【生活・健康系教育講座(技術)】
 

 
山 崎 貞 登(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義・演習の初回オリエンテーションで,学習到達目標及び成績判定基準を事前公開した。課題探究型の学習とし,課題レポートの作成と検討会の実施を工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 修士課程では,現職教員2名(新潟県,名古屋市)と小・中学校教員就職者2名を平成20年3月に修了させた。平成20年2月9日に公開形式で修論発表会を行い,出席した新潟県技術・家庭科教員から多数の質問や意見があり,高い評価を得た。
研究指導
【観点2】
 大学院(修士課程)より高度な臨床的な実践力を習得させるために,本学附属中学校技術・家庭科と社会科,新潟県三条市立荒沢・長沢小学校,同下田中学校と,主として技術教育に関連した臨床的実践研究を実施した。
その他の教育活動
@群馬大学教育学研究科・長岡技術科学大学非常勤講師
A新潟県三条市教育委員会講師
B附属中学校研究協力者
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 文部科学省研究開発学校に指定された三条長沢小・荒沢小・下田中学校と,「技術」「キャリア発達」「エネルギー・環境」リテラシーを育む新教科の教育課程開発研究の全体指導を毎月1回以上行った。平成19年11月15日の全日本中学校技術・家庭科研究会関東甲信越地区技術・家庭科研究大会の全体指導を行った。小学校と中学校を一貫した技術教育課程研究の全国的な推進が今後の課題の第1である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年4月:山崎貞登・宮城徹也・山田哲也・谷口義昭:文部科学省教育課程開発研究指定 技術的素養の育成を目指す小・中学校一貫した新教科の教育課程開発,日本産業技術教育学会誌第49巻第1号, pp.84-93,
発】@平成19年8月:初等・中等教育と高等教育との連携のあり方,(社)日本工学教育協会第55回年次大会
A平成19年8月:技術的素養を育む教育課程で開発された単元の構造分析−エネルギー教育の視点から−,日本エネルギー環境教育学会第2回全国大会論文集, p.153
B平成19年8月:理科・技術科・数学科の総合単元開発:技術的問題解決プロセスに理数を位置づける−技術的問題解決に固有のプロセス−,日本科学教育学会年会論文集31,pp.161-164
C平成19年8月:小・中学校一貫した技術教育課程開発研究推進のための地域連携〜新潟県三条市立荒沢中・長沢小・下田中学校の事例〜,日本産業技術教育学会第50回全国大会(大阪)講演要旨集,p.36
D平成19年8月:「創成力」に着目した中学校技術分野「工夫・創造力」の評価方法の工夫,日本産業技術教育学会第50回全国大会(大阪)講演要旨集, p.111
E平成19年8月:小1児童のポートフォリオ制作経験が小2年次の構成行為の発達に及ぼす影響,日本産業技術教育学会第50回全国大会(大阪)講演要旨集,p.118
F平成19年10月:小・中・高校を一貫した技術教育課程基準に関する最新の研究動向,現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)ものづくりリテラシー教育フォーラム2007概要集−技術教育の現状と未来(主催:岐阜工業高等専門学校), pp.15-20
G平成19年11月:学習到達目標を明確化した小・中・高等学校一貫技術教育課程基準の開発,日本教科教育学会第33回全国大会発表論文集,pp.17-18
他】@平成20年3月:山崎貞登(研究代表者):技術的素養の育成を重視した初・中・高等学校教育一貫の技術教育課程開発, 科学研究費補助金(基盤研究(C))第3年次研究成果報告書
共同研究の実施状況
@技術的素養の育成を重視した初・中・高等学校教育一貫の技術教育課程開発,代表者:山崎貞登,科研費
APISA型学力としてのコンピテンシー育成を目的とした統合カリキュラムの理論的研究,代表者:小林辰至,科研費
学会活動への参加状況
@8月17日:日本科学教育学会出席
A10月27〜28日:日本教科教育学会出席
B日本エネルギー環境教育学会理事
◎特色ある点等
 「重要政策課題への機動的対応の推進」日本人が身に付けるべき科学技術の基礎的素養に関する調査研究技術専門部会委員として,科学技術教育政策への提言を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年度文科省研究開発学校研究協議会(新潟三条長沢小・荒沢小・下田中)全体指導者
Aエネルギー教育調査普及事業評価指導委員会委員(エネルギー環境教育情報センター)
B第47回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究大会新潟大会全体会指導者
C科学技術振興調整費による「重要政策課題への機動的対応の推進」日本人が身に付けるべき科学技術の基礎的素養に関する調査研究技術専門部会委員
D日本工学教育協会初等中等技術教育と高等技術教育の連携WG委員
◎社会への寄与等
平成19年度文部科学省研究開発学校三条長沢小・荒沢小・下田中学校の全体指導者として,研究指導を行った。
 

 
黎   子 椰(教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部の授業「製図法」では,過去教員採用試験の試験問題を取り入れ,技術教員としての基本的な知識・技能を身に付けさせるように工夫した。大学院の授業「機械工学特論」では,エネルギー環境教育の内容を取り上げ,エネルギー施設の見学やワークショップ,発表会などを通してエネルギー環境教育の実践力を養うことを試みた。
 成績評価については,図面,レポートの記述内容,授業時の発言内容等をも考慮に入れて,公平・妥当な評価に努めた。
【観点2】教育の達成状況
 「製図法」の受講者全員は等角図,三角法等の製図の基礎を理解し,JISに基づいた部品図を作成することができるようになった。また,「機械工学特論」のレポートや発表会の内容より,受講者はエネルギー環境問題についての理解と認識を深め,諸課題の技術的解決手法・技法を効果的に学ぶことができたと考えられる。
研究指導
【観点2】大学院
 学部からストレート大学院に進学した院生1名を指導した。臨床的な実践力を修得させるために,課題研究として,中学生のものづくりに関する学習意欲を高めるための教材開発を行わせた。指導した院生が,他大学教育学部附属中学校により臨時採用された。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成19年6月:『Optimal Generation of Cutter Path in the Form of Polar Coordinate for NC Machining of Noncircular Contours』(共著)Progress of Precision Engineering and Nano Technology (Key Engineering Materials Vol.339),pp.59-65
A平成20年2月:『Optimal Archmedes' Spiral Interpolation for Cutter Path Generation in NC Machining of Noncircular Contours』(共著)International Journal of Advanced Manufacturing Technology,Vol.36, No.1-2,pp.69-82
B平成20年3月:『小・中学校における地域社会との連携をはかったエネルギー教育・環境教育カリキュラムの作成』(共著)平成17-19年度(財)社会経済生産性本部エネルギー環境教育情報センターエネルギー教育調査普及事業上越教育大学環境教育研究会最終報告書
C平成20年3月:『東アジアにおける学校教育改革の共通性と差異の比較に関する総合的調査研究−カリキュラム改革と教師教育改革を中心に−』(共著)平成17〜19年度科学研究費補助金(基盤研究B海外)研究成果報告書(研究課題番号174020383401)
発】@平成19年8月:『モデルハウスを利用した省エネルギー体験学習の試み』(共著)日本エネルギー環境教育学会第2回全国大会論文集pp.103-104
A平成19年8月:『アルミ缶リサイクル体験学習−アルミ鋳造実験における砂型利用の試み−』(共著)日本エネルギー環境教育学会第2回全国大会論文集pp.126-127
B平成19年9月:『教員養成大学におけるものづくり教育の試み』(共著)日本機械学会創立110周年記念2007年度年次大会講演論文集pp.109-110
C平成19年11月:『フルモールド法によるアルミ鋳造の教材化』(共著)日本産業技術教育学会第20回北陸支部大会講演論文集p.25
D平成19年12月:『地域におけるものづくり人材育成への支援−マシニングセンタ加工を中心に−』(共著)日本機械学会講演会「技術と社会の関連を巡って:過去から未来を訪ねる」講演論文集pp.73-76
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@平成17〜19年度社会経済生産性本部エネルギー環境教育情報センターエネルギー教育調査普及事業:小・中学校における地域社会との連携をはかったエネルギー教育・環境教育カリキュラムの作成(研究代表者:上越教育大学教授 滝山桂子)
A産学官連携による地域のものづくり人材育成(共同研究者:独立行政法人雇用・能力開発機構 滋賀職業能力開発短期大学校長 谷垣昌敬)
国際研究プロジェクトへの参加状況
@平成17−19年度科学研究費補助金,基盤研究B海外(研究課題番号174020383401):東アジアにおける学校教育改革の共通性と差異の比較に関する総合的調査研究−カリキュラム改革と教師教育改革を中心に−(研究代表者:上越教育大学副学長 戸北凱惟)
学会活動への参加状況
@平成19年8月:日本エネルギー環境教育学会第2回全国大会出席・研究発表
A平成19年9月:日本機械学会創立110周年記念2007年度年次大会出席・研究発表 
B平成19年11月:日本産業技術教育学会第20回北陸支部大会出席・研究発表
C平成19年11月:日本教育実践学会第10回研究大会出席
D平成19年12月:日本機械学会講演会「技術と社会の関連を巡って:過去から未来を訪ねる」出席・研究発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市中小企業研究開発等支援資金融資委員会委員
A平成19年4月〜5月:上越教育大学公開講座「ものづくり人材育成講座〜NC工作機械入門〜」講師
B平成19年7月:平成19年度附属中学校わくわく大学ウイーク特別授業
C平成19年4月〜11月:第47回関東甲信越地区中学校技術・家庭科研究会第4分科会「情報とコンピュータ」分野研究指導者
 

 
東 原 貴 志(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法に習熟させることに努めた。
 大学院の「木材加工学特論」では,上越市所有の町家内部における木造建築とまちづくりに関する講義や,上越市内の製材工場見学を実施し,地域の林業・木材産業との関わりについて議論した。
○成績評価法に関する取組状況
 講義・演習の初回オリエンテーションで,授業の概要,学習到達目標および成績判定基準について説明した。
 学部授業では製作態度や製作物の完成度についての評価を重視した。
 大学院授業では授業後のレポートを課した。
研究指導
【観点2】大学院
 大学院生に木材加工に関する文献講読,実技指導ならびに研究方法を指導した。実際に学校現場に行き,木材加工に関する授業実践を通して,授業展開の仕方,児童の反応について認識を深めた。
 また,日本産業技術教育学会北陸支部会への参加により,実践に役立つ最新の情報収集を行い,教材開発への指針を得た。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部授業については,学生は「心ゆくまでものづくりができた」と評価していた。今後とも,製作演習を中心とした魅力ある授業展開を心がけたい。
 大学院授業「木材加工学特論」の学外講義については,地元スギを活用した教材開発の可能性を探る取り組みとして,上越タイムス誌(平成19年11月27日付)にて掲載された。 
 今後とも,地域と連携した授業展開に取り組みたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成19年8月:東原貴志,小林弘典:演習林を活用した中学生の森林観察実習,第57回日本木材学会大会,安田女子大学
A平成19年11月:東原貴志,柴沼一司:スギ材を利用した木工教材の開発と「木育」活動への取組,日本産業技術教育学会第20回北陸支部大会,福井大学
B平成20年1月:東原貴志,小林弘典,吉本和夫:樹木の特徴と識別方法がわかる樹木観察実習プログラム「この木なんの木ゲーム」の開発と中学校・高等学校における実践,日本生物教育学会第84回全国大会,名城大学
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@本学情報基盤センターと連携し,e-learning教材「木材の圧縮加工」「木材の曲げ加工」映像教材の制作に協力した。 
学会活動への参加状況
@平成19年8月:第57回日本木材学会大会(安田女子大学)に参加,口頭発表
A平成19年11月:日本産業技術教育学会第20回北陸支部大会(福井大学)に参加,口頭発表
B平成20年1月:日本生物教育学会第84回全国大会(名城大学)に参加,口頭発表
C平成20年3月:第58回日本木材学会大会(つくば国際会議場)に参加
◎特色・強調点等
 地域の森林資源を活用した木工教材の開発については,林野庁が提唱している「木育」活動の理念および日本木材学会「木づかい円卓会議」の提言書の内容に合致しており,社会的なニーズが高い研究活動である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年7月6日上越教育大学附属中学校1年生森林学習「自然探索コース」講師
A平成19年7月24日〜26日上越教育大学附属中学校「附属中学校わくわく大学ウィーク」講師
◎社会への寄与等
(1)上越教育大学附属中学校1年生を対象とした森林学習に講師として参加した。妙高市の藤巻山周辺において,自然林や土壌を観察し,ブナ林の成り立ちについて説明した。森林の物質循環を調べる活動を通して,調和のとれた自然界の物質循環について理解を深めさせることができた。
(2)上越教育大学構内において,上越教育大学附属中学校1年生を対象とした特別授業として,木材加工入門−曲げ木工作にチャレンジ−を実施した。この講座では,木材の細胞構造と曲げ加工の原理を説明し,電子レンジと曲げ木の治具を利用して,木材を曲げる加工を行い,小物入れを製作した。製作活動を通して,生徒たちのものづくりへの意欲を喚起した。