意識を持てるように学習内容を配慮した。4年生対象の授業科目「家庭電気・機械・情報」では,電気機器等が動作するしくみを,基本原理に立ち返って解説することで理解させるように努めた。日常何気なく使用している電気製品のモーターが回転する原理を理解できたと,履修者には概ね好評であった。情報領域では,コンピュータによるネットワーク社会が抱える問題点と各自の対処の仕方について力点を置いて解説するとともに,現在普及しつつある地上波デジタル放送についても取りあげた。
 大学院生対象の講義科目「暮らしの新素材と資源循環型社会」では,これからのライフスタイルである“環境負荷の低減”という課題にスポットを当て,最新のトピックも織り交ぜながら学生の興味・関心を喚起するように配慮した。「被服学特別実験U」では,実験操作の目的を事前レポートとして調べさせ,コメントを付して返却することにより,実験結果と対比させて内容を正確に理解できるように工夫した。
 実験関係の授業では,学部・大学院のいずれにおいても,試薬や実験器具の取り扱い方,及び実験操作の仕方については詳細に説明し,安全確保に対する認識を各自が十分に身につけるように配慮した。また,次年度以降の授業内容や方法の改善に反映させるべく,授業に対する感想や意見・要望等を自由に記述させた。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価法に関する取組としては,レポートの書き方等に関する指導を十分に行い,特に提出の締切期日を厳格にして,評価対象の重要項目とした。しかしながら,評価基準の明示については曖昧であったと思われる点もあるので,昨年度に引き続き今後の課題としたい。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 昇任してから直接指導を担当した学生はまだ卒業・修了していないので,特記すべき事項無し。
研究指導
【観点1】学部
 各自の卒業論文テーマに関連する学術論文を提示し,その報告を行わせるとともに内容に関する議論を深め,研究の内容を論文にまとめる一連のレトリックをマスターできるよう指導した。
【観点2】大学院
 大学院生に対しては,各自の修士論文テーマに関連する学術論文をこちらが提示するだけでなく,学生自身に積極的に参考論文を調査するよう指導した。論文の内容について報告を行わせるとともに議論を深め,研究の内容を論文にまとめる一連のレトリックをマスターできるよう指導した。また,大学院生を主体にして学部生も含めて英語論文の輪読会を実施し,英語の読解力向上に努めた。 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実験関係の授業では,実施前に,実験目的や操作を予習させる目的で事前レポートを課し,誤っている部分等は添削するとともに注意事項等のコメントを付して,必ず実験前に学生に返却している。これは,学生が実験操作を正確に把握し,安全に実験を行うことが出来るように配慮しているとともに,返却したレポートが,そのまま実験中の記録ノートとしても使用できるようにすることで,理解を高められるように意図しているからである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年2月:「Grafting of polymers onto carbon microcoil surface by ligand-exchange reaction of ferrocene moieties of polymer with polycondensed aromatic rings of the surface 」(共著) Polymer Journal Vol.39 pp.175-180  
発】@平成18年4月:「カーボンナノチューブ表面へのポリマーのグラフト反応による機能化」(共) 第14回複合材料界面シンポジウム研究発表
A平成18年5月:「カーボンナノチューブのラジカル捕捉性に及ぼす表面性状の影響」(共) 第55回高分子学会年次大会研究発表
B平成18年9月:「ポリマーグラフトカーボンナノチューブとカーボンブラック複合体の電気特性」(共) 第55回高分子討論会研究発表(他1件)
C平成18年11月:「カーボンナノチューブ表面への各種グラフト反応」(共) 第55回高分子学会北陸支部研究発表会研究発表
共同研究の実施状況
 グラフト重合による高分子機能材料の合成に関する研究 共同研究者:坪川紀夫(新潟大学工学部・超域研究機構教授)
学会活動への参加状況等
 上記『研究成果の発表状況』の「学会等における口頭発表」の項に記した各学会に出席した。(全4学会) 
◎特色・強調点等
 次世代を担う基幹技術の一つとされるナノテクノロジーにおいて,非常に重要な材料として注目を集めているカーボンナノチューブの機能化に関する研究に対して,科学研究費補助金(2年間)が採択され,これまで以上に精力的に研究に取り組んだ。これまで困難とされてきた,カーボンナノチューブ表面のπ電子系を損なうことなくナノチューブの表面を改質する新規な方法について更に研究を発展させ,新機能を有する複合材料を開拓する際の実用・応用面で,いくつかの重要な成果が得られている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@4月〜11月:第55回高分子討論会実行委員
◎社会への寄与等
 富山大学にて開催された高分子学会主催「第55回高分子討論会」の運営に実行委員として携わり,特に北陸地区の産官学連携活動PRの一環として,特別セッション「ポリマーフォーラム北陸2006」の開催に貢献した。
 

 
細 江 容 子(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 生活経営学領域(家族関係、家庭経済)であるので、学生が日常生活の中で、特に日頃、疑問に思う身近な事柄をとらえながら授業の導入を行い、知識の習得と同時に、そのような問題がなぜ生じるかを考えさせる授業の展開によって、思考力や判断力を育てる授業を展開した。
 学習への動機付けを目的とし、将来、家庭科の教員として授業を行う可能性のある学生たちに対し授業での知識の習得と同時に、思考力や判断力を育てるために、ディベートや発表などの時間を設けて授業を展開した。また、文献、資料等の提示により事前・事後の学習をさらに深める方法をとった。
○成績評価法に関する取組状況
 各授業における学習目標を知識、思考、判断、表現、意欲といった項目を基に、その目的達成のための授業の計画と方法を考え、その視点から成績評価をおこなうと同時に、学生からの授業評価を得ることで、自己の授業改善を行った。
【観点2】教育の達成状況
 教員養成の大学であるので、学生に対して高い付加価値をつけるべく、考えさせる授業を実施した。そのためには、学生が思考のための多様な枠組みを持つことができるように、授業展開に工夫をするさらなる授業改善を行った。
研究指導
【観点1】学部
 教育に関する臨床的な実践力習得のための指導:各授業における学習目標を知識、思考、判断、表現、意欲といった項目を基に、その目的達成のための授業計画と方法によって、学生が教育現場に出た時の新指導要領での評価基準への学生自身の応用も可能となる授業の展開を図った。
【観点2】大学院
 教育に関するより高度な臨床的実践力習得のための指導:大学院においては特に思考力を身に付けることをねらいとし、レポートの報告やディスカッションを多く行う授業実施した。また、指導・研究内容に関わる国際会議に出席する事により、最新の研究・教育に関する内容について、指導できるように努力した。
その他の教育活動
@附属中学校教育研究協議会指導者(平成18年6月〜平成19年3月)
Aケーブルテレビ講師(老年学領域:スローエイジング)
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業においては、導入部とその展開に関する方法を工夫する中で、学生達が授業に興味・関心を持つことが出来るようにすると同時に、学生の長所を積極的に評価し、学生の意欲を引き出すための努力を行った。そのことがとりもなおさず、学生達が児童・生徒を指導する教育現場において、役立つことと考えた。
 今後ともさらに学生達の声に耳を傾けながら、時代に即した積極的授業改善を実施していく。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年10月『中国、日本大学生的老年人抚养意识探讨』中国人口学会論文集、北京大学人口研究所(中文)
A平成18年10月『Attitudes and Sense of Responsibility of University Students Toward their Aging Parents: Cross-cultural Study in Japan Korea』中国人口学会論文集、北京大学人口研究所 (英文)
B平成19年1月『30代〜60代の有配偶者女性の性交回数にかかわる要因の検討』、母性衛生、母性衛生学会(日文)
C平成19年3月 『Family, Community and Children's Well-being in Japan:The Effects of Parent-child Relationships and Parents' and Children's Connection with the Community on Children's Well-being』ARAHEJ(ARAHEジャーナル)、アジア地区家政学会(英文)
発】@平成19年3月ジェロントロジー国際総合会議Symposium Participantとして
 
国際研究プロジェクトへの参加状況
@「東北アジアにおける高齢者扶養と高齢者のウェルビーイング」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University、事務局:細江容子)
A「Cross-Cultural Studies on Family Life Education 」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University、事務局:細江容子)
B「学校教育におけるジェロントロジー教育」(Suh Hyekyung HALLYM UNIVERSITY, Yun Zhou BEIJIG UNIVERSITY, Hosoe Youko )
学会活動への参加状況等
@第16回家政学会家族関係学部会出席
A第2回中国人口学会出席
◎特色・強調点等
 国際比較調査等で高齢者扶養や介護の研究を行う中で、高齢者のウェルビーイングがコミュニィテー形成の在り方と深い関わりを持つとの認識にいたった。さらに、このコミュニュテー形成は子どもの社会力とも関係しており、子ども、高齢者のウェルビーイングに関する研究と、北東アジアの高齢社会における問題解決のための学校教育におけるジェロントロジー教育の研究をスタートさせたところである。これらの研究はまだ十分に研究が行われていない分野であり、調査・研究の結果が、社会に貢献できるとの強い認識を持っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市ケーブルテレビ公開講座、総合テーマ:スローエイジング『高齢者のサクセスフル・エイジングとスローエイジング』
A福島県高等学校経験者研修2 、『高等学校福祉科における指導と評価』
B新潟県労働協議会委員(新潟県)
◎社会への寄与等
 新潟県労働協議会公益委員として、県の労働問題(特に若年労働、女性労働)に積極的に関わった。
 

 
光 永 伸一郎(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 食物に関する講義と実験を担当した。すべての講義において,パワーポイントによるプレゼンテーション機能等を活用し,時間の有効利用を図るとともに,配布資料等のペーパーレス化にも努めた。学部授業においては,食物に関する基礎知識を確実に身につけることができるよう丁寧な解説を心がけたため,必要な場合は高等学校理科の内容についても言及した。また,必修科目の成績については,明確な評価基準を学生に説明した上で評価を行った。大学院授業では,食に関する話題性の高いテーマを取り上げることを重視し,その背景にある科学的根拠について平易な言い回しで解説した。いずれの担当科目についてもその内容を十分に検討した上で,シラバスを記載した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 卒業研究を指導した学部卒業生1名が,臨時採用された後,中学校家庭科教員採用試験に合格し,正採用となった。
研究指導
【観点1】学部
 学校教育現場においては食育の重要性が示唆されているため,卒業研究の題目は,食育に関するものとした。大学生の食育に対する理解度等を調査するとともに,食育に影響を与える諸々の因子についても検討を行った。
【観点2】大学院
 修士論文研究については,発芽玄米に関する生化学的研究を行った。健康食品として注目されている発芽玄米であるが,その中で生じているいくつかの生化学反応の生理的意義について,実験で得られたデータをもとに検討を加えた。自ら実験を行い正確なデータを得るという経験を通して,食に対する科学的理解が深まるとともに,世間に氾濫する食の情報を正確に見極める力も身につくと考える。
その他の教育活動
@新潟県立看護大学において,臨床栄養学の非常勤講師を務めた(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)。
A学部及び大学院の指導生が担当した教育実習(小学校)の研究授業を参観し,その様子をビデオ撮影するとともに,指導内容についての補助や助言を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 マスメディアにおける食に関する情報の在り方が問題視された1年であったため,特に,健康食品については,新聞記事等の一般情報の紹介にとどまることなく,十分な科学的根拠に基づく解説を心がけた。大学院の研究指導においては実験が中心であったが,その方法は特別な実験器具を必要とするものではなく,実際の学校教育現場でも簡単に再現でき,かつ学術的にも十分に意義のあるデータが得られるものを用いた。また,本年から,食育に関する実態調査も開始した。
 今後は調査項目を再検討するとともに,得られた結果を分析し,学校教育現場においても有効に活用していきたい考えである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成18年9月:『尿糖検査用試験紙を用いたソバ発芽種子におけるグルコース濃度の簡易測定−生化学的手法を用いた濃度測定との比較・検討を通して−』(共著)生物教育,第45巻,第3号,pp. 189-193
発】@平成19年3月:『発芽玄米における抗酸化ストレス成分の変動と食味の関連について』(共)日本農芸化学会平成19年度大会
他】@平成18年6月:『発芽玄米のなかでは何がおこっているのでしょうか(その3)芽が出た穀物を食べるという発想』(単著)社報やまざき,No.441,pp. 26-27
A平成18年5月:『発芽玄米のなかでは何がおこっているのでしょうか(その2)玄米にとってもホルモンは大切です』(単著)社報やまざき,No. 440,pp. 30-31
B平成18年4月:『発芽玄米のなかでは何がおこっているのでしょうか(その1)玄米もご飯を噛んでいるのです』(単著)社報やまざき,No. 439,pp.50-51
C平成18年8月:『「家庭科と栄養教諭の連携を考える」特別委員会報告』第20回日本教育大学協会,全国家庭科部門大会報告
学会活動への参加状況等
@8月21日〜22日:第20回日本教育大学協会,全国家庭科部門大会出席
国内外の学術賞の受賞状況
@10月3日:平成18年度研究助成(浦上食品・食文化振興財団)『非常食としての利用を目的とした各種スプラウトの成分分析』
◎特色・強調点等
 『尿糖検査用試験紙を用いたソバ発芽種子におけるグルコース濃度の簡易測定−生化学的手法を用いた濃度測定との比較・検討を通して―』においては,ソバ発芽種子に含まれるグルコースを,尿糖検査用試験紙を用いて簡便かつ正確に定量できる方法を開発した。ソバ種子と尿糖検査用試験紙は容易に購入できるため,本実験は学校教育現場における実験教材として,きわめて有効なものと考える。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@7月24,27日:平成18年度『附属中学校わくわく大学ウイーク』
A11月22日:『第46回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究発表会第6分科会』
◎社会への寄与等
 本学主催の『附属中学校わくわく大学ウイーク』において特別授業を実施した。テーマは『遺伝子の正体・DNAを見てみよう』。参加希望者が多かったため,2回に分けて実施することになった。また,『関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究発表会第6分科会』の新潟県大会の成功に向けてのリハーサル授業検討会に指導者として参加した。