【実技教育研究指導センター】
 

 
平 野 七 濤(教 授)
 
<教育活動>
授 業
ドイツ語コミュニケーション基礎T&U
 ドイツ語初学者に対して,ドイツ語特有の音声に注意を喚起させながら,ドイツ語の文の構造についての初歩段階での基礎的事項を徹底的に教授することを試みた。聴講生が2クラスで100人を超すという多人数の割には,ある程度きめ細かい指導が出来たと思う。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月:「ヘルダーリンの讃歌『ライン』について」(単著) 上越教育大学研究紀要第26巻 pp.87-101
学会活動への参加状況等
@6月3日〜4日:日本独文学会第60回総会・春季研究発表会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@5月〜7月:本学公開講座講師「ドイツの歌をうたおう」
A10月〜12月:本学公開講座講師「中級ドイツ語」
 

 
押 木 秀 樹(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 国語科書写の指導力のために、学習者中心型学習過程と学習内容の明確化という点を中心に教育をおこなっている。また、教師としての一般的な能力としての板書の文字などの向上にもつとめている。動作に関わる学習のため、視聴覚機器の使用やマルチメディア教材の作成により、学習効果を高める工夫を継続している。特に本年度は自学・自習等への対応のため、ビデオ教材のストリーミング配信による学習をスタートさせた。また評価に関して、学習物をポートフォリオ的にまとめることで、自己の学習過程を評価できる工夫を継続中である。
【観点2】教育の達成状況
 国語科書写の指導力として、授業の考え方については一定の学力を身につけていると考える。一方、実技能力と、教師としての一般的な能力としての板書の文字などについては、まだ十分といえる状況ではない。施設的にも人的にも厳しい状況ではあるが、効果的に学力を向上させる工夫をおこないたい。
 実技授業後の復習や実技を中心とする自習をおこなうための施設設備の不備についての指摘があるものの、その点を改善することができなかった。ただしこの点については、サークル活動である書道部の場を、積極的に活用するなどして、指導をおこなった点で効果が見られた。より積極的に継続していきたい。
研究指導
【観点1】学部
 書写(書道)教育研究の動向に加え、文字を書く研究領域について、書学等の伝統的領域からGraphonomicsなど現代的領域までを見据えた上で、学生の課題に対する指導をおこなった。ゼミでの専門領域の研究とともに、教育実習前の模擬授業などを継続しておこなっている。書道の領域に関しては、実物を直に見る機会を設けるなど、体験的部分についても留意した。
【観点2】大学院
 本年度は、中学校書写の問題が表面化したことなども踏まえ、中学校書写の実践的部分と、文字を書くことの意義などについて重点的に指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 書写教育研究のうち学習内容論については、他大学の先導的役割を果たしていると自己評価している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年3月 「書字における書きやすさの重要性と書字動作に関する基礎的研究」(共著) 書写書道教育研究 第21号
作】@平成18年7月 『心珠甚可保』 第45回書象展
A平成18年8月 『寒山詩より』第22回読売書法展
B平成19年3月 『李璧墓誌銘文』第68回謙慎書道展
発】@平成18年12月 「書写書道教育の課題としての手の動き・身体・パラランゲージ」/電子情報通信学会ヒューマン情報処理研究会等共催・手の研究会
他】@平成18年5月 「書写における学ぶこと・習うこと」(2)〜(6) 東書Eネット・教科の広場
A平成19年2月 「インターネットと書道の10年」/芸術新聞社『墨』
学会活動への参加状況等
@10月2-4日 日本教育大学協会全国書道部門会・全国大学書写書道教育学会・全国大学書道学会 愛知大会出席
A11月10日 全日本書写書道教育研究大会出席
B11月11日 書学書道史学会出席
C全国大学書写書道教育学会常任理事
◎特色・強調点等
 本年度は、問題となっている中学校書写と関わる書字動作と、文字を書くことの豊かさに関する研究発表をおこない成果を得た。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@13回東京都盲ろう養護学校書作展講師
A上越市学校教育研究会書写教育部会研修会講師
B新潟県書写書道教育研究会副会長
C石川県書写書道教育連盟顧問
 

 
市 川 真 澄(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部授業:「ブリッジ科目T(体育)」では,陸上運動,表現運動および基本の運動の3コースを設定し,受講者には各コースを順に受講させて体育科指導の基本的な心構えや考え方について導入的な指導を行った。冬季実践的授業科目である「スノースポーツ」では,スキーコースあるいはスノーボードコースのどちらかのコースを選択して基礎的滑走技術の習得をめざした。同時に,基本的な指導方法についても指導を行った。教科専門科目の「陸上競技」では,小学校および中学校における教科内容を中心に指導を行い,個々の種目について受講者個々の運動能力に応じた実技指導を実施した。「バイオメカニクス」では,運動種目の特性や原理について,主として力学的観点から講義を行うとともに,体験的な内容として運動時におけるキック力の測定や高速カメラによる運動フォームの撮影を行った。「野外運動A(スキー)」においては,スキーとスノーボードの2種目を必修とし,基礎技術の正しい理解と指導法の習得に重点をおいた。大学院授業:「運動方法学演習B(陸上競技)」では,運動をバイオメカニクス的観点から解析し,得られた結果をいかに実践に応用するかに観点をおいて指導を行った。「スポーツ生理学実験」では,運動中の生体情報の変化を測定する実験を中心として授業を行い,運動中の身体諸機能の変化の理解に重点をおいた。「バイオメカニクス特論」では,バイオメカニクス的な方法で得られた知見をいかに授業実践に活用するかに観点を置いて授業を行った。それぞれの授業では,シラバスにその内容を明記して事前に達成すべき目標を設定した。さらに,受講生全員がその目標を達成できるような指導を行い,実技テスト,筆記試験およびレポートにより適切かつ厳格な評価を行った。
研究指導
 各種の運動動作についてバイオメカニクス的手法を用いて解析し,実技授業実践に役立てるような研究指導を行った。学部:@バレーボールにおけるスパイク指導が体幹のひねり動作に与える効果,Aボールスピードに影響を及ぼすインサイドキック動作のバイオメカニクス的研究,Bバッティングにおけるインパクト時までのスウィング動作の一考察。大学院:バレーボールのオーバーハンドパス動作に関するバイオメカニクス的研究。これらの研究指導の結果,運動動作に関する新しい知見が得られ,指導実践への応用について考えることができた。
その他の教育活動
 名古屋工業大学において,「健康運動科学演習(スキー)」の非常勤講師を行い,スキーおよびスノーボード実技の指導を行った。また,名古屋リゾート&スポーツ専門学校において,「スポーツ生理学」および「スポーツバイオメカニクス」の講義を行った。学内では「教職講座W」の講師として,陸上運動および陸上競技の指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 実技系授業の指導においては,バイオメカニクス分野で得られた基礎的知見から,運動の基礎的構造を理解し,得られた知見をいかに授業実践および指導実践に生かすかという点に焦点をあてている。その結果,授業の展開の過程において,実技教材の本質的な部分についてより理解を深めることができたものと考えられる。今後は,さらにモバイル型提示装置等を用いて,視覚的に受講者に運動の様式やポイントを提示する方法を用いて授業実践を行い,その効果について定量的な評価を行う予定である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成18年9月:『立位姿勢動揺に対する評価指標の提案と検討』第19回日本バイオメカニクス学会大会
A平成18年11月:『立位姿勢動揺における制御性の検討』東海体育学会第54回大会
学会活動への参加状況等
@平成18年9月13日〜15日 第19回日本バイオメカニクス学会大会出席
A平成18年11月26日 東海体育学会第54回大会出席
◎特色・強調点等
 ヒトの平衡機能に関する研究を中心に行った。平衡機能(バランス)は,小学校期において顕著に発達する身体機能のひとつであり,運動時においても重要な身体的能力となる。本年度は,昨年に引き続き独自に提案した立位動揺軌跡の解析パラメータについて,従来のパラメータとの比較検討を行った。さらに,これらの評価パラメータを用いてバランストレーニングの実施効果について検討を開始した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@全日本スキー連盟教育本部ブロック技術員
A東海北陸ブロックスノーボード委員会委員
B愛知県スキー連盟教育本部専門委員
◎社会への寄与等
 日本陸上競技連盟A 級公認審判員として各種公認陸上競技大会の審判を行い,地域の陸上競技振興に寄与した。また,全日本スキー連盟教育本部ブロック技術員として,指導員研修会の講師として指導員および準指導員を指導してスノースポーツ界に寄与した。
 

 
山 本 茂 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 大学院のある授業では従来の内容を変更し、教育実践に直接結びつくよう授業を行った。課題に対して院生とじっくり研究し、理解を深めることができた。学生による授業評価アンケートにおいても好評を得た。
○成績評価法に関する取組状況
 複数教員担当の授業の代表者であるため、評価基準の統一に努力したが、学生の授業評価によるとあいまいであるとの指摘があり、次年度以降の課題としたい。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 2名の卒業生のうち1名は新潟県内の教育補助員となった。本学大学院にも合格していたが、本採用後現職教員派遣として再度受験したいとのことであった。もう1名は主婦・母として家庭に入った。二人とも卒業研究では立派な成績を収めた。
研究指導
【観点1】学部
 正しい音程、正しいリズム、美しい音、ふさわしい表現など、音楽実践の基本となる点に重点を置いて指導を行った。
【観点2】大学院
 2名のゼミ生は教師経験はないが、専門楽器の指導を依頼されて学校現場に多く足を運んでおり、その意味においては臨床経験は心配ないので、それを研究にうまく結びつけるよう意識して指導している。
その他の教育活動
@教職講座における実技指導
Aゼミ生の教育実習での研究授業の指導
B群馬大学、岐阜大学、上越教育大学管弦打楽器研究交流会
C吹奏楽団顧問として定期演奏会の指揮の他、日常的指導
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 今後も学生に対して真摯な姿勢で臨みたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成18年11月:アドヴァイスコンサートにおける演奏(本学講堂)
業】A平成18年4月:上越教育大学学生のための「音楽」(共著)実技教育研究指導センター(音楽教育分野)
学会活動への参加状況等
@平成18年5月:日本教育大学協会全国音楽部門大学部会第31回全国大会第4分科会における提案
◎特色・強調点等
 実技センター(音楽教育分野)が中心となって編集したブリッジ科目「音楽」用教科書により、同授業の充実が図られた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越文化会館指定管理者特別選定委員
A平成18年度新潟県教育職員免許法認定講習講師
Bアドヴァイスコンサートのアドヴァイザー
C上越市立谷浜小学校創立35周年記念音楽鑑賞会における指揮
◎社会への寄与等
 教育職員免許法認定講習の受講者から大変勉強になったとの感想をいただいた。
 

 
阿 部 亮太郎(助教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態、学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 実践場面の中で課題を発見する力の養成に重点を置くことを継続して行っている。時には模擬授業を取り入れながら、場面の見取りの能力の向上をはかっている。
 「楽曲分析A」(院)では、意味の生成のプロセスの解明が、即楽曲分析であるという今までの方針を踏襲した授業を行っているが、「言語化」を客観的な考察にだけとどめるのでなく、受講者自身の「批評」の性格を帯びた活動にまで範囲を拡げている。そのことによって「人間とは、このように音楽を言語化するのだ」ということが経験的に理解でき、また、たとえば正反対の感想にも関わらず実は近い体験をしていることなどが分析できる。このような「言語化」自体の理解があってはじめて、授業での子どもの言葉の理解につながると考えられる。
【観点2】教育の達成状況
 個別の授業では、臨床的(これは本来の「音楽的」と違わないはずだが)、実践的側面の理解促進につながることが多かったが、後述するように大学として実践場面の把握への取組を進めないと、最終的な達成は確認できない状況にある。
研究指導
【観点1】学部
 授業以外にも授業参観の機会を設けた(これは大学院も同じく)。
【観点2】大学院
 課題を絞るのは当然として、実践場面の課題はつねに横断的にあるので、その関わりを忘却せぬよう、院生の志向や水準に即して指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 検討課題は、やはり依然として、全学的に教員が学生の実践場面に触れる機会が不足しており、実際の実践場面の問題を把握する態勢ではないことである。そのため最終的な達成度も、教育的課題も、実は明らかになっていないと言えるので、早急に全学的にシステムを改善する必要がある。昨年度は労力の配分を見直すと書きながら、その不足している部分に、結局今年度もかなりの労力を割いたが、明らかに個人の限界を超えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成19年2月18日:《紙縒りをほぐす・小夜時雨》《寄せては返す・鳥曇り》(いずれもクラリネット・アンサンブル)西東京こもれびホール
A平成19年3月18日:旧作《吹奏楽のためのバラード》が、東京芸術劇場で演奏されCDに収録された。21世紀の吹奏楽“響宴”第10回演奏会
発】@平成18年5月:教大協全国音楽部門大学部会シンポジウム「大学音楽教員の業績評価を考える―音楽の教育研究はどのようにして評価されるべきか」パネリスト☆
A平成18年7月:『西洋音楽と他の音楽を同列に考えようとする際の注意点について』第4回日本音楽表現学会研究発表
他】@本学の卒業式用に、弦の低音部を欠いた小編成の管弦楽のために《蛍の光》を編曲した。
学会活動への参加状況等
 第4回日本音楽表現学会参加
◎特色・強調点等
@「表出」より、「意味」の生成の契機の探索を重視した創作を行っているが、本年は大きな成果を上げることができなかった。猛省し来年度にのぞみたい。
A限定された素材の展開と多層化を試み、それは総合的にもある程度の成功をおさめた。
B口頭発表やシンポジウムでは、いずれも自分の立ち位置そのものも批評の対象にするスタンスで、課題に取り組んだ。シンポジウムでは、教育大学の実践場面の把握の問題を、さまざまな他分野との比較(特に医療や医師養成)をしながら、専門家やその組織が、いかに社会の中で生きていくべきかを含め、多角的に論じた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
◎社会への寄与等
 できるだけ地域の授業研究会への参加、授業参観を行い、課題の発見の方法をともに模索した。
 

 
洞 谷 亜里佐(助教授)
 
<教育活動>
授 業
 「ものを見ること、対象と対話することからの写生描写」に重点をおき、写生による発見の楽しさや表現することの神髄に迫ることで自分らしさとは何か、という主観的な表現方法を模索していく授業の展開に心がけた。
 ブリッジ科目「図画工作」では、自然を観ることから、感じることから自分を探ることを試み、描く行為から絵画表現の可能性についての作品作りをしてみた。
 「表現・<子ども>の活動」は80人授業という大人数のためグループに分かれた指導を行い、学生同志での研究チェックを行うと共に、ティーチングアシスタントの協力により、個々の表現への助言に気を配ることができた。ここでは言葉以外のコミュニケーションの授業として様々な角度から身体を開放して自分を表現する活動を行った。
 「絵画表現」「伝統絵画と鑑賞」では、日本画、東洋絵画を精神性、表現技法、素材などの多方面からの分析を文献や作品を通して研究し、模写などで追体験をすることで、古典絵画を読み取ることを試みた。
 「日本画研究」では、日本画の素材研究と表現の可能性について自由制作の上で展開していった。
研究指導
【観点1】学部
 授業以外の積極的な日本画研究活動の成果として、平成18年10月荒井市展入選(1名・市展賞受賞)の学生指導をおこなう。
【観点2】大学院
 授業以外の積極的な日本画研究活動の成果として、妙高四季彩芸術展入選(1名・奨励賞)の学生指導をおこなう。
その他の教育活動
 課外クラブ茶道部越秋祭お茶会
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成18年4月:『入港』(変60号)第61回春の院展 名古屋松坂屋美術館
A平成18年4月:『メモリー』(8号)他2点 第2回ハナノキ会 上越大和ギャラリー
B平成18年5月:『時の扉』(F30号)第5回雄雄会 銀座松坂屋(名古屋)
C平成18年6月:『入港』(変60号)第61回春の院展 長野東急
D平成18年9月:『海へ』(変150号)再興第88回院展 東京都美術館 各地巡回
E平成18年10月:『日本海』(変150号)新潟の作家100人展 万代美術館
F平成19年1月:『おしゃぎり』(F50号)2007長湫会 日本橋高島屋 名古屋巡回
G平成19年2月:『春風』(F20号)うづら会 日本橋三越
発】@平成18年9月:『初等教育教員養成課程における図画工作カリキュラムー』(共)第45回大学美術教育学会発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年2月第47回新潟県児童生徒絵画コンクール審査員、高田花ロード審査員
A上越市美術展覧会運営副委員長
B小林古径記念美術館運営委員