【学習臨床講座】
 

 
朝 倉 啓 爾(教 授)
 
〈教育活動〉 
@授 業
(1)大学院授業科目「学習と相互行為特論」では,平成16年度以来,学校種・担当教科の異なる受講生に各人が最も得意とする1単位時間分の模擬授業を行わせ,それらを相互行為の視点から分析して実践的に学び合う授業を行ってきている。平成19年度は,受講生が24名だったことから,彼らを8つのグループに編成して各グループ内の相互行為を視野に入れた授業を構成した。
(2)学部授業科目「社会科学習過程論」において,受講生が小学校での教育実習経験直後の学部3年生であることを踏まえ,小学校5年生の工業学習を取り上げ,上越市内にある「武蔵野酒造」の工場見学を実施し,その体験を生かした単元の指導計画の立案に取り組ませ,社会科における作業的・体験的な学習の意義や方法について考察させた。
(3)学部授業科目「学習場面観察基礎」において,上越市立東本町小学校の協力を得て,第4学年社会科授業「くらしと土地の様子」を見学するとともに,それに関する討論を行い,小学校社会科の学習指導法等についての理解を深めさせた。
(4)学部授業科目「学習臨床概論A」において,「子どもたちの学習過程を重視した授業づくりと評価の工夫−社会科の事例を通して−」というテーマで授業を行った。具体的には,地球表面上の2地点間の方位の関係に関する質問紙調査を実施し,受講生の素朴概念をとらえた上で,それを科学的概念に変容させるための地球儀を用いた作業的な学習に取り組ませることにより,地理学習に対する関心を高めるとともに,指導と評価の一体化を図る方途について考察させた。
A研究指導
(1)大学院2年生(免P)3名に対しては,修士論文の作成のために,各人の興味・関心の所在を明確にさせながら研究課題を絞り込ませた。その上で,1)先行研究の収集・分析,学習指導要領及び教科書の分析,学校教育現場における授業記録の収集・分析を行い,従前の学習指導の問題点を明らかにする。2)その問題点を克服するための単元及び学習指導案を作成しする。3)可能な場合には,それを学校教育現場で試行して,その結果を検討することなど,修士論文作成のため道筋について指導し,具体的な研究計画の作成に取り組ませた。
(2)学部4年生1名に対しては,卒業研究論文「小学校社会第5学年の工業学習に関する研究−見学学習を取り入れた単元構成と授業づくりの提案−」の作成のために,学習指導要領及び教科書の分析を通して標準的な学習指導を実施した場合の問題点を摘出させ,その問題点を克服するために,身近な地域にある工場の見学学習を取り入れた単元の構成と授業づくりを行わせ,それらを論文にまとめさせた。
(3)大学院1年生(免P)1名と学部3年生に対しては,ゼミ生の希望を取り入れながら,社会科教育に関する著書・論文の講読,社会科授業の見学とそれに関する討議,教育実習等の学習指導案の検討,地域調査(大学周辺),映画鑑賞(マリと子犬の物語)などの活動を行い,社会科教師となるために必要な実践的諸能力の育成に努めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 @の大学院授業科目「学習と相互行為特論」では,参加型の授業とすることで受講生の学習意欲と実践的な指導力を高めることができた。また,布川教授とのTTにより受講生の模擬授業に対して相互行為の視点から効果的な指導を行うことができた。学部授業科目「社会科学習過程論」では,武蔵野酒造の見学学習を実施した結果,受講生の「社会科は暗記科目でつまらない教科」という教科イメージを修正することができた。学部授業科目「学習 臨床概論A」では,日常生活の中で形成される方位の関係に関する素朴概念を科学的概念に変容させる作業的な学習に取り組ませた結果,受講生の地理学習に対する関心を高めるとともに,社会科においても生徒の素朴概念を梃子とすることで効果的な学習が成立することを理解させることができた。学部授業科目「学習場面観察基礎」では,授業担当教諭に見学後の学生の感想や質問を送り,それらに関する回答をしてもらうことにより,授業づくりや学級経営に取り組んでいる現職教員の真摯な姿を伝えることができた。Aの研究指導のうち,大学院1年生(免P)と学部3年生に対しては,社会科教育に関する既有知識が少ないことを考慮して,本年度もできるだけ幅広いアプローチをするよう心掛けた。
 
〈研究活動〉
@研究成果の発表状況
論】(1)平成19年6月:「社会科教育の現代化−大手町小学校の実践を中心に−」(共著)『「上越教師の会」の研究』所収,pp.99〜120,学文社
(2)平成19年10月:「等速直線運動に関する科学的概念を獲得させる教材の実証的研究」(共著)「臨床教科教育学会誌」第7巻第2号,pp 1〜9,臨床教科教育学会
(3)平成19年11月:「“地理的分野の授業”の成立条件とそれらを踏まえた授業づくりの試み」(共著)『地域と地理教育』所収,pp.37〜51,協同出版
発】(1)平成19年8月:新潟県教育センター主催の平成18年度教職12年経験者研修「学習指導(地歴公民)コース」において「中学校社会科の変化−地理的分野を中心に−」というテーマで講義
(2)平成19年11月:JCV公開講座「上越偉人伝2 川上善兵衛−日本のワインブドウの父−」というテーマで講演
A共同研究の実施状況
(1)平成18年度〜平成19年度上越教育大学研究プロジェクト「公立中学校における生徒の学力向上のための取組に対する臨床的支援プロジェクト」代表者:朝倉啓爾(上越教育大学)
(2)平成19年度学校支援プロジェクト「上越市立高士小学校における生活科・総合的な学習『善兵衛学習』の取組に対する臨床的支援」
B学会活動への参加状況
(1)平成19年10月7日〜8日:日本社会科教育学会(埼玉大学)出席
◎特色・強調点等
 @の「社会科教育の現代化−大手町小学校の実践を中心に−」は,1960年代,いわゆる“教育の現代化”が全国的な広がりをみせた時期における上越教師の会による社会科実践のうち,江口武正氏が大手町小学校に研究主任として在籍した時期のものを取り上げて,その概要や特質などをとらえたものである。その結果,1)児童に科学的な社会認識を得させる上で典型的事実に基づくイメージ形成を重視している,2)児童の発達段階を踏まえた作業的・体験的な学習を取り入れている,3)“教材の論理”と子どもの“生活の論理”の二つを視野に入れながら,静的な教材構造を動的な学習過程に組み直したり,学習指導における思考発展の筋道に照らし合わせて発問を練り上げたりしているなど,今日の社会科教師たちが授業を構成する上で学ぶべき点が数多くあることを示したという点で優れたものということができる。また,「“地理的分野の授業”の成立条件とそれらを踏まえた授業づくりの試み」は,今日の中学校社会科教育の現場にあっては“地理的分野の授業”が必ずしも成立していないのではないかとの問題意識に立脚して,平成10年度版学習指導要領に基づいて,その成立条件について検討するとともに,そこで摘出された条件を踏まえた学習指導案の例を紹介したものである。その結果,1)地理的分野の目標を再確認し,「広い視野に立った国土認識」を養うことと「地理的な見方や考え方」を培うことの二つに留意して授業を構成する必要があること,2)「地理的な見方や考え方」の理解にあたっては,“地理的事象”と“環境条件”という二つの概念を的確にとらえ,授業づくりに反映させることがポイントとなることなどをわかりやすく示したという点で優れたものということができる。
 また,Aの「公立中学校における生徒の学力向上のための取組に対する臨床的支援プロジェクト」は,石川県羽咋市立邑知中学校と長野県長野市立櫻が岡中学校において,中学校教師と学習臨床講座所属の教員5名とが協同して国・社・数・理・英の5教科の指導と評価の改善に当たったものである。このうち,羽咋市の公立中学校が取り組んだ文部科学省「学力向上拠点形成事業」に対する支援の内容は,各教科の指導に“誤答分析”と“教科相談 ”の二つの導入を図ったもので,それらがPDCAサイクルを実質的に稼働させ,生徒の学力を安定的に向上させるシステムを構築するとともに,学校現場における様々な教育活動を活性化させる上でも効果のあることを実証したという点で極めて優れたものといえる。また,「上越市立高士小学校における生活科・総合的な学習『善兵衛学習』の取組に対する臨床的支援」では,地域素材を生かした「生活科」「総合的な学習の時間」の取組が,学校と地域社会との連携を強化し,学校における教科学習をはじめとする様々な教育活動を相乗効果的に活性化させることを実証した(新潟日報社等による「特色ある教育実践校・園」“優良賞”受賞)という点で極めて優れている。
 
〈社会との連携〉
@社会的活動状況
(1)日本地理学会地理教育専門委員会委員
(2)石川県羽咋市邑知中学校(文部科学省研究指定校)における「学力向上拠点形成事業」の指導講師
(3)埼玉県高等学校学力向上拠点形成事業学力向上推進協議会委員
(4)上越市学校適正配置審議委員会委員
(5)上越環境科学センター,エコアクション21地域運営委員会委員長及び判定委員会委員長
◎社会への寄与等
 石川県羽咋市立邑知中学校における「学力向上拠点形成事業」に対する指導・助言により,当該中学校の生徒の学力に顕著な伸びがみられ,併せて生徒会活動等の活性化が図られるとともに,それを安定的に実現するシステムを構築した。平成19年度は,10月4日に実施された研究発表会および実践研究報告書の刊行を通して,その成果を広く社会に公開した。
 

 
川 村 知 行(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
つねに現場フィ−ルドを対象とするので、学部・院のいずれも、教室ではスライド、パワーポイントを必ず使い、学外では大学近郊の地域素材を活用している。たとえば、大学にもっとも至近な地域素材は春日山城跡(史跡名勝)である。通常なら自動車道で駐車場まで行って、歩く所を、手前の上越市埋蔵文化財センターから、旧道である大手道を発見させ、本来の進入路から旧道にある施設に気づきながら学習するスタイルを採ることで、学習効果が多角的に向上させることができた。ただし、野外活動は天候に左右されやすいため、時期をシラバス上で特定できず、また、時間を要するため、土・日を使うこともあるため、説明不足であったことは否めないので、今後の改善に努めたい。レポート提出による成績評価を採っているが、学内外の実践指導の成果を生かすことを目標にしているので、説明責任が不十分だったことも反省点である。
【観点2】教育の達成状況
学部生1人は神奈川県小学校に採用された。大学院生3人のうち、1人は京都府小学校に本採用、2人は臨時採用された。総合学習等の指導的な役割を担うことになっている。なお一層の進路指導の達成に努めたい。
研究指導
【観点1】学部
今年度の卒業研究の4年生は1人、出身地域をフィールドにした総合学習の開発だったので、地域の素材研究と、地元学校の実践を調査させ、その成果を逐次ゼミで報告を受けた。現職教員を含めたゼミ生全員で先行実践例をあげながら、教材開発に当たった。
【観点2】大学院(修士課程)
今年度は総合学習分野3人の修士論文指導に当たった。学部の指導ではできなかったが、フィールドとして選択した地域に同行して、地域の素材研究の現場と学校を調査し、地域密着型の総合学習を臨床的に開発する努力を試みた。
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市文化財調査審議委員(上越市教育委員会)
A會津八一記念館評議会委員(新潟市會津八一記念館)
B加茂市史編集委員(新潟県加茂市教育委員会)
C醍醐寺文化財研究所研究員(京都市伏見区 総本山醍醐寺)
D10月:本学公開講座講師「越の文化を探るIX」
E11月:上越市立富岡小学校出前講座講師「文化財から国分寺、上杉氏の謎を探る」
社会への寄与
文化財の調査・保護について、新潟県内外の審議会委員等として文化政策にかかわった。とりわけ教育委員会からの依頼については、単に学識経験者としての政策形成だけではなく、成果を教育現場で活用してもらえるように働きかけている。その結果、新潟市の小学校が會津八一記念館を総合学習の一貫として利用し、学芸員と学校教諭の間に博学連携が一部ながら実現できた。
 

 
中 野 靖 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
学部:教育情報基礎演習(1年次)に関しては,課題解決に重点を置くこととした。授業開始時には授業計画,評価方法を示し,学習への取り組みや計画を立てやすくした。教材の資料を充実しコンピュータの演示により教育の改善を行った。また,「新・情報教育に関する手引き」を印刷させ,情報教育の目標と身に付いた力量,教科等の利用について教師あるいは自分がどのような力量形成を行うべきかレポート提出とプレゼンテーションをさせ,情報教育を理解できるよう配慮した。高等学校「情報」に関する新設科目の目的,内容構成を検討し授業を実践した。実務についたときに役立つことを重点とした。
大学院修士課程:教育情報学特論では院生が研究に取り組むための導入教育として,これまでの研究成果をもとに情報教育における研究手法について授業を展開した。シラバスの内容に加え情報や教育の話題を提供した。授業評価も可とする学生が多かった。
研究指導
大学院博士課程:フレックスタイムによる指導を行った。日数はのべ19日間。投稿論文は学術論文に掲載され博士論文認定試験に合格した。
大学院修士課程:研究セミナーにおいて,論文の文脈,教育情報の処理方法について指導した。
◎特色のある点等
(1)学部の授業に関しては他教科で応用できるよう汎用性のある課題を設定している。
(2)研究指導は時間をかけ議論を行いより質の高い論文作成をめざしている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@米国の個別教育計画におけるアシスティブ・テクノロジー採択の方法と課題(共)
学会活動への参加状況
平成19年11月10日,11日:日本教育実践学会第10回大会
 第10回大会委員長として大会を運営。修士課程の院生に発表の機会を設け,研究を公開し外部の研究者からの指導・助言を受けられるよう配慮した。
◎特色・強調点等
コンピュータ使用時の学習者特性を継続的に研究している。同様の研究を進めている研究者は少ない。情報教育は国の重点目標に掲げられ,教育は実践段階に進んできたがコンピュータと相対する学習者特性を解明することは不可欠であり,研究成果は他の研究及び教育実践に寄与できる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本教育実践学会監事
◎社会への寄与
学会活動を推進させることにより,実践学研究の方向性を示し,論文の作成の機会が多くなるよう配慮した。教育実践の工夫,評価に寄与する。
 

 
西 川   純(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 出来るだけ,対話を重視した講義を心がけている。
○成績評価法に関する取組状況
 かなり高度なテーマのレポートを課している。授業における内容を,自らのものとしているか否かを総合的に判断できる方法であると考えている。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 学卒院生及び,学部卒業生は,いずれも教職に就くか,教職に就くための大学院に進学している。このことは,本研究室の文化が,教師に対する指向性を高めるものであることを証するものである。さらに,公立学校への正式採用率の高さは,本研究室での指導が教育実践に寄与するものであることを証するものである。
研究指導
【観点1】学部 及び 【観点2】大学院
 基本的に,学部及び大学院を合同にして,ゼミナール全体としての指導体制をとっている。その成果は,後述の研究成果に現れるとおりである。
その他の教育活動
その他の教育活動に関しては,後述の社会貢献に適した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
学術書】@西川純(2007.10):学び合う国語(編著),全134頁,東洋館出版社
論】@水落芳明 久保田善彦 西川純(2007.6):実験の目的と方法を共有化することによる実験の効率化に関する研究−小学校6年理科「電磁石のはたらき」における実践を通して−,日本教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(1),39-48
A市川寛,久保田善彦,西川純(2007.6):小学校算数科における自由な相互作用と学力向上に関する研究,協同と教育,日本協同教育学会,3,10-20
B栗田裕子,水落芳明,久保田善彦,西川純(2007.9):学習者同士の相互作用による体育授業の展開と評価,小学校6年生の「バスケットボール」の単元から,日本教科教育学会誌,日本教科教育学会,30,57-64
C清水畑真帆,西川純(2007.10):意見の言いやすさに関する研究,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),11-20
D滝口裕,西川純(2007.10):話し合いを活発にする要因についての研究,特に発話数に着目して,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),27-38
E竹井竜児,西川純(2007.10):学生と現職教員の保護者に対する印象とかかわり方に関する研究,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),39-50
F武内佳那恵(2007.10):子どもへの接し方に関する研究,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),51-62
G後藤正英,久保田善彦,西川純(2007.10):課題選択学習における子どもの単元構成に関する研究,理科の教育(投稿分野),日本理科教育学会,56(10),65-68
H久保田善彦,水落芳明,西川純,戸北凱惟(2007.10):理科授業における実験班と教師のかかわりに関する事例的研究,学びの文脈と教えの文脈との関連から,教育実践学研究,日本教育実践学会,9(1),1-8
I坂野智之,西川純(2008.2):教員同士の『学び合い』に関する研究,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),11-30
J岩崎大樹,水落芳明,西川純(2008.2):『学び合い』授業における学習者の意識と行動,教師の『学び合い』への不安をもとに,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),41-56
K橋下杏子,水落芳明,西川純(2008.2):子どもたちの相互行為を生かした道徳学数に関する事例的研究,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),71-82
L福留明子,西川純(2008.2):小学校1年生における子どもの相互作用を生かした学習について,『学び合い』による学校探検の教科書作りを通して,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),89-106
M松井祥子,水落芳明,西川純(2008.2):授業時間外における『学び合い』の広がり,T教諭の事例における給食・清掃の時間に着目して,臨床教科教科教育学研究,日本臨床教科教育学会,8(1),115-126
N桐生徹,久保田善彦,西川純(2008.3):中学生が教師役となる理科授業とその授業検討会,理科教育学研究日本理科教育学会,48(3),57-66
O神崎弘範,西川純,久保田善彦(2008.3):理科の授業における導入の在り方に関する一考察,「導入工夫型授業」と「導入短縮型授業」の比較から,日本教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(4),19-28
P水落芳明,小日向文人,久保田善彦,西川純(2008.3):発達障害を持つ学習者のいる学級における「学び合い」の事例的研究,日本教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(4),39-48
業】@西川純(2007.6):ネット時代で必要な能力は?,楽しい理科授業,No.490,7
A西川純(2007.7):授業における評価,理科の教育,No.660,38-41
B西川純(2007.11):「生命の連続性」を押さえる発問のヒント,楽しい理科授業,No.495,44
C西川純(2007.12):誰が?誰を?,楽しい理科授業,No.496,6
共同研究の実施状況
@兵庫博士課程連合プロジェクトに参加
学会活動への参加状況等
 日本学校教育学会,日本理科教育学会,日本教科教育学会へ研究指導活動の一環として参加し,ゼミ生を発表させた。
◎特色・強調点等
上記に示されるように,研究業績はトップレベルである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年5月11日 楠葉中学校講演会 大阪府枚方市
A平成19年5月26日 学び合いセミナー講演 埼玉県本庄市
B平成19年7月25日 八幡小学校講演会 群馬県高崎市
C平成19年7月26日 青森県東部北上・小中学校教科研修協議会 青森県三沢市
D平成19年8月2日 小牧市主任研修会講演会 愛知県小牧市
E平成19年8月8日 長野県教育センター10年経験者研修講演 長野県塩尻市
F平成19年8月9日 鶯沢小学校講演会 宮城県栗原市
G平成19年9月26日 公孫会高田支部特別研修会講演 新潟県上越市
H平成19年10月13日 学び合いセミナー講演 長野県長野市
I平成19年10月20日 教育大学協会講演 福井県福井市
J平成19年11月2日 小中一貫教育シンポジウム 愛知県
K平成19年11月21日 群馬県総合教育センター新任研究主任研修講演 群馬県伊勢崎市
L平成19年12月1日 ときわ年次会「道志の会」講演 新潟県新潟市
M平成20年1月18日 文科省学力向上拠点形成事業講演 大阪府枚方市
N平成20年1月19日 異学年学習講演 愛知県刈谷市
O平成20年2月2日 「明日の教室」講演 京都市
P平成20年2月22日 豊里小中学校講演 宮城県登米市
Q平成20年2月23日 『学び合い』の会 群馬県高崎市
R平成20年2月27日 阿賀野高校講演 新潟県阿賀野市
S平成20年3月5日 大泉北小学校講演
◎社会への寄与等
 上記は,予算的処置を伴った依頼のみを記した。その特徴は,県内以上に県外からの依頼が多い。研究室活動の成果が全国的に評価されていることが示されている。
 

 
布 川 和 彦(教 授)
 
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部では,「解析学と探究過程」の授業では,入手しやすいエクセルを利用しながら,微積分のアイデアを体感できるような講義を工夫した。「数学学習過程論」では,実際の中学校等で扱われた教材を学生にも体験してもらうことで,生徒の視点から数学の学習を考えるという,学習臨床的な視点が得られやすいよう考慮した。いずれの講義でも毎時間,学生が取り組む課題を設定することで,学生の能動的な学習を促すとともに,授業への取り組み状況を評価できるようにした。
【観点2】教育の達成状況
 「学習臨床学特論」では,学習臨床の基本的な手法を経験できるよう,3名ずつの小グループに分かれた上で実際に授業を記録したビデオデータの分析・考察を行わせた。ビデオ機材が足りない部分については,データをDVDで用意し,受講者にノートパソコンを持参してもらうことで補った。こうしたやり方により,各受講者が学習臨床の手法を経験しやすくなった。「算数・数学学習過程特論」でも,本年度はノートコンピュータを持参させ,実際の数学の授業でも利用できそうなフリーソフトを用いて活動する課題を取り入れた。ソフトを利用して課題に取り組むことで,授業に有効なソフトウェアやその利用方法を知ると同時に,ソフトを利用したときの学習過程を学習臨床的に考察する経験を提供することを可能とした。
研究指導
【観点1】学部
 3名の学生について卒業研究の指導を行った。研究では,学生の教育実習及びインターンシップでの経験を生かすことを考え,実習で行った授業で観察された児童・生徒の様子や授業で子どもたちが取り組んだワークシートの分析を行ったり,インターンシップで参加させて頂いた授業での児童・生徒の様子の分析を行ったりした。そこで得られた分析結果を,先行研究と関連付けながら,各学生の問題意識に関わる知見が得られるように配慮した。
【観点2】大学院
 4名の大学院生について修士論文作成のための指導を行った。4名とも,実際の児童・生徒の学習過程,あるいは学校における授業の記録についての分析・考察を基礎データとして研究を進めた。こうした学習や授業の様子を,学習臨床的な視点で吟味する力を院生に育成するため,院生が作成した基礎資料やそれについての分析・考察を,セミナーにおいて教員を含む全参加者で討議するということをほぼ1年間繰り返すようにした。その研究の成果の一部をまとめ,日本数学教育学会論文発表会の発表論文として投稿したが,審査を経て4名とも研究論文の枠で採択された。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生,大学院生のノートパソコンの所有を前提とできるような状況になり,本年度は受講者からパソコンを持参してもらう形で講義・演習を組むことができた。それにより,小グループでのビデオ記録の分析・考察の演習や,受講者個々でのソフトウェアを利用した数学的探究の経験などが可能となり,学習臨床的な視点の育成に効果があったものと考えられる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】@平成19年8月:『知識への誠実さと学習者への誠実さ:小学校3年生での説明を例として』(単著)新しい算数研究 No.439 pp. 32-33
A平成19年12月:『問題解決の見通しと問題場面への働きかけ』(単著)楽しい算数の授業 第22巻第12 号 pp. 4-6
B平成19年12月:『算数・数学の学習の地下水脈』 長岡算数・数学の教科書を読む会研究のまとめ 第4集 pp. 7-10
発】@平成19年11月:日本教育実践学会シンポジウム・シンポジスト
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@比例的表象を生かした小学校の割合の授業についての学習過程臨床的研究 代表者:布川和彦 上越教育大学学内プロジェクト
学会活動への参加状況
@11月3日〜4日:日本数学教育学会論文発表会出席
A平成19年度日本数学教育学会資料部幹事
B雑誌『Educational Studies in Mathematics』(Springer)Editorial Board
◎特色・強調点等
 学内プロジェクト研究では,他講座教員及び附属小学校教諭との共同で研究を行い,今年度は算数の1単元について授業を構成し,実施をした。その枠組みについては大学と学校との連携の1例として日本教育実践学会のシンポジウムで紹介し,また成果の一部は3月に実施された上越教育大学研究プロジェクトシンポジウムにおいて発表した。また,8月に学校教育総合研究センターで行われた学力向上シンポジウムの基調提案や地元の研究会の紀要へ寄稿する際の基礎的知見となるなど,地元貢献につながるものともなっている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県小学校教育研究会学習指導改善調査スーパーバイザー
A5月:羽咋市立邑知中学校校内研修会助言者
B7月:氷見市立湖南小学校校内研修会講師
C8月:館林市夏季教職員研修会講師(『算数・数学における学習指導の改善について』を講演)
D8月:新潟県立教育センター12年経験者研修講師(『今求められる学力と学習指導の改善』を講演)
E8月:長岡 算数・数学の教科書を読む会例会講師(『子どものつまずきと算数・数学教育の改善』を講演)
F8月:長野市中学校教科研究会講師(『子どもの実態を生かした指導の工夫』を講演)
G8月:上越教育大学学校教育総合研究センター学力向上シンポジウム基調提案者(『学力向上を目指した算数教育』を講演)
H9月:新潟市立総合教育センター「問題解決力を高める算数・数学の授業」研修講師 
I10月:羽咋市立邑知中学校学力向上拠点形成事業研究発表会助言者
J10月:氷見市立湖南小学校学力向上拠点形成事業研究発表会講師(『算数の授業におけるかかわり合いと子供の学習』を講演)
K10月:軽井沢町立軽井沢東部小学校算数授業研究会講師(『子どもたちの表現と教師の支援』を講演)
L11月:上越数学教育研究会新井大会助言者
M11月:長野市立櫻ヶ丘中学校教科授業研究会助言者
N11月:見附市立新潟小学校校内研修会講師(『子どもたちの表現と算数の知識の活用』を講演)
O2月:上越市立大町小学校中間発表会講師
P2月:見附市立新潟小学校校内研修会講師(『算数における表現と思考』を講演)
Q2月:上越尚数会研究会助言者
R3月:上越教育大学学内プロジェクトシンポジウムシンポジスト(『小学校中学年における比例的推論育成のための学習活動系列に関する学習過程臨床的研究 』を発表)
◎社会への寄与等
 算数・数学の学習に関わり小中学校の先生方に情報を提供してきた。最近の動きと関わり19年度は学力及び表現といった内容に関わる依頼が多かったが,研究と地元貢献の一体化を意識し,学内プロジェクトなどの成果を踏まえながら,こうした問題にも学習臨床の視点からの見解をお示しするようにつとめた。
 

 
藤 岡 達 也(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法及び成績評価面では,FDによる学生の評価を反映した授業の構成に取り組んだ。学校教育や教員を取り巻く変化が著しい今日,これからの時代のニーズに応える新たな資料の提供や最新のデータに基づいた授業方法を適宜取り入れた。 
【観点2】教育の達成状況
 大学院生6名(内留学生3名),学部生1名を修了・卒業させた。大学院3名を公立中学校,公立小学校採用試験に合格し採用され,私立高校に1名採用された。また,留学生3名も民間企業就職2名,進学2名に,学部生も臨時教員に採用された。 
研究指導
【観点1】学部
 学生の個別指導については,学校と社会教育施設との連携による自然体験活動の意義と課題など,4年生1名,3年生1名の卒業論文指導を行った。 
【観点2】大学院
 大学院生の個別指導については,学校教育における環境教育やESDの展開,地域と学校とのパートナーシップの構築など,様々な今日的な教育課題をテーマとして,M3の1名,M2の8名とM1の7名の修士論文指導を行った。  
その他の教育活動
@大阪市立大学理学部・非常勤講師「理科教育法T」「理科教育法U」(集中) 
A奈良教育大学大学院教育学研究科・非常勤講師「理科教材開発特論」(集中) 
B国際アウトドア専門学校・非常勤講師「自然環境教育」
C放送大学客員教授として,修士課程の大学院生を指導
D教職講座を担当 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 特に環境教育等を担当する自分のゼミは留学生も含め,大学院生が16名,学部生2名であった。一人の教員が担当する学生数としては,限界を越えているので,何らかの対策が必要。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年2月:『新編 学校の危機管理読本』(共著)教育開発研究所
A平成20年3月:『教員の養成・免許・採用・研修』(共著)教育開発研究所
論】@平成19年11月:『水酸化ナトリウムによる放散虫化石の個体分離法について』(共著)日本地学教育学会「地学教育」,第60巻,第6号,201-209
A平成19年12月:『総合的な学習の時間における環境教育展開の意義と課題』(単著)日本環境教育学会「環境教育」,第17巻,第2号,26-37
B平成20年2月:『自然災害発生時における教育大学の学校支援に対する取り組みについて−平成16年新潟県中越地震から平成19年中越沖地震までの展開を中心に−』(単著)日本教育大学協会研究年報第26集,33-44
C平成20年2月:『国連国際防災戦略(ISDR)による兵庫行動枠組(HFA)の観点から捉えた平成19年新潟県中越沖地震への対応について−学校を中心とした「持続可能な開発のための教育(ESD)の構築−』(単著)上越大学研究紀要第27巻,1-10
D平成20年3月:『チャートおよび珪質頁岩などの遠洋成堆積物中の放散虫化石を用いた中学校授業および課外クラブ活動での実践例』(共著)教育実践学論集第9巻,165-170
 
業】@平成20年3月:『今日的な理科教育課題に対応する教員研修の意義と課題−新潟県立教育センター,理数教育ステップアップ研修を通して−』(単著)新潟県立教育センター「理数教育ステップアップ研修実践記録」,5-8
発】@平成19年5月:『自然環境と地域社会との関連性を重視した日本型環境教育の構築−佐渡島を例として−』,日本環境教育学会第18回大会
A平成19年8月:『ESD教材としての防災教育プログラムの開発−自然災害に対する行動力を持った高校生の育成を目指して−』,日本理科教育学会第57回全国大会
B平成19年8月:『ESD(持続可能な開発のための教育)と防災・減災教育−地学教育における意義と課題−』,日本地学教育学会第61回全国大会
他】@平成19年4月〜平成20年3月:『基礎力養成講座「専門教養高校物理」「専門教養高校地学」』,教職課程,2007.4〜2008.3,協同出版
A平成20年3月:『環境学習ガイドブック「人とトキが共生する島・佐渡」』,新潟県
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@自然環境と地域社会との関わりを重視した日本型環境教育の構築と展開 代表者:藤岡達也 科学研究費補助金
A東アジアにおける学校教育改革の共通性と差異の比較に関する総合的調査研究 代表者:戸北凱惟(上越教育大学) 科学研究費補助金
B21世紀の科学教育における新しい評価規準の構築と,評価を生かす理科授業の創造 代表者:鈴木誠(北海道大学) 科学研究費補助金 
国際研究プロジェクトへの参加状況
@国連世界防災戦略グローバルプラットフォーム防災会議 
学会活動への参加状況
@5月25日〜27日:日本環境教育学会出席 
A8月4日〜5日:日本理科教育学会出席 
B8月15日〜17日:日本科学教育学会出席
C日本地学教育学会評議員
D日本科学教育学会常任編集委員 
在外研究の状況
@6月3日〜6月8日:スイス・ジュネーブ,国連世界防災戦略グローバルプラットフォーム防災会議にて講演
◎特色・強調点等
 内閣府,アジア防災センターの依頼,招聘により,スイス・ジュネーブの国連本部で開催された国連世界防災戦略プラットホームにおいて,日本の学校教育での防災教育及び教員研修の現状と課題について講演した。また昨年度採択された「自然環境と地域社会との関わりを重視した日本型環境教育の構築と展開」(科学研究費(基盤研究B))の進捗に努めた。また先述のように研究成果を国内だけでなく,海外に発信し,海外の研究・教育機関等との連携も築きつつある。 
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@「OECD-PISA生徒の学習到達度調査研究2006」の科学的リテラシー国内専門委員
Aスーパーサイエンスハイスクール事業推進委員会委員 
B全国学校ビオトープ・コンクール2007審査委員 
C新潟県環境教育基本方針検討委員会座長
D新潟県環境教育資源活用委員会委員 
E上越市国際教育推進協議会委員
F信濃川火焔街道博学連携協議会顧問
◎社会への寄与等
 研修講師としては,独立行政法人教員研修センター,新潟県立教育センター,長岡市教育センター,十日町・津南町教育振興会,柏崎市刈羽郡学校教育研究会などが主催する教員研修,日本河川協会,日本青年会議所,上越教育大学附属中学校の保護者対象の講演を行った。また,自分の活動の一環が,読売新聞,毎日新聞,新潟日報に2回にわたって掲載されるなど,社会への貢献が地域のメディアに取り上げられる機会が多かった。 
 

 
北 條 } 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
学部,大学院ともシラバスならびに授業開始時のオリエンテーションにおいて,評価の基準を学生に明示した。学部の国際教育概論,大学院の国際理解教育演習,英語科教育研究法演習では,学生の自律学習態度の養成も目指し,可能な限り学生が一人またはグループで課題に取り組むように配慮し,さらに仲間同士によるピア評価活動も実施した。大学院の英語科評価特論においても,講義終了時に仲間同士で評価をしあうなどの工夫を行った。最終的に,学生に予め明示した基準に基づき厳正に成績の評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
本学は教員養成大学であることから,教員を目指す学部生,大学院生が可能な限り教育現場での授業参観ならびに授業実践が経験できるように配慮した。また,時間の都合上,実際の授業参観が難しい場合は,DVDによる過去の授業記録の視聴ができるようにした。
研究指導
【観点1】学部
指導に当たった4年次学生は算数の題材を基にした国際教育が卒業論文のテーマであった。この学生が国際教育の学習プログラムを作成できるように,上越市内の小学校に授業実践を依頼した。またこの学生は小学校英語活動についても実施希望があったため,本学附属小学校において,出張授業のメンバーの一人として経験が積めるように配慮した。
【観点2】大学院
 担当大学院生はいなかったため,指導は行わなかった。
その他の教育活動
(1)兵庫教育大学非常勤講師
(2)新潟病院附属看護学校非常勤講師
◎特色ある点及び今後の検討課題等
学部,大学院の担当科目において,学生の自律学習態度の養成を目指し,学生が受動的に学ぶのではなく,自ら学習に取り組めるような配慮を行っていることが特色となる。仲間同士のピア評価を積極的に取り入れてみたが,学生はそこから学ぶことが多いとの感想を述べているため,さらに効果的な適応を検討する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年5月:『ポートフォリオを教授ツールとして活用する授業設計:K看護専門学校におけるライティング学習を事例として』(共著)日本教育工学会論文誌 第31巻 第1号 69〜77
A平成19年12月:『教育実習ポ−トフォリオの適用の効果に関する事例研究』(共著)日本教育工学会論文誌 第31巻Supple号 157-160
B平成20年2月:『看護学生を対象とした教授ツールとしてのポートフォリオを活用したshow and tell手法による英語表現(英作文・スピーチ)学習の検討』(共著)上越教育大学研究紀要 第26 巻 287-297
C平成20年3月:『現職小学校教員の小学校英語活動(支援,校種間連携,研修希望内容等)への意識に関する調査研究(共著)小学校英語教育学会紀要 第8号 97-104
D平成20年3月:『小学校英語活動・国際教育における協同授業の試み』(共著)教育実践研究 第18集 1-8
発】@平成19年8月:『現職小学校教員の小学校英語活動(支援,校種間連携,研修希望内容等)への意識に関する調査研究』(共) 小学校英語教育学会全国大会第7回徳島大会研究発表
A平成19年9月:『日本人看護学生を対象とした教授ツールとしてのポートフォリオを活用した英語力向上の試み』(共) 2007年日本教育工学会第23回全国大会研究発表
B平成20年2月:小学校英語 〜授業作りへの提言〜 (共) 群馬英語授業研究会第32回例会研究発表
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@幼稚園児・小学生の知的好奇心を刺激する英語教育の学習プログラムの構築 代表者:北條礼子 本学研究プロジェクト
A公立中学校における生徒の学力向上のための取組に対する臨床的支援プロジェクト 代表者:朝倉啓爾 本学研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@7月21日:上越英語教育学会第11回大会参加
A平成19年度上越英語教育学会事務局長並びに編集委員
B8月18日〜19日:小学校英語教育学会全国大会第8回徳島大会
C平成19年度小学校英語教育学会理事
D平成19年度日本教育メディア学会編集委員
E9月22日:日本教育工学会第23回全国大会
◎特色・強調点等
研究テーマとしている小学校英語教育とポートフォリオ活用の研究分野でそれぞれ継続して行った。当該年度は,特に小学校英語活動について前年度より継続して,本学附属小学校,附属幼稚園と協同で大学生,大学院生による英語の出張授業を実施した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年度上越市国際教育推進協議会委員長
A10月24日〜25日:2007年度アジア・太平洋地域教育工学 東京セミナー/ワークショップAPEID 日本人パーティシパント
B平成19年度新潟県立柏ア翔洋高等学校スーパーイングリッシュハイスクール運営委員
 

 
増 井 三 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】 教育方法及び成績評価面での取組
@小グループで理解の定着をはかった試みは評価された。
A各自の問題意識を研究テーマへ具体化する授業では高い評価を得た。
【観点2】 教育の達成状況
@実際の授業場面を参観し,そこから問題を解決していく臨床的な力量形成は評価された。
A自己管理の厳しい学生は,教員採用で難関な県に正規採用されている。
研究指導
【観点1】学部
@大学院生との共同ゼミで力をつけ,4年生は自己評価の高い卒業論文を完成した。いずれも授業場面や子どもの活動場面を分析したものである。
【観点2】 大学院(修士課程,博士課程)
@修士課程の学生はすべて実践研究である。実際の授業分析,教師−生徒の信頼関係,研究推進委員会等の授業研究の議論について,子どもと教師の視点に立った臨床的研究(グランデッド・セオリー・アプローチ)が行われている。
A修士2年生は全員,日本教育実践学会研究大会に研究発表を行った。
B博士課程の学生(看護大学講師)は,救急初療における患者と看護師のコミュニケーション的行為について,臨床的な研究(グランデッド・セオリー・アプローチ)を行っている。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
@模擬授業の実施
Aストレート・マスターの春ゼミの実施(4月以降教員採用試験準備を円滑に行うことができるように,1年次の春期休業期間に通常のゼミを実施し,支援している)
B大手町小学校及び柏崎第3中学校区小中学校の公開研究授業参観(授業参観及びその授業の研究協議会に学生とともに参加している)
C学生の就職・進学状況(学部生:1名は愛知学院大学大学院仏教学専攻に入学,大学院生:福島県公立小学校及びさいたま市公立小学校の教員採用試験に合格)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@増井三夫「実践場面におけるGTA(Grounded Theory Approach)の可能性:ミクロ分析とオープン・コーディングの再検討」上越教育大学研究紀要,第27巻,2008年2月
発】@国際シンポジウム「教育史研究の構想力の可能性」教育史学会第50回大会コロキュウム発表
他】@「実践場面の質的研究法入門―Grounded Theory Approachの理論と実際」2007年度研究室年報
共同研究の実施状況
@「子どもの思考が創造的に展開する局面の見極めと教師の指導―大手町小学校との共同研究―」研究代表者:増井三夫 平成19年度上越教育大学研究プロジェクト
A「教育実践の観点から見た教科内容学研究の現状と課題」西園芳信(鳴門教育大学教授)兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科共同研究プロジェクト
B「鳴門教育大学専門職大学院GPシンポジウム」のパネリスト,平成20年3月15日阿波観光ホテル
学会活動への参加状況等
@5月13日〜14日:日本西洋史学会出席
A教育史学会理事
B8月25日:日本教育学会第65会大会出席(司会)
C10月9日〜10日:教育史学会出席(シンポジウム司会)
D10月10日〜11日:社会思想史学会出席
E11月5日〜6日:日本教育実践学会出席(同会編集委員)
◎特色・強調点等
@「公」教育の公共性について根本的な見直しを行っている。
A実践場面の質的研究法の開発(兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科『教育実践学の構築』の担当箇所が『教育学研究』第75巻第1号「図書紹介」で好評されている)。
B日本教育実践学会では2年次院生全員が発表した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19-20年度柏崎市立第3中学校区小中連携校内研修の講師
A柏崎市立上米山小学校授業研究講師
 

 
五 百 川  裕(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部の「体験学習」及び「野外体験演習」では,野外での自然体験が不足している学生の実態を踏まえ,小学校教員になった場合に野外での特別活動や環境教育の指導で必要となる基礎知識を,興味を持ちやすい素材を厳選し野外での観察,体験を通して習得できるように工夫した。大学院の「地域環境学習演習」及び「地域環境学習特論」では,地域環境として里山,河川,海岸などを取り上げ,演習においては先ず実際に野外での自然環境学習体験をした上で,各人が校種,学年を意識した学習指導案を作成し検討会を行うことで,興味を持ち主体的に取り組めるように工夫し,特論においては学習素材を見つけるための着眼点を,画像を豊富に使用して具体例を挙げながら解説し,一般論,方法論に留まらないように工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 学部卒業生(1名)は本学大学院進学,大学院修了生(1名)は現職派遣学生であったので復帰して小学校教員として務めている。
研究指導
【観点1】学部
 自然系(理科)コースの卒業研究の指導補助を行ったが,理科教育の目的である科学的な見方,考え方のできる能力の養成のためには,まず指導者自身がその能力を確かに身につけ,その大切さと面白さを知ることが不可欠であるとの認識のもと,植物野外調査を中心とする研究において,観察・記録・考察力の養成に努め,小中高等学校での学習内容との関連を意識させながら指導を行うことにより,教育実践力に結びつく専門性の向上をめざした。 
【観点2】大学院
 自然系(理科)コースの修士論文課題研究の指導補助を行ったが,理科教育の目的である科学的な見方,考え方のできる能力の養成のためには,指導者自身がその能力の向上に常に努め,その大切さと面白さを深く実感することが不可欠であるとの認識のもと,植物野外調査を中心とする研究において,観察・記録・考察力の向上に努め,小中高等学校での学習内容との関連を助言しながら指導を行うことにより,教育実践力に結びつく専門性の確立をめざした。  
その他の教育活動
@教育実習時に研究室所属学生の指導を行った。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 自身の高校教員経験及び植物学研究の専門性を生かし,これまで学習し習得しているはずの知識の復習を意識させながら,発展的な知的好奇心を高めることが可能な素材を選び,机上に留まらない実際の野外活動を伴った授業を行って,問題意識,興味,体感を高められるようにしている。学習指導案の作成演習等において,非現職院生と現職院生の既得能力の違いを生かしながら,双方に有用感を持たせる授業を組み立てることに課題を感じている。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年6月:『A Revision of Uraria (Leguminosae) in Taiwan』(共著)Taiwania 第52巻 pp. 177-183.
A平成19年6月:『マメ科オクシモハギの多雪地への帰化』(共著)J. Jpn. Bot. 第82巻 pp. 175-177.
B平成20年2月:『Campylotropis (Leguminosae) in China, an Enumeration and Distribution』(共著)J. Jpn. Bot. 第83巻 pp. 36-59.
発】@平成20年3月:『日本海側海岸産スミレの分類』(共)日本植物分類学会第7回大会研究発表
国際研究プロジェクトへの参加状況
@ネパール・ムスタン地域植物相調査 代表者:大場秀章(東京大学名誉教授)緑育成財団ネパール植物研究助成金
Aヒマラヤ高山植物相の分子遺伝・地理・分類学的研究 代表者:大場秀章(東京大学名誉教授)文部省科学研究費補助金基盤研究(A)
学会活動への参加状況
@9月7日〜9日:日本植物学会第71回大会出席
A3月21日〜23日:日本植物分類学会第6回大会出席
◎特色・強調点等
 アジア温帯域の植物多様性の実態と起源の解明を研究テーマとする。二つの論文は,アジア温帯域の主要部分を占める中国の植物多様性の実態解明をめざすFlora of China projectに協力した成果であり,学問上の意義のみでなく,近年の著しい経済発展により自然改変の進む中国における環境保全政策の基礎資料としても貴重な貢献となる。論文の一つは土木工事後の緑化に郷土種として使用される植物の中に中国原産のものが使用されていることを指摘しているものであり,当該種の生態理解と共に環境教育の素材としても有用な成果である。学会発表は,修士論文の研究成果を共同発表したものであり,教育研究成果の地域貢献を進めるものである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市児童生徒科学研究発表会審査委員長(上越市立教育センター)
A県下児童生徒生物標本・自然科学写真展示会審査委員(長岡市立科学博物館)
B理友会研修会秋の植物観察講師(理友会)
C本学出前講座(松之山中学校,阿賀野高校,糸魚川白嶺高等学校)
D理数教育ステップアップ研修講師(新潟県立教育センター)
E上越市版レッドデータブック作成検討委員会(上越市市民生活部)
F春日山城跡保存管理計画策定委員会(上越市教育委員会)
◎社会への寄与等
 児童生徒の自然環境への興味関心を高め科学的視点を育む催しに審査委員として実施協力をし,また,中学校教員が自然観察指導力向上を図る催しである理友会研修会,および新潟県立教育センターの理数教育指導力向上のための教員研修会の講師として,研修に協力した。本学の出前講座の講師として,専門の植物研究の成果を社会還元することに努めると共に,上越市の自然環境保全に関わる委員会委員として専門性を地域貢献に生かしている。
 

 
久保田 善 彦(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 ものつくりなど体験的な活動を導入し,理解を促進させた。授業の後半は参加者のニーズを把握し,授業内容を調整した。評価に関しては,体験活動とディスカッションの状況を総合的に判断した。 
【観点2】教育の達成状況
 卒業・修了生は,現職院生4名のみであり,就職状況からは判断できない。
研究指導
【観点1】学部
 教育委実習の実践経験等から,臨床的な研究テーマを抽出することを目指した。特に教師としての資質能力の向上に関わる,教師の手だてや子どもの反応等に焦点を当てさせた。 
【観点2】大学院
 教育現場での試行授業を繰り返し,その活動の中から研究を進めた。特に,子どもや教師の認識と行動を質的研究を中心に臨床的に解明した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学生の研究の質の向上のため,複数回の学会発表に参加した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成19年6月:水落芳明 久保田善彦 西川純:実験記録の評価を共有化することによる実験の効率化に関する研究−小学校6年理科「電磁石のはたらき」における実践を通して−,教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(1),39-48.
(2)平成19年6月:市川寛 久保田善彦 西川純:小学校算数科における自由な相互作用と学力向上に関する研究,協同と教育,日本協同教育学会,3,10-20.
(3)平成19年8月:久保田善彦:国際学力調査(PISA調査)に見られる学力観としての科学的リテラシー,学校教育研究,日本学校教育学会,22,84-94.
(4)平成19年9月:栗田裕子 水落芳明 久保田善彦 西川純:学習者同士の相互作用による体育授業の展開と評価〜小学校6年生の「バスケットボール」の単元から〜,教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(2),57-64.
(5)平成19年10月:後藤正英 久保田善彦 西川純:課題選択学習における子どもの単元構成に関する研究−中学校2年生「動物の世界」および「動物の仲間」における実践−,理科の教育,日本理科教育学会,56(663),713-716.
(6)平成19年10月:久保田善彦 水落芳明 西川純 戸北凱惟:理科授業における実験班と教師のかかわりに関する事例的研究〜学びの文脈と教えの文脈との関連から〜,教育実践学研究,日本実践教育学会,9(1),1-8.
(7)平成19年11月:神崎弘範 久保田善彦 西川純:生徒同士の相互作用を重視した理科学習における「自作教科書作りの活動」についての実践的研究―中学校2年生理科・「電流のはたらき」の単元における実践から―,理科教育学研究,日本理科教育学会,48(2),23-34.
(8)平成19年11月:水落芳明 久保田善彦 西川純:理科実験場面におけるCSCLによる評価規準の共有化,理科教育学研究,日本理科教育学会,48(2),83-93.
(9)平成19年12月:久保田善彦 山下淳 奥村信太郎 葛岡英明 加藤浩:太陽系シミュレーションを利用した月の満ち欠け学習の実践と効果,科学教育研究,日本科学教育学会,1(4),248-256.
(10)平成20年2月:平澤林太郎 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLシステムのサムネイルによるアウェアネス支援の研究−小学校6年生「水よう液の性質」の班別実験活動から−,日本教育工学会論文誌,日本教育工学会,31(Suppl.),49-52.
(11)平成20年2月:舟生日出男 鈴木栄幸 久保田善彦 平澤林太郎 加藤 浩:発見的学習活動における創発的分業を支援するCSCLシステムの開発,メディア教育研究, 4(2),7−13.
(12)平成20年2月:水越千博 久保田善彦:理科授業における社会人講師活用の実践と学習内容との関連からの評価,臨床教科教育学会誌,臨床教科教育学会,8(1),57-61.
(13)村山尚士 久保田善彦:振り子理解の困難性に関する研究−グループ学習前後の理解の変化を中心に−,臨床教科教育学会誌,臨床教科教育学会,8(1),107-114.
(14)平成20年3月:桐生徹 久保田善彦 西川順:中学生が教師役となる理科授業とその授業検討会の研究,理科教育学研究,日本理科教育学,48(3),57-66.
(15)平成20年3月:水落芳明 小日向文人 久保田善彦 西川純:発達障害をもつ学習者のいる学級における「学び合い」の事例的研究,教科教育学会誌,日本教科教育学会,30(4),39-48.
発】 (1)平成19年6月:舟生日出男 鈴木栄幸 久保田善彦 加藤浩:発見的学習活動における創発的分業を支援するシステムの機能的要件,電子情報通信学会,信学技報Vol.107 No.109,pp.19-24.
(2)平成19年8月:桐生徹 西川純 久保田善彦:中学生が小学生に教える行為に関する研究,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.59.
(3)平成19年8月:清水良紀 久保田善彦:理科の実験場面における教師の足場かけに関する研修-授業者への再生刺激からの分析,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.61.
(4)平成19年8月:水越千博 久保田善彦:中学校理科における社会人講師活用と学習内容との関連,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.73.
(5)平成19年8月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する研究−類似概念を学習前におこなう影響−,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.92.
(6)平成19年8月:神崎弘範 西川純 久保田善彦:生徒同士の相互作用を重視した授業における「自作教科書作り」の活動効果について,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.123.
(7)平成19年8月:平澤林太郎 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLにおける仮説の操作と学びに関する研究-仮説に対する「自信」と「証拠」の二次元マトリックスの利用を通して-,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.290.
(8)平成19年8月:久保田善彦:教室内の会話構造からみた相互作用と実践への応用,日本理科教育学会全国大会発表論文集,p.390.
(9)平成19年8月:水越千博 久保田善彦:中学校理科における社会人講師活用におけるキャリア教育の研究,日本科学教育学会年会論文集,pp.77-78.
(10)平成19年8月:平澤林太郎 小島剛史 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLを利用した遠隔地学習の評価-小学校5年「雪国のくらし」における新潟県と茨城県の小学校の交流から-,日本科学教育学会年会論文集,pp.119-120.
(11)平成19年8月:三崎隆 西川純 久保田善彦 戸北凱惟:教育現場における科学教育に見られる学び合いの今日的課題,日本科学教育学会年会論文集,pp.191-192.
(12)平成19年8月:神崎弘範 西川純 久保田善彦:生徒同士の相互作用を重視した授業における「自作教科書作りの活動」の効果,日本科学教育学会年会論文集,pp.195-196.
(13)平成19年8月:平澤林太郎 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLにおける仮説操作と「学び合い」に関する研究-仮説に対する「自信」と「証拠」の二次元マトリックスの利用を通して-,日本科学教育学会年会論文集,pp.199-120.
(14)平成19年8月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する研究−個人実験とグループ実験を組み合わせる効果−,日本科学教育学会年会論文集,pp.201-202.
(15)平成19年8月:清水良紀 久保田善彦:実験班に対する教師の足場かけに関する研究-足場かけの内省的機能からの分析-,日本科学教育学会年会論文集,pp.203-204.
(16)平成19年8月:桐生徹 西川純 久保田善彦:ペルチェ素子を用いたエネルギー単元における教育課程の開発,日本科学教育学会年会論文集,pp.333-334.
(17)平成19年8月:桐生徹 久保田善彦 西川純:ペルチェ素子を用いた中学校理科におけるエネルギー教材の開発,日本科学教育学会年会論文集,pp.343-344.
(18)平成19年8月:鈴木栄幸 舟生日出男 久保田善彦 千葉大作 加藤浩:CD-ROMから起動可能なKneading Boardシステムの開発〜Kneading Board System for KNOPPIX〜,日本科学教育学会年会論文集,pp.347-348.
(19)平成19年9月:平澤林太郎 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLのサムネイルによるアウエアネス支援の研究,日本教育工学会全国大会講演論文集,p.571-572.
(20)平成19年10月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する研究−「周期」と「おもりの動きおもりの速さ」の認識,日本教科教育学会全国大会論文集,pp.5-6.
(21)平成19年10月:清水良紀 久保田善彦:実験班に対する教師の足場かけに関する研究-足場かけにおける内省的機能に関する教師間比較-,日本教科教育学会全国大会論文集,pp.7-8.
(22)平成19年10月:平澤林太郎 小島剛史 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:遠隔学習における他者把握に関する研究−同期型CSCLを利用した小学校5年生社会科「雪国の暮らし」の交流から−,日本教科教育学会全国大会論文集,pp.51-52.
(23)平成19年10月:三崎隆 西川純 久保田善彦:観察,実験場面において現れるend userのグループ間の可視化の行動−小学校4学年理科単元「水のすがたのふしぎ」を事例に−,日本教科教育学会全国大会論文集,pp.125-126.
(24)平成19年10月:水越千博 久保田善彦:中学校理科での社会人講師活用におけるキャリア教育の研究,日本キャリア教育学会研究大会発表論文集,pp.122-123.
(25)平成19年11月:伊藤綾音 久保田善彦:教育実習生の教職イメージの変容とその要因となる気づきに関する研究−比喩表現調査と気づきのインタビュー調査を併用して−,日本教育実践学会研究大会論文集,10,pp.15-16.
(26)平成19年11月:水越千博 久保田善彦:社会人講師を活用した効果的な理科授業に関する研究−キャリア教育の視点から−,日本教育実践学会研究大会論文集,10,pp.61-62.
(27)平成19年11月:平澤林太郎 小島剛史 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:同期型CSCLを利用した遠隔学習における他者認識に関する研究:「自己伝達に関する他者認識」の分析を中心に,日本教育実践学会研究大会論文集,10,pp.89-90.
(28)平成19年11月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する研究−「周期」と「おもりの動きおもりの速さ」の認識,日本教育実践学会研究大会論文集,10,pp.115-116.
(29)平成19年11月:清水良紀 久保田善彦:実験班に対する教師の足場かけに関する研究,日本教育実践学会研究大会論文集,10,pp.125-126.
(30)平成19年11月:水越千博 久保田善彦:社会人講師を活用した効果的な理科授業に関する研究−キャリア教育の視点から−,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.4.
(31)平成19年11月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する研究−学習時における思考過程の分析-,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.5.
(32)平成19年11月:清水良紀 久保田善彦:実験班に対する教師の足場かけに関する研究-足場かけにおける援助レベルに関する教師間比較-,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.6.
(33)平成19年11月:久保田善彦 平澤林太郎 楡井正弥 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:理科における同期型CSCLの利用形態に関する一考察,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.40.
(34)平成19年11月:楡井正弥 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:学習効果を上げる社会人講師による理科授業の開発-ITを用いた事前交流の評価を中心に-,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.41.
(35)平成19年11月:平澤林太郎 久保田善彦 鈴木栄幸 舟生日出男 加藤浩:仮説に対する「自信」と「証拠」の外化を通した学びの研究,日本理科教育学会北陸支部大会講演要旨集,p.42.
(36)平成19年12月:村山尚士 久保田善彦:「振り子」の学習理解に関する臨床的研究−学習時における思考過程の分析-,臨床教科教育学会セミナー発表論文集,p.31-32.
(37)平成19年12月:水越千博 久保田善彦:社会人講師を活用した効果的な理科授業に関する研究−キャリア教育の視点から−,臨床教科教育学会セミナー発表論文集,p.33-34.
(38)平成19年12月:伊藤綾音 久保田善彦:教育実習生の教職イメージの変容とその要因となる気づきに関する研究−比喩表現調査と気づきのインタビュー調査を併用して−,臨床教科教育学会セミナー発表論文集,p.47-48.
(39)平成19年12月:宮崎こず恵 久保田善彦:高等学校教育改革期における農業教諭の授業観に関する研究-専門学科から総合学科への転換期における葛藤に着目して-,臨床教科教育学会セミナー発表論文集,p.49-50.
(40)平成19年12月:電子情報通信学会サイバーワールド研究会(招待講演:同期型CSCLを利用した他者理解)
他】 (1)平成20年3月:平成19年度文部科学省委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」報告書「新潟県立教育センターにおけるCheck-Actシステムの研究開発」
(2)平成20年3月:清水英典 田中哲也 久保田善彦:中学校における移動型情報携帯端末の教育利用,平成19年度上越教育大学学校教育総合研究センター活動報告,pp.21-32.
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)市内中学校と総合的な学習の時間の実施計画を立案する。 
学会活動への参加状況
(1)日本理科教育学会,日本科学教育学会,日本教育工学会,日本教科教育学会,日本キャリア教育学会,日本教育実践学会,臨床教科教育学会等に参加
(2)科学教育学会年会企画委員常任委員,2006.10〜 
(3)日本理科教育学会「理科教育学研究」編集委員会,編集事務局,2007.4〜  
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)新潟県教育研修センター 理数ステップアップ研修,講師(6回) 
(2)SSTA新潟支部研修会,講演,2007.6.16 
(3)授業力向上研修「総合的な学習の時間研修会」(上越市),講師,2007.6.20および2007.8.26
(4)茨城県県南地区PTA指導者研修会(つくば市),講師(講演),2007.7.14
(5)五泉市理科センター研修,講師(講演),2007.8.2
(6)長野県千曲市立埴生小ICT研修会(指導助言),2007.11.21
(7)新潟市立青山小学校研究発表会(理科に関する指導),2007.11.22 
(8)つくば市中学校理科指導力向上研修講座(講演),2008.1.29
◎社会への寄与等
実践事例の紹介や実践的立場からのコメントをしたことで,教育実践に役立つ活動になったと考える。
 

 
小 林   恵(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 多様な学生が進学している今日の状況において,学力不足の学生が増加していること,基礎的教養が大学生として不十分な学生が少なくない。また教員へのモチベーションが満足でない学生も多く見受けられる。そこで教員養成大学にふさわしい資質の形成援助に努める基礎文献の購読,学生に発言を促す討論形式の授業などを行った。さらに,書くことの能力開発に多くのレポートを課した。そのレポートに講評をつけることで,学生へのフィードバックを試みた。
【観点2】教育の達成状況
 担当ゼミ生のうち学部4年生は1名が小学校教員に正式採用,残り1名は非常勤採用になった。
 担当大学院生のうち免除プログラム課程2年生は,修士論文を完成させたものの,進路変更のため退学した。他の大学院生はそれぞれの研究を深めることができた。
研究指導
【観点1】学部
@教育学全体の知識・教養の育成
Aカリキュラムに関する知識の育成
Bコミュニケーション能力の向上
【観点2】大学院(修士課程)
@カリキュラムに関する知識・技能の育成
A論文執筆にあたっての技法の習得
B教育の諸問題・現象への理解
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成19年5月:『イギリス教育社会史』(共訳),学文社
A平成19年10月:『「学習指導要領」の現在』,学文社
他】@平成19年8月:「小学校の目的・目標」(『教職研修』No.420 ,教育開発研究所)
◎特色・強調点等
学習指導要領,とりわけ現行学習指導要領に関して1冊にまとめることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年8月1日〜3日 平成19年度新潟県教育職員免許法認定講習で教育課程論を講義する。
 

 
佐久間 亜 紀(准教授)
 
 

 
角 谷 詩 織(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 国際理解教育特論,国際理解教育概論:小・中学生に必要な国際理解教育について,今日の現状に特に注目した方法で,講義,活動を行った。
 地域社会環境と学校:今日の教育実践の場における地域との関係の課題を考えた。また,受講生の出身学校の教員へ直接インタビューを実施することを通して,受講生にとってより身に迫る学習の工夫を試みた。
 総合学習カリキュラム概論:アメリカのIntegrated Learningの実践テキストを元に,日本の総合的な学習の時間を有意義にするために必要な要素をとりあげた。さらに,受講生が,Integrated Learningの計画に記載されている視点を盛り込んだ授業計画案を作成する時間を設けた。
 実践場面分析演習,実践セミナー:授業観察の手法・視点・意義などを伝えると共に,学生,院生の個別質問に対応した。報告書作成における留意点等も指導した。 
【観点2】教育の達成状況
国際理解教育特論,国際理解教育概論:概ね達成できた。
地域社会環境と学校:概ね達成できた。
総合学習カリキュラム概論:概ね達成できた。
実践場面分析演習,実践セミナーにおいて:概ね達成できた。  
研究指導
【観点1】学部
 4年生卒業論文指導:3本の卒業研究指導を行った。テーマは,「児童の発言を授業に活かす教師の対応―総合的な学習の時間と教科との比較を通して―」,「小学校高学年での動物飼育を取り入れた総合的な学習の時間の意義―ニワトリ飼育の実践から―」,「小学校低学年における牛の飼育の教育的意義」である。毎週1回にゼミを開き,論文レビュー,教育実践の場に関わりつつ得たデータの分析観点の指導,論文執筆指導を行った。
 3年生卒業論文指導:1本の卒業研究指導を行った。テーマは,「幼児の遊び集団内の対人関係とそれに伴う教師の援助」である。毎週1回にゼミを開き,論文レビュー,教育実践の場に関わりつつ得たデータの分析観点の指導を行った。
【観点2】大学院
 修士2年生修士論文:2本の修士論文指導を行った。テーマは,「運動好きな子どもを育てる体育実践の意義―学校適応との関連から―」,「学びの深化を支える教師の援助」である。毎週1回にゼミを開き,論文レビュー,教育実践の場に関わりつつ得たデータの分析観点の指導,論文執筆指導を行った。
 修士1年生修士論文:1本の修士論文指導を行った。テーマは,「中学校部活動におけるリーダーシップと学校適応」である。
その他の教育活動
@海外教育特別研究(C)の受け入れ年度として,韓国教員大学校の学生受け入れプログラムにかかわった。
A海外教育特別研究(A)の受け入れ年度として,オーストラリアウェストミンスタースクールとの交流プログラムに加わった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 研究指導において,論文レビューや論文執筆指導に加え,実践にかかわりながらのデータ収集,実践の場へのフィードバックの重要性の強調等,教育実践の場にかかわりながら研究を進めていく態度を指導の中に盛り込んだ。教育実践の場に関わる研究と実践の連携の重要性,また,意味のある研究の見分け方などを伝えていきたい。国際交流プログラムの受け入れ年度の活動にかかわった。 
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年1月:理科大好き!の子どもを育てる―心理学・脳科学者からの提言(無藤 隆 編)北大路書房.分担執筆
他】A平成19年9月:8歳までに経験しておきたい科学 (深田 昭三・隅田 学 監訳)北大路書房.分担翻訳
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@科研若手(B) 19730405 「小・中学生の放課後活動が,居場所感・学習意欲・適応感にどのような影響を与えるか」研究代表者 
A第2回「博報『ことばと文化・教育』研究助成」研究代表者 
国際研究プロジェクトへの参加状況
@若手海外研究交流 American Educational Research Annual Meetingへの参加(2008年3月24日〜26日) 
学会活動への参加状況
@American Educational Research Association Annual Meeting 2008への参加 
 
社会との連携>
社会的活動状況
@文部科学省委託調査研究事業「教職員の配置に関する調査研究」企画検討委員 
A「日本民間放送連盟賞」番組部門中央審査員 (社団法人 日本民間放送連盟) 平成19年8月22日10時〜13時(延長あり) 日本民間放送連盟3階第6会議室 
B平成19年日本民間放送連盟賞番組部門(テレビ)中部・北陸地区審査会審査員 
C平成19年度上越市国際教育推進協議会委員
 

 
田 島 弘 司(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 前年度と同様に個人で担当する前後期すべての授業において講義支援システムの電子掲示板を使用し,個々の学生が授業の感想や課題を電子掲示板に書き込むことにより,授業の振り返り,授業間の継続性の確保や意見交換,情報の共有化が促進された。成績評価の方法は,シラバスで明示するとともに授業でも説明した。出席,電子掲示板への書き込み,レポート等による総合的な評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
「学生による授業評価アンケート」の結果は,前年度と同様に高い評価を受けた。具体的には,前後期すべての授業の「15 総合的な満足度」で最高評価の「5」を付けた学生の平均が96.1%であり,「4」の評価を含めると100%であった。また,自由記述においても肯定的な評価が90.9%であった。ただし,「4 教員になる(である)ことを意識した受講」は「5」と「4」を併せた平均が76.4%であり,改善の余地を感じる。
研究指導
【観点1】学部
 本年度,本学に来て初めて学部生に対して研究指導することとなった。次年度4年生になった時点で教員採用試験の準備に集中できるよう配慮し,授業プログラムの開発,学校でのプログラムの実践,アンケート調査及び質的調査の実施等を年度内に終えた。このことにより,臨床的な実践力を修得させることができたと考える。
【観点2】大学院
 現職の小学校教員に対して高度な臨床的な実践力を修得させるために,前任校においてアクションリサーチによる研究を行わせた。具体的には,総合学習におけるキャリア教育のプログラムを開発し実践した後,アンケート調査と授業観察による分析と考察を通してプログラムの改善に結びつけることができた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
○特色ある点:前年度の検討課題への対策として有用なコミュニケーション・スキルについて調査するとともに,そのコミュニケーション・スキルをトレーニングするために活用できるビデオ映像を収集することによって,コミュニケーション・トレーニングの有効性を高めるよう努めた。
○今後の検討課題等:改善されたコミュニケーション・トレーニングの有効性についての検証
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
他】@平成20年3月:『国際理解教育実践事例集(小学校編)』(共著)文部科学省(印刷中)
A平成20年3月:日本語学習者のためのパソコンゲーム教材『だれからだれにVer.2』(共同制作)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@日本語学習者のためのパソコンゲーム教材『だれからだれにVer.2』の共同開発 代表者 田島弘司 特別教育研究経費(情報教育等の実践的指導力を備えた教員の養成・研修)
A日中の児童のコミュニケーション能力の比較における共同研究 代表者 田島弘司 科学研究費補助金(基礎研究(C)) 共同研究者 牛志奎(北京師範大学)
学会活動への参加状況
@3月8日:総合学習研究会参加
◎特色・強調点等
 本学の特別教育研究経費(情報教育等の実践的指導力を備えた教員の養成・研修)による共同研究は,現職の日本語教師とのコラボレーションによる教材開発であり,これによって教育現場のニーズに合った教材を制作することが可能となった。本年度は,昨年度開発した教材を使用者の意見を取り入れて改良した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@文部科学省国際理解教育実践事例集編纂・国際理解教育のデーターベース化推進に関する委員会委員(文部科学省初等中等教育局)
A上越市国際教育推進協議会委員(上越市教育委員会)
B上越国際交流協会理事
◎社会への寄与等
@文部科学省の『国際理解教育事例集 小学校編』の編纂
A国際交流団体のAFSが国の要請を受けて招いた海外の青少年(10名)に対して本学施設の案内や教育内容等の説明を実施
 

 
松 本   修(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部2年「言語行為と意味生成」では,実際に小・中連携の研究開発で開発中の「ことのは」の授業を考案させながら,実際に行われた授業を分析するなど,臨床的・実践的な力量の形成につとめた。
 大学院「学習と言語特論」では,実際の音声データの処理と分析を討議を取り入れつつ行った。評価については,シラバスにも示し,ショートレポートの評価を行うとともに,疑問点などについて全体に回答するようにした。
【観点2】教育の達成状況
 免許プログラム院生1名は私立高校講師として採用された。派遣院生は研究成果を持ち帰り,新たな職務に取り組むとともに,学会で共同研究を行い発表予定である。
研究指導
【観点1】学部
 学部生の研究指導はなかった。 
【観点2】大学院
 実践場面分析演習では,アニマシオンのデータ採取から二次データへの加工,分析を協同で行い,実践的な研究の進め方を身につけさせるようにした。個々の修士論文でのデータについても常に協同討議により分析を行うようにし,実践現場でのコラボレーティブな研究のあり方を身につけられるようにした。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 アニマシオンの相互作用研究は未踏の領域であり,今後研究を深めていく必要がある。
 専門職大学院GPでの連携のあり方について,教職大学院の教育活動を通じてさらに効果的なあり方を探究していく必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年3月:『新しい時代のリテラシー教育』東洋館 「読解リテラシーを育む単元の開発」 桑原隆編 2008 pp.328-341
論】@平成19年4月:「読み語りにおけるオーディエンスの特性と語りのモード−読み手の方略に着目して−」『読書科学』 日本読書学会 第51巻 第1号 通巻第199号 2007.4 pp.35-42
A平成19年9月:「国語教育人物誌」『教育科学国語教育』No.684 明治図書 2007.9 p.98
B平成19年9月:「最重要科目に位置付け,強化に力点−米国の国語教育の特色と教科書−」『内外教育』第5763号 2007.9.4 時事通信社
C平成19年10月:「「走れメロス」の語りに着目した読みの交流」『『Groupe Bricolage紀要』No.25 2007.10 pp.1-16
D平成20年2月:「文学の読みに必要な知識・技能の整理を」『教育科学国語教育』No.689 明治図書 2008.2 pp.8-10
E平成20年2月:「国語科」のライフストーリー」(共著者:市川泰子 筆頭著者:松本修)『臨床教科教育学会誌』第8巻 第1号 2008.2 pp.1-9
F平成20年2月:「質的教育研究と臨床教科教育学」『臨床教科教育学会誌』第8巻 第1号 2008.2 pp.127-130 
発】@平成19年5月:全国大学国語教育学会 2007.5.26 「「国語科」のライフストーリー」
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@ 読み語りにおけるオーディエンスの特性と読み語りのモード  
A 学内プロジェクト「公立中学校との連携による臨床的授業研究」 
B 教科書研究センター科学研究費研究国内部会主査
C 栃木市小中学校連携研究開発協力「ことのは」の開発
学会活動への参加状況
@5月:全国大学国語教育学会宇都宮大会 研究発表 司会
A8月:日本国語教育学会
B8月:日本読書学会 研究発表
C10月:全国大学国語教育学会岡山大会 司会
D10月:国語教育全国大会(那覇)
E12月:臨床教科教育学会 シンポジウム 司会 
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@栃木市立皆川城東小学校・城東中学校 研究開発 協力者
A羽咋市立邑知中学校研究会講師
B羽咋市立羽咋中学校研究会講師
C長野市立桜ヶ岡中学校研究会講師
D那須塩原市立槻沢小学校研究会講師
E上越市立中保倉小学校研究会講師
F上越市立美守小学校研究会講師
G上越市立大町小学校研究会講師
H教科書研究センター特別研究員
◎社会への寄与等
 臨床的な国語科学習研究の成果があらわれ,研究指導の依頼が多い。今後は,教職大学院の枠組みの内外で要請に積極的に応じていく。
 

 
松 本 健 義(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学びの過程への臨床的理解をはかり実践的資質を向上するため,@子どもの学びや生活場面の参与観察,A協同制作演習,Bビデオカンファレンスと記述分析,C学びの過程に基づく教材と授業の臨床開発(市内小学校との協同研究)を行い,具体的活動と場面を通して専門的知識技能を高め,学習過程,教材開発,指導方法等への理解を深めた。
【観点2】教育の達成状況
 各授業内演習での行為の変容過程,事例の分析演習,発表と討議,授業レポート,課題レポートにより評価を行った。観察場面,ビデオカンファレンス,実践場面の各場面において行為の質的変化が早期からみられ,学びの過程への臨床的把握と実践力の形成に効果的であった。
研究指導
【観点1】学部
 小等教育実習を中心に卒業研究を連携させ,事前指導,教材開発,実習授業学習活動分析,事後継続観察による臨床的研究指導を行った。実践場面事例ゼミと文献ゼミを単位とした研究指導が実践力向上に有効であった。
【観点2】大学院
 奈良,富山,福島,長野,石川,新潟の各県小学校での校内研究と連携した観察調査や実践開発研究を行い,子どもの行為と知の社会文化的生成過程について現象学的視点から臨床的研究法を指導した。
その他の教育活動
@愛媛大学教育学部「造形表現の指導法」
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 認知的,社会的,自己の歴史的関係が,重層的・相互的につくられていく遊びや学びの活動過程について,対象世界,ふるまい(感じ方・考え方・行い方),実践共同体の3者が相互生成する場とコンテキストに着目し記述する研究指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年9月:「生活のなかでイメージを豊かにし様々な表現を楽しむ」『初等教育資料』825(9月号),72-78
A平成20年3月:石田聡子・松本健義「自己の存在を育む学びの過程」『芸術教授学』第10号,49-60
B平成20年3月:早川紀明・松本健義「学びの生成過程に関する臨床的研究」『芸術教授学』第10号,69-80
発】@平成19年11月:西村俊夫・高石次郎・松本健義・松尾大介「学びの過程を生成する造形表現活動の臨床的開発−大学院教育における小学校との連携による題材開発実践の事例研究−」(共)第46回大学美術教育学会
学会活動への参加状況
(1) @平成19年9月29〜30日:第4回日本質的心理学会
   A平成19年11月4〜5日:第46回大学美術教育学会
   B平成19年12月1日:第11回美術教育実践学会
(2) @美術教育実践学会副代表理事
◎特色・強調点等
@学びの「活動システムの単位」に着目した遊びや造形的表現過程の把握と支援
A子どもが生きる行為の全体性の視点に立つ造形表現活動の臨床的開発により,小学校における授業開発と大学院教育における教員養成カリキュラムの連携を図った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1) @新潟県立高田商業高校学校学校評議委員
(2) @糸魚川市小学校研究協議会図工部実技研修会講師
   A三条市小学校研究協議会図工部実技研修会講師
   B第47回関東甲信越静地区造形教育研究大会東京大会中央区指導助言者
   C第46回新潟県児童生徒絵画・版画コンクール審査員
(3) 糸魚川市親子保健計画を推進する会親子いきいき会,文部科学省委託研究「平成19年度子どもの生活リズム向上のための調査研究乳幼児期の調査研究について」の絵画判定
◎社会への寄与等
 文部科学省委託研究のための絵画判定(糸魚川市親子保健計画を推進する会)は,新たな社会的貢献の試みであったが,本委託研究成果判定の指標として幼児の絵画のほかに,幼児の豊かな生活と絵画表現との関連性が改めて明らかになり,両者にとって有益であり,社会への寄与の新たな可能性を示唆する活動となった。
 

 
高 野 浩 志(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
@学部1年対象の教育情報基礎演習は学部一年必修の課目であり,全学生が共通のスキルを身に付けることを目標としているため,関連教官と年に数回の会合をもち,他教官との連携をもちながら演習,成績評価等を行った。また,講義支援システムを利用し,課題提出などをおこなわせることにより,効率よく演習をおこなった。
A学部2年対象の教育情報応用演習も,関連教官との連携をもちながら演習,成績評価等を行った。また,講義支援システムを利用し,課題提出などをおこなわせることにより,効率よく演習をおこなった。
B学部2年対象のコンピュータ・プログラミング演習A・Bでは,学生に着実にスキルがついていることを確認しながら,演習をおこなった。
C大学院対象の情報教育演習では,ICTの活用スキルを身につけさせるため,学生に着実にスキルがついていることを確認しながら,演習をおこなった。
【観点2】教育の達成状況
授業を受講した,ほとんどの学生で,教育の目標が達成されている。
研究指導
【観点1】学部
学部3年生,2名に関し,毎週一人1時間卒業論文の指導を行った。
【観点2】大学院
大学院M1:3名,M2:1名の学生に関し,毎週一人1時間修士論文の指導を行った。
その他の教育活動
@他のゼミ室に所属している免許プログラムM2の学生に関し,週1時間程度,教員採用試験の指導をおこなった。
A他のゼミ室に所属しているM1の学生に関し,週1時間程度,プログラミングの勉強会をおこなった。
B学部3年生1名に関し,週1時間程度,教員採用試験(高校数学)の指導をおこなった。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
学生にとって,十分な時間をとり,きめ細かな指導をおこなっている。
特に教員採用試験に合格するような支援を行っている。
 
<研究活動>
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@研究プロジェクト(教育開発研究部門 学習環境開発研究分野)石川真,南部昌敏,井上久祥,中野靖夫,高野浩志,大森康正「CMSを活用したカリキュラム開発と評価」 学校教育総合研究センター年報 第7報(平成19年度版),19-20.