【生活・健康系教育講座(保健体育)】
 
 

 
伊 藤 政 展(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 体育心理学, 体育心理学特論の授業では, 体育・スポーツの学習における練習の変動性や高文脈干渉を促進する練習の有効性に関する最新の理論と研究成果を取り込み, 年少者を対象とした体育・スポーツの学習指導上の諸問題について問い直す努力をするとともに, フェアプレーの心を育む指導の在り方について積極的な討論を行った。また体育心理学実験, 体育測定評価の授業では, データの収集をとおしてそれらの解析方法と解釈の仕方を理解させるとともに, 各自の研究成果の発表をとおして研究会や学会におけるプリゼンテーションの在り方について学ばせた。
研究指導
【観点2】大学院
 修士論文2件の指導に当たった。修士論文では, ミニバスケットボールクラブに所属する児童の目標志向性と運動有能感,スポーツ行動規範の関わり,及びタイミング調節の学習における自己調整フィードバックの効果に関する問題を追求した。また体育心理学を選択したゼミ生とともに, 身体運動における運動スキルの学習に関する文献を広く収集し, 児童の発育発達のレベルを考慮した体育指導の在り方について積極的な討議を試みた。
 
<研究活動>
学会活動への参加状況
@平成19年度日本体育学会体育心理学専門分科会理事
A平成19年度日本スポーツ心理学会理事
B9月5日〜7日:日本体育学会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本体育協会公認スポーツ指導者養成共通科目集合講習会心理部門講師(東京にて『スポーツの心理T』を講義)
A日本学生氷上競技連盟副会長(苫小牧にて開催された第80回日本学生氷上競技選手権大会の運営に従事)
 

 
加 藤 泰 樹(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部の授業では,一貫して学生の主体的取り組みを啓発することを主軸に置きながら,体育・スポ−ツに関わる学生個々人の興味・関心を基に,問題性の深化に向け,毎時間のミニレポートやグループワーク,そして発表や意見交換など,授業展開の工夫に努めた。大学院の授業では,現職院生たちが研究活動へスム−ズに移行できるような内容構成を工夫し,自己開示に関わる個別演習並びにグループ演習を積極的に組み込んだ。
【観点2】教育の達成状況
 学生,院生の体育・スポーツに関する基本的な理解を促すことができ,自らの運動認識や身体的経験に関する表現が豊かさを増し,身体的教養の向上に貢献できた。
研究指導
【観点1】学部
 体育・スポーツに関わる時事的な諸問題について,資料収集や分析等のフィールドワークを課し,レポート作成と発表を積み重ね,当該の専門的教養の広がりを得ると共に,教職へ積極的な動機付けに努めた。
【観点2】大学院
 実際にフィールドに出かけてのスノー,マリン,ゴルフなどの実技演習を通して,身体的な実感を伴う運動認識の獲得と運動感性の覚醒に努めた。
その他の教育活動
@小中学校実習に際して,ゼミ生と共に実習校を訪れ,授業観察とそれに基づく事後検討会などを行った。
A福島大学・千葉大学・筑波大学・岐阜大学・新潟大学・上越教育大学との6大学研究交流会 11月23〜25日 妙高赤倉野外活動施設にて実施。
B卒業生修了生OBのためのフォローアップ活動の一環として,「かかわり研究会」を月例で開催した。
Cマリンスポーツ実技研修会 平成19年8月3〜5日 佐渡にて実施。
D特別教職講座「小学校体育」平成19年12月12日。
Eスノースポーツ実技研修会 平成20年3月6〜8日 栂池,白馬で実施。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部生と院生との「合同ゼミ」による,知的再生産効果を含めた全体指導と様々なフィールドワークを課題とした感性の覚醒と身体知の獲得に基づく研究活動を行うところに特色がある。ゼミ活動のための物理的な時間確保が課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年5月:『かかわりの形而上学』(単著)体育・スポーツ哲学研究 第29巻第1号 2007 pp.1−9
学会活動への参加状況
@平成19年8月11〜13日:日本体育・スポ−ツ哲学会第29回大会参加
A平成19年度日本体育・スポ−ツ哲学会理事
B平成19年度新潟体育学会評議員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成20年8月23日:出前講座第1回「やさしい運動の指導法」(上越市立中郷小学校)講師
A上越市教育センター運営委員会(委員長)
B上越市スポーツ振興審議会委員
CNPO法人「緑とくらしの学校」理事
◎社会への寄与等
(1)上越市の審議会委員としてスポーツ振興及び教育センター運営等に積極的にかかわった。
(2)新潟日報(平成20年4月30日)に特集記事が組まれるほどの社会的的評価を有するNPO法人「緑とくらしの学校」の有識者理事としてその任を果たした。
 

 
直 原   幹(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部ブリッジ科目や大学院の教科専門における実技を伴う授業では,授業形態は,運動技能の上達過程における身体の内的変容に対する問いかけを重視した示範型の一斉授業の形式で実施した。また,指導方法では,運動技能の上達に伴う身体的実感の意識・言語化を学習目標とし,受講者の運動指導の指導実践能力と結びつくよう配慮して授業内容を工夫した。特に,大学院については学校現場における対人的な危機回避能力を啓蒙する視点から,武道学,運動学および運動生理学を基盤とした専門的な知識と技能の拡充および得られた知識の指導実践への応用可能性について指導した。
 講義関連(生理学,運動生理学,運動・スポーツ科学特論)では豊富なスライドと資料の配布に努め,自然科学的な知識に対して興味が高まるよう工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 授業評価アンケート」集計結果をみると,大半の授業において,「自身の取り組み」のうち「意欲的に取り組んだ」に対して,「はい(5)・(4)」で100%の回答が得られ,学生の意欲的なな受講態度が伺われた。また,「授業の方法」のうち「話し方は分かりやすい」「教材の適切な配布」「板書等のわかりやすさ」「教え方」に対して「はい(5)・(4)」がそれぞれ100%という回答割合であった。「授業の内容」についても,「内容がわかりやすく整理」,「目標の明確さ」,「難易度」,「興味深い内容」,「総合的に満足」において87%以上が「はい(5)・(4)」であった。概ね良好な達成状況であったと考える。
 研究指導
【観点1】学部
 運動学の領域においてバスケットボール,バレーボール,剣道およびリスクマネジメントに関わる卒業研究(4年生1名,3年生3名)を指導した。各研究テーマ上の専門的な知識の拡充および教育現場における臨床的課題に関わる学術的な論文が纏められるよう指導したが,全員が教職希望者であることから,教育現場での指導実践に関わる方法論やマルチメディア機器の活用可能性を重視して指導した。4年生1名については小学校教員として正式採用された。
【観点2】大学院
 剣道,空手道およびダンス領域に関する修士論文4名を教科教育的視点から指導した。各研究テーマ上の専門的な知識の拡充および教育現場における臨床的課題に関わる学術的な論文が纏められるよう指導したが,全員が教職希望者であることから,教育現場での指導実践に関わる方法論やマルチメディア機器の活用可能性を重視して指導した。4名の内,2名が小学校教員として正式採用された。また,他の2名についても常勤講師として小学校および中学校に勤務することとなった。
その他の教育活動
@教育実習における学生指導(学部3年生3名,4年生1名)
A上越教育大学附属中学校2007年度教育研究協議会指導者
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学の研究内容,授業内容等において教科臨床的視点に立った専門内容の再構成化を試みている。特に,@日本の型文化からみた現代の子どもの体の拘束性,A武道教育からみた「いじめ」と「フザケ」,B東洋的体育の再構成化と身体開発,C学校現場における対人的な危機回避能力の育成等,東洋的な身体運動文化の学校教育における今日的意義を検討している点に特色がある。
 また,本研究・授業指導とは直接の関連はないが,今後の課題として,教員免許プログラムを利用するゼミ所属の大学院生の授業履修と研究指導のバランスを工夫する必要を感じている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成19年8月:『第42回全日本少年剣道錬成大会(小学生団体戦)』(新潟県代表高田修道館監督)日本武道館(全日本剣道連盟)
A平成19年8月:『全日本少年武道(剣道)錬成大会(小学生団体戦)』(新潟県代表高田修道館監督)日本武道館(全日本道場剣道連盟)
B平成19年12月:『第5回全日本学生剣道オープン大会:女子2段の部優勝』(上越教育大学剣道部監督)長野県真島総合スポーツアリーナ(全日本学生剣道連盟)
C平成20年3月:『毎日レディース剣道大会』(新潟県代表高田修道館監督)東京スポーツ文化館(全日本剣道道場連盟)
D平成20年3月:『第30回全国スポーツ少年団剣道交流大会(中学生男子個人戦,女子個人戦)』(新潟県代表監督)静岡県立武道館(日本体育協会日本スポーツ少年団)
学会活動への参加状況
@平成19年9月:日本武道学会出席
A平成19年9月:日本体力医学会出席
B平成19年度日本運動生理学会評議員
C平成19年度新潟県体育学会理事
◎特色・強調点等
 現在,博士号論文の準備・構想・執筆に取り組んでいる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年7月:新潟県夏季剣道講習会(新潟県剣道連盟)指導講師,
A平成19年7月:全国教育系大学学部学生剣道セミナー講師(指導法,審判法) 
B平成19年8月:上越教育大学・信州大学間の連絡協議会(地域貢献部会)平成19年度個別事業(少年剣道交流フレンドシップ)実施
C年間:上越地区小・中・高校生剣道強化練成会指導(年間24回)
D年間:上越市内在住の幼児・児童の剣道指導(スポーツ少年団,週2回/年間)
E年間:県内の各種剣道大会に審判員として協力参加
F年間:高齢者を対象とした早朝剣道稽古会主催(週1回/年間)
Gその他:全日本学生剣道連盟理事,全日本学生剣道連盟事業委員会委員,北信越学生剣道連盟理事,新潟県剣道連盟審議員,全上越剣道連盟常任理事,上越市剣道連盟常任理事,高田剣道スポーツ少年団高田修道館館長,NPO法人上越市体育協会理事
◎社会への寄与等
 上越地域の児童の健全育成に寄与するため,上記のような剣道を通じたフレンドシップ的な活動および新潟国体に向けた上越地区の技術強化委員長としての錬成稽古会を本学学生と共に年間150日以上実施した。そして,各事業の参加者の大半がリピータであることから,これらの活動に関するニーズへ寄与しているものと考える。
 

 
榊 原   潔(准教授)
 
<教育活動>
授 業
 学部では,学生が将来小学校や中学校の教員になることを想定し授業を構成した。授業用ノートを作成し授業の初回に配付することによって,事前の準備学習と事後の復習をしやすいようにした。この授業用ノートには,授業の概要と成績評価の基準を明示し,学生の学習意欲を喚起するようにした。また,学習カードを用い,授業後に学生が自己の学習活動を振り返る機会を設けた。
 体験学習では,上越市役所及び春日小学校放課後児童クラブと連携し,児童と共に活動する機会を定期的に設けた。
 大学院では,体育授業の教材になっているスポーツ運動をテーマとして,自らが実際に動く中で指導過程を構築する時間及びそれらを受講生間で討議する時間を設けた。
研究指導
学部
 研究テーマの設定,関連資料の収集,資料の整理,論文のまとめ方などを中心に指導を行った。
大学院
 小学校体育授業で課題になっているテーマについて,実際の授業を丹念に観察・分析することで課題解決の手がかりを得るよう指導した。
その他の教育活動
@新潟工科大学非常勤講師
◎特色ある点等
 スポーツ実践(サッカー)では,小学校の体育授業で学習集団づくりを円滑に運ぶことが,その後の学習に大きな影響を及ぼすことを理解できるよう授業を構成した。その上で,サッカーの集団的スポーツとしての特性に焦点を当て,『チームの仲間とのかかわり方を学ぶ』ねらいのもと構成した授業を展開した。体育授業の課題とサッカーの特性を理解する上で有効であったと思われる。
 全ての授業は,初等・中等学校の体育授業を想定し,学生が教員になってから役立つ実践的内容で構成した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@4月〜5月:本学公開講座講師「山屋敷サッカー教室」
A6月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 上越市立大和小学校
B8月:神奈川県立体育センター「中・高等学校保健体育授業に役立つ研修会」 神奈川県立体育センター
C10月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 長岡市立中野俣小学校
D11月:上越教育大学出前講座「運動遊び」 上越市立直江津南小学校
E12月:本学公開講座講師「山屋敷フットサル教室」
◎社会への寄与等
(1)新潟県サッカー協会及び上越サッカー協会と連携して,サッカーの普及,競技力の向上にかかわった。
(2)出前講座「運動遊び」では,小学生とその保護者を対象としたPTC活動,学校保健委員会の活動など幅広い要望が寄せられた。運動遊びを通して,人との関わり合いがより円滑になることを実感してもらえたと共に心身の健康について考えるきっかけになったものと思われる。
 

 
清 水 富 弘(准教授)
 
<教育活動>
(1)授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部授業では「スポーツ実践」の水泳,球技を担当している。受講生の技術・能力レベルが授業開始時点で大きく異なっており,それが学生相互にも認知しやすい特徴がある。そこで各レベルの学生個々の動気づけを高めるため,泳げない者を泳げるように保証する「水泳教材データベース」を作成し,水泳能力の評価,分析および指導教材を提供し,学生の水泳に関する問題解決を支援した。また,授業では能力レベル別のグループを作り,各グループごとに達成可能な課題を提案している。また集中講座「ウォータースポーツ」とリンクし,泳ぐ技術習得に時間のかかる受講生に対し,個別指導を行うことで受講生とのコミュニケーションを深め,自己の課題に挑戦し,その結果を出すことを重視している。
 その他集中授業の「マリンスポーツ」「野外運動B(カヌー)」では,シラバス,全体ガイダンス,受講者ガイダンス,学内実習,本実習というステップを経ることで本実習までに野外教育に必要な情報,方法を段階的に伝えることを重視している。
 大学院でも上記と同様の「到達度評価」を実施しているが,特に指導理論と自己の能力との融合を重点的にとらえさせている。また,自己の課題も学部より多岐にわたるよう工夫している。
○成績評価に関する取組状況
 「到達(達成)度評価」を実施している。これは,授業開始時に学生の能力レベルが大きくことなるため,技術・能力レベルおよび知識レベルにおける観点について開始時から終了時までにいかなる変化が生じたかを評価の大きな観点とし,その客観的変化を毎回の授業ごとに,受講生に公開した。また,受講生の行う授業評価については,大学側アンケートの他,独自で作成した授業評価チェックリストを授業最終回に無記名式で実施した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取組状況
 小中学校の教師に必要な体育実技・指導能力のひとつに水泳がある。また小中学校の教員採用試験にもほとんど水泳が課せられる。このため,学部授業「スポーツ実践」の中の「水泳」を担当しているが,前期授業において水泳初心者には100m(クロールおよび平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。最初の授業の段階でこの基準を既に達成している者には,200m(クロールおよび平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。また5分間泳のパフォーマンス向上を最終課題においている。本学の学生は,当授業終了時までに水泳の能力を必ず身に付けることになる。また,その過程における支援的教授により,水泳能力が未熟な学生にとっては不可能と思える課題を系統的に挑戦することで,段階的に克服する体験を味わい,さらに成果を上げることを重視している。さあに学生が自主的に水泳技術を習得するために,具体的にどのような課題に取り組めばいいかを明確にするために水泳教材データベースを作成した。
(2)研究指導
【観点1】学部
 研究指導を開始する時点で,1年間の最終目標を明確にし,その目標の達成のために,毎月の活動がどのような意味をもつのかを学生自身が自己評価することを重視することで,学生の研究に対する動気づけを高める指導を行った。
【観点2】大学院
 研究課題となる内容について,院生自身が実験・調査のために必要な環境を具体的に明確にし,その交渉自体を院生の手によって行わせる。研究目的の明確化(GOAL)→現状の把握・問題の認識(Reality)→選択肢の創造(Option)→具体的スケジュール(Will)という「問題解決をめざすGROWモデル」を院生自身が推進するための,コーチング(教員は直接指示することなく,質問・傾聴・提案・要求・承認により院生に気づかせる手法)を主体にコミュニケーションをとることを重視した。このようなゼミを前期は週に1回,後期は週に2回実施した。また,学校教育現場との教員と関わりからの学びの必要性から修了生を中心とした現場教師との共同ゼミを積極的に開催した(年間2回)。
(3)その他の教育活動(学外を含む。)
 平成7年本学に赴任以来,13年間学内プールの年度大掃除およびシーズン中のプールの施設管理およびプール水の衛生管理に関わる業務を私一人で担当している(大掃除は私の授業を受講している大学院生の協力がある)。
 他大学の非常勤講師は,新潟県立看護大学にて『健康スポーツ学』(講義及び実技)を,前期及び後期において担当した。
 教職講座では,水泳を担当し,受験する都道府県の出題傾向に応じた実技(特に水泳)指導を行った。個別の指導により,短期間で技術(泳法技能,スタート,ターン)の改善に成功した。
◎特色ある点
 上記(1)〜(3)を通じて,学生とのコミュニケーション及び教授過程において「コーチング」「メンタリング」「NLP」手法を導入した。コーチングとは,教員は直接指示・指導することはなく,質問を多用し,状況に応じ提案や要求を提示することに徹し,学生・院生自身に気づかせ「自問自答」する習慣をつくることを目的とした支援型コミュニケーション法である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成19年11月:『水素と医療』(共) ナナ・コーポレーション出版
発】@平成19年5月:『運動前の足浴が血中乳酸濃度に及ぼす影響』(共) 第72回日本温泉気候物理医学会総会
A平成19年5月:『新潟県弥彦村における健康増進活動』(共) 第72回日本温泉気候物理医学会総会
共同研究(小・中・高等学校教員との共同研究を含む。)の実施状況
@経済産業省委託事業「地域資源活用型健康サービス人材育成事業」委員 代表者:里敏行((社)民間活力開発機構理事長)
A新潟県弥彦村健康増進プロジェクト 代表:弥彦村健康増進課
 上記@は,平成17年度経済産業省「地域資源活用型健康サービス人材育成事業」の採択を(社)民間活力開発機構が受け,そこから委嘱された私共委員により「温泉療養に関わるコーディネーター」を育成するため温泉療養学に関するカリキュラムおよびテキストの作成を行った。
 上記Aは,プロジェクトの学識経験者研究員として予防医学・健康科学としての温泉入浴,運動,栄養の処方的実証調査・研究を実施した。
学会活動への参加状況
@平成19年5月18日:日本温泉気候物理医学会に発表者として参加
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@文部省認定・日本体育協会公認A級スポーツ指導者養成講習会講師(日本体育協会)
A(財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会委員(日本水泳連盟)
B平成19年度経済産業省「地域資源活用型健康サービス人材育成事業」のうち「温泉療養コーディネーター育成」委員会メンバー(経済産業省)
C「温泉療養システム研究会」委員(社団法人民間活力開発機構)
 

 
土 田 了 輔(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育においては,スポーツ種目にとらわれず,ボールゲームに広く共通する内容を取り扱った。学習形態については,学習内容を反復試行できるように工夫した。
 評価に関しては,ゲーム構造の捉え方や学習内容に対する理解度を参照し,将来,教職に就いた時に指導に活かせるかどうかを重視した。
【観点2】教育の達成状況
 教職に就く即戦力として学生,院生を扱い,すぐにゴール型ゲーム全般にわたる指導が可能な学習内容を用意した。学生達の知の獲得状況は良好であった。
研究指導
【観点1】学部
 本人が所属する課外活動団体の活動現場の中から課題を拾い出し,卒業研究のテーマとして扱うことにより,学校現場での実践力,課題解決能力を育成した。
【観点2】大学院
 未熟練者の視点に立ったスポーツ指導をテーマに扱い,教育現場に直結する内容に対する理解を深めるよう工夫した。
その他の教育活動
@新潟大学教育人間科学部非常勤講師(体育実技「バスケットボール」)
A新潟工科大学工学部非常勤講師(体育実技)
B教職講座(バスケットボール)担当
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 スポーツ,特にボールゲーム指導に関して,世界の趨勢となっている戦術アプローチに取組み,我が国の小学校学習指導要領にマッチした学習内容構成を指導している点に特色がある。今後は,アメリカを中心としたボールゲームの戦術アプローチを批判的に検討した成果をまとめることが課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年12月:小学校の休憩時間における児童の集団的遊戯活動に関する研究(単著),体育・スポーツ哲学研究,29-2, 91-107.
A平成20年2月:児童の遊戯集団をモデルにした球技の学習集団の編成と効果について(共著),上越教育大学実技教育研究,2,11-21.
B平成20年2月:体育の学習集団編成に関する研究(単著),上越教育大学研究紀要,27, 217-224.
C平成20年3月:ボールゲームの課題解決過程の基礎的検討(共著),体育科教育学研究,24-1,1-11.
◎特色・強調点等
 ボールゲームの学習に,児童の遊戯集団モデルを導入した点が特色である。学習者が,ゲームの勝敗にとらわれないで,課題に取り組めるからである。また,ボールゲームの指導を,スポーツ種目ではなく,達成課題において整理した点が優れた点である。次期小学校学習指導要領は,脱種目主義の色彩が強くなる見通しであるが,それを先取りした内容を取り扱っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@北信越学生バスケットボール連盟理事
A新潟県学生バスケットボール連盟理事
B甲信越学生バスケットボール定期戦委員会理事
C上越市バスケットボール協会理事
◎社会への寄与等
 地域の学生バスケットボールの普及発展に積極的に関わった。
 

 
大 橋 奈希左(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部・大学院ともに,授業の方針,目標をシラバスに明記し,最初の授業で評価の方法を示した。
 学部の授業では,将来学生が指導者になったときの実践力,特に課題設定とその解決のための支援に焦点を当て,授業を展開した。
 大学院の授業では,現場の授業で即使用できる教材の提示とともに,授業の展開の構造を探ることを意図した授業実践を試みた。
 成績評価に当たっては,学びのプロセスとしての実技と成果としてのレポートを中心に評価した。
【観点2】教育の達成状況
 特に,学部1年生の授業では,学びのプロセスを明らかにするために,毎時間終了後に学生の自己評価を行い,データ化した結果,目標とした項目のほとんどが伸びを示した。
 研究指導
【観点1】学部
 学部では,学生の実習の反省にもとづき,教材づくりを中心として臨床的な実践力を養成することを目的として指導を行った。
 体育における「教材」概念の理解をふまえ,先行研究の実践をもとに,教材づくりをした上で,小学校において,休み時間の観察と特別活動の指導を実際に行い,その分析を中心とした卒業論文の作成を目標とした。
【観点2】大学院
 実際の運動指導を対象とし,その指導場面を分析するための視点・視座を設定するために」,先行研究の文献考証を中心に演習を行った。
その他の教育活動
@独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校非常勤講師「保健体育」
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 従来学校現場で,指導が難しいといわれてきた「表現運動」・「ダンス」の指導法を中心に大学院の授業を展開していることから,保健体育以外の大学院生の受講者も年々増え,現場で実践した結果のフィードバックが少しずつ授業者のところに届くようになっている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成20年3月:『教員養成学部学生の表現・コミュニケーションに関する実習授業について(2)−「からだでつくろうみんなの彫刻」の活動をもとにして−』(共著)日本教育大学協会研究年報第26集 pp.19-32
作】@平成19年6月:第60回新潟県高等学校総合体育大会兼第20回全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)予選会 審査委員
A平成19年9月:ARTISTIC MOVEMENT IN TOYAMA 2007 指導作品「みちくさ」発表
発】@平成19年12月:『ゲーム・ダンス・体ほぐしによる交流活動〜間身体コミュニケーション力の育成を目指して〜』(共)日本教育大学協会全国保健体育・保健研究部門第27回全国創作舞踊研究発表会 指導法発表
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@教員の資質としての間身体的コミュニケーション力の研究−ポートフォリオを活用して− 代表者:大橋奈希左(講師) 科学研究費補助金 
Aからだの感じを大切にしたやさしい運動指導法に関する実践的研究−現職教員の研修のための運動プログラムの開発を中心にして− 代表者:加藤泰樹(教授) 上越教育大学研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@6月23日〜24日:日本体育科教育学会参加
A8月11日〜12日:日本体育・スポーツ哲学会参加
B9月5日〜7日:日本体育学会参加
C雑誌『舞踊教育学研究』編集委員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県女子体育連盟常任理事
A上越市国際教育推進協議会委員
B上越教育大学出前講座 針小学校 (2回)
 

 
周 東 和 好(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育教育における「理論と実践の統合的理解」の必要性を鑑み,理論の実践的理解および実践の理論的理解を促すよう配慮した。関連する授業を有機的に結びつけて理解できるように,時間割の配当および授業内容を計画した。例えば,特論と演習を2時限続きで配当し,実践した内容に基づき理論的理解を促したり,理論を学んだ上でそれを実践的に確認したりするということである。シラバスでも2つの講義内容が有機的に結びつくように計画した。成績評価については出席,レポート提出の状況等を点数化して厳格に算出した。
【観点2】教育の達成状況
 概ね計画通りに授業を実施することができた。
研究指導
【観点1】学部
 本学に赴任して初年度のため,学部生の所属ゼミはほぼ決定しており,本年度はゼミへの所属学部生はなかった。他の研究室に所属する学生の卒業論文に関わる内容で質問や助言を求められ応答し,また,小学校より依頼された教員研修に同行させるなどして援助した。
【観点2】大学院
 体育教育をめぐる実践的な諸問題を抽出し,それらについて多面的に捉える視点の涵養のため,通常のゼミ,運動実習,ゼミ合宿等を実施した。
その他の教育活動
@育英短期大学非常勤講師(担当講義「運動遊びT」)
A教職講座「器械運動」
B初等教育実習先への訪問及び事前の学生指導
C平成19年度上越教育大学FD研修会における授業実践「保健体育科教育特論・演習」パネラー
D体操部の設立に伴い顧問として援助し,定期の活動では実技指導した。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学的認識を基盤として,体育授業における運動をめぐる諸問題に対応できるよう,学部においては基礎力の充実に,大学院においては発展的な応用力の涵養に努めた。
 今後の課題として,体育教育の実践的理解をさらに促進するため,通常の講義においても映像資料を活用できるようにしたい。
 教職講座では計画した7回の講座以外に,学生・院生らの要望に基づき,随時,指導にあたった。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年3月:『器械運動指導法―動きづくりの運動編―』DVDの作成
A平成20年3月:『器械運動指導法』Webコンテンツの作成(上越教育大学情報基盤センター事業「情報教育等の実践的指導力を備えた教員の養成・研修事業」)
論】@平成19年4月:『幼児期における新しい運動課題を解決するための習得運動の出現―なわとび運動の発生を例に―』(単著) 育英短期大学幼児教育研究所紀要第5号
A平成19年4月:『保育専攻学生の健康観と体力の現状について―健康観に関する調査及び体力測定結果からの検討―』(共著) 育英短期大学幼児教育研究所紀要第5号
作】@平成19年6月:関東高等学校体育大会体操競技審判員
A平成19年8月:全国少年少女体操交歓大会審判員 兼 大会役員
B平成19年8月:東西ジュニア体操競技選手権大会決勝大会審判員 兼 大会役員
C平成19年8月:全日本ジュニア体操競技選手権大会審判員 兼 大会役員
D平成19年9月:国際ジュニア体操競技大会大会役員
E平成19年10月:国民体育大会秋田わか杉国体「体操競技の部」審判員
F平成20年2月:平成19年度体操競技男子全国代表審判員研修会 全日本ジュニア体操クラブ連盟男子代表として出席
他】@平成20年3月:上越教育大学研究プロジェクト「教員養成における実技実習の意義に関する研究」報告(上越教育大学ホームページ)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@からだの感じを大切にしたやさしい運動指導法に関する実践的研究―現職教員の研修のための運動プログラムの開発を中心にして― 代表者:加藤泰樹(上越教育大学大学院教授) 上越教育大学研究プロジェクト平成19-20年度
A教員養成における実技実習の意義に関する研究―とび箱「かかえ込みとび」を例に― 代表者:周東和好(上越教育大学大学院講師)上越教育大学研究プロジェクト平成19年度
B幼児の運動プログラムの開発に関する研究 代表者:周東和好 協力:社会福祉法人柏会大間々保育園
学会活動への参加状況
@日本体育学会第58回学会大会出席
A日本スポーツ教育学会第27回学会大会出席
B日本体操競技・器械運動学会第21回大会出席
C日本スポーツ運動学会第21回学会大会出席
◎特色・強調点等
 器械運動の指導法に関する著書(DVD)で,動きづくりの運動として低学年から取り組むという視点に基づく教材はあまり見当たらない。また,教材となる運動の配列はこれまでの指導書には見ることができない独自のものである。また,実際に児童を対象にした実践映像に基づいて編纂されたものはなく,教員の研修用教材として子どもの動きに基づく解説の価値は高い。
 Web教材についても同様のことが言える。また,Web教材では運動の実施上の説明や,観察ポイントの説明,動きと動きとの発展関係がわかるように編纂されているところに独自性がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@高崎市「中・高生のための体力トレーニング教室」講師
A長岡体育サークル研究会 授業研究協議会「第4学年マット運動の授業」指導助言者
B上越市立春日新田小学校 教員研修会「なわとびの技の習得および指導法について」講師
C妙高市教育委員会 体育主任研修会「器械運動の指導法DVD」配布・説明 
D社会福祉法人柏会大間々保育園幼児の運動プログラム指導助言
E日本ラート協会 理事 兼 技術部・国際部会委員
F全国少年少女体操普及協議会 理事
G全日本ジュニア体操クラブ連盟大会協力委員
H桐生市体操協会常任理事
I日本体操協会指導者育成部委託部員
◎社会への寄与等
 @〜Bの活動については,事後アンケートからも伺えるように,受講者には新たな視点を提供し,教育実践に向けて新たな展開が期待できるものとなったと思われる。
 Cについては,平成20年度に当該の所管学校において,全面的に活用される予定であり,今後の活用が期待できる。
 Dについては,運動プログラムを提供し,継続して取り組んでいるものであり,多くの園児において運動に積極的に取り組む様子が見られており,また,保育士においては指導の観点がはっきりし,指導しやすいとの回答を得ている。
 E〜Iに関しては,必要に応じて業務に支障がない範囲で取り組んでいる。