【学校教育総合研究センター】
 
 

 
南 部 昌 敏(教 授)
 
<教育活動>
授 業
授業形態,学習指導法等の教育方法,及び成績評価法等に関する取組状況は次のとおりである。
学 部
学部1年生全員必修「教育情報概論」では,平成18年度と同様に、まず、我が国における最近の教育の情報化に関する施策の動向、及び学校現場における情報教育・ICT活用教育の現状と課題、現職教員のICT活用指導力の現状と課題、並びに、学校における学習・授業・校務を支援するコンテンツ整備の状況等について、それらの情報が提供されているWebページを紹介した。受講生には、ホームワークとして、各自でそれぞれのWebページを閲覧し、記載内容のキーワードを抽出し、付箋紙に記させた。次の時間に、6名で1グループを構成し、ワークショップ形式で、模造紙に「我が国の教育の情報化の特徴と課題および改善方策」と題して、各自が用意した付箋紙を基にして、ブレーンストーミングによるKJ法的方法で図にまとめさせた。それをパネルとして掲示させ、グループ代表による発表を他のグループの学生が視聴する形式で、6回のローテーションを組んで、意見交換を行わせた。そのあとで、小・中・高・特別支援諸学校における各教科及び総合的な学習の時間を通して行う情報通信技術(ICT)を活用した学習指導及び情報教育の方略について解説した。「我が国の教育の情報化の特徴と課題および改善方策」と題するレポートを講義支援システムに提出させるとともに、各自でWebページを調べたこと、ワークショップ形式でグループで図にまとめたこと、パネル発表によって意見交換を行ったこと等についてのアンケートを講義支援システムに提出させ、総合して評価した。
学部2年生対象の「学習臨床入門」では、「授業の流れの中で教師は何に気づき、どのように対応しているか 」をテーマに、自分自身が行った授業の録画ビデオを視聴させ、授業者の気づきと対応のための意志決定について具体的に解説した。
学部2年生対象の「学習臨床概論B」では、「メディアリテラシーと情報教育及びそれを推進するための教師教育 」をテーマに、情報を批評的に読み解く能力としてのメディアリテラシー、及び情報教育の実践方法、並びに、それを実践する教師に求められる資質能力とその研修について、実践事例を示しながら解説した。
全学の3,4年生選択必修「教育工学」では,平成18年度と同様に、後期集中講義形式で,新しい試みとして、ID(Instructional Design)の考え方を取り入れた授業の設計・実施・評価の理論編の講義の後、教育情報ナショナルセンター(NICER)の授業実践ナビに紹介されているICT活用の優れた6つの授業実践事例をIDの視点からグループで分析し、発表と討論によってその意義と課題について共通理解しあうとともに、36名を6つのグループに分かれて、IDに基づく授業設計と模擬授業による協働演習を行わせた。その後、授業者による解説とコメントによって理解を深めさせるとともに、「IDの視点による授業づくりと授業実施、授業評価のあり方」「ICTを活用した授業実践のあり方」と題するレポートを電子メールで提出させた。評価は、各班の協働演習の観察分析と各自のレポートで評価した。
「情報科指導法「授業論」」は、高校の普通教科「情報」の情報A,情報B,情報Cの目標・内容を解説し、それぞれの具体的な指導方法及び教材についての理解を深めるため、3社の教科書を分析させた。次に、ID(Instructional Design)の考え方を取り入れた、授業設計を個別に行わせ、模擬授業形式で、それぞれの計画を発表させ、討論させた。
「マルチメディア教材制作演習」では、flashを用いた数学のマルチメディア教材を制作させ、受講者相互に、作品の発表と意見交換、相互評価をさせた。
以上のように、担当した授業において、教育工学の理論であるID(Instructional Design)の考え方を取り入れ、ワークショップによる演習や講義支援システム・電子メールによるレポート提出などの新しい指導方法による授業改善を行った結果、情報教育及び教育の方法と技術に関する資質能力の向上に貢献することができた。
 
大学院
大学院修士課程対象の「教育工学特論」,「教育メディア特別演習」では,9年前から継続して実施している通信衛星を用いた大学間ネットワーク「SCS」を用いた大学間遠隔共同講義「教育工学特講1,2」のプログラムの改訂と同期型遠隔教育システムの活用方法の開発と実践に取り組んだ。受講登録大学数はそれぞれ89大学であり、毎回7から8大学、75名前後の大学教官、学部・大学院生、現職教員等が参加した。特に,前者は授業研究及び教師教育に焦点を当て,後者は教育メディアとその活用及び情報教育に焦点を当て,それぞれ教育工学的アプローチに関する理論と実践場面の課題を解決するための具体的適用方法について,全国の大学に所属している教育工学研究者の有志が連係して大学間で共同講義を行うとともに,それぞれの大学学部・大学院の受講者同士の協働学習を取り入れた。また、講義資料等は、岐阜大学のサーバに事前に保存し、そのURLをメーリングリストで周知することで、各自がダウンロードして利用できるようにする方法が定着した。毎回の講義に関するレポートで評価した。
実践場面分析演習「学習臨床」T・Uでは,授業設計・実施・評価の方略と具体方策、及び教師と学習者の行動の実態との関連性等について、具体的な情報教育実践場面を取り上げ、演習形式で検討した。情報教育研究セミナー「情報教育」T・Uでは、情報教育関連の研究の推進に向けて,文献研究,調査研究,実験研究,開発研究等について、情報教育分野南部研究室所属の大学院1年生1名、大学院2年生2名(教育職員免許取得プログラム:1名、現職:1名)で定期的ゼミ形式と集中ゼミ形式を適宜取り入れ、通年で協同討論を継続的に行った。
 
研究指導
学習臨床講座情報教育分野大学院2年生1名(現職派遣)を対象に、「自主学習時間における携帯電話のメール機能の活用に関する研究〜高校生を対象とした進路選択学習の実践を通して〜」と題する研究に関して、情報教育、メディア教育の観点から専門的な研究指導を行うとともに、高校生を対象としたきめ細かな実践と調査を基にして、量的・質的データを用いて検討し、その実態と関連性を明らかにした。その研究成果を、日本教育工学会第23回全国大会(平成19922-24日、会場:早稲田大学)において研究発表した。また、学習臨床講座情報教育分野大学院2年生1(教育職員免許取得プログラム)を対象に、「小学生のメディア・リテラシーを育成するための学習プログラムの開発と評価」題する研究に関して、情報教育、メディア教育の観点から専門的な研究指導を行った。さらに、学習臨床講座情報教育分野大学院1年生1(教育職員免許取得プログラム)を対象に、「デジタルコンテンツの協働的改善を支援するシステムの開発と評価〜中学校数学科「図形領域」に焦点化して」と題する研究に関して、メディア教育、教育工学の観点から専門的な研究指導を行った。
その他の教育活動
@平成19年4月から7月:毎週火曜日5限,新潟大学非常勤講師として「教育メディア論U」を担当した。
A平成1910月から平成20年2月:毎週火曜日2限,北陸学園非常勤講師として「情報機器の操作」を担当した。
B平成19年8月:上越教育大学学校図書館司書講習「情報メディアの活用」(2単位)を担当した。
 
◎特色ある点及び今後の検討課題等
@昨年度の引き続き、衛星通信大学間ネットワークシステム(SCS)を用いて前期8大学,後期9大学が参加して行う,遠隔共同講義・演習,前期、後期ともに2単位(18時から21時、7回)の教育研究実践を継続的に行い,その有効性を検証したことは、大学院における教育方法の改善への取り組みとして評価できる。
A学生による授業評価を取り入れた授業改善の試みを、図書館司書教諭資格取得関連科目「情報メディアの活用」において取り入れ、その有効性を検証した。授業者と受講生65名全員との間でコミュニケーションカード「大福帳」を用いた伝言とコメントのやり取りを毎週継続して行うとともに,受講生からの意見を次の回の授業の改善に反映させる試みを行った。その結果、受講生にとって,学校教育におけるメディア活用を中心とした授業設計と実施・評価に関する考え方を再考させ、教師の役割を再認識させるきっかけを与えることができた。また、初等中等教育教員を目指す学部3,4年生、大学院生にとって、大学教員がこのような試みを自ら実践して受講生に経験させることによって、これがモデル経験としての意味をもち、受講生との間でコミュニケーションを密にし、きめ細かな意思疎通をはかることの必要性を実感させることができたことを、大福帳の質的分析と受講後のアンケート調査により確認することができたことは評価できる。
B昨年度に引き続き、学生による授業評価を取り入れた授業改善の試みを、新潟大学において非常勤講師として担当した学芸員資格取得関連科目「教育メディア論U」において取り入れ、その有効性を検証した。授業者と受講生137名全員との間でコミュニケーションカード「大福帳」を用いた伝言とコメントのやり取りを毎週継続して行うとともに,受講生からの意見を次の回の授業の改善に反映させる試みを行った。その結果、学芸員の資格取得を目指す(教育人間科学部の学生は教職専門科目でもある)、教育人間科学部、人文学部、理学部、工学部に所属の学部1年生から4年生までの受講生にとって,学校教育におけるメディア活用を中心とした授業設計と実施及び教師の役割、ならびに、社会教育施設等でのメディア活用の考え方を再考させ、学芸員の役割を再認識させるきっかけを与えることができた。
C昨年度に引き続き、学部における教育方法の改善への取り組みとして,ワークショップ形式を取り入れた、受講者同士の協働(コラボレーション)よる演習とその発表(プレゼンテーション)、討論(コミュニケーション)を行わせたことは、協働的学びの場が醸成され、受講者相互に支援しあう学習環境を実現することができた。また、昨年度と同様に、その講義において達成してほしい目標に関するチェックリストによる受講者自身による内省的自己評価(リフレクション)を導入したが、自分自身の到達度と課題の確認をさせることができ、学習への動機付けに有効であるという知見を得たことは評価できる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】平成202月:『情報教育事典』(共著)、丸善
論】平成203月:『多人数を対象とした教育メディア関連授業改善の試み〜授業者と受講生の意思疎通を図るためのコミュニケーションカードの活用〜』(共著)、教育メディア研究、第142号、pp.23-32
発】@平成199月:『高等学校におけるケイタイのメール機能を活用した学習支援の試み』(共),日本教育工学会第23回全国大会講演論文集、pp.569-570
A平成199月:『他人数を対象とした教育メディア関連授業改善の試み(2)〜コミュニケーションカードへのコメント記入の実際と受講生の受け止め方〜』(共),日本教育工学会第23回全国大会講演論文集、pp.801-802
 
共同研究の実施状況
@平成1819年度科学研究費補助金(基盤研究(C)、課題番号18500736)「授業者としての大学教員の成長を支援する授業評価調査のあり方に関する研究」代表者:三尾忠男(早稲田大学教授)、共同研究
A平成1819年度科学研究費補助金(基盤研究(B)、課題番号18300291)「学力向上と学校におけるICT活用の効果に関する総合的・実証的研究」代表者:永野和男(聖心女子大学教授)、共同研究
B上越教育大学地域貢献特別支援事業「情報教育実践に関する指導力養成のための現職教員研修支援事業」共同研究
C平成181920年度文部科学省委託事業「ICT活用重点促進事業」(所轄:日本教育工学振興会)、共同研究
D平成15,16,17,18,19年度「ICTスキルアッププログラムの開発と普及」(所轄:ICT教育推進プログラム協議会)、共同研究
 
学会活動等への参加状況等
@平成19616日:日本教育工学会総会・シンポジウムを企画し、運営した。
A平成19622日:国立大学法人情報系センター協議会に出席した。
B平成19728日〜29日:日本教育工学会夏の合宿研究会(富山大学)に出席し、座長を担当した。
C平成1981日〜3日:e-learning world 2008(東京ビックサイト)に現代GPブースを出店し、これまでの開発したコンテンツを発表した。
D平成19921日:第71回国立大学教育実践研究関連センター協議会(埼玉大学)に出席し、会長として運営に当たった。
E平成19922日〜24日:日本教育工学会第23回全国大会(早稲田大学)大会に出席し、評議会・理事会出席するとともに、研究発表を行った。
F平成191020日〜21日:第14回日本教育メディア学会年次大会(秋田大学)に出席し、監事として理事会に出席した。
G平成19112日:第2回国立大学法人情報系センター長会議(宇都宮)に出席した。
H平成20214日〜15日:第72回国立大学教育実践研究関連センター協議会(東京学芸大学)出席・会長として運営に当たった。
 
◎特色・強調点等
昨年度に引き続き、遠隔教育,情報教育,メディア教育に関する実践的研究に積極的に取り組み、成果をあげた。
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本教育工学会会員・評議員・企画委員
A日本教育メディア学会会員・監事
B日本教育工学協会・副会長
C日本科学教育学会会員
D日本教育情報学会会員
E国立大学教育実践研究関連センター協議会会長
FIT教育支援協議会・副会長
G長野県指導力不足等教員判定委員会委員長
H文部科学省「学校のICT化のサポート体制の在り方に関する検討会」:副主査
I文部科学省委託研究事業「先導的教育情報化推進プログラム「eラーニングを活用したICT活用指導力育成のための教員研修」」委員
J文部科学省委託研究事業「先導的教育情報化推進プログラム「管理職のための戦略的ICT研修カリキュラムの開発」」委員
KICT教育推進プログラム協議会「ICTスキルアッププログラム開発プロジェクト」主査
L荒川区教育研究指定校「荒川区立尾久第六小学校」の校内研究の指導助言
M小平市立小平第五小学校の校内研究の指導助言
 
◎社会への寄与等
@文部科学省に設置された情報教育に関する検討会の委員、文部科学省委託事業としての研究開発プロジェクトの委員等を積極的に引き受け,助言指導を行った。
A所属学会の理事,企画委員、長野県の指導力不足等教員判定委員会委員長、公立小学校の校内研究等の指導助言を積極的に行った。
 

 
浅 野 秀 之(准教授)
 
<教育活動>
授 業
 「教育実地研究U」の前期は,初等教育実習で使用する学習指導案の作成を学生,免P生に課し,それに即して個別指導を行った。後期は,学生を少人数に分けて「授業技術」を担当し,視聴覚教材を使用して分かりやすい展開に努めた。成績評価に漢字テストやロールプレイ等を取り入れ,実践的な能力の向上を図った。
 「臨床教育課程論」は,本学増井三夫教授と私たち実務家教員3名によるジョイント授業として展開した。テキストへの書き込みや発表等を取り入れて展開し,教育課程について学生,免P生の理解を促すことができた。
 「教職実践演習」を新しく立ち上げ,他講座の教員と連携,協力しながら展開した。最終学年の学生,免P生にとって価値ある授業となるよう,集団討論や模擬授業を多く取り入れた。
その他の教育活動
 教育実習中は,担当した小・中及び特別支援学校を訪問し,実習生の授業や活動を参観し,指導を行った。免P生の教育実習や「総合インターンシップ」も丁寧な個別指導で軌道に乗せ,受け入れ校から良い評価を受けた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教育実習中の学校訪問を多くした。今後は教職大学院も展開するため,調整が必要となる。ジョイント授業や「教職実践演習」は,本学における新たな提案である。理論と実践の融合を目指し,シラバスの改善に努めたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】@平成19年7月:『判断・根拠・理由という型による説明で書くことを継続する』(単著) 国語教育 明治図書 第49巻第8号 pp.88-91
A平成20年3月:『国語科教科書の活用術1』(編著) 平成19年度上越教育大学学校教育総合研究センター研究プロジェクト報告書
共同研究の実施状況
@国語科教科書の活用に関する実践的研究 代表者:浅野秀之 上越教育大学学校教育総合研究センター研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@11月10日:第21回日本教育技術学会出席
A3月1日:第17回日本言語技術教育技術学会出席
◎特色・強調点等
  実務家教員として,学校現場の課題と教職課程との接点を検討しつつ意見を発表した。学校現場の若い教員に求められる資質や能力の明確化,また現場の教員から見た教員養成の在り方等に寄与できた。
 
<社会との連携>
社会的教育活動
@5月〜1月:本学出前講座「模擬授業の演習で授業力アップ!」講師(県内12の学校,教育団体等で実施)
A5〜9月:本学学校教育総合研究センター「模擬授業連続セミナー」講師(全5回)
B6月28日:三条市小学校教育研究協議会国語部会講師
C8月18日:第1回メタモルフォーゼOMORI塾講師
D10月20日:新潟教師力ワンポイントアドバイスセミナー講師
E10月26日:燕市立燕東小学校校内研修低学年部全体公開授業講師
F11月20日・30日:上越市立上下浜小学校校内研修会講師
G1月23日:新潟市立木山小学校校内研修講師,
H1月24日:新発田市立紫雲寺小学校校内研修講師
I上越地区教育サークル・ソレイユ顧問
J第4回五色百人一首新潟県大会顧問
◎社会への寄与等
 演習形式の出前講座が好評で,模擬授業による演習を各校の教員研修にも積極的に取り入れた。
 
 
 
石 川   真(准教授)
 
<教育活動>
授 業
 相互コミュニケーション科目(情報)では,教師として身に付けておかなければならない最低限の情報リテラシーの指導を行った。教育情報概論では,グループで情報モラルの学習指導案の作成させるなど,現場を強く意識した内容を中心に行った。教育情報基礎演習では,受講者間でコンピュータスキルに大きな差がみられるため,基本的な学習課題に加え,上位レベルの学習課題を用意するなどの配慮を行った。また,講義支援システムの掲示板ツールを用いて,毎回の授業に対する感想を記入させることで,随時授業の改善に努めた。教育情報応用演習では,問題解決に関する課題およびWebサイトの作成においては,協調学習を積極的に取り入れて取り組ませ,課題解決型で授業を進め,随時,個別指導等を行った。
 情報科免許取得のための授業では,積極的に実習を取り入れた。ネットワークコミュニケーション論では,各種ツールの設定や利用を通して,受講者間でネットワーク技術の基本を協調学習させたり,コミュニケーションに関する簡単な実験なども採用した。また,各自が関心のあるテーマを選んで,プレゼン,ディスカッションなども実施した。教育情報統計分析演習では,学校現場に深く関わりのあるデータを用いて,実習を中心とした授業を行った。教育環境とインタフェースは,学校現場で活かせるコンテンツをアクセシビリティやユーザビリティの観点から作成させた。情報社会と情報倫理では,個人情報の保護や情報倫理について理論的な枠組みを理解させる講義を中心に行った。
 大学院の授業では,情報教育方法特論において,講義支援システムの掲示板システムを活用し,複数のテーマについて意見交換させた。オフラインの授業で学習したことを踏まえつつ,オンラインで学習者相互に意見交換をさせることで,情報教育についてさらに理解を深めさせることができたと考えられる。
 いずれの科目においても,適切な教科書がないため,資料を作成し,pdf形式で配布した。また,一部の科目においては,受講者自身の学習課程を視覚的にわかりやすくするために,Webページを独自に作成して利用した。
 学部の実践セミナー,大学院の実践場面分析演習では,情報教育分野の教員で協力しながら,授業分析の理論と実践を学習させたり,附属小学校での授業参観を通して,学習臨床的な研究が行えるような基礎的な要素を取り入れ実施した。
 成績の評価基準は,シラバスに明示すると同時に,授業のガイダンス時に説明した。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年(1名)について,情報教育の専門的な研究指導を行った。また,学校現場で教師が有害情報へ適切に対応できるようなスキルを育成するための教材作成に取り組ませた。
【観点2】大学院
 修士2年(1名)に対しては,問題解決能力を育成するための学習プログラムを開発させ,実践を行わせた。 また,得られたデータの多くは,統計的手法により分析し,開発した学習プログラムの有効性を明らかとした。
 その他,情報教育分野における他ゼミ生に対しても随時助言を行なった。
その他の教育活動
@厚生労働省看護研修研究センター ・看護教員養成課程 非常勤講師 『情報学』を担当
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教員養成系大学の学生,大学院生として,必要な情報リテラシーを育成する点と,高等学校の教科「情報」の指導ができるように専門的な要素を含めた授業を行っている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成19年4月:『Evaluation of Actual and Preferred Classroom Environments Among Japanese Juvenile Delinquents』(共著)American Education Research Association 2007 Annual Meeting.
A平成19年9月:『スクロールタイプの違いが文章の読み方に及ぼす影響』(単著)教育システム情報学会第31回全国大会.
B平成20年1月:『The Effect of Note-taking Strategies on Students' Comprehension at Psychology Class in Japanese』(共著)Fifth International Conference on Science, Mathematics & Technology Education.
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@ソーシャル・プレゼンスの主要因である教師の表情と学級風土の関連分析 代表者:斎藤美穂(早稲田大学教授) 科学研究費補助金
A遠隔教育システムでの活用を目的としたコンテンツ開発に関する基礎的研究 代表者:清水英典(玉川大学,客員研究員) 上越教育大学学校教育総合研究センター研究プロジェクト
B授業映像記録に関するメタデータとVOD配信システムの開発 代表者:南部昌敏 上越教育大学学校教育総合研究センター研究プロジェクト
CCMSを活用したカリキュラム開発と評価 代表者:石川真 上越教育大学学校教育総合研究センター研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@4月9日〜13日:American Education Research Association 2007 Annual Meeting出席
A9月12日〜14日:教育システム情報学会第32回全国大会出席
B9月22日〜24日:日本教育工学会第23回全国大会出席
C1月16日〜19日:Fifth International Conference on Science, Mathematics & Technology Education出席
D平成19年度日本教育工学会大会企画委員
◎特色・強調点等
 科学研究費補助金(若手研究(B))の助成を受け,『テキストコミュニケーションを円滑にする感性情報に関する基礎的研究』(課題番号19700237)を中心に研究を進めている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越教育大学学校教育総合研究センター地域貢献特別支援事業 『情報教育実践に関する指導力養成のための現職教員研修支援事業』
A現代的教育ニーズ取組支援プログラム『ニーズに基づく人材育成を目指したe-Learning Programの開発』
B第71回国立大学教育実践研究関連センター協議会・分科会への参加
◎社会への寄与等
 学校教育総合研究センターにおいて,学力向上シンポジウム2007,第5回教育実践研究発表会などを実施し,県内小中学校教員の研修機会を設けるなど寄与した。
 

 
井 上 久 祥(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 高等教育の情報化を指向し授業においては積極的な情報通信機器の活用を図った。特に成績評価おいては,本学の「講義支援システム」を積極的に活用し授業を展開した。従来の出席日数,レポート提出に加え,電子媒体の成果物についても評価の対象とした。電子媒体の成果物は,デジタル・ポートフォリオとして扱った。単に完成作品を評価するだけでなく,製作過程についても評価の対象とした。なお,講義支援システムの活用は本学の中期目標にも掲げられている事項である。
【観点2】教育の達成状況
 附属小学校との研究連携を通じた授業参観,地域貢献個別事業を通じた学校支援(学校ホームページの更新支援,パソコンクラブの授業補助)等,学校現場における情報教育の実践場面に直接関わる機会を設け,周辺参加により実践的な経験を培うことに留意している。
研究指導
【観点1】学部
 他大学の研究室との交流を行っており,交流における研究発表を通じて,自分の卒業研究のテーマと研究の方向性について明確にできる。また,地域貢献個別事業等へ参画することで,学校現場へ問題意識を持ち学校現場における様々な臨床的な場面にも臨んでいる。
【観点2】大学院
 得られた研究成果については,必ず学会発表を行うよう指導している。自己の研究をより客観的,批判的に振り返ることができ,研究の完成度を高める契機となっている。
その他の教育活動
@電気通信大学非常勤講師
A附属小学校研究協力者
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 授業における実習の形態として,組織学習論の立場からのグループ活動での実習を重視している点が特色である。これは教師が集団で問題解決にあたる場面を想定してのものである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年2月:人工知能と教育工学―知識創産指向の新しい教育システム―(共著)3.3〜3.5章, 57-72頁.
発】@平成19年9月:日常的な情報交換を促す働きかけによる教師の変容に関する事例研究―少人数の学びあいのコンピテンシーを高める働きかけを通して―(共著)日本教育工学会第23回全国大会講演論文集, 307-308頁.
A平成19年9月:インターネット活用モラル向上についての研究―生徒・保護者・教師の関わる学習プログラムの開発―(共著)日本教育工学会第23回全国大会講演論文集, 371-372頁.
B平成19年9月:情報社会における問題行動予防のための生徒理解ツール開発―チーム援助を通じた生徒理解を図るためのスクリーニングテスト試作―(共著)日本教育工学会第23回全国大会講演論文集, 649-650頁.
C平成19年9月:情報社会に参画する態度の育成をねらいとした情報社会の変質を批判的に思考学習プログラムの開発(共著)日本教育工学会第23回全国大会講演論文集, 885-886頁.
D平成19年11月:情報社会における問題行動予防のための生徒理解ツールの開発(共著)日本教育実践学会研究大会論文集10, 33-36頁.
E平成19年11月:情報社会の変質を批判的に思考する学習プログラムの開発(共著)日本教育実践学会研究大会論文集10, 43-46頁.
F平成19年11月:日常的な情報交換を促す働きかけによる教師の変容に関する事例研究―少人数での学びあいのコンピテンシーを高める働きかけを通して―(共著)日本教育実践学会研究大会論文集10, 131-134頁.
G平成19年11月:社会的な役割取得によるインターネット活用モラル向上のための学習プログラム開発(共著)日本教育実践学会研究大会論文集10, 147-150頁.
H平成19年11月:教科「情報」における個別学習支援のためのコミュニケーションシート「通知表」を用いた教師の働きかけ(共著)日本教育実践学会研究大会論文集10, 151-154頁.
他】@平成20年2月:学校と大学の互恵的地域連携モデルに基づく大学講義改善のための教材開発とその効果―地域における学校の情報化支援活動を基盤にした教師の実践知の教材化の方法―(共著)上越教育大学研究紀要第27巻, 43-54頁.
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@科学研究費補助金「学校の情報化推進のためのコンピテンシーモデルに基づく教師集団の組織・評価方法」代表者:井上久祥
学会活動への参加状況
@日本教育工学協会 理事
A日本教育工学会 企画運営委員会 委員
B日本教育工学会第24回全国大会 実行委員会 委員
◎特色・強調点等
 学校現場をフィールドとして臨床的な教育実践場面から得られたデータを重視している。統計をはじめとした量的なデータのみならず,質的な分析からも知見を得ている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@文部科学省委託事業「管理職のための戦略的ICT研修カリキュラムの開発」調査研究委員会 委員
A文部科学省先導的教育情報化推進プログラム採択事業「児童・生徒の情報活用能力育成の検証のためのe-testingの開発と実用化」調査研究委員会 委員
◎社会への寄与等
 文部科学省委託の事業を通じて,周辺地域の教師の情報教育実践に関する指導力育成に貢献した。
 

 
釜 田   聡(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 「教育実地研究U」では,教育実習までに準備すること(身に付けること)を理解させ,学生一人が具体的な目標をもてるように努めた。具体的な授業場面では,初歩的な指導案の作成方法と授業の進め方等の指導を小集団で行ったり,学生同士の相互評価を実施したりした。また,評価テストについては,事前に評価基準を明示して,小集団での朗読テストや漢字書き取りテスト等を実施した。
【観点2】教育の達成状況
 教育実地研究Uでは,評価テスト後,修得が不十分な学生については,補充指導を行った。
その他の教育活動
@教育実習の事前・事後指導,実習中の巡回指導等
A学生企画の「学びのクラブ」の指導(フレンドシップ事業)
B韓国短期留学プログラム担当
C全国フレンドシップ事業の推進
◎特色ある点及び今後の課題等
 「学びクラブ」では,学生の危機管理意識を高めるため,具体的な危機回避の方策を学ぶ場として,不審者対策講習会と避難訓練などを企画・実施した。また,内省的評価を促すため,各種シンポジウムを企画するように助言した。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成19年6月:二谷貞夫・和井田清司・釜田聡編著,『「上越教師の会」の研究』全329頁,学文社
A平成19年11月:釜田聡,「地理的分野の学習活動を中核とした中学校「総合的な学習の時間」の展開についての一考察−上越教育大学附属中学校社会科の地域」教材の開発事例を中心として−」(pp.118-133),大嶽幸彦先生退職記念事業会編,『地域と地理教育』所収,全408ページ,協同出版
論】@平成20年3月,釜田聡,朴宰用,「日韓の相互理解をめざした歴史教育のあり方−日韓大学生の歴史認識を中心に−」,『学校教育の「理論知」と「実践知」−その現状と新たな関係性の探求−』,日本学校教育学会創立20周年記念論文集,日本学校教育学会編,pp.161-177
A平成20年3月,釜田聡,「各教科等との関連を図った「総合的な学習」のカリキュラム開発の可能性と課題−F中学校における実践研究「グローバルセミナー」に着目して−」,『学校教育の「理論知」と「実践知」−その現状と新たな関係性の探求−』,日本学校教育学会創立20周年記念論文集,日本学校教育学会編,pp.178−194
B平成19年,釜田聡,「東アジアの相互理解を深める教材開発をめざして−韓国・中国・日本を中心に−」,『The 8th annual conference on EIU』,Korean Society of Education for International Understanding & Asia-Pacific Centre of Education for international Understanding,pp.73-75,全404頁
C平成19年,釜田聡,「JAPAN-CHINA-KOREA WORKSHOP for DEVELOPING TEACHING MATERIAL」,『FINAL REPORT 2006/07 ACCU Invitation Programme for International Education Exchange of Teaches and Professionals』,
Japan Association for International Education(JAIE) Asia/Pacific Cultural Centre for UNESCO(ACCU),pp.22-pp.34,全53頁
発】@平成19年8月:「教員研修における大学の役割」日本学校教育学会(鹿児島大学)発表
A平成19年11月:「동아시아의 상호이해를 심화하는 교재개발을 지향하며 -한국・중국・일본을 중심으로-  東アジアの相互理解を深める教材開発をめざして-韓国中国日本を中心に-」 韓国国際理解教育学会(韓国・統営市)発表
共同研究の実施状況
@上越教育大学学校教育総合研究センターのプロジェクト研究の推進「日韓の相互理解をめざした教材開発研究V」
A上越教育大学学校教育総合研究センターのプロジェクト研究の推進「社会認識を深めるための教材開発研究V−小中の連携を中心に−」
B平成18-19年度科研費基盤研究(C)研究代表者:「日韓の相互理解をめざした歴史教育の総合的基礎的研究」
C平成18-19年度上越教育大学研究プロジェクト(一般研究)研究代表者「中1ギャップ解消に向けた基礎的総合的研究−附属小中学校の社会科・総合的な学習を中心に−」
学会活動への参加状況
@平成19年8月:日本国際理解教育学会参加(札幌)
A平成19年8月:日本学校教育学会参加・発表(鹿児島)
B平成19年11月:韓国国際理解教育学会参加・発表(統営市)
◎特色,強調点等
 日本国際理解教育学会と韓国国際理解教育学会に参加し,日本と中国,韓国の子供たちを対象にした共通教材の作成に努めた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
 フレンドシップ事業企画運営委員として,地域諸機関と連携しながら,学生のボランティアの受け入れ先確保に努めた。
 地域の教育機関や学校から,各種講演会や指導者としての依頼があり,積極的に参画した。その他,新潟国際情報大学から国際交流インストラクターの講師を務めたり,潮陵中学校学校評議員を務めたり,地域の諸機関と連携した活動に参画した。
◎社会への寄与等
 上越教育大学学校教育総合研究センターのプロジェクト研究や各種事業を通じて地域貢献に尽力した。
 

 
古 閑 晶 子(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 「教育実地研究U(授業基礎研究T)」では,国語科を中核とした授業づくりの視点を獲得するように,20名程度の少人数による演習形式で具体的な教材や指導案を活用しながら実施した。また,事前に評価基準を提示した上で,小集団での朗読・漢字・教育用語テストを実施,補習も充実させた。さらに,「教育実習ルーブリック」を基に自己の教育課題を意識したり,教育実習に対する思いや願いを共有する場として「教職キャリアガイダンス」を個別に実施した。
 「教育実地研究U(授業基礎研究U)」では,学習指導案作成にかかわるテキストを作成・提示した上で,初等教育実習(本実習)担当授業の学習指導案の作成・提出を課し,朱を入れた後,数日間にわたる個別指導を実施した。
 「教育実地研究V(初等教育実習)」「教育実地研究[(中等教育実習)」「教育実地研究TA(観察・参加実習)」「教育実地研究IB(観察・参加実習)」「総合インターンシップ」では,事前・事後指導を徹底するだけでなく,事中においては担当した全ての学校を訪問し,ほとんどの学生の授業を巡回指導した。特に,新たに立ち上げた免許P院生の「教育実地研究IB」は,まんべんなく低・中・高学年の授業観察・協議ができるよう,附属小学校と綿密な打ち合わせを実施した。
 「臨床教育課程論」では,増井三夫教授と実務家教員とのジョイント授業として,教育現場での具体的場面を想定したロールプレイング等の演習形式になるよう,シラバス作成から共に構想・実践・評価を実施した。
 試行として立ち上がった「教職実践演習」では,教育現場での問題場面を想定した演習形式で実施したり,教職科目・教科指導法担当教員との協同授業をコーディネートしたりすることにより,実践的指導力の定着を目指した。
【観点2】教育の達成状況
 上述した教育実習を中核とした教職キャリア教育関連科目では,少人数による演習,「教育実習ルーブリック」をもとにした個別指導・評価やポートフォリオ評価を志向した「教職キャリアファイル」の開発により,学生は構想・実践・評価・改善を繰り返しながら,実践的指導力に対する自己課題を意識し続けることができた。
その他の教育活動
@フレンドシップ事業「体験学習」「ボランティア体験」「学びのひろば」
A実地指導講師「初等国語科指導法」「総合・生活科指導法」「ブリッジ科目 総合・生活」
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 特色GPテーマである「教職キャリア教育」の視座から教職キャリア教育関連科目では,学生の実践的指導力育成を目指した授業形態や学習形態,評価活動の開発に努めた。また,その実施・達成状況を「特色GP」のインターネットコンテンツとして作成・公開発信することにより,教育実習協力校などへ成果を還元した。今後は,教職キャリア教育関連科目を中心とした4年間の到達目標や確認指標の作成,「教育実習ルーブリック」の活用,「教職キャリアファイル」作成・実施によるポートフォリオ評価の充実を図る必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年2月:「思考力を育む授業の構想と展開の実際」(「上越カリキュラム開発研究」所収)上越カリキュラム開発研究推進委員会
業】@平成19年4月:「基礎的な教育用語」(「授業基礎研究Tテキスト」所収)
A平成19年5月:「教材研究の進め方」(「初等教育実習事前指導(観察・参加)テキスト」所収)
B平成19年6月:「学習指導案の作成」(「授業基礎研究Uテキスト」所収)
C平成19年9月:「学級経営と学級担任」(「初等教育実習事前指導(本実習)テキスト」所収)
D平成20年3月:「横浜国立大学調査報告」「鳴門教育大学調査報告」(「H19年度特色GP「上越教育大学スタンダード作成のための基礎調査報告書」所収)
発】@平成19年10月:国立教育政策研究所委嘱事業「伝統文化を尊重する教育」モデル事業 糸魚川市立糸魚川東小学校研究発表会 全体指導講師「学校教育において『伝統文化尊重教育』を推進する所以」
A平成20年2月:国立教育政策研究所教育課程研究指定 上越市立大町小学校中間研究発表会(「教育フォーラムIN上越」)指導講師「『思考力』を育む総合を中核としたカリキュラムのよさ」
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@国立教育政策研究所委嘱事業「伝統文化を尊重する教育」モデル事業(糸魚川市立糸魚川東小学校)における伝統文化尊重教育の研究 
A国立教育政策研究所教育課程研究指定上越市立大町小学校の「思考力を育成する授業づくり」研究(学校支援プロジェクト) 
B三条市立飯田小学校の「思考力に着眼した低学年『読むこと』」に関する研究
C上越教育大学スタンダード(仮称)作成に向けた基礎的研究−教育実習ルーブリックの作成− 
学会活動への参加状況
@8月26日:生活科・総合的学習研究会参加
A9月24日:日本国語教育学会長岡支部参加
B11月3〜4日:全国大学国語教育学会参加
◎特色・強調点等
 国語科教育・教師教育の両分野において,実務家教員として参画し,特色GPや学校支援プロジェクト等の研究テーマに基づき,実践的に研究推進したことにより,大学と学校現場の連携・協力の推進や今日的な学校教育課題の解決に向けた臨床的研究に寄与できた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@6月22日:上越市立宮嶋小学校校内研修 出前講座講師「『伝える,認め合う,高め合う力』を育む教育活動」
A7月27日:糸魚川市立田沢小学校校内研修 出前講座講師「『学び合い』を促す国語教室」
B8月3日:上越国語教育連絡協議会夏季研修会 指導講師「つながり広がる『国語力』の育成」
C8月6日:上越市立谷浜小学校校内研修 出前講座講師「『対話』を手立てに思考力を育成する国語教室」
D8月7日:十日町市国語サークル研修会 出前講座講師「国語力の育成を図る指導の工夫と改善」
E8月27日:上越市立大潟町小学校校内研修 出前講座講師「思考力を育成する国語教室をつくる」
F8月29日:上越市立保倉小学校校内研修 出前講座講師「思考力を育成する国語教室をつくる」
G8月30日:上越市立大和小学校校内研修 出前講座講師「思考力を育成する国語教室をつくる」
H8月31日:妙高市立斐太南小学校校内研修 出前講座講師「対話を核とした思考力を育成する国語教室をつくる」
I10月10日:国立教育政策研究所委嘱事業「伝統文化を尊重する教育」モデル事業
糸魚川市立糸魚川東小学校研究発表会
全体指導講師「学校教育において『伝統文化尊重教育』を推進する所以」
校内研修・研推 指導講師(5月18日〜10月10日まで年間5回参加)
J11月19日:十日町市立田沢小学校校内研修 出前講座講師「思考力を育成する国語科『書くこと』」
K11月19日:十日町中里中学校区小・中学校職員研修 出前講座講師「思考力を育成する国語科『書くこと』」
L11月12日:三条市立飯田小学校校内研修 指導講師「思考力を育成する国語科『読むこと』」
M11月26日:三条市下田中学校区中越教育事務所計画訪問 指導講師「思考力を育成する国語科『読むこと』」
N20年2月1日:国立教育政策研究所教育課程研究指定 
上越市立大町小学校中間研究発表会(「教育フォーラムIN上越」)
指導講師「『思考力』を育む総合を中核としたカリキュラムのよさ」
校内研修・研推 指導講師(7月12日〜2月2日年間10回参加)
 ◎社会への寄与等
(1)出前講座では,事前に各校の「平成19年度研究の概要」を読み,ニーズに応じた実践的な講座内容になるよう学校ごとに再構成して臨んだので,実施回数の多い対話的な出前講座になった。
(2)継続的に4校,校内研究にかかわる学校支援に入った。継続することで成果と課題が明確になり,双方の研究改善につながった。
(3)学校教育総合研究センターでは平成18年度まで総合学習をテーマにしたシンポジウムを継続していたが,今日的な教育課題に対応した「学力向上シンポジウム」を立ち上げ,担当した。そこでは,上・中越地域の小・中学校教員約80名の参会者と,学力の本質をとらえた教育活動を創造していくことの必要性を確認できた。参会者アンケート結果は,有意義であった88%という肯定的なものであった。
 

 
松 沢 要 一(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育実地研究Uの前期は,教育実習中に担当する単元に係る学習指導案を提出することを課し,学習への動機付けを図った。提出された学習指導案を丁寧に読み,朱を入れ,個別指導を実施して,アドバイスした。教育実地研究Uの後期では,具体的な算数教材を提示し,考察する視点を明確にして,少人数による双方向性のある授業を展開した。評価項目を明示して,厳格な成績評価を行った。
 臨床教育課程論では,「グランドデザインと年間指導計画」の視座から教育課程を考察することとし,本授業内容と学校現場との乖離が生じないような授業展開を図った。
【観点2】教育の達成状況
 試行された教職実践演習の一部を担当し,卒業生としての質の確保に努めた。
その他の教育活動
@教育実習における学生指導
 初等及び中等教育実習期間中は,担当した小・中学校すべてを回り,実習生の多くの授業を参観し,可能な範囲で指導・助言を行った。また,実習校の校長や担当教員から,実習への要望,意見等を聴取し,今後の教育実習の改善に役立てようとした。
A総合インターンシップ
 事前指導会,中間討論会,最終討論会等の企画と運営を担当し,インターンシップの成果が上がるように努めた。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 教育実習中及び総合インターンシップ中も,学生の実態を把握することが教育実地研究Uの授業改善に直結すると考え,より多くの学生の授業を参観してきた。
 総合インターンシップ履修生や受入校へのアンケート調査等から,その成果は認められる。今後は履修生の増加を図ることが課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
他】@平成20年3月:次の共同研究の成果を冊子にまとめて,発表。(担当したのは第三部の「所属校で行うOJTに関する評価」)平成19年度文部科学省委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」−新潟県立教育センターにおけるCheck-Actシステムの研究開発−
A平成20年3月:「学部卒,新採用及び中堅教員に求める資質に関する調査」報告書(共同研究)
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@平成19年度文部科学省委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」−新潟県立教育センターにおけるCheck-Actシステムの研究開発−
学会活動への参加状況
@1月26日〜1月27日:全国数学教育学会出席
◎特色・強調点等
 学部卒,新採用及び中堅教員に求める資質に関する調査は,試行中である「教職実践演習」の到達目標等を再考していく上で,貴重なデータである。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成19年度文部科学省委託事業「教員研修評価・改善システム開発事業」−新潟県立教育センターにおけるCheck-Actシステムの研究開発−の協力者 
A理数大好きモデル地域事業(新潟県中越地域)運営委員 
B新潟県中学校教育研究会指定研究上越地区(数学)研究推進委員 
C上越市教育委員会主催 授業力向上研修「小学校算数科研修会」の講師(2回)
D上越数学教育研究会で講演
E長岡市立中島小学校等複数の学校の研修会の講師
F糸魚川市立市振小学校校内研修会の講師
G上越市立城西中学校授業力向上研修会の講師
H国立教育政策研究所指定 十日町市立十日町小学校教育研究発表会コーディネーター及びパネラー
I小千谷市教育委員会主催 学力向上研修会の講師
J柏崎市立教育センター主催 算数数学教科指導法の講師
K出前講座 魚沼市学習指導センター
L出前講座 上越市立富岡小学校
M出前講座 糸魚川市立市振小学校
N出前講座 長岡市立日吉小学校
O出前講座 上越市立大島小学校
◎社会への寄与等
 算数・数学の教育課題に「算数・数学が好き」あるいは「楽しい」と感じている児童・生徒が少ないことがある。この課題解決のために「教材開発」の視点から具体的な教材を例示し,現場で実践できる方策を提示してきた。参加者の多くから具体的で分かりやすかったという評価をいただいた。