6 附属施設等
 
(2) 学校教育総合研究センター
@ センター
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
 学校教育総合研究センターは,学校及び地域社会と連携しながら,学校教育の実践に関する諸課題を把握し,本学教員,現職教員,学部・大学院学生及びその他の関係者と共同して,当該課題に関する臨床的・実践的・開発的研究を推進することによって,学校教育の改善,充実及び発展に寄与することを目的とする。また,学校教育総合研究センターは,教育 実践研究部門と教育開発研究部門の2つの部門で構成されており,教育実践研究部門には,情報教育研究分野,教師教育総合研究分野,教育臨床研究分野の3分野,教育開発研究部門は,学習環境開発研究分野,カリキュラム開発研究分野,大学教育開発研究分野の3分野で構成されている。
イ 運営・活動の状況
(ア) 研究関係
a 各部門における研究プロジェクト
【教育実践研究部門】
<情報教育研究分野>
・ 学校の情報化のための教育連携と教師の実践的知識を媒介とした大学講義の改善
<教師教育総合研究分野>
・ 日韓の相互理解をめざした教材開発研究−教員養成のためのガイドブック作成をめざしてV−
・ 社会認識を深めるための教材開発研究V−小中連携の在り方を中心に−
・ 上越教育大学スタンダード(仮称)作成に向けた基礎的研究−教育実習ルーブリックの作成を中心に−
・ 国語科教科書の活用術に関する実践的研究
【教育開発研究部門】
<学習環境開発研究分野>
・ 授業者としての大学教員の成長を支援する授業評価調査のあり方に関する研究−多人数を対象とした教育メディア関連授業におけるコミュニケーションカードを用いた授業改善の試み−
・ 遠隔教育システムでの活用を目的としたコンテンツ開発に関する基礎的研究動画及び静止画を中心とした教員のための教材製作及びインターネットを利用した配信システムに焦点化して
・ 授業映像記録に関するメタデータとVOD配信システムの開発
・ CMSを活用したカリキュラム開発と評価
b 地域貢献特別支援事業
・ 情報教育実践に関する指導力養成のための現職教員研修支援事業
c 他大学と共同で取り組む研究プロジェクト
・ SCSを用いた大学間遠隔共同講義のプログラム開発
・ 教員養成のためのモジュール型コア教材開発−大学連携による臨床・実践・IT領域e-Learning用教材の共同開発−
(イ) 教育活動
a 学部
教育情報基礎演習,教育情報応用演習,教育情報概論,学習臨床入門,学習臨床概論A,情報社会と情報倫理,データベース演習,情報ネットワーク演習,マルチメディア表現演習,情報科指導法(学習論),情報教育論,実践セミナーT・U「学習臨床」, 学習臨床セミナーT・U,教育実地研究T・TA・TB・U(授業基礎研究T)・U(授業基礎研究U)・V・[,体験学習,総合インターンシップ,ボランティア体験,人間教育学セミナー(教職の意義),臨床教育課程論,教職実践演習,韓国文化論,学習臨床概論B,初等国語科指導法,総合・生活科指導法,総合・生 活,教育情報概論, 教育工学,情報科指導法(授業論),マルチメディア教材製作演習,情報メディアの活用,情報教育セミナーT・U,実践セミナーT・U「情報教育」,教育情報統計分析演習,ネットワークコミュニケーション論,教育環境とインタフェース,マルチメディア表現演習,学習臨床セミナーT・U
b 大学院
情報教育特論,情報表現教育演習,実践場面分析演習T・U「学習臨床」,学習臨床研究セミナーT・U,教育工学特論,教育メディア特別演習,情報教育方法特論
(ウ) 事業関係
a 地域の学校・社会への支援事業
(a) シンポジウム
期 日 平成19年8月20日(月) 14:00〜17:00
会 場 上越教育大学学校教育総合研究センター
演 題 学力向上シンポジウム2007「今,求められる真の学力とは 〜改革期における教育活動創出への展望〜」
講演会講師
木まさき 横浜国立大学教育人間科学部 教授
シンポジスト
布川和彦 上越教育大学大学院学校教育研究科 教授
渡辺由紀 妙高市立斐太北小学校 教頭
田邊道行 糸魚川市立糸魚川小学校 教諭
泉 真理 上越市立高志小学校 教諭
松岡貴徳 上越市立大町小学校 教諭
コーディネーター
釜田 聡 上越教育大学学校教育総合研究センター 准教授
参加者 80名
(b) 情報教育の授業実践に関する現職教員研修セミナー
・初級1:「校内における教育の情報化推進のための現職教員交流会」 参加者 6名
平成19年8月29日(水)14:00〜17:00
・初級2:「ICT活用ワークショップ〜E-testingの実際と問題づくり〜」 参加者 60名
平成20年2月3日(土)10:40〜11:10(共催研修会のワークショップとして実施)
・中級:「情報教育勉強会−情報化コーディネータ試験三級合格を目標に−」 参加者 31名
第1回 平成19年5月11日(金)17:00〜19:00(ガイダンス)
第2回 平成19年5月12日(土)13:00〜15:00(ガイダンス)
第3回 平成19年5月19日(土)13:00〜15:00(技術編@)
第4回 平成19年5月25日(金)17:00〜19:00(技術編A)
第5回 平成19年6月2日(土)13:00〜15:00(学校編@)
第6回 平成19年6月8日(金)17:00〜19:00(学校編A)
第7回 平成19年6月23日(土)13:00〜15:00(反省会)
(c) 模擬授業連続セミナー「授業力アップ!」
第1回 平成19年5月12日(土) 10:00〜11:45 参加者 12名
第2回 平成19年6月16日(土) 10:00〜11:45 参加者 11名
第3回 平成19年7月21日(土) 10:00〜11:45 参加者 10名
第4回 平成19年8月8日(水) 10:00〜11:45 参加者 5名
第5回 平成19年9月1日(土) 10:00〜11:45 参加者 10名
(d) 上越地区視聴覚教育・情報教育研究発表会(上越地区広域視聴覚ライブラリーとの共催)
平成20年2月21日(木) 14:00〜16:45 参加者 40名
(e) 高齢者パソコン講習会(初級者対象)(上越地区広域視聴覚ライブラリーとの共催)
第1回 平成19年6月19日(火)〜22日(金) 4日間 9:00〜12:00 受講者 11名
第2回 平成19年7月10日(火)〜13日(金) 4日間 9:00〜12:00 受講者 7名
(f) 高齢者パソコン講習会(中級者対象)(上越地区広域視聴覚ライブラリーとの共催)
第1回 平成19年9月11日(火)〜14日(金) 4日間 9:00〜12:00 受講者 10名
第2回 平成19年9月25日(火)〜28日(金) 4日間 9:00〜12:00 受講者 11名
(g) デジカメ教室(上越地区広域視聴覚ライブラリーとの共催)
第1回 平成19年7月26日(木) 9:00〜16:00 受講者 11名
第2回 平成19年8月3日(金) 9:00〜16:00 受講者 10名
(h) ビデオ教室(上越地区広域視聴覚ライブラリーとの共催)
平成19年6月27日(水) 9:00〜16:00 受講者 5名
b 教育実践研究に関わる研究の推進
(a) 「教育実践研究」第18集の発行
c 教育実践研究発表会 
(a) 「教育実践研究」掲載論文の執筆者による実践研究発表(現場教師,大学院生及び学部学生の研修の場の提供)
期  日 平成19年8月9日(木) 参加者 103名
会  場 上越教育大学学校教育総合研究センター
発 表 会 10:30〜15:25
d 講演会等の実施
(a) 授業実践報告会
期  日 平成19年7月19日(木)
会  場 上越教育大学学校教育総合研究センター
テ ー マ 「移動型情報携帯端末(iPod)とIPTV(Global Door)を活用した授業実践報告」
講  師
久保田善彦 上越教育大学大学院学校教育研究科 准教授
黒坂俊介  夕張市立幌南小学校 教諭(IPTVによるオンライン参加)
田中哲也  上越市立城北中学校 教諭
名嘉村秀樹 石垣市立富野小中学校 教諭(IPTVによるオンライン参加)
清水英典  上越教育大学学校教育総合研究センター客員研究員(玉川大学 助教)
参 加 者 32名
(b) 日韓歴史教育コラボレーション研究会
期  日 平成20年2月16日(土)〜17日(日)
会  場 上越教育大学大宮サテライト
出 席 者 11名
金 恩淑 韓国教員大学校 教授
許 信恵 韓国教員大学校 講師
朴 宰用 韓国教員大学校 講師
李 明煕 公州大学校 副教授
具 蘭憙 韓国教育人的資源府
真島聖子 春日井市立山王小学校 教諭
二谷貞夫 上越教育大学名誉教授
梅野正信 上越教育大学学校教育総合研究センター客員研究員(鹿児島大学 教授)
泉  豊 上越教育大学附属小学校 教諭
鈴木克典 上越教育大学附属中学校 教諭
釜田 聡 上越教育大学学校教育総合研究センター 准教授
(c) 客員研究員講演会「情報教育および学校の情報化のための教育連携」
期  日 平成20年3月16日(日)
会  場 上越教育大学学校教育総合研究センター
講  師 益子典文 上越教育大学学校教育総合研究センター客員研究員(岐阜大学 准教授)
参 加 者 12名
e 附属学校との連携の推進・支援 
(a) 体験学習(1年次必修)
(b) 教育実地研究T「観察・参加」(1年次・免プロM1必修)
(c) 教育実地研究U(3年次前期必修)
(d) 総合インターンシップ
(e) 学校教育総合研究センターのプロジェクト研究への参画
(f) 附属学校への研究協力・研究指導等
(g) 附属学校のプロジェクト研究への参画
f フレンドシップ事業の推進
(a) 学びクラブ
g 施設・設備の利用サービス
(a) 保管する機器,教材,資料の貸出,閲覧
(b) 施設・設備の利用(ビデオ機器関係,コンピュータ関係)
(c) 公開講座,各種研究会,委員会及び会議等への施設・設備の利用
(d) エル・ネット(教育情報衛星通信ネットワーク)の利用
h 教育・研究関係資料の収集・整備充実及び開放
(a) 当センター発行の研究物との資料交換の推進
(b) 授業研究及び教育情報処理関係図書・雑誌等の整備
i 刊行物の発行等
(a) 学校教育総合研究センター要覧2007
(b) センターニュース15〜16
(c) 学校教育総合研究センター年報第7号(平成19年度版)
(d) 平成19年度客員研究員研究報告
(e) 教育実践研究第18集
(f) インターネットによる情報の公開(http://www.juen.ac.jp/educ/)
ウ 優れた点及び今後の検討課題等
 本年度,上越教育大学学校教育総合研究センターは専任教員7名,免P支援コーディネーター1名,センター長,事務職員(事務補佐員含む)2名の体制で臨んだ。
  学部学生に対する教育実践力の基礎の育成を強化する目的で,一昨年度より3年間の任期付で採用した准教授3名による教育活動に著しい成果が認められる。特に,本学学部生に対する教育の中核となる教育実習,並びに授業基礎研究の充実等に活躍し,本学教育の質的改善に大きな貢献をしている。また,今年度は免P支援コーディネーター(退職校長)がスタッフに加わったことから免許プログラム受講生の教育実習もより充実が図れた。また,本センターの実施する多くの事業は,とりわけ教育実践研究の質的向上を目指した公開講座や今日的な教育関心事である学力論に関わるシンポジウム,教員を対象とした教育実践研究発表の場は,極めて盛況であり,学校関係者や地域の要望に充分に応えていると認められる。
 センターの運営体制について幾つか課題がある。まず2つの柱の1つである教育実践部門に本学専任教授が不在のため,各種地域連携事業や教育実習校との連絡調整等に不十分さが残る。この点は早急な対応が望まれる。また,任期付き教員も含めて,この部門の教員に正当な理由のない本学の過剰な授業負担が目立ち,センター業務に支障をきたし始めている。センター業務関連以外の授業の適正負担を図ることが必要に迫られている。さらに,実習校との諸問題を責任を持って解決するためのシステムづくりも課題である。教育実習委員会やカリキュラム検討委員会,それにフレンドシップ事業にかかわる委員会等における責任体制が明確化されていないためにセンター教員に過剰な負担を強いていることも早急に解決を図らなければならない課題である。
 これらの課題は,当センターが大学と教育現場とを繋ぐ前線基地であり,教育実践研究を推進・支援する大学の実行機 関であるということからくる,学内評価の低さに起因している。それは,教育実践は理論的な基礎学の単なる応用などではなく,車の両輪のように質の異なる役割をもつものであるというコンセンサスが形成されていないということである。この点は将来に亘る重要で根本的な検討課題である。そのためにも先ずは,センターで実施しているさまざまな研究活動・教育活動・事業活動が本学職員に充分に理解をしてもらえる手だての工夫が喫緊の課題である。
A 運営委員会
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
@)組織設置の趣旨(目的)
委員会は,以下a〜dに掲げる事項を審議することを目的として設置されている。
a 学校教育総合研究センターの運営に関する事項
b 教育実践研究に関する事項
c 教育開発研究に関する事項
d その他学校教育総合研究センター長が必要と認めた事項
A)組織の構成及び構成員等
 組織は学校教育総合研究センター長,教育実践研究部門及び教育開発研究部門から選出された教授又は准教授(講師及び助教を含む),各部から選出された教授又は准教授,学長が指名した附属学校教頭,学務部長の計10名で構成されている。
 また,平成19年度第1回学校教育総合研究センター運営委員会で承認されている教育実践研究編集専門部会については,学校教育総合研究センター長,各部から選出された教授又は准教授,学長が指名した附属学校教頭,学校教育総合研究センター専任教員の14名で構成されている。
イ 運営・活動の状況
@)委員会等の開催状況
平成19年度は,2回開催し,次の事項について審議した。
・第1回(平成19年4月20日開催)
・第2回(平成20年3月18日開催)
A)審議された主な事項
・第1回(平成19年度研究活動計画,教育活動及び事業活動計画,教育実践研究編集専門部会の設置)
・第2回(平成19年度研究活動報告,教育活動報告及び事業活動報告)
B)重点的に取組んだ課題や改善事項及び前年度の検討課題への取組状況等
 運営委員会では学校教育総合研究センターの提案する,全学的な視点に立った「研究プロジェクト」・「地域貢献特別支援事業」・「シンポジウム」・「セミナー」等の活動計画を年度当初に本センターの設立の趣旨・目的に照らし合わせて審議するとともに,年度末にはその成果について発行予定の報告書原稿にもとづき報告と意見聴取を行っている。今年度の活動成果は,学校現場等の社会的ニーズにそった,相応しい内容となっていると評価された。 なお,会議の議事進行の内容や審議のあり方については,若干検討する余地がある。本センターが取り組んだ研究,教育,事業に関わる膨大な量の報告に関して時間がかかりすぎるという点と,議事設定の仕方についてそれは単なる報告か審議かが曖昧な部分があるという点などを十分反省がなされ,実質的な審議を目指した効率のよい議事進行が望まれる。