4 教育・研究組織等
 
(3) 学校教育学部
D フレンドシップ事業
ア 実施の状況
(ア) フレンドシップ事業実行委員会
 フレンドシップ事業実行委員会は,教員養成学部における教職を志す学生の教員としての実践的指導力育成に資するため,学生が種々の体験活動を通じて,子ども達とふれあい,子どもの気持ちや行動を理解できるような機会を設けることを目的に設置されている。
 年2回開催し,4月に年間計画の審議,2月に年間活動の反省と次年度の計画立てを行った。
(イ) 企画運営協議会
 企画運営協議会は,新潟県教育庁上越教育事務所社会教育課副参事,国立妙高青少年自然の家事業推進課長,同主任企画指導専門職,上越市教育委員会生涯学習推進課長,わくわくランドあらい運営委員会事務局長,新潟県青少年赤十字上越地区指導者協議会長(国府小学校長),国立乗鞍青少年交流の家事業推進課主任企画指導専門職,同企画指導専門職及び実行委員会委員で構成されている。
 年2回開催し,4月に年間計画,受け入れ事業の確認,人数調整,2月に年度の総括と次年度への要望事項等の意見交換及び参加学生の状況や成果についての意見交換を行った。
(ウ) 平成19年度実施事項
1) 「体験学習」
 「体験学習」は,勤労・生産・自然・物づくり体験の乏しい1年生に対して,教職を目指す上での意義ある基礎的体験を必修として位置付けている。教育活動創造のベースとなる体験活動10コースを設定し,経験の不足を補完するとともに,個性の伸長,得意分野の育成という意味から履修させている。教員29名が共同で展開し,履修記録簿からは「体で学ぶことの大切さと自らの経験の乏しさ,教職を目指して大学生活の中で求めて学ぶ必要性」等が記述され,アンケート調査でも90%の学生が充実した授業として極めて高い評価を得ている。学習を通して,学習素材研究,教材化の手法も学んできている。(平成19年度168名履修)
2) 「ボランティア体験」
 「ボランティア体験」は,企画運営協議会に参加している関係機関との連携の上に,年間不定期で社会・学校教育活動に学生がボランティアとして参加し,子ども達の指導補助に当たりながら,触れ合いと子ども理解を深めてきた。地域に根ざした大学の礎として定着してきた。何よりも素顔の子ども達と触れ合うことで,その後の教育実習に積極性が出てきた,子ども達との接し方が変容してきたなど,多くの成果が報告されている。
 「ボランティア体験」は,受入先からの要望でもある1人でも多くの学生が参加できるように平成19年度から学部1年次から履修できるようにした。
 また,子ども達向けの多様な活動を習得できること,時間を守る,子どもに親しみながらも注意すべき所はきちんと注意する,あいさつや言葉かけは大きい声でなど,社会性も培われ,学社連携の成果は極めて大きいものがある。(平成19年度40名履修し,単位修得22名)
3) 「学びのひろば」
 「学びのひろば」は,上記1)・2)の経験を土台に,学生達自身が企画・準備・運営する触れ合い活動である。平成14年度より年2回のイベント型活動から,年間を通した活動を視野に入れた継続型の活動「学びクラブ」に展開した。大学での触れ合い活動はキャンパスで5回,妙高青少年自然の家での2泊3日の活動(8月22〜24日)を展開した。地元児童の申し込みは定員を大幅に上回り,地域の期待は年々高まっている。学生達の企画力と実践力は,教員の指導の下,事業計画,細部計画,案内状の作成,名簿づくり,参加への通知など諸活動を通して,目を見張るほどに培われてきている。
・学びのひろば 学びクラブ 第1回5/26,第2回6/16,第3回7/14(大学説明会),第4回10/21,第5回12/1,第6回12/8(発表会),参加者各200〜300人
・学びのひろば 学びクラブイン妙高(第3回)(キッズクラブ除く7クラブ)8/22〜24,参加者152人
4) 「シンポジウム」
 「シンポジウム」は,12月15日(土)に開催し,卒業生の現職小・中学校教員4人を講師及び分科会アドバイザーとして招聘して行った。今年度は,「現場の声を聞き,1年間の学びの経験を自分の将来に結びつけよう」を全体の目的とした。活動後の振り返りを重視しているため,学生達は,子どもとの年間を通してのふれあいの中で,確かな子どもの変容,成長を確認し,その感動を具体的な事例に基づき意見交流が行われた。
イ 今後の検討課題等
 教員養成課程に子ども達と触れ合える場と機会が位置付けられることは,素晴らしいことであり,教職への確かな決意が生まれると共に,自己の課題が浮き彫りになる。今年度も,年間を通して,同じ子ども達との触れ合いが展開でき,より深い子ども理解につながった。
 2,3年次は授業が多く,4年次は卒論・教員採用試験とあわただしいが,引き続き子ども達と関わっていくようにしたい。
 また,引き続き子ども達と関わった学生達がそれを単なる経験に終わらせずに,経験と学問の統合を何処まで図っていけるかに今後の課題がある。
 体験学習は,昨年同様まとまった時間が必要で,週のコマ内で展開することは容易でなく,土曜・日曜・夏休み等の集中で展開せざるを得ないのが現状であり,開講するコース数の確保も課題となる。
 学びのひろば(学びクラブ)は,4年間を通じて子ども達と関わる触れ合い活動を,また,保護者との関わりも持ちたいという学生の要望に対応し今年度も発表会を行った。今後は学びクラブの活動内容の更なる充実と改善及び保護者とのより深い関わりを持つ活動に取り組む。