【保健管理センター】
 

 
上 野 光 博(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 本年度担当した衛生学・公衆衛生学,健康科学特論の授業では前年度のような単にプリントを用いる授業のみでなく,コンピュータを用いた授業を行い,図やアトラスを明示して学生の理解に役立てた。また,毎回の授業の終わりに学生に小テスト,授業の感想と要望のアンケートを行い,学生の授業の理解度や要望を知ることができ,その後の授業に役立ち,有用であったと考えられる。また,健康科学演習では,顕微鏡・CCDカメラ・コンピュータを組み合わせたリアルタイム画像システムを用いた病理指導や健康診断機器を用いた検査実習などを行い,理解を深めるように配慮し,好評を得ることができた。今後は,学生のさらなる学習意欲と理解度の向上をめざし,シラバスの充実,マルチメディアの利用,プリントの改善,キーワード提示などを行うことを予定している。
○成績評価法に関する取組状況
 成績評価は,出席,小テスト,試験またはレポートによる総合評価とした。衛生学・公衆衛生学の試験では,学生個々の答案を採点し,模範解答を添付して各自に返却した。これによって採点基準を明確化するとともに各個人の理解に役立てた。健康科学特論と健康科学演習では,レポート提出においては,個々の学生のレポートに評価を記入し,返却することで,個々の評価を明確化した。
その他の教育活動
@平成19年度エイズ・性感染症講演会 助言・指導
A平成19年度保健管理センター内科的保健相談事業における個別指導 
B平成19年度健康促進月間における喫煙学生に対する禁煙個別指導 
C平成19年度健康促進月間健康講話講師 演題名「生活習慣病としての慢性腎臓病(あなたは自分の腎機能を知っていますか?)」
D平成19年度大学及び附属小・中学校の学校医として個別健康教育指導
E平成19年度スキー集中授業における健康講話講師 演題名「最近の医療関係ニュースをさらによく理解するために」
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 衛生学・公衆衛生学の授業では,日本や世界における現状と問題点を明確に示し,医学的な見地から解説した。健康科学特論の授業では,成人のみならず小児の生活習慣病,メタボリックシンドローム,慢性腎臓病や最近問題になっている感染症を中心に解説した。教育方法は,単に板書やプリントによる授業形式での一方的な教員からの知識の伝達のみではなく,小テストの利用,アンケートの実施,マルチメディア機器や検査機器などを用いた演習を行うなど,学生中心の教育が求められる。今後は,教員と学生の相互のコミュニケーションのさらなる改善を図るシステム(講義支援システム)が当大学に導入されたが,それを活用した新たな教育方法をさらに展開すべきと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年1月:『Today’s therapy 2008 今日の治療指針 私はこう治療している』(共著)医学書院出版9腎疾患 肝炎ウイルスによる腎障害(肝性糸球体硬化症を含む)
論】@平成19年9月:『Renal lesions in IgG4-related systemic disease』(共著)Internal Medicine 第46巻 pp.1365-1372
A平成19年6月:『Tubulointerstitial nephritis associated with IgG4-related systemic disease』(共著)Clinical and Experimental Nephrology. 第11巻2号 pp.168-173
発】@平成19年5月:『抗CD20抗体使用脾摘出術無施行ABO不適合移植腎のプロトコール生検におけるPTCへの抗C4d沈着』(共)第50回日本腎臓学会学術総会発表
A平成19年5月:『自己免疫性膵炎,ミクリッツ病などIgG4関連全身疾患における腎病変の検討』(共)第50回日本腎臓学会学術総会発表
B平成19年5月:『病理CC−8 B型肝炎に合併した足細胞陥入糸球体症の一例(case16)』(共)第50回日本腎臓学会学術総会発表
C平成19年6月:『尿細管間質性腎炎ぶどう膜炎症候群(TINU症候群)の一例』(共)第120回日本内科学会信越地方会発表
D平成19年6月:『HBV陰性の肝障害と不明熱を呈し,膜性腎症を合併した結節性多発動脈炎の1例』(共)第120回日本内科学会信越地方会発表
E平成19年10月:『脂質沈着が特徴的な膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)の一例』(共)第37回日本腎臓学会東部学術大会発表
F平成19年10月:『8年間の経過で病型変化が認められた膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)の一例』(共)第37回日本腎臓学会東部学術大会発表
学会活動への参加状況
@平成19年5月25日〜5月27日:日本腎臓学会総会出席
A平成19年6月2日:日本内科学会信越地方会出席
B平成19年7月7日:移植腎病理研究会出席
C平成19年10月5日〜10月6日:日本腎臓学会東部学術大会出席
D平成19年10月10日〜10月11日:全国大学保健管理研究集会出席
E平成19年11月24日:日本内科学会信越地方会出席
F平成20年1月13日:日本腎病理研究会出席
G平成20年3月1日:腎と妊娠研究会出席
◎特色・強調点等
 さまざまな腎障害について,本年も臨床病理学的研究成果を発表した。最近話題になっているC型肝炎やB型肝炎に合併する腎障害の治療について概説した論文を発表した。さらに世界的にみても新しい概念・疾患と考えられるIgG-4関連全身性疾患の腎障害について2編の論文を発表した。このうちの1編は,日本腎臓学会の平成19年度最優秀論文賞を受賞した。今後も同疾患のさらなる研究を行う予定である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市障害区分等審査委員会委員(平成20年3月末まで)
◎社会への寄与等
(1)上越市の委員会の委員として審査と検討に積極的に係わった。
(2)上越市内の栄養士から健康講演会の依頼を受け,「糖尿病性腎症」の講演を行い,地域医療の推進に寄与した。
(3)新潟県板金工業組合より冬期講習会の講演依頼を受け,「生活習慣病としての慢性腎臓病(あなたは自分の腎機能を知っていますか?)」の講演を行い,慢性腎臓病の啓蒙活動に貢献した。
(4)上越市医師会からの依頼による健康診断業務を通じて,地域住民の保健活動に寄与した。
(5)上越市内の総合病院からの依頼による内科外来診療を通じて,地域住民の疾病治療に寄与した。
 

 
増 井   晃(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○教育方法での取組
 臨床薬理学特論において,毎回小テストを行い学生の理解度を確認した。また,レポートは最終回に提出させることをやめ,第14回目に提出させ,最終回には添削の上速やかに返却できるようにした。
 研究セミナーにおいては,小グループ制をとり,大学院生相互で自主的に勉強会を持つよう指導した。
○成績評価面での取組
 EXCELのワークシートにまとめ,学生からの問い合わせに対し,明確な評価が行われたことが示せるよう配慮した。臨床薬理学特論においては,成績優秀者を表彰した。
【観点2】教育の達成状況
 修了生1名は企業に就職したが,もう1名は現在フリーターである。修了生とコミュニケーションできるWeb siteを開設し,修了後の支援体制を整備した。
研究指導
【観点2】大学院
 単に専門的知識を身につけるだけでなく,問題点を抽出し,具体的に解決していく方法論が身につく教育,教育現場に還元できる人材育成を心がけている。学校ヘルスケアとして第1期生2名の修士論文を指導した。
その他の教育活動
@学部スポーツ実践,フィールド・スポーツ,スノー・スポーツへの貢献
A保健管理センターでの個別指導
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 大学院生を含めた研究室の活動内容を充実させ,HP等で社会に対して成果をアピールし,入学希望者がさらに増えるよう努力する。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成19年9月:あなたにもできる脳活性化法−会話療法でアンチエイジング−,定松美幸,今井眞,内田淳子,尾関祐二,金井裕彦,小西瑞穂,広兼元太,増井晃,村上純一,森田幸代,吉村篤,若林美香,フレグランスジャーナル社,東京,2007.
論】@平成19年8月:Influence of age or circadian time on bcl-2 and bax mRNA expression in the rat hippocampus after corticosterone exposure. Yoshimura,A., Masui,A., Jinde,S., Kato,N. and Okawa,M., Brain Res. Bulletin, 73:254-258, 2007.
他】@平成19年6月:大学精神医学的チェック・リスト(UPI)における上越教育大学生の学生気質の変遷,藤井明菜,増井晃,舩越幸子,牛木京子,上野光博,上越教育大学保健管理センター所報11:77-80,2007.
◎特色・強調点等
 自分のこれまでの研究活動内容と,本学で求められている内容との間にギャップがある。専門的な研究体制を整備しつつ,学生のニーズに合わせた研究の立ち上げが必要である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)講演会講師
@教師のメンタルヘルス研究会講師(『産業精神保健』を講演)
A高田北城高校教職員研修会講師(『教職員のメンタルヘルス』を講演)
B高田北城高校講演会講師(『思春期のこころの問題について』を講演)
(2)嘱託
@国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟倫理委員会委員
A国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟外部評価委員会委員
◎社会への寄与等
 学校での講演活動を通して,さらに地域との連携を強める。それにより,より実践的な教育・研究活動が可能となるであろう。