第一章 組織の運営状況に関する自己点検・評価
 
1 年度のハイライト  
 
<教職大学院(専門職学位課程:教育実践高度化専攻)の設置認可>
平成19年6月27日,『上越教育大学大学院学校教育研究科教育実践高度化専攻(教職大学院)設置計画書』を文部科学大臣に提出し,大学設置・学校法人審議会の審査意見に基づく計画の補正を経て,平成20年4月1日付けで教育実践高度化専攻(教職大学院)を設置することが,正式に認められた。
また,同専攻に係る入学者選抜試験を,平成20年1月と3月に実施した。
 
<認証評価の受審>
学校教育法で定められた,教育研究の総合的な状況の評価である認証評価について,平成19年度に大学評価・学位授与機構の実施する機関別認証評価を受審した。
平成19年6月末に大学評価・学位授与機構に自己評価書を提出し,書面調査及び訪問調査を経て,平成20年3月27日付け通知書により,同機構が定める大学評価基準を満たしている旨の評価を受けた。なお,評価結果で改善を要する点として指摘のあった事項については,直ちに改善に向けた検討に着手した。
 
<競争的資金の採択>
本学の取組「即応力を育成する教職大学院教育課程の構築」(平成19年度・平成20年度)が,文部科学省の「専門職大学院等教育推進プログラム(専門職大学院GP)」に採択され,学校支援プロジェクト等を実施するとともに,その成果等をフォーラムで発表した。
また,本学が構成大学として参加している兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科における取組「学校教育実践学研究者・指導者の育成(教職大学院指導教員養成を視野に入れた体系的教育課程の構築)」(平成19年度〜平成21年度)が,文部科学省の「大学院教育改革支援プログラム(平成19年度新規事業)」に採択された。
 
<教員免許状更新講習コンソーシアム新潟の設立>
新潟県全域の教員免許状更新講習受講者に対応できる広域連携の実施体制を整え,講習の円滑な実施を目指して,平成20年2月5日に,本学を幹事校として県内の14の国私立大学・高等専門学校で構成する「教員免許状更新講習 コンソーシアム新潟」を立ち上げた。
 
<危機管理室及び広報室の設置>
本学の運営に影響を及ぼすおそれのあるあらゆる事象について,予測される危機に対する事前の予防,発生中の危機に対する防衛,事後の対策を通じて事象から及ぼされる影響を回避又は極力縮小させるとともに,それらを通じ危機管理対策の改善・強化を図るため危機管理室を設置した。
また,本学の広報戦略等の企画立案及び大学情報の発信・提供などの広報活動を積極的に推進するため広報室を設置した。
 
麻疹(はしか)の感染対策
教育実習先での麻疹感染拡大を防ぐとともに,教員採用試験等に万全を期すため,全学生及び40歳以下の職員(1,497人)並びに希望者(50人)を対象に,抗体検査及びワクチン接種を法人負担(平成20年2月以降の受検は個人負担)で実施(受診率は97.1%)し,その目的を達成した。
 
新潟県中越沖地震への対応
7月16日10時13分に上越市最大震度6弱の大地震が発生。本学防災マニュアルに基づき,直ちに学長をはじめ職員が登庁し,園児,児童,生徒,学生及び職員の安否確認並びに施設の安全確認及び被害状況調査等を実施した。
また,災害支援室を設置し,7月25日以降,被災地に所在する小学校及び児童クラブからの支援要請を受け,本学のバス等で延べ30日間,127人の教職員及び学生を現地へ派遣し,夏休み期間における児童の学習支援活動や校舎整理等を支援するとともに,新潟県教育庁スクールカウンセラーである大学教員は,カウセリングにより,子どもたちの心のケアを支援した。
その他,被災者への対応として,在学生の後期分授業料及び寄宿料免除,平成20年度入学者選抜試験受験者の検定料免除,平成20年度入学者の入学料及び授業料免除を実施した。