第二章 各教員の教育・研究活動及び社会との連携に関する自己点検・評価


4 総括的な点検・評価(調査結果の前年度との比較等)
 
(1) 観点
 本学は,昭和53年に「教員に開かれた大学院」として開学し,以来,教員養成と現職教員の高度研修・研究を通じて学界と社会に貢献してきたが,平成8年には兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科博士課程を設置し(構成大学),そして,平成12年度には更に高度な教育研究を創造的に推進する人材養成を目的とした新たな,学習と発達に関わる臨床系の教育研究体制を立ち上げた。
 平成13年度の調査から,平成10年の大学審議会答申『21世紀の大学像と今後の改革方策について−競争的環境の中で個性が輝く大学−』を参照として調査項目を整理するとともに,本学教員の成果を積極的に社会に公表することをも意図し,「@教育活動」については「特色ある点等」,「A研究活動」については「特色・強調点等」,「B社会との連携」については「社会への寄与等」の項目を新設した。
 また,平成16年度には,同年度に新たに制定した本学自己点検・評価規則,評価基準,観点・指標を参照としながら,「ア教育活動」の「特色ある点等」に【今後の検討課題】を加えるなど自己点検・評価と改善に向けた取組が明確に示されるよう考慮した。
 なお,点検・評価項目に関しては,活動状況の継続的な把握という観点から大きな見直しは行わないこととしているが,今年度,大学院に専門職学位課程(教職大学院)が設置されたことに伴い,その教育活動の状況を記載している。
 
(2) 自己点検・評価の提出状況
 提出教員数は146人,回収率は95.42%であった。(前集計表参照)
 
(3) 各項目のデータ集計結果(概要)
 データ集計結果の前年度との比較に際しては,一人当たりの平均件数を小数点以下第2位(3位以下四捨五入とした。)まで求め,比較することとした。
 
@ 「授業・研究指導以外のその他の教育活動の実施状況」は,前年度と比較して19件の減少(一人当り0.15件の減少)となった。
A 「研究成果の発表状況」については,「著書(一人当り0.07件の増加)」,「作品・競技歴等(一人当り0.15件の増加)」,「教育実践の業績(一人当り0.23件の増加)」,「学会等における口頭発表等(一人当り0.12件の増加)」の各項目は,前年度と比較して増加している。一方で,「論文(一人当り0.25件の減少)」,「その他(一人当り0.06件の減少)」は減少となった。
B 「研究活動の状況」については,「国際研究プロジェクトへの参加状況(3件の増加)」,「国内外の学術賞の受賞状況(1件の増加)」,「在外研究の実施状況(8件の増加)」の項目が増加している。一方で,「共同研究の実施状況(一人当り0.26件の減少)」,「学会活動への参加状況(一人当り0.43件の減少)」に関しては減少となった。
C 「社会的活動状況」については,前年度と比較して一人当りの件数は増加(0.99件の増加)している。
 
(4) 今後の改善点等
 調査項目・内容等は,先にも述べたとおり,平成13年度調査から項目の追加等を行い実施した。平成16年4月から国立大学が法人化され,国立大学法人評価委員会や認証評価機関の評価を受けることとなり,これらに対応するため,平成16年度に新たな本学自己点検・評価規則,評価基準,観点・指標を制定し,平成17年4月から施行しており,4年目が経過したところである。
 これらに基づく各教員の教育・研究指導の状況に係る自己点検・評価が,授業の内容及び方法等の改善に結び付くよう,今後,更に学内で創意工夫しながら充実を図ることが必要である。
 また,今年度から各教員が作成・提出するデータについては,大学教員業績登録システムを利用することにより,人材評価等とのデータ入力を一元化して作業の軽減を図ったところであるが,今後,同システムの入力方法等の充実を図ることが必要である。