【生活・健康系コース】
 


市 川 真 澄(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法では,基礎的理論をベースとして実践的な授業内容を重視している。成績評価面での取り組みは,記憶に頼るのでなく,考える力と実践力を評価することを重視している。
【観点2】教育の達成状況
 授業評価において,平均値で,4.5以上の評価を受けていることから,目的とした教育の水準に達しているものと考えられる。
研究指導
【観点1】学部
 バイオメカニクスの基礎理論を理解し,運動遂行時の身体動作のしくみについて考えることに重点をおいている。卒業研究においては,自己の興味のある運動動作に着目し,キネマティクスクス的およびキネティクス的な解析手法を駆使して,運動動作のしくみについて研究して成果をあげている。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士課程においては,学会で発表できるような研究レベルを維持している。特に,バイオメカニクス的な手法を用いて,運動動作の解析を中心に研究を進めている。2008年度においては,2名のM2生が,仙台大学で開催された第20回日本バイオメカニクス学会大会において修士論文に関する内容の研究発表を行い,高い評価を受けた。
その他の教育活動
・名古屋リゾート&スポーツ専門学校 非常勤講師(スポーツ生理学,バイオメカニクス)
・教職講座:実技指導講座(陸上競技)を担当
特色ある点及び今後の検討課題等
 体育の実技種目においては,これまでの経験などに頼った指導がなされることが多いが,バイオメカニクスに関する理論的知見を基礎とした指導を行っている点が特色である。特に,スノースポーツの指導においては,ただ楽しいだけで終わるのではなく,さらに練習を重ね,指導員などの資格を取るように指導している。今後は,ゴルフなどの生涯スポーツなどにも重点をおいて教育活動を行っていきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成21年3月:『身体トレーニング 運動生理学からみた身体機能の維持・向上』(共著)真興交易(株)医書出版部
論】@平成21年2月:『武道における伝統的な言語教示を用いた注意の焦点化が立位時の静的平衡能に及ぼす影響』(共著)武道学研究,41(2), 25-34
発】@平成20年8月:『立位姿勢リーチ動作による動的バランス能力評価の妥当性について』(共)第20回日本バイオメカニクス学会
A平成20年8月:『フラットボードを活用した小学校ハードル走指導のバイオメカニクス的研究』(共)第20回日本バイオメカニクス学会大会
◎特色・強調点等
 基礎的研究として,ヒトのバランス能力,特に運動中のバランスに深く関係する動的バランス能力の研究を行っている。バランス能力は,小学校期前半によく発達する機能であることから,今後も研究の中心的課題として取り組んでいく。実践的研究としては,スノースポーツおよび陸上競技に関する指導方法の研究を行っている。特に,スノーボードの初心者指導法については,いまだ的確な方法が確立していないことから,バイオメカニクス的な理論的背景に裏付けられた指導法について開発研究を行っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成20年度教員免許状更新講習(試行・予備講習)
◎社会への寄与等
 全日本スキー連盟教育本部スノーボード技術員として,主に東海北陸地区のスノーボード指導者研修会において,準指導員および指導員に対して,実技指導および理論講習を行った。また,日本陸上競技連盟公認A級審判員として,日本陸上競技連盟主催の陸上競技大会をはじめとして,各種競技会の審判員を務めた。さらに,平成20年度は,妙高市の行っている森林セラピー事業の一環として,森林セラピーが身体に与える影響について調査を行い,事業遂行に協力した。
 


伊 藤 政 展(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育心理学, 体育心理学特論の授業では, 体育・スポーツの学習における練習の変動性や高文脈干渉を促進する練習の有効性に関する最新の理論と研究成果を取り込み, 年少者を対象とした体育・スポーツの学習指導上の諸問題について問い直す努力をするとともに, フェアプレーの心を育む指導の在り方について積極的な討論を行った。また体育心理学実験, 体育測定評価の授業では, データの収集をとおしてそれらの解析方法と解釈の仕方を理解させるとともに, 各自の研究成果の発表をとおして研究会や学会におけるプリゼンテーションの在り方について学ばせた。
【観点2】教育の達成状況
 いずれの授業科目においても,好意的な授業評価が得られていることから,概ね狙いは達成できたと考えることができる。「よくわかる授業」,「全員が参加できる授業」を心がけたことが功を奏したのであろう。
研究指導
【観点1】学部
 卒業論文3件の指導に当たった。卒業論文では,動作パターンの学習におけるモデルとKPの呈示角度に関する問題,バスケットボールにおける瞬間的状況認知に関する問題,メディスンボールの使用によって生じるボールの重さの錯覚に関する問題を追及した。また体育心理学を選択したゼミ生とともに, 身体運動における運動スキルの学習に関する文献を広く収集し, 児童の発育発達のレベルを考慮した体育指導の在り方について積極的な討議を試みた。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士論文1件の指導に当たった。修士論文では, バランス保持の学習における身体的練習と動作の知識(KP)を伴わせたメンタル・プラクティスイメージの効果に関する問題を追求した。また体育心理学を選択したゼミ生とともに, 身体運動における運動スキルの学習に関する文献を広く収集し, 児童の発育発達のレベルを考慮した体育指導の在り方について積極的な討議を試みた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成21年3月:『武道における伝統的な言語教示を用いた注意の焦点化が立位時の静的平衡能に及ぼす影響』(共著)武道学研究(日本武道学会) vol.41, no.3, pp.25-34.
学会活動への参加状況
@11月13日〜11月15日:日本スポーツ心理学会第35回大会出席(中京大学),A9月9日〜9月12日:日本体育学会第59回大会出席(早稲田大学),B日本体育学会体育心理学専門分科会理事,C日本スポーツ心理学会理事,D「スポーツ心理学研究」編集委員(日本スポーツ心理学会),E日本体育学会第59回大会体育心理学専門分科会プリセミナー企画,F「体育学研究」編集委員(日本体育学会)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@日本学生氷上競技連盟副会長,A財団法人日本体育協会公認コーチ養成講習会心理部門講師,B出前講座の開設(2件)
 


加 藤 泰 樹(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部の授業では,一貫して学生の主体的取り組みを啓発することを主軸に置きながら,体育・スポ−ツに関わる学生個々人の興味・関心を基に,問題性の深化に向け,毎時間のミニレポートやグループワーク,そして発表や意見交換など,授業展開の工夫に努めた。大学院の授業では,現職院生たちが研究活動へスム−ズに移行できるような内容構成を工夫し,自己開示に関わる個別演習並びにグループ演習を積極的に組み込んだ。
【観点2】教育の達成状況
 学生,院生の体育・スポーツに関する基本的な理解を促すことができ,自らの運動認識や身体的経験に関する表現が豊かさを増し,身体的教養の向上に貢献できた。
研究指導
【観点1】学部
 体育・スポーツに関わる時事的な諸問題について,資料収集や分析等のフィールドワークを課し,レポート作成と発表を積み重ね,当該の専門的教養の広がりを得ると共に,教職へ積極的な動機付けに努めた。
【観点2】大学院
 実際にフィールドに出かけてのスノー,マリン,ゴルフなどの実技演習を通して,身体的な実感を伴う運動認識の獲得と運動感性の覚醒に努めた。
その他の教育活動
@小中学校実習に際して,ゼミ生と共に実習校を訪れ,授業観察とそれに基づく事後検討会などを行った。
A福島大学・千葉大学・筑波大学・岐阜大学・新潟大学・上越教育大学との6大学研究交流会 11月1〜2日 新潟ほんぽーとにて実施。
Bマリンスポーツ実技研修会 平成20年8月 佐渡にて実施。
C特別教職講座「小学校体育」 平成21年1月
Dスノースポーツ実技研修会 平成21年3月 栂池,白馬で実施。
◎特色ある点及び今後の検討課題等
 学部生と院生との「合同ゼミ」による,知的再生産効果を含めた全体指導と様々なフィールドワークを課題とした感性の覚醒と身体知の獲得に基づく研究活動を行うところに特色がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成21年3月:『体育の見方,変えてみませんか』(共著) 学習研究社
学会活動への参加状況
@平成20年9月11日〜15日:日本体育・スポ−ツ哲学会第30回大会参加
A平成20年度:日本体育・スポ−ツ哲学会理事
B平成20年度:新潟体育学会評議員
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市教育センター運営委員会(委員長)
A上越市スポーツ振興審議会委員
BNPO法人「緑とくらしの学校」理事
◎社会への寄与等
(1)上越市の審議会委員としてスポーツ振興及び教育センター運営等に積極的にかかわった。
 


直 原   幹(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 保健体育科目群に在籍した学生数は,学部生49名(4年生15名,3年生14名,2年生20名),大学院生38名(3年生4名,2年生9名,1年生25名)および外国人留学生1名であった。これらの学生に対し,運動学,武道学および体力学を指導する中で学校現場での指導実践・体験を有機的に融合させた指導プログラム開発し(1)教育実践力に富む教員の養成,および(2)地域の体育教育・スポーツ活動の支援を目指した。(1)については,大学院の「実践場面分析演習T・U」と学部の「実践セミナーT・U」を融合させた授業において,近隣の小・中学校との連携に努めることにより教科臨床的研究の機会を増やし,指導実践力を高める努力を行った。さらに,新しい教員養成カリキュラムの開発にも努め,その成果は夏季に開催された教員免許状更新講習における教科「体育」領域の講習プログラムにも活用した。(2)については,教員免許状更新講習2件(上越会場,長岡会場)を実施し,地域貢献面で積極的に活動している。また,大学課外活動の運動部活動を顧問する中で個人的に学生を引率して上越市内の剣道大会の運営を支援した。
【観点2】教育の達成状況
 ゼミに所属した学生は,大学院生4名,学部4年生3名,学部3年生3名であった。大学院生に終了年度生はおらず,全員が大学院2年生に進級した。その中で1名は平成20年度の優秀学生表彰に選考された。また,平成20年度修了生の修士論文を学会に投稿し,受理された。学部4年生は全員が卒業し,1名は京都府に正式採用された。他の2名については臨時採用教員として富山県および石川県に赴任した。
研究指導
【観点1】学部
 学部3年生3名の卒業研究指導として週1回のセミナーおよび学部合同のセミナーを週1回実施した。学部4年生については週2回のセミナーおよび随時の論文執筆指導を行った。卒業研究3編については提出し,受理された。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修了年度に該当する大学院生はいなかった。大学院1年生4名の修士論文指導を随時行った。また,平成20年度修了生の修士論文1編を纏めて学会に投稿し,受理された。
その他の教育活動
 実習校訪問2回,授業参観および指導3回。
特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学の研究内容,授業内容等において教科臨床的視点に立った専門内容の再構成化を試みている。特に,@日本の型文化からみた現代の子どもの体の拘束性,A武道教育からみた「いじめ」と「フザケ」,B東洋的体育の再構成化と身体開発,C学校現場における対人的な危機回避能力の育成等,東洋的な身体運動文化の学校教育における今日的意義を検討している点に特色がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成21年2月:『武道における伝統的な言語教示を用いた注意の焦点化が立位時の静的平衡能に及ぼす影響』(共著)武道学研究第41巻2号25-34頁
A平成21年3月:『剣道学習者における心理的競技能力の年代別比較』(共著)武道学研究第41巻3号23−35頁
B平成21年2月:『体育科教育における今後の武道指導に関する考察』(単著)上越教育大学紀要第28巻235-241頁
作】@平成20年11月:『居合道演武』 第48回新潟県居合道大会
A平成20年6月:『居合道演武』 第32回東北日本居合道大会
B平成20年11月:『居合道演武』 第14回凌雲館居合道演武富山大会
C平成20年11月:『居合道演武』 第13回関東甲信越居合道大会
D平成20年12月:『居合道演武』 第50回記念大阪居合道大会
E平成20年5月:『剣道演武』 第104回全日本剣道演武大会
F平成20年5月:『第50回北信越学生剣道選手権大会』 松本市体育館
G平成20年11月:『第27回全日本女子学生剣道優勝大会』 愛知県武道館
H平成20年9月:『第50回北信越学生剣道優勝大会』 金沢大学
I平成20年11月:『第46回北信越学生剣道新人大会』 富山大学
学会活動への参加状況
@9月:日本体育学会出席,A8月:日本武道学会出席,B9月:日本体力医学会出席
◎特色・強調点等
 武道の技術特性(構え―攻防)に関する先行研究では,武道技術の客観化という視点から様々なバイオメカニクス的研究が,大学生の競技選手を対象になされてきた。そこでは,武道選手の技術特性とそのパフォーマンスを人の筋・骨格系の生理現象と捉え,スポーツ競技場面に適応されるべき運動力学的な合理性の立場から議論されたものが多かった。その理由として,戦後禁止されていた武道の競技化と普及という時代背景から,特にスポーツ科学的な合理性を重視する傾向があったためと考えられる。しかし,武道における技術特性をスポーツ競技としての側面からみる研究に加えて,さらに日本固有の伝統的な指導法の運動学的価値を自然科学的な知識として明確にすることができれば,今後の学校体育における身体教育の新しい分野を開発できるその基礎ともなろう。本年度の研究報告では,従来のスポーツ競技としての側面からみた研究に対して,武道の伝統的な言語教示と姿勢調節系の制御様相の関係を定量的に実証した点に特色がある。また,学習指導要領の改訂に伴い必修化された「武道」の今後の課題について纏めた点に特色がある。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成20年度 コンソーシアム新潟 教員免許状更新講習,A上越教育大学学校コンサルテーション推進事業,B8月:上越教育大学・信州大学間の連携協力個別事業地域貢献事業「剣道で培う心・技・体」,C2008年度上越教育大学附属中学校教育研究協議会指導者,D8月:第83回謙信公祭奉納武道大会,E2月:東日本大19回如月剣道大会,F2月:第37回建国記念剣道大会,G3月:第11回毎日レディース剣道大会,H11月:第31回全国スポーツ少年団剣道交流大会新潟県予選,I12月:第28回修錬館少年剣道大会,J8月:第50回全国教職員剣道大会,K10月:第56回全日本学生剣道優勝大会,L9月:平成20年度新潟県高等学校秋季地区体育大会,M7月:第43回全日本少年剣道錬成大会,N7月:平成20年度全日本少年武道錬成大会,O7月:第56回全日本学生剣道選手権大会,P6月:第17回新潟県女子剣道選手権大会,Q6月:第28回上越ブロックスポーツ少年団剣道交流大会,R6月:第37回県央少年少女剣道大会,S5月:平成20年度新潟県高等学校春季地区体育大会,(21)5月:第23回新潟県少年剣道錬成大会全国予選錬成大会,(22)4月:第74回上越少年剣道大会,(23)高田剣道スポーツ少年団代表
◎社会への寄与等
 上越地域の児童の健全育成に寄与するため,以下のような剣道を通じたフレンドシップ的な活動および新潟国体に向けた技術強化委員長としての錬成稽古会を,本学学生と共に年間150日以上実施した。
@平成20年5-7月:上越市少年剣道教室開催,A平成20年7月:新潟県夏季剣道講習会(新潟県剣道連盟)指導講師,B平成20年7月:全国教育系大学学部学生剣道セミナー講師(指導法,審判法),C平成20年8月:上越教育大学・信州大学間の連絡協議会(地域貢献部会)平成20年度個別事業(少年剣道交流フレンドシップ)実施,D年間:上越地区小・中・高校生剣道強化練成会指導(年間24回),E年間:上越市内在住の幼児・児童の剣道指導(スポーツ少年団,週2回/年間),F年間:県内の各種剣道大会に審判員として協力参加,G年間:高齢者を対象とした早朝剣道稽古会主催(週1回/年間),Hその他:全日本学生剣道連盟理事,全日本学生剣道連盟事業委員会委員,北信越学生剣道連盟理事,新潟県剣道連盟審議員,全上越剣道連盟常任理事,上越市剣道連盟常任理事,高田修道館館長,NPO法人上越市体育協会理事。
 


榊 原   潔(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業評価アンケート結果に基づき,授業内容の精査と分かりやすい資料の作成に努めた。スポーツ実践では,授業のはじめに評価の観点及び評価規準を示した。
【観点2】教育の達成状況
 受講者に対し,小学校教員として体育授業のボール運動を担当できるだけの知識,技能を指導した。
研究指導
【観点1】学部
 日常生活の中から研究テーマを見つけるように指導している。テーマに関連する,文献検索の方法や研究方法を理解し,卒後後も研究が続けられるように指導している。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 卒業研究などの過去に行った研究の課題や問題点から研究テーマを見つけられるように指導している。また,教育や指導場面に生かせる研究になるように指導している。
その他の教育活動
新潟工科大学「体育実技」非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 伝承遊びや日常の運動遊びから体育・スポーツにつながるように,運動内容を工夫している。これは,小学校や中学校の体育授業で応用できる内容であると考える。今後は,遊びの場における相互行為を指導方法に生かすことを考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成20年7月:『日本スポーツマスターズ2008サッカー競技』 長野県松本市松本平広域公園総合球技場
◎特色・強調点等
 運動の質的評価につながる評価の観点や評価規準について,検討している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県サッカー協会女子委員,A公開講座(山屋敷サッカークラブ),B公開講座(山屋敷サッカークラブ低学年),C公開講座(山屋敷フットサルクラブ),D「平成20年度上越地区体育指導委員総合研修会」講師,E出前講座「運動遊び」,F長岡体育サークル研究協議指導者
 


清 水 富 弘(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部授業では「スポーツ実践」の水泳を担当している。受講生の技術・能力レベルが授業開始時点で大きく異なっており,それが学生相互にも認知しやすい特徴がある。そこで各レベルの学生個々の動機付けを高めるため,泳げない者を泳げるように保証する「水泳教材データベース」を作成し,水泳能力の評価,分析及び指導教材を提供し,学生の水泳に関する問題解決を支援した。また,授業では能力レベル別のグループを作り,各グループごとに達成可能な課題を提案している。また夏休みに補講を実施し,泳ぐ技術習得に時間のかかる受講生に対し,個別指導を行うことで受講生とのコミュニケーションを深め,事故の課題に挑戦し,その結果を出すことを重視している。
 「到達(達成)度評価」を実施している。これは,授業開始時に学生の能力レベルが大きく異なるため,技術・能力レベル及び知識レベルにおける観点について開始時から終了時までにいかなる変化が生じたかを評価の大きな観点とし,その客観的変化を毎回の授業ごとに,受講生に公開した。また,受講生の行う授業評価については,大学側アンケートの他,独自で作成した授業評価チェックリストを授業最終回に無記名で実施した。
【観点2】教育の達成状況
 小中学校の教師に必要な体育実技・指導能力の1つに水泳がある。また小中学校の教員採用試験にもほとんど水泳が課せられる。このため,学部授業「スポーツ実践」の中の「水泳」を担当しているが,前期授業において水泳初心者には100m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。最初の授業の段階でこの基準を既に達成している者には,200m(クロール及び平泳ぎ)泳げることを達成基準としている。また3分間泳のパフォーマンス向上を最終課題においている。本学の学生は,当授業終了時までに水泳の能力を必ず身に付けることになる。また,その過程における支援的授業により,水泳能力が未熟な学生にとっては不可能と思える課題を系統的に挑戦することで,段階的に克服する体験を味わい,さらに成果を上げることを重視している。さらに学生が自主的に水泳技術を習得するために,具体的にどのような課題に取り組めばいいかを明確にするために水泳教材データベースを作成した。また,夏期休業期間には基準の未達成者に対し4,5日の補講を実施している。
研究指導
【観点1】学部
 研究指導を開始する時点で,1年間の最終目標を明確にし,その目標の達成のために,毎月の活動がどのような意味をもつのかを学生自身が自己評価することを重視することで,学生の研究に対する動機付けを高める指導を行った。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 研究課題となる内容について,院生自身が実験・調査のために必要な環境を具体的に明確にし,その交渉自体を院生の手によって行わせる。研究目的の明確化(GOAL)→現状の把握・問題の認識(Reality)→選択肢の創造(Option)→具体的スケジュール(Will)という「問題解決をめざすGROWモデル」を院生自身が推進するための,コーチング(教官は直接指示することなく,質問・傾聴・提案・要求・承認により院生に気づかせる手法)を主体にコミュニケーションをとることを重視した。このようなゼミを前期は週に1回,後期は週に2回実施した。また,学校教育現場との教員と関わりの学びの必要性から修了生を中心とした現場教師との共同ゼミを積極的に開催した(年間2回)。
その他の教育活動
 他大学の非常勤講師は,新潟県立看護大学にて「健康スポーツ学」(講義及び実技)を,前期及び後期担当した。
 教職講座では,水泳を担当し,受験する都道府県の出題傾向に応じた実技(特に水泳)指導を行った。個別の指導により,短期間で技術(泳法技能,スタート,ターン)の改善に成功した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 学生とのコミュニケーション及び教授過程において,「コーチング」手法を導入した。コーチングとは,教官は直接指示・指導することはなく,質問を多用し,状況に応じ提案や要求を提示することに徹し,学生・院生自身に気づかせ「自問自答」する習慣をつくることを目的とした支援型コミュニケーション法である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年10月:『新潟ぶらり日帰り立ち寄り湯「足湯と健康」』(単著)新潟日報事業社
論】@平成20年5月:『ミストサウナ浴が頭皮血流量へ及ぼす影響』(共著)日本温泉気候物理医学会雑誌第71巻第3号
A平成20年11月:『特集「水中運動療法の歴史的概観(1)」,「水治療とスパの起源」』(単著)日本温泉気候物理医学会雑誌第72巻第1号
B平成21年2月:『特集「水中運動療法の歴史的概観(2)」,「近代の水中運動療法」』(単著)日本温泉気候物理医学会雑誌第72巻第2号
作】@平成20年9月:『温泉と健康で地域活性−温泉ソムリエ利用仕掛け人が語るヘルツーリズム−』 特定非営利活動法人日本ヘルツーリズム振興機構
A平成21年3月:『平成20年度国土交通省地方の元気再生事業「岳温泉日本一の健康保養温泉地創造事業」報告書』 国土交通省東北運輸局
発】@平成20年5月:『ミストサウナ浴の肩こり緩和効果』(共)第73回日本温泉気候物理医学会総会
学会活動への参加状況
@4月〜3月:日本温泉気候物理医学会(一般社団法人)評議員・編集委員
◎特色・強調点等
 永年の水療法・水中運動療法に関する研究が認められて,日本医学会に加盟している学術組織である「日本温泉気候物理医学会」の発行する雑誌に水中運動療法の歴史的概観を4回連載することとなった。運動学を主たる研究領域としているが,特に水中における運動学の研究成果が医学会にも注目されている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@10月:文部科学省認定・日本体育協会公認上級スポーツ指導者養成講習会講師(日本体育協会),A11月:(財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会委員(日本水泳連盟),B8月:新潟県看護協会認定看護管理者制度ファーストレベル課程講師,C教育実践学論集のレフェリ
◎社会への寄与等
・日本体育協会に属する(財)日本水泳連盟の競技力向上コーチ委員会委員として本連盟のコーチおよび上級コーチ資格認定のための講習および検定を行った。
・新潟県看護協会事業として,看護管理者資格であるファーストレベル認定のための講習および検定を行った。
 


土 田 了 輔(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部:スポーツ実践,球技ならびに大学院:運動方法学演習「バスケットボール」にて,分業に基づく戦術アプローチを実施し,従来の技術指導中心の球技指導に批判的に取り組んだ。評価についても,ゲームにいかに有意味に参与したかという新しい観点を取り入れている。
【観点2】教育の達成状況
 学部,大学院ともに,新しい戦術アプローチによる指導は概ね好評である。特に技能差を克服するような手立てを具体的に示すことに成功し,授業の前後に実施している運動有能感も有意に上昇している。
研究指導
【観点1】学部
 学生自身のスポーツの実体験に基づく問題意識から課題を選択させ,卒業研究として取り組ませた。その際,自身が取り組んできたスポーツ種目の常識的知識を批判的に捉えられるよう支援した。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 近年,我が国の学習指導要領のボール運動,球技等に影響を与えている国外の知見を批判的に検討するよう支援した。その際,大学院生自身の指導経験から生まれる素朴な問題意識を重視し,一定の回答を与えられるよう支援した。
その他の教育活動
新潟大学非常勤講師「バスケットボール」
・新潟工科大学非常勤講師「体育実技T」「体育実技U」
特色ある点及び今後の検討課題等
 ボールゲームの評価にゲーム中のプレーヤーの認識の拡がりを示す戦術的情況判断(Tactical decision-making competency :TDC)という考え方が近年発表された。これは体育授業で使用できるシンプルかつ適切なものと考えられるので,授業への導入と検討したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成21年3月:『学習内容の開発研究−バスケットボールの指導法−』(単著)新潟大学現代社会文化研究科(博士論文)
発】@平成20年4月:『Fundamental examination of task-solving process in learning ball games』(共同研究)The American Alliance for Health, Physical Education, Recreation and Dance (AAHPERD)
学会活動への参加状況
@学会出席4月8日〜12日:The American Alliance for Health, Physical Education, Recreation and Dance (AAHPERD) 2008 National Convention & Expo in Fort Worth.
◎特色・強調点等
 学位論文と米国での発表は,社会構成主義に根ざしたバスケットボールの戦術アプローチに関するものである。従来の欧米に観られる戦術アプローチは,一定水準以上のアスリートによって確立された戦術を学習するために,タスクゲームという特殊なゲームを生み出すという問題点があった。しかし,私が手がけている戦術アプローチは,体育授業での学習者が,自分達の対決情況に依拠した戦術的課題を達成しながら,各種のボールゲームに共通するゲームに対するアイデアを深めるという点において,課外活動における専門的な種目の指導と一線を画している。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
@北信越大学バスケットボール連盟委員
 


大 橋 奈希左(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学部・大学院ともに,授業の方針,目標をシラバスに明記し,最初の授業で評価の方法を説明した。
 学部の授業では,将来学生が指導者になったときの実践力,特に課題設定とその解決のための支援に焦点を当て,授業を展開した。
 大学院の授業では,現場の授業で即使用できる教材を提案するとともに,授業の展開の構造を探ることを意図した授業実践を試みた。
 成績評価に当たっては,学びのプロセスとしての実技と成果としてのレポートを中心に評価した。
【観点2】教育の達成状況
 特に,学部1年生の授業では,学びのプロセスを明らかにするために,毎時間終了後に学生の自己評価を行い,データ化した結果,目標とした項目のほとんどが伸びを示した。
研究指導
【観点2】大学院
 小学校での授業を対象とし,教材開発を開発して,その指導場面を分析することを目標とした。そのための視点・視座を設定するために,先行研究の文献考証を中心に演習を行った。
その他の教育活動
@独立行政法人国立病院機構新潟病院附属看護学校非常勤講師「保健体育」
特色ある点及び今後の検討課題等
 従来学校現場で,指導が難しいといわれてきた「表現運動」・「ダンス」の指導法を中心に大学院の授業を展開していることから,保健体育以外の大学院生の受講者も年々増え,現場で実践した結果のフィードバックが少しずつ授業者のところに届くようになっている。
 また,新しく取り組んだ大学院の共通選択科目では,「アート教育」の教材開発に取り組んだ。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成21年3月:教員養成課程入門機の学生のための身体教育プログラム開発−協同学習による間身体的コミュニケーション力の育成をめざして−(共著)島根大学教育臨床総合研究 pp.39-52
作】@平成20年6月:第60回新潟県高等学校総合体育大会兼第21回全日本高校・大学ダンスフェスティバル(神戸)予選会 審査委員
発】@平成20年6月:教員養成における身体コミュニケーション力育成の試み−学生の学びの質的検討をもとにしたプログラム開発を目指して−日本体育科教育学会第13回大会ラウンドテーブル
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@教員の資質としての間身体的コミュニケーション力の研究−ポートフォリオを活用して− 代表者:大橋奈希左(講師) 科学研究費補助金
Aつくったモノとからだのかかわりを中心とした表現教材の開発− 代表者 上越教育大学研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@6月28日〜29日:日本体育科教育学会参加
A9月10日〜12日:日本体育学会参加
B9月13日〜15日:日本体育・スポーツ哲学会(第30回記念国際学会)参加
C10月11日〜12日:日本スポーツ教育学会参加
D雑誌『舞踊教育学研究』編集委員
E日本体育学会新潟支部監事
F日本体育・スポーツ哲学会理事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県女子体育連盟理事長
 


周 東 和 好(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 体育教育における「理論と実践の統合的理解」の必要性を鑑み,理論の実践的理解および実践の理論的理解を促すよう配慮した。関連する授業を有機的に結びつけて理解できるように,時間割の配当および授業内容を計画した。例えば,特論と演習を2時限続きで配当し,実践した内容に基づき理論的理解を促したり,理論を学んだ上でそれを実践的に確認したりするということである。シラバスでも2つの講義内容が有機的に結びつくように計画した。成績評価については出席,レポート提出の状況等を点数化して厳格に算出した。
【観点2】教育の達成状況
 概ね計画通りに授業を実施することができた。
研究指導
【観点1】学部
 本年度はゼミへの所属学部生はなかった。他の研究室に所属する学生の卒業論文に関わる内容で質問や助言を求められ応答した。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 体育教育をめぐる実践的な諸問題を抽出し,それらについて多面的に捉える視点の涵養のため,通常のゼミ,運動実習,ゼミ合宿,学校訪問等を実施し,学会での研究発表するまでの指導を行った。また,学習臨床コースの院生が修士論文において,体育授業の実践的研究を行ったため,指導・助言にあたった。なお,その成果を日本スポーツ教育学会において発表するまでの指導を行った。
その他の教育活動
・教職講座「器械運動」を全4回実施した。実施後も練習を希望する学生・院生については,その後も月曜日の夕方,指導にあたった。
・初等教育実習において学校訪問を行った。訪問を担当した実習生については,事前および事後指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 運動学的認識を基盤として,体育授業における運動をめぐる諸問題に対応できるよう,学部においては基礎力の充実に,大学院においては発展的な応用力の涵養に努めた。今後の課題として,体育教育の実践的理解をさらに促進するため,通常の講義においても映像資料を活用できるようにしたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成21年1月:『国際体操連盟 男子体操競技 国際審判員認定』 ナショナルトレーニングセンター
A平成20年6月:『国民体育大会体操競技新潟県選手選考大会 審判員』 大潟アリーナ
B平成20年8月:『東西ジュニア体操競技選手権決勝大会 審判員』 横浜文化体育館
C平成20年8月:『全日本ジュニア体操競技選手権大会2部 審判員』 横浜文化体育館
D平成20年8月:『全日本ジュニア体操競技選手権大会1部 審判員』 横浜文化体育館
E平成20年8月:『全日本学生体操競技選手権大会 審判員』 彩の国 熊谷ドーム
F平成20年9月:『全日本社会人体操競技選手権大会 審判員』 鯖江市総合体育館
G平成20年10月:『全日本体操競技選手権大会 審判員』 リージョンプラザ上越
業】@平成21年3月:『体つくり運動と保健との関連を考慮した教材の開発』(単著) 上越教育大学ホームページ研究プロジェクト報告
A平成21年3月:『からだの感じを大切にしたやさしい運動指導法に関する実践的研究−現職教員の研修のための運動プログラムの開発を中心にして−』(共著) 上越教育大学研究プロジェクト報告書第2巻
発】@平成20年10月:『学校における姿勢教育に関する一考察〜学習指導要領の変遷を中心に〜』(共) 日本スポーツ教育学会第28回学会大会
A平成20年10月:『柔道初学者のための導入段階における授業展開に関する研究―中学校における武道学習必修化を契機として―』(共) 日本スポーツ教育学会第28回学会大会
B平成20年10月:『教員養成における模擬授業の実施方法に関する実践的検討―中等保健体育科指導法における取り組み―』(単) 新潟県体育学会平成20年度学会大会
C平成20年10月:『教員免許状更新講習における選択科目保健体育領域の取り組みについて〜上越教育大学での試行・予備講習の例〜』(単) 平成20年度日本教育大学協会研究集会
D平成20年11月:『上越教育大学における教員免許状更新講習―試行・予備講習について―』(単) 平成20年度日本教育大学協会北陸地区保健体育部会協議会
E平成20年11月:『教員養成における実技実習の方法に関する実践的検討〜体育教師の運動観察能力に注目して〜』(単) 第3回 中日教師教育学術研究集会
F平成20年12月:『器械運動のための動きつくりの教材ならびに教師用研修教材の提案』(単) 日本体操競技・器械運動学会第22回学会大会
G平成20年12月:『小学校器械運動における単元をこえた働きかけとその効果について』(共) 日本体操競技・器械運動学会第22回学会大会
H平成21年3月:『教師教育における運動観察能力の向上を目指した実技実習の方法について』(単) 日本スポーツ運動学会第22回学会大会
学会活動への参加状況
@11月18日〜20日:第3回中日教師教育学術研究集会出席
A10月11日〜12日:日本スポーツ教育学会第28回学会大会出席
B10月18日:新潟県体育学会平成20年度学会大会出席
C10月25日〜26日:日本教育大学協会平成20年度研究集会出席
D11月6日:平成20年度日本教育大学協会北陸地区保健体育部会協議会出席
E12月21日:日本体操競技・器械運動学会第22回大会出席
F平成21年2月28日〜3月1日:日本スポーツ運動学会第22回学会大会出席
◎特色・強調点等
 学会発表,教員研修会などを通して,研究の成果を公表することに重点を置いた。特に中日教師教育学術研究集会における研究発表では,本学で実施した教師教育に関する成果を発表することができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成20年度教員免許状更新講習 試行・予備講習「身体教育の実践理論A」講師(上越教育大学)
A平成20年度教員免許状更新講習 試行・予備講習「身体教育の実践理論A」講師(長岡技術科学大学)
B新潟県内 附属学校園 教員研修「器械運動の指導法〜動きつくりの運動を中心に」講師
C魚沼市・川口町教員研修「体つくり運動の指導法」講師
D長岡市立大島小学校 出前講座「柔らかなからだ」講師
E上越市立明治小学校 出前講座「柔らかなからだ」講師
F明治小学校教員研修会「マット運動の指導法」講師
G明治小学校保護者研修会「姿勢をよくする体操」講師
H5月〜7月:本学公開講座「体操教室T」講師
I10月〜12月:本学公開講座「体操教室U」講師
J平成20年度日本オリンピック委員会強化スタッフ(マネジメントスタッフ)
K日本ラート協会 理事 兼 技術部会および国際部会委員
L全国少年少女体操普及協議会 理事
M(財)日本体操協会指導者育成部 委託部員
N桐生市体操協会 常任理事
O大間々保育園「幼児の運動プログラム」指導助言者
P本学出前講座「うまくなるには〜動き方のこつのつかみ方〜」開設
Q本学出前講座「やわらかなからだ〜良い姿勢を探る〜」開設
R本学 学校コンサルテーション事業への参画
◎社会への寄与等
 @Aについては,学内の準備委員および実施委員でもあり,積極的に取り組んだ。
 B〜CFGについては学校教育に直結する教員研修や講座であり,事後アンケートによれば,受講者には新たな視点を提供し,教育実践に向けて新たな展開が期待できるものとなったと思われる。
 DEについては,出前講座として児童に直接に行う講座であり,柔軟運動を継続的に実施するように促す目的で実施した。結果,多くの子どもたちが積極的に柔軟運動に取り組めたようであり,柔軟性の向上も見られた。
 HIについては,受講定員を満たして実施できている。昨年度から引き続き受講している児童もおり,保護者へのアンケートでは「引き続き実施してほしい」との要望が強かった。
 J〜Oについては,必要に応じて業務に支障がない範囲で取り組んだ。
 


山 崎 貞 登(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 講義・演習の初回オリエンテーションで,学習到達目標及び成績判定基準を事前公開した。成績判定基準では,毎回の学習シートの記述状況,課題レポート,学習ファイルを採点対象にした。毎回の授業で「学習シート」を使用し,学習過程における自己対話と他者との対話の過程及び学習のふりかえりの記述を求め,毎時の授業終了後に提出を求め,採点と授業改善・次時の構想カリキュラムの変更を毎回行うことで,反省的授業実践を実施した。課題探究型の学習とし,課題レポートの作成と検討会の実施を工夫した。
【観点2】教育の達成状況
 修士課程では,現職教員1名(新潟県)と中学校教員就職者1名を平成21年3月に修了させた。平成21年2月7日に公開形式で修論発表会を行った,2人の修士論文では,文部科学省研究開発学校に指定された新潟県三条市立長沢小学校・同長沢小学校・同下田中学校との協働研究を行った。出席した新潟県教員から多数の質問や意見があり,高い評価を得た。
研究指導
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 大学院(修士課程)より高度な臨床的な実践力を習得させるために,2人の修士論文では,文部科学省研究開発学校に指定された新潟県三条市立長沢小学校・同長沢小学校・同下田中学校との協働研究を行った。1名の修士論文では,基礎的・基本的な知識・技能の習得とともに,活用・探究型の学習活動を促進する教育課程の開発を行った。1名の修士論文では,平成20年版小学校学習指導要領で重視される算数的活動と技術的活動を連携したカリキュラム開発研究を実施した。
その他の教育活動
・群馬大学非常勤講師
・長岡技術科学大学非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 文部科学省研究開発学校に指定された新潟県三条市立長沢小学校・荒沢小学校・下田中学校と,「技術」「キャリア発達」「エネルギー・環境」リテラシーを育む新学習領域の教育課程開発研究の全体指導を毎月1回以上行った。また,前述の研究状況と成果・課題について,本学の学部・大学院の授業等の教育活動で積極的に活用した。前述の研究を全国に普及させるための一般化と,小学校と中学校を一貫した技術教育課程研究の全国的な推進が今後の課題の第1である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成20年12月:『エネルギー・環境リテラシーのプロセススタンダードの開発』(共著)エネルギー環境教育研究,第3巻第1号,pp.43-50
A平成20年12月:『「技術リテラシー」育成を目指す文部科学省研究開発学校研究の現状と課題』(単著)科学教育研究,Vol.32, no.4, pp291-298
業】@平成21年3月:『技術リテラシーとPISA型学力の相乗的育成を目的とした技術教育課程開発』(単著)平成20年度〜22年度科学研究費補助金(基盤研究(C))第1年次研究成果報告書
発】@平成20年8月:『「ものづくり学習」における創成プロセス教育課程基準表の提案 −「エネルギー・環境リテラシー」「技術リテラシー」「キャリア発達能力」の相乗的育成を目指して−』(共)日本エネルギー環境教育学会
A平成20年12月:『「創成力」と「科学技術の智」を育成する大教科群に関する研究 −小・中学校が連携した「ものづくり学習の時間」の教育課程開発−』(共)日本教科教育学会
B平成20年12月:『「創成力」と「科学技術の智」を育成する大教科群に関する研究 −学習プロセス力に注目した技術と算数・数学の連携カリキュラムのデザイン−』(共)日本教科教育学会
C平成20年11月:『「ものづくり学習の時間」における「創成力」教育課程基準表の改善』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
D平成20年11月:『「創成力」育成のためのポートフォリオ評価法の工夫』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
E平成20年11月:『「ものづくり学習の時間」における学習者向けのガイダンス資料の作成』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
F平成20年11月:『文科省研究開発学校「ものづくり科(TE)/ものづくり学習の時間」の実施状況調査の内容・方法とその課題 −平成16〜20年の学習到達度状況調査を中心に−』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
G平成20年11月:『文科省研究開発学校「ものづくり科(TE)/ものづくり学習の時間」の実施状況調査の内容・方法とその課題 −平成16〜20年の学習者・保護者への質問紙調査を中心に−』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
H平成20年11月:『「ものづくり学習の時間」における算数的活動 −4,5年生の単元「手作りいかだで五十嵐川を楽しもう」−』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@豊かな未来を切り拓く力をはぐくむものづくり学習 代表者:若林久(新潟県三条市立下田中学校・長沢小学校・荒沢小学校) 平成19〜21年度文部科学省研究開発学校
学会活動への参加状況
@平成20年度:日本エネルギー環境教育学会理事,A11月29日:日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会出席,B12月6〜7日:日本教科教育学会第34回全国大会出席
◎特色・強調点等
 平成19〜21年度文部科学省研究開発学校である新潟県三条市立下田中・長沢小・荒沢小学校(以下三条3校)と協働研究を実施した。修士論文題目6編の主題として,「創成力」と「科学技術の智(リテラシー)」を育成する大教科群に関する研究とした。我が国では普通教育のしての小・中・高等学校一貫した技術教育課程が制度的に設置されていないが,諸外国の多くが近年導入を推進している。次期(平成30年告示予定)学習指導要領改訂に向けた研究の実践知見を得るべく,三条3校と協働研究を進めた。さらに,教育の現代的諸課題である「科学技術」「共生・相互理解」「表現」リテラシ育成の教育課程編成に関する実践的研究を推進し,所与の成果を収めた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@平成20年度文部科学省研究開発学校研究協議会委員,A附属中学校研究協力者,B平成20年度上越地域エネルギー等導入促進事業講師,C平成20年度エネルギー教育評価指導委員会委員,D11月:上越市学校研小学家庭講師,E10月:長野吉田高等学校出前講座講師
◎社会への寄与等
 地球温暖化などの環境問題やエネルギー資源枯渇問題の深刻化に対しての持続発展教育の推進が喫緊の教育課題である。エネルギー環境教育にかかわる社会的活動に積極的に参画し貢献した。具体的には,日本エネルギー環境教育学会理事としての学会活動,社会生産性本部(現日本生産性本部)エネルギー環境教育情報センターエネルギー教育指導評価委員会委員の立場から全国的な活動を展開した。また,上越市妙高市地方特別公共団体である上越水企業団の地域エネルギー活用の活性化事情による地球温暖化防止活動のための持続発展教育に対する指導助言を行った。
 


黎   子 椰(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 授業の目標,概要等をシラバスに明記し,最初の授業で,シラバスの確認,評価方法の説明を行った。受講者の受講状況を把握するように心がけており,受講者数が多い「中国語・中国事情」では,受講者の座席を固定し,毎回練習カードを提出してもらうなどの工夫をした。成績の評価については,出席率,宿題やレポートの提出と内容等を点数化して算出した。
【観点2】教育の達成状況
 概ね計画通りに授業を実施することができた。
研究指導
【観点1】学部
 臨床的な実践力を養成することを目的として,ものづくりを題材とした総合的な学習の授業実践を分析する卒業研究を指導した。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 教育に関わるより高度的な実践力を養成することをねらいとして,先端加工技術の教育現場への適用を中心とした修士論文の指導を行った。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成20年12月:『NC加工実習・実験のための学習支援シミュレータの開発』(共著)九州産業大学工学部研究報告第45号pp.1-4
発】@平成20年6月:『NC加工実習・実験のための学習支援シミュレータの開発』(共)日本設計工学会中部支部講演論文集No.25,pp.31-34
A平成20年10月:『NC工作機械加工を題材とするものづくり教育の試み』(共)日本教育工学会第24回全国大会講演論文集pp.643-644
B平成20年11月:『中学生を対象とした旋盤加工シミュレータの開発』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会講演論文集p.11
C平成21年3月:『ものづくり教育のための簡易CAD/CAMソフトウェアの開発』(共)日本機械学会北信越支部第46期総会・講演会講演論文集pp.329-330
D平成21年3月:『小中学生を対象としたCAD/CAMソフトウェアの開発』(共) 日本産業技術教育学会第24回情報分科会(長野)研究発表会講演論文集pp.39-40
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特殊教育諸学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@産学官連携による地域のものづくり人材育成(共同研究者:独立行政法人雇用・能力開発機構 滋賀職業能力開発短期大学校長 谷垣昌敬)
学会活動への参加状況
@平成20年度日本産業技術教育学会理事
A平成20年度日本産業技術教育学会機械分科会編集委員
B平成20年10月:日本教育工学会第24回全国大会実行委員会委員
C平成20年10月:日本教育工学会第24回全国大会参加・研究発表
D平成20年11月:日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会参加・研究発表
E平成21年3月:日本産業技術教育学会第24回情報分科会(長野)研究発表会参加・研究発表
F平成21年3月:日本機械学会北信越支部第46期総会・講演会参加・研究発表
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市中小企業研究開発等支援資金融資委員会委員
 


東 原 貴 志(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○ 授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取組状況
 学部の「木材手工具加工法」「木材機械加工法」では,製作演習を通して道具の使用法や機械の操作法に習熟させることに努めた。
 大学院の「木材加工学特論」では,上越市所有の町家内部における木造建築とまちづくりに関する講義を実施し,地域の林業・木材産業との関わりについて議論した。
 実技に関する論文講読と実験を行い,データの取扱いについて議論し,中学生に対する実技指導のあり方について考察した。
○ 成績評価法に関する取組状況
 講義・演習の初回オリエンテーションで,授業の概要,学習到達目標および成績判定基準について説明した。
 学部授業では製作態度や製作物の完成度についての評価を重視した。また,期末に試験を実施した。
 大学院授業では授業後のレポートを課した。また,期末に試験を実施した。
【観点2】教育の達成状況
 本年度の就職該当者はいないため,特記事項なし。
研究指導
【観点1】学部
 学部生の研究指導は担当しなかった。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 大学院生に木材加工に関する文献講読,実技指導ならびに研究方法を指導した。実際に学校現場に行き,木材加工に関する授業実践を通して,授業展開の仕方,児童・生徒の反応について認識を深めた。
 また,大学院生は,研究成果を日本産業技術教育学会全国大会および日本木材学会大会において発表を行った。実践に役立つ最新の情報収集や意見交換を行い,教材開発や研究の意欲をさらに高めることができた。
特色ある点及び今後の検討課題等
 大学院生の木材加工に関する実験・実習に対する関心が高いことから,授業をより充実させるため,平成21年度から「木材加工学実験実習」を新設することにした。
 大学院生の研究指導にあたり,授業実践や研究発表を積極的に行わせた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成21年1月:『中学1年生を対象とした樹木オリエンテーリングの試み』(共)日本生物教育学会第86回全国大会,中村学園大学
A平成20年11月:『国産スギ材を使用したプランターの製作と授業実践』(共)日本産業技術教育学会第21回北陸支部大会(福井大学)
他】@平成21年1月:『FM−J「ゼミのあいまに」出演/FM−J「ゼミのあいまに」「曲げ木と楽器の話」出演』 FM-J
学会活動への参加状況
@8月2日〜3日:日本環境教育学会第19回大会出席,A8月24日:日本産業技術教育学会第51回全国大会出席,B10月11日:日本教育工学会第24回全国大会出席,C11月29日:日本産業技術教育学会北陸支部大会出席・発表,D1月10日〜11日:日本生物教育学会第86回全国大会出席・発表,E3月15日〜17日:第59回日本木材学会大会出席
◎特色・強調点等
 平成20年度科学研究費補助金 若手研究(B)20700621 中学校技術分野における「木育」教材の開発と活動実践に関する研究を通じて,国産スギ材を使用したちゃぶ台教材およびプランター教材を開発した。地域の森林資源を活用した木工教材の開発については,林野庁が提唱している「木育」活動の理念および日本木材学会「木づかい円卓会議」の提言書の内容に合致しており,社会的なニーズが高い研究活動である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越教育大学出前講座,A上越教育大学公開講座,B上越教育大学附属中学校森林学習2年生,C上越教育大学附属中学校森林学習1年生,D上越教育大学附属中学校わくわく大学ウィーク,E上越市まちづくり市民大学協働会議委員(副委員長),F全国ものづくり教育フェア関東甲信越大会木工審査委員長
◎社会への寄与等
 上越教育大学附属中学校1,2年生を対象とした森林学習に講師として参加した。
 上越教育大学附属中学校の生徒を対象とした特別授業「ちゃぶ台をつくろう」として,ものづくり教室を実施した。
 中能生小学校5年生に対して木材の加工,工作に関する出前講座を実施した。上越教育大学公開講座「ちゃぶ台をつくろう」を小学生を対象に実施した。
 


大 森 康 正(准教授)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成21年3月:『センサネットワークを用いた生物育成と情報教育に関する教材開発〜センサネットワークによる土壌水分測定に関する考察〜』(共)日本産業技術教育学会
A平成21年3月:『センサネットワークを用いた生物育成と情報教育に関する教材開発〜スクイークを用いた制御プログラミング教育に関する考察〜』(共)日本産業技術教育学会
B平成20年11月:『オントロジー理論を用いた授業評価の考察』(共)日本産業技術教育学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@無線センサネットワークを用いた生物育成学習と情報教育を融合する教材の開発 代表者:南雲秀雄(新潟青陵大学)
A25GHz帯無線LANを用いたハイビジョン映像送受信に関する研究 代表者:大森康正(上越教育大学)
学会活動への参加状況
@11月29日:日本産業技術教育学会北陸支部大会出席,A3月14日:日本産業技術教育学会第24回情報分科会(長野)研究発表会出席
◎特色・強調点等
 新学習指導要領において中学校技術・家庭における「プログラムによる計測・制御」および「生物育成」が必修化された事に伴い,総合的な題材研究を行っている。これは中学校技術科教員の現状などを考慮し3年間で統一的な題材を系統的に扱うことで全領域をカバーできる題材の開発であり,現場からの期待も大きい。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 社会への寄与等については,これまでの研究業績や,情報メディア教育支援センターの事業として私が中心的に作成してきた
 eラーニングコンテンツをHP等で公開をしてきた。公開したコンテンツの中には社会的評価の高いものもある。
 


佐 藤 悦 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
 学部における被服学関連の授業は,講義と実験・実習等の内容を関連づけて構成し,消費科学的な視野が養えるよう努めている。学部生と共に免P院生の履修があるため,多様な学生に対応できるように授業後のミニレポートを課して理解度を把握するなどを行った。製作実習の基礎となる教材を取り上げた。大学院における授業は,小学校・中学校・高等学校の家庭科の授業内容との対応を意識して取り上げ,専門的な視野からの解説や問題点などを各自が指摘するなどの意見交換を行った。
研究指導
 研究テーマを設定する際には,生活に密着した事象から課題を見い出し,研究テーマに発展できるよう指導上において心がけている。本ゼミの共通テーマとして,被服商品の消費性能に関する研究ならびに衣服の着脱動作に関する研究をメインテーマとして位置づけているが,学生が希望するテーマも多様であるため,可能な限り希望に添えるよう指導体制を取りつつ展開している。
 本年度の学部生は,衣服の着脱動作がエイジングと共に動作可動域の制限を受けることを取り上げ,衣生活の自立・介護支援の視点から動作実験を行い「袖を通す動作と慣れとの関係について―高齢者と若年者―」として,その成果をまとめた。院生には,一つに廃棄衣料が焼却ゴミ化している生活課題を取り上げ,衣料のリサイクルとして古着を利用することやリメイク・リフォームの実践を促すことが廃棄衣料を減らす方法として重要であるとの視点からアンケート調査を実施・分析するための研究指導を行い『古着の利用実態と不用衣服の有効活用に関する研究』として成果をまとめた。もう一つは,家庭科の教科書,特に高等学校の家庭総合を取り上げ,被服領域に着目して内容記述・掲載等を綿密に調査して,その特色及び課題を整理しまとめるための指導を行った。さらに,環境汚染対策として直面している生活諸課題を検討するための研究計画を立てて,今後に展開できる様に指導した。
 研究室の活動として,衣に関連する地域産業や文化への興味・理解を深めることを目的として,施設見学や手作りの機会を設けている。本年度は,手縫いの応用技法としてニードル・ワーク(パッチワーク等)を行った結果,ゼミ学生には好評であった。こうした活動が教員となった時に役立てられることを目差しているので,授業等への展開が望まれる。施設見学は,時間的な制約からゼミ全員のスケジュール調整が難しく今後の課題である。
その他の教育活動
@長岡医療福祉カレッジ:非常勤講師(平成19年10月〜)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成20年5月:「男子大学生におけるボタンかけはずしの動作特性 その3―片手操作の所要時間と困難さについて―」(共) 日本家政学会
A平成20年5月:「販売員の言葉かけが衣服の購入に与える影響」(共)日本家政学会第60回大会研究発表
他】@第9回全国中学生創造ものづくり教育フェア関東甲信越地区大会新潟大会家庭部審査に関わった。(11月30日,於新潟県南蒲原郡田上町立田上中学校)
学会活動への参加状況
@平成20年5月31日〜6月1日:日本家政学会第60回大会発表,出席(東京)
A平成20年9月8日〜9月10日:日本家政学会被服心理学部会夏季セミナー出席(大阪)
B日本家政学会被服心理学部会地区委員
C日本繊維製品消費科学会北陸支部幹事
 
<社会との連携>
社会的活動状況
・上越市福祉有償運送運営協議会委員(平成20年度)
・上越市立雄志中学校において家庭科の授業「地域と生活/気候と生活」を分担担当した。(2月26日)
・全国中学生創造ものづくり教育フェア,関東甲信越地区大会
 


得 丸 定 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法では,授業でパワーポイントをや視聴覚機器を用いて,授業への理解度を増す工夫を行った。また,教育現場の教員にも登場してもらい,現場の教育方法の報告を聞き,臨場感を培った。成績評価では遅刻・欠席・早退・レポート提出・試験結果を基準に学生の成績評価をおこなった。
【観点2】教育の達成状況
 各授業とも,ほぼ教育目標は達成された。しかし,ブリッジ科目は300名近く同一会場で授業を行うため,よりきめ細かい指導ができたのかどうかは掌握しにくい。
研究指導
【観点1】学部
 学部生は,3年・4年生共に「いのち教育」に関するテーマについて研究指導を行った。学部3年生は,「教育における笑いの効用」「妊娠中絶への悲嘆援助について」「ストレスリダクションについての心理学的・生化学的評価」の具体的な研究テーマであった。学部4年生は「人生観とペット観に関係について」と題する研究指導を行い,結論的には,現代のペットブームにおける光と陰の問題を指摘した研究であった。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士課程では「家庭科男女必修世代における家庭観,社会観」の研究については修了した。「いのち教育の視点における福祉教育」については,世代間交流プログラムを作成し,実際に世代間交流を行うなど,実践面での研究展開を指導した。博士課程では,「死生観に基づく異世代の生き方論〜高齢者と若者の視点から〜」を行い,今年度は,まず,若者世代に着目して調査研究を展開した。
その他の教育活動
・教職講座「小学校全科,家庭」を1時間担当した。
・教育実習における学生指導では,小学校実習3人,中学校実習2人の指導,アドバイスを行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育活動における特色としては,「いのち教育」の視点から,家庭科の授業のあり方,教材の工夫について行った。家庭科は誕生から死までを扱う教科であり「いのち教育」に関する内容はどの領域でも展開が可能であるが,他教科,特に社会,理科,道徳,保健体育と連携をとり,横断的な授業を実際に試みるることが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成21年3月:『学校における「自殺予防教育」を探る』(編著)現代図書
論】@平成21年3月:『介護施設における高齢者の社会的ネットワーク 〜介護理念・地域性・家族関係・性別等による影響の観点から〜』(共著)『教育実践学論集』10号
業】@平成21年3月:『アイオワ大学訪問調査報告』(単著)2008年度9月入学海外訪問調査報告書
A平成21年3月:『カレル大学訪問調査報告』(共著)2008年度9月入学海外訪問調査報告書
発】@平成20年9月:『ペットロスとペット葬の賛否は人生の価値観とどのように関連するか』(共)仏教看護・ビハーラ学会
A平成20年10月:『高齢者の社会的ネットワーク〜従来型施設とユニットケア施設の入居者比較〜』(共)日本家庭科教育学会北陸地区研究大会
B平成21年1月:『家庭科男女必修世代は他世代と異なる意識を持つかー社会観・家庭観についてー』(共)日本家庭科教育学会第51回大会
C平成20年8月:『いのち教育について』(単)第2回学生のためのホスピス緩和ケアの集いin横浜
D平成20年8月:『次世代への「いのち教育」』(単)日本佐渡学会第10回大会
E平成20年11月:『今を生きる 今を考える いのちを見つめる』(単)アルザフォーラム2008
F平成20年9月:『Fear of Death and Afterlife: Comparison of Japanese and Korean Students.』(単)International Work Group on Death, Dying and Bereavement.
G平成20年7月:『Life and Death Education in Japanese School』(単)International Federation for Home Economics
H平成20年度:☆第4回仏教看護・ビハーラ学会ワークショップ講演 鎌倉市
他】@平成20年6月:『新聞報道/いのち教育フォーラム(地域貢献フォーラム)開催取材報道』 新潟日報6/22
A平成21年1月:『新聞報道/グリーフケアに関するシリーズ記事』 信濃毎日新聞
B平成20年4月:『新聞報道/新刊書紹介『「いのち教育」をひもとく』』 中外日報
C平成21年3月:『ニューズレター/得丸研究室のニューズレター(学生の研究論文要旨,ゼミの学習内容紹介等』 得丸研究室 ならびに,HP上,
D平成20年4月:『HP/得丸研究室の教育研究活動状況,学生の学習,交流状況報告等』 http://toku-lab.com
学会活動への参加状況
@日本死の臨床研究会企画委員,A仏教看護・ビハーラ学会理事,B日本死の臨床研究会世話人,C日本家庭科教育学会北陸地区会会長,D平成20年度:International Work Group on Death , Dying and Breavement,E日本死の臨床研究会関東支部役員,F学会出席5月30日〜6月1日:日本家政学会第60回大会出席,G学会出席4月18日〜4月19日:第32回日本自殺予防学会総会出席,H学会出席10月4日〜10月5日:第32回日本死の論証研究会年次大会出席
在外研究の状況
@9月16日〜9月30日:アメリカ,アイオワ大学にてスピリチュアル教育に関する調査・IWG(国際死と死別,悲嘆に関するワーキンググループ)の研究会に出席
A10月24日〜11月1日:チェコ,カレル大学にて9月入学に関する調査。
◎特色・強調点等
 本年度は,国内外における調査,研究活動を例年に比べ多く行った。海外では,アイオワ大学(アメリカ),IWGでの研究会(アメリカ),国際家政学会大会での研究発表(スイス),カレル大学(チェコ)での9月入学に関する調査を行った。
 また,これまでの研究をまとめた「学校における自殺予防教育を探る」(得丸編著)を,本学の出版助成を得て出版した。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県不当取引行為調査会,A上越市都市計画審議会委員,Bにいがた食の安全・安心審議会委員,C上越市情報公開・個人情報保護審議会委員,D上越市住民基本台帳事務に係る本人確認情報保護及び苦情処理委員会委員,E上越教育大学地域貢献フォーラム
◎社会への寄与等
 今年度は,新潟県庁,上越市役所関係の委員を多く引き受けた。また,学会の,理事,役員,委員,地区会長を引き受け,多忙であった。毎年開催している地域貢献フォーラム(いのち教育フォーラム)では,リピーターの市民が楽しみにして参加してくれたことは,大学が地域に果たす知の還元役割の一部を担ったと思う。各種サークル,セミナーでの講師として「いのち教育」に関連する内容を講演し,市民の方々と交流を持つ機会を多く得た。
 


細 江 容 子(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導方法等の教育方法に関する取り組み状況
 生活経営学領域(家族関係,家庭経済)であるので,学生が日常生活の中で,特に日頃,疑問に思う身近な事柄をとらえながら授業の導入を行い,知識の習得と同時に,そのような問題がなぜ生じるかを考えさせる授業の展開によって,思考力や判断力を育てる授業を展開した。
 学習への動機付けを目的とし,将来,家庭科の教員として授業を行う可能性のある学生たちに対し授業での知識の習得と同時に,思考力や判断力を育てるために,ディベートや発表などの時間を設けて授業を展開した。また,文献,資料等の提示により事前・事後の学習をさらに深める方法をとった。
○成績評価法に関する取り組み状況
 各授業における学習目標を知識,思考,判断,表現,意欲といった項目を基に,その目的達成のための授業の計画と方法を考え,その視点から成績評価をおこなうと同時に,学生からの授業評価を得ることで,自己の授業改善を行った。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職など卒業(修了)後の進路の状況から判断した取り組み状況
 教員養成の大学であるので,学生に対して高い付加価値をつけるべく,考えさせる授業を実施した。そのためには,学生が思考のための多様な枠組みを持つことができるように,授業展開に工夫をするさらなる授業改善を行った。
研究指導
【観点1】学部
 教育に関する臨床的な実践力習得のための指導:各授業における学習目標を知識,思考,判断,表現,意欲といった項目を基に,その目的達成のための授業計画と方法によって,学生が教育現場に出た時の新指導要領での評価基準への学生自身の応用も可能となる授業の展開を図った。
【観点2】大学院
 教育に関するより高度な臨床的実践力習得のための指導:大学院においては特に思考力を身に付けることをねらいとし,レポートの報告やディスカッションを多く行う授業実施した。また,指導・研究内容に関わる国際会議に出席する事により,最新の研究・教育に関する内容について,指導できるように努力した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 授業においては,導入部とその展開に関する方法を工夫する中で,学生達が授業に興味・関心を持つことが出来るようにすると同時に,学生の長所を積極的に評価し,学生の意欲を引き出すための努力を行った。そのことがとりもなおさず,学生達が児童・生徒を指導する教育現場において,役立つことと考えた。
 今後ともさらに学生達の声に耳を傾けながら,時代に即した積極的授業改善を実施していく。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成20年6月『エイジレス社会構築のためのジェロントロジー教育』(単著)シニア社会学会誌,第6号
A平成20年10月『ユニットケアシステムにおける高齢利用者が有する社会的ネットワークの影響』(共著)ソーシャルネットワーク学会誌 (チェコ)
B平成21年1月『The Gerontology Education For Harmony and Mutual Understanding Between Generations』(単著)ジェロントロジー国際総合会議報告書(インド,アンドラ大学)
発】@平成21年1月『The Gerontology Education For Harmony and Mutual Understanding Between Generations』ジェロントロジー国際総合会議報告書(インド,アンドラ大学)
国際研究プロジェクトへの参加状況
@「東北アジアにおける高齢者扶養と高齢者のウェルビーイング」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University,事務局:細江容子),A「Cross-Cultural Studies on Family Life Education 」(代表:Shu-Tzu Cheen, Shhih Chien University,事務局:細江容子),B「学校教育におけるジェロントロジー教育」(Suh Hyekyung HALLYM UNIVERSITY, Yun Zhou BEIJIG UNIVERSITY, Hosoe Youko ),C「学校教育におけるジェロントロジー教育」(代表:Lind pruski テキサス大学 )
学会活動への参加状況
@第21回国際家政学会議(2008IFHEスイス大会),A国際家政学会評議委員,IFHE
◎特色・強調点等
 国際比較調査等で高齢者扶養や介護の研究や学校教育におけるジェロントロジー教育に研究を行う中で,高齢者のウェルビーイングが教育やコミュニィテー形成の在り方と深い関わりを持つとの認識にいたった。さらに,このコミュニュテー形成は子どもの社会力とも関係しており,子ども,高齢者のウェルビーイングに関する研究と,北東アジアの高齢社会における問題解決のための学校教育におけるジェロントロジー教育の研究をスタートさせ研究を続けているところである。これらの研究はまだ十分に研究が行われていない分野であり,調査・研究の結果が,社会に貢献できるとの強い認識を持っている。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@新潟県労働政策審議会委員,A福祉に関わる講習会実施機関等選定委員会委員(文部科学省),B新潟県労働協議会委員(新潟県)
社会的活動状況
 新潟県労働協議会委員として,県の労働問題特にワークライフバランスに関わる問題の改善に向け積極的に関わった。
 


光 永 伸一郎(准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 必修科目(家庭,食科学AIなど)においては,基礎的事項の完全理解が図れるよう,講義内容を厳選したうえで,丁寧な解説を心がけた。
 選択科目(人と生活,食科学特論A,食品機能学特論など)においては,2007年度の授業評価アンケートの内容を参考に,講義内容の一部刷新を行い,食生活に関する学術的な興味がより高まるよう配慮した。
【観点2】教育の達成状況
 学生による授業評価アンケートの結果から判断し,概ね達成できたものと判断する。
研究指導
【観点1】学部
 学部4年生1名,学部3年生3名の研究指導を行った。
 4年生については「大学生及び大学院生における食に関する意識調査」という題目のもと,卒業研究の指導を行った。
 食育を中心としたアンケート調査を行い,その分析及び論文執筆についての指導を行った。
 3年生については「ダイコンに含まれるジアスターゼ活性の再検証」,「食用野菜の発芽に伴うポリフェノール含量の変動」,「ひよこ豆に含まれるβ−グルカンの分析」という題目のもと,その基礎となる実験について指導を行った。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 3名の指導を行った。
 「小・中・高等学校家庭科における食教育の内容と課題検討」,「技術・家庭科教育における食育に関する研究」,「小学校家庭科の食物学習における実験教材の検討」という題目のもと,調査研究を中心とした指導を行った。
その他の教育活動
@新潟県立看護大学 看護学部 臨床栄養学 非常勤講師
A上越看護専門学校 看護学科 生活科学 非常勤講師
B上越保健医療福祉専門学校 看護学科 家政学概論(栄養・調理) 非常勤講師
特色ある点及び今後の検討課題等
 食育を中心に据えた教育活動を行った。
 必修科目においては,学術用語等,食育を行ううえで必要不可欠な事項を含む講義を行った。
 選択科目や実験においては,食育に関する知的好奇心を高める目的で,食について科学的視点からの解説を重視したが,本学において同様のアプローチをした講義は見当たらない。
 今後は,食育における「家庭」の重要性や立場をより明確に規定した教育活動が要求されるものと思われるので,その点を取り込みたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】@平成21年3月:『非常食としての利用を目的とした各種スプラウトの成分分析』(単著)浦上財団研究研究報告書,Vol.16, pp.7-19
発】@平成20年9月:『発芽玄米の機能性成分および食味に及ぼす高圧処理の効果』(共)日本食品科学工学会
◎特色・強調点等
 スプラウトに関する研究活動に重点を置いた。
 スプラウトとは発芽した野菜のことであり,発芽玄米などもこれに含まれるが,生活習慣病のケモプリベンション(食事による化学予防)の視点から注目されている。
 すなわち,スプラウトには,種子そのものにはみられない多くの成分が含まれると考えられているが,今回の研究活動を通して,各種スプラウトの栄養特性を明らかにし,その有効利用についても示唆することができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@2008年度上越教育大学附属中学校研究協議会,A平成20年度「附属中学校わくわく大学ウィーク」特別授業,B平成20年度「上越教育大学公開講座」,Cスーパーサイエンスハイスクール実験実習
◎社会への寄与等
 上越教育大学附属中学校研究協議会においては,「技術・家庭科(家庭分野)」の指導者として公開授業及び協議会参加した。
 「附属中学校わくわく大学ウィーク」においては,「遺伝子の正体・DNAを見てみよう」というタイトルのもと特別授業を行った。
 「上越教育大学公開講座」においては,講座名「とっても簡単!だれでもできるたべもの実験」を開講した。
 スーパーサイエンスハイスクール事業の講師として「DNAの科学」と題した実験実習を実施した。
 


佐 藤 ゆかり(講 師)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学校教育で家庭科を学習する目的とその具現化のための授業実践力の育成を目指して授業を展開している。家庭科を教育学や歴史の側面から概観したり,現場から実物教材や学習者の作品をお借りし,授業に用いている。また,授業参観の機会を設定したり,地域の実態を授業に組み込むこと等を行っている。評価は試験だけでなく,1時間ごとの提出物や課題レポートの提出により,行った。さらに,小学校教員が家庭科の中でもっとも指導の困難さを感じる領域の実技的な側面の教材化を授業に組み込むことにより,学生の自身につなげることができた。
【観点2】教育の達成状況
 学生の感想およびFDの評価から,おおむね達成できていると考える。しかし,まだまだ改善しなければならない課題があると自分自身では考えるので,今後も努力したい。
研究指導
【観点1】学部
 ゼミの機会だけでなく,個人の関心等に応じ,指導を行った。結果,学部1名は,家庭科の食領域の学習に関して研究を進めており,先行研究の概観を終え,調査に入ろうとしている。もう1名は,家庭科住生活領域における地域素材の教材化をテーマに研究を進めており,教材開発と実践を終え,分析を行いつつある。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士2年は,女性教員に焦点を当て,家庭生活と仕事の両立に関する研究を行っている。先行研究の外観を終え,調査用紙の発送を終えた。
 修士1年は,家庭科における金融教育の教育内容に関する研究を行っている。先行研究の外観を終え,新潟県の過去20年間分の金融教育指定校の実践研究報告の分析を終えた。なお,この研究に際しては,日本銀行新潟支店金融広報委員会から資料をお借りした。
その他の教育活動
 教育実習は,学部3年2名と修士2年1名が行った。
 研究授業などの参観は勿論だが。学部3年の家庭科の授業は夏休みの早い時期から,授業案の指導を行い,実習期間中には2人の授業すべてを参観した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 現場の教師が元気になる∞学生を含め教員が元気になる≠アとができるような家庭科の授業を目指している。
 そのためには,教育の本質を問う力とそれを踏まえつつ,子どもたちの今生きる生活と地域が授業の中に組み込まれるような授業を展開する力を育てたい。現場の実態を把握しつつ,自分自身の授業に生かすことを一層心がけたい。
 学生の興味・関心を生かしつつ,家庭科教育の本質と抱える問題点の改善につながるように,現場の実態,子どもたちの実態,社会の実態を,本質的なものと融合させることのできる授業を展開すべく,効果的な指導法を追究したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成21年2月:『家庭科における意思決定能力育成の可能性』(共著)家政教育社
業】@平成20年10月:『新しい時代の家庭科教育−「家庭基礎」における指導の工夫−』(単著)全国家庭科協会,家庭科
発】@平成20年8月:『新しい時代の家庭科教育−「家庭基礎」における指導の工夫−』(単)全国家庭科協会第59回研究大会
A平成20年11月:『地域素材の教材化が授業に与える影響〜高等学校家庭科専門学科の学習を例として〜』(単)日本教材学会第20回大会
他】@平成21年2月:『「まちづくり研修会」の新聞報道/名立区で研修会』 上越タイムス
A平成21年2月:『「まちづくり研修会」の新聞報道/名立の善しあし率直に まちづくり座談会』 新潟日報
B平成21年2月:『名立まちづくり協議会会報 まち協だより』
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@新潟県における金融教育プログラムの開発 代表者:若林久(三条市立下田中学校) 新潟県金融教育研究グループ
学会活動への参加状況
@5月30日,5月31日:日本家政学会第60回大会出席,A6月28日:日本家庭科教育学会第51回大会出席,B8月6日:教大協家庭部門出席,C11月29日:日本家庭科教育学会例会出席,D日本家庭科教育学会課題研究部会メンバー
◎特色・強調点等
 多様化する教育の現場の中で,今何が問題になっているのか,その解決のためにはどのようにすべきなのか,また,さまざまなことが起こりうる現場で教育実践を展開することができる教師の育成はどのように行うべきなのかを考えた研究を行う。
 
<社会との連携>
◎社会への寄与等
 明るいまちづくり事業の一環として実施された,名立まちづくり協議会主催の「まちづくり研修会」にて,10名のパネリストによるパネルディスカッションのコーディネーターを行った。参加者は109名と報告を受けた。また,これを契機に今年度も引き続き,まちづくり研修会などの機会にコーディネーターとしての参加要請をいただいている。
 


上 野 光 博(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 衛生学・公衆衛生学と健康科学特論の授業では前年度のようなプリントを用いる授業のみでなく,コンピュータを用いた授業を行い,図やアトラスを明示して学生の理解に役立てた。また,毎回の授業の終わりに学生に小テスト,授業の感想と要望のアンケートを行い,学生の授業の理解度や要望を知ることができ,その後の授業に役立てた。また,健康科学演習では学生が1名でその学生の希望を受け入れ,シラバスの半分程度を変更した。前年度と同様に顕微鏡・CCDカメラ・コンピュータを組み合わせたリアルタイム画像システムを用いた病理指導や健康診断機器を用いた検査実習,病院での実習,さらにパワーポイントを用いてカラー図を多く示す授業を行い,各種病態の理解を得る努力を行った。今後は,学生のさらなる学習意欲と理解度の向上をめざし,教科書の活用,シラバスの改善,マルチメディアの利用,プリントの改善,キーワード提示と特定の課題に関するレポート提出などを行うことを予定している。
【観点2】教育の達成状況
 成績評価は,出席,小テスト,試験またはレポートによる総合評価とした。衛生学・公衆衛生学の試験では,学生個々の答案を採点し,模範解答を添付して各自に返却した。これによって採点基準を明確化するとともに各個人の理解に役立てた。健康科学特論と健康科学演習では,レポート提出においては,個々の学生のレポートに評価を記入し,返却することで,個々の評価を明確化した。
研究指導
【観点1】学部
 指導した学生がいないため,記述できない。
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士課程の学生1名を指導した。まず第一段階として,修士学生の経験してきた学校現場での養護における課題を挙げ,その中から研究目的・課題を設定した。次にその背景となる現状をさらに理解するための資料収集と論文の検索の仕方を指導した。次に論文の抄読の仕方を指導した。以上の指導から,研究課題に係る歴史の整理を指導した。次に第二段階として,研究の対象と方法を指導した。実際には研究課題に関係する各種対象者に対するアンケートの作成に向けて,統計学の基礎を指導した。約3ヵ月間の指導により,アンケート調書とアンケート依頼状を完成した。年度末に対象者にアンケート調書と依頼状を郵送し,回収した。比較的研究指導は順調に経過したが,アンケート作成に苦労した。
その他の教育活動
・国立大学法人新潟大学医学部非常勤講師
・新潟県立看護大学非常勤講師(公衆衛生学の講義担当)
・上越看護専門学校非常勤講師(病態治療学Xの講義担当)
特色ある点及び今後の検討課題等
 衛生学・公衆衛生学の授業では,生活習慣病,少子高齢化,温暖化現象など最近の重要課題に重点をおいて解説した。健康科学特論の授業では,生活習慣病,メタボリックシンドローム,慢性腎臓病,喫煙による健康障害,ウイルス性肝炎や麻疹やHIVなど最近問題になっている感染症を中心に解説した。健康科学演習では,動脈硬化や免疫学の基礎を解説し,腎臓病の病理,臨床検査法,透析治療などを体験して理解を深めた。教育方法は,単に板書やプリントによる授業形式のみではなく,小テストの利用,アンケートの実施を行い,授業に反映させた。今後は,教員と学生の相互のコミュニケーションのさらなる改善を図るシステム(講義支援システム)を活用した新たな教育方法をさらに活用したいと考えている。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年5月:『D.腎糸球体病変 1.腎生検 「メディカルノート 腎臓がわかる 腎・尿路疾患/水・電解質代謝異常」』(共著)西村書店
論】@平成20年12月:『A nephropathy presenting the microparticles in the glomerular basement membrane in a patient of hepatitis B viral infection.』(共著)Clin Exp Nephrol. 12(6):518-21
A平成20年6月:『【ネフローゼ症候群 最新の知見】 アミロイドーシス(解説/特集)』(共著)腎と透析,64巻,951-957
B平成20年5月:『県医よろずQ&A 大学における麻疹感染対策(Q&A)』(単著)新潟県医師会報,698巻,79-80
発】@平成20年11月:『シェーグレン症候群と強皮症の経過中に,血栓性微小血管障害(TMA)を発症した2型クリオグロブリン血症の1例』(共)第123回日本内科学会信越地方会
A平成20年10月:『自己免疫性膵炎の治療後,腎機能障害が進行したIgG4関連間質性腎炎の一例』(共)第38回日本腎臓学会東部学術大会
B平成20年10月:『L-PAM大量療法と自家末梢血幹細胞移植を実施したLight chain and heavy chain deposition diseaseの一症例』(共)第38回日本腎臓学会東部学術大会
学会活動への参加状況
@4月11日〜13日:第105回日本内科学会総会・講演会出席,A5月30日〜6月1日:第51回日本腎臓学会学術総会出席,B6月14日:第122回日本内科学会信越地方会出席,C10月11〜12日:第38回日本腎臓学会東部学術大会出席,D10月29日〜30日:第46回全国保健管理研究集会出席,E平成20年度:日本老年医学会代議員,F日本腎臓学会誌の査読,G日本腎臓学会会員・学術評議員,H日本内科学会会員・認定専門医,I日本臨床腎移植学会会員,J日本透析医学会会員・専門医,K国際腎臓学会会員,L日本禁煙科学会会員
◎特色・強調点等
 腎臓病学の分野で新たな腎炎として最近注目されているIgG4関連間質性腎炎の一例を学会で報告したが,共同研究でさらにこの腎炎症例の蓄積と解析を進め,ここ数年学会や学会誌で報告している点は注目されており,優れたものといえる。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市障害区分等認定審査会委員,A全国大学保健管理研究集会会員
◎社会への寄与等
@厚生連上越総合病院非常勤医として,毎週火曜日半日または全日,第1,3,5週の土曜日半日の内科外来の診療を行い,地域医療に貢献した。
A社団法人上越医師会・上越地域総合健康管理センターにおける健康診断や人間ドックにおける内科診察等診断業務に毎週水曜1時間携わり,地域の保健活動に貢献した。
B新潟県医師会報の編集委員として,毎月1回2時間程度の編集会議に参加し,医師会活動ひいては地域の医療に貢献した。
 


下 村 義 夫(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 問題意識をもって授業に臨むよう事前に課題を示したり,討論場面を設定したりする等,主体的に取り組めるよう工夫した。また,授業で取り上げる実践等の印刷資料を配布するようにした。大学院では実践や研究事例の分析を多く取り入れ,教育・研究における実践能力の向上を図るよう努めた。
 成績評価についてはシラバスに示した比率にしたがって,課題に対する取り組みや討論場面における主張性,毎授業後に提出させたレポートの内容,期末試験などによって行った。受講生のニーズや関心に即して授業内容を配列したので,受講者から高い評価を得ることができた。特に,大学院で顕著であった。概ね目標を達成できたと考える。
【観点2】教育の達成状況
 大学院修了生は現職教員2名であり,現職教員については充実した研修を行うことができたとの評価を得ており,本学の役割を果たしたと判断できる。
研究指導
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士論文2件は小学校の保健学習の教材開発と養護教諭の職務認識に関する研究であり,教育現場の改善につながる具体的な内容を提示している。何れも教育における臨床的研究を念頭において指導を行った。
その他の教育活動
 教育実習生の研究授業を参観し,事後指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育現場における現代的課題との関連を重視し教育活動を展開しているが,より一層研究活動から得た知見等を取り入れていくよう努力したい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
発】@平成20年11月:『養護教諭の職務認識に関する調査研究』(共)第55回日本学校保健学会
学会活動への参加状況
@7月19日:第9回全国学校飼育動物研究大会出席,A11月14日〜16日:第50回日本学校保健学会出席,B3月28日〜29日:第9回日本教育保健学会出席,C日本学校保健学会 評議員,D日本教育保健学会誌編集委員会(学任理事)
◎特色・強調点等
 全国学会の編集委員長等を担当したため研究活動が制約され,研究成果を公表することができなかった。現在,進行中の調査研究データをまとめ,その成果を公表するよう努力したい。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@5月〜3月:大学設置・学校法人審議会 大学設置分科会委員(文部科学省),A4月〜3月:独立行政法人国立病院機構さいがた病院 受託研究審査委員,B6月:附属小学校 研究協力者,C8月:免許更新講習会 講師
◎社会への寄与等
 学会誌編集委員長,設置審委員,地域の研究審査委員などの業務を遂行し,一定の社会への貢献を果せたと判断している。
 


立屋敷 かおる(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
教育方法: 昨年度までと同様,学部の担当授業科目「食科学B」,保育士資格対応科目「食生活論」等の授業内容が広範囲に亘る科目のシラバスには,予習,復習が必要であること,併せて,人と食の関わりを理解するために食科学の関連授業科目の履修が望ましいこと等を明記し,初回授業の際にも指示した。なお,学部2年次選択必修の「総合演習(学校と食の教育)」では学校全体で行う食の教育を協同的に担う教員を養成する立場から,授業5回に教員養成実地指導講師として今年度新潟県が新たに配置した栄養教諭1名と学校栄養職員1名を依頼した。
 大学院では昨年度までと同様,食の科学特論・食科学特論において自身の研究を軸にして食を総合的に取り上げ,教養的な内容に学校での総合的な学習,食の指導,健康教育にも関連した専門的な内容を加えて講義し,さらに,授業の一環として世界三大醸造酒の各醸造所見学を実施した。大学院特別実験では昨年度までと同様,小・中学校での食に関連する教科等の授業や食育・味覚教育等を視野に入れた内容を加えて実施した。
 大学院修士課程で今年度より開設された共通科目「現代社会と学校教育」を担当し,「学校での食の教育」について2回講義を行った。
成績評価: シラバスに評価項目等について記載した。学部の授業内容が広範囲に亘る科目では,小テストを適宜実施し,さらにその成績の受講者自身の評価に基づく追加レポートを作成することにより学習を深めるよう工夫した。成績評価は,小テストとそのレポート,授業内容に関連した課題のレポートの評価,出席状況等に基づいて行った。大学院の授業では,各授業科目の授業目標に関する課題を最終回に提示し,そのレポートを用いて受講者の学習達成の評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
 全体的にはここ数年来と同様の達成状況であった。
 学部の授業で受講生がシラバスを確認せずに履修登録しており,前期,後期ともに授業開始が滞ることが多い。シラバスを確認しないと履修登録できないシステムにするなど,教育の達成度を上げるためにも全学的な対応策の検討を要望する。
研究指導
【観点1】学部
 担当学生なし
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 専門セミナーの担当学生なしであったが,修士論文・試験の副査・試験員の立場から,5名の修了予定者に対して審査・試験時にこれまでの院生等への研究指導の経験に基づいて指導を行った。
その他の教育活動
・早稲田大学人間科学学術院非常勤講師
・早稲田大学人間科学学術院修士論文試験審査 副査2件
特色ある点及び今後の検討課題等
 学校教育における食の教育や健康教育を協同的に担うことができる教員の養成,及び教育基本法等改正などに伴う学校教育の変革等にも充分対応できる資質・能力を備えた教員の養成を意識的に行っている。
 今後の課題は,さらに上記の成果を高めることである。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年6月:『「健康福祉」人間科学(現代人間科学講座第3巻)』(共著)朝倉書店
論】@平成20年11月:『Tea catechins enhance the mRNA expression of uncoupling protein 1 in rat brown adipose tissue.』(共著)Journal of Nutritional Biochemistry, 19, 840-847
A平成20年8月:『Effects of the β2-agonist clenbuterol on β1- and β2-adrenoceptor mRNA expressions of rat skeletal and left ventricle muscles』(共著)Journal of Pharmacological Sciences, 107(4), 393-400
発】@平成20年4月:『Effect of the β2-agonist, clenbuterol on the mRNA expressions of β adrenoceptor in skeletal muscles and left ventricle of rats.』(共)第85回日本生理学会大会
A平成20年4月:『Capsaicinoid-induced changes in the number of white blood cells in rats.』(共)第85回日本生理学会大会
B平成20年4月:『Effect of tea catechins on uncoupling proteins mRNA expressions in rat brown adipose tissues.』(共)第85回日本生理学会大会
C平成20年12月:『カプサイシノド投与によるラット白血球系細胞の動態特性』(共)第63回日本体力医学会大会
D平成20年12月:『デキサメタゾン投与によるラット骨格筋β-アドレナリン受容体mRNA発現の応答』(共)第63回日本体力医学会大会
E平成20年12月:『β2-アゴニスト・クレンブテロールによるラット骨格筋・心筋におけるβ-アドレナリン受容体mRNA発現への影響』(共)第63回日本体力医学会大会
F平成21年3月:『β2-アゴニスト・クレンブテロールによるラットβ1-およびβ2-アドレナリン受容体mRNA発現への筋線維タイプ依存的な影響』(共)第145回日本体力医学会関東地方会
G平成21年3月:『ラット骨格筋β-アドレナリン受容体mRNAおよびグルココルチコイド受容体mRNA発現に及ぼすデキサメタゾンの影響』(共)第145回日本体力医学会関東地方会
学会活動への参加状況
@9月18日〜20日:第63回日本体力医学会大会出席
◎特色・強調点等
 食と健康(エタノール代謝・自律機能・筋容積・免疫機能)との関係,食に関連する動作(調理や食具の操作)と神経筋協応能等についての研究を早稲田大学人間科学学術院生体機能学研究室(今泉和彦教授)と共同で行っている。今年度も,これらについて以下の様な共同研究を推進すると共に,これまでの成果を学会発表及び学術論文として学術雑誌(国際誌)に発表(投稿中もあり)した。
(1)「ライフステージに応じた健康増進と多様性保持」文部科学省学術フロンティア研究プロジェクト(研究代表者:今泉和彦(早稲田大学人間科学学術院教授))の分担研究テーマ共同研究者
(2)「運動・ドーピング薬物・アルコール・香辛料・栄養欠乏による白血球系細胞の応答」科学研究費補助金萌芽研究(代表者:今泉和彦)研究分担者
(3)「箸操作のラテラリティと視覚・認知フィードバック系の関連に関する筋電図学的研究」科学研究費補助金基盤(C)一般(代表者:立屋敷かおる)連携研究者:今泉和彦
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越市健康づくり推進協議会委員,A上越市食の安全を考える市民会議委員,B上越市食育推進会議委員,C上越市食に関するポータルサイト検討会議委員,D上越市直江津図書館・社会教育館整備検討委員,E上越市中心市街地活性化協議会委員,F学校法人香川栄養学園家庭料理技能検定(文部科学省後援)専門委員,G12月〜1月:2008食育フォーラムin上越
◎社会への寄与等
 上越市の食育,健康推進,中心市街地活性化等に関連して以下の様に寄与した。
・上越市食育推進会議委員および健康づくり推進協議会委員として市の食育推進計画および健康づくり推進計画策定等に積極的に参画した。
・上越市食の安全を考える市民会議委員長として食の安全の啓発等に積極的に関わった。
・学校における食の教育推進に積極的に関わった。
・上越市中心市街地活性化協議会委員として上越市中心市街地活性化基本計画の検討に積極的に関わった。
・食育フォーラムin上越2008において本学の食育コンテンツ(「食育のひろばー学校で活用できる食育コンテンツ」)(「食育および学校での食の指導に関する取組み」(研究連携者:鈴木貴江子(新潟県教育庁上越教育事務所指導主事),大森康正准教授)成果の一部を収録)をポスター発表し,大学の活動を地域に発信した。
 


増 井   晃(教 授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
○授業形態,学習(研究)指導法等の教育方法に関する取り組み状況
 今年度の取り組みとして,レポートの投稿規定を学会誌等の投稿規定に準じて作成し,タイトル,キーワード,本文文字数などの規定を明確にしたことが第一にあげられる。第二に,すべてのレポートを添削し,コメントをつけ,総合評価とともに学生にフィードバックした。
○成績評価法に関する取り組み状況
 EXCELのワークシートにまとめ,学生からの問い合わせに対し,明確な評価が行われたことが示せるよう配慮した。
【観点2】教育の達成状況
○進学や就職などの卒業(修了)後の進路の状況から判断した取り組み状況
 教員として採用されるための支援に重点を置き,危機管理意識の高い教員を育成することに心懸けている。
研究指導
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 単に専門的知識を身につけるだけでなく,学位(学士)としての基本的知識にも重点を置き,基礎英語力,一般的知識を修得する機会を増やした。
特色ある点及び今後の検討課題等
 近年はインターネットから文書をカットアンドペーストしてレポートに転用できるため,学生にとって文字数を増やすことは容易である。また,引用しても著作を明記しないなど,著作権に対する意識の低下が認められる。レポートの投稿規定を設けたことは,学生に文書を推敲し,参考文献を明示させる習慣を身につける上で有意義であろう。
 平成19年度以降,13回目に課題提出,14回目にレポート提出,15回目にフィードバックというシラバスに従って授業を展開している。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
特記すべき事なし
学会活動への参加状況
(1)日本心身医学会
(2)日本司法精神医学会
◎特色・強調点等
 具体的な成果としては表れていないが,精神医学を基礎とした研究デザインと,教育現場にどのように最新の神経科学の知見を反映させていくかという視点を特色として,研究を展開している。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)講演会講師
1)県立長岡商業高校講演会講師(『摂食障害』を講演)
2)県立長岡向陵高校講演会講師(『こころの健康増進』を講演)
(2)嘱託
1)国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟倫理委員会委員
2)国立病院機構さいがた病院医療観察法病棟運営会委員
◎社会への寄与等
 教育現場において,子どもの心の健康,教職員のメンタルヘルスなど,精神保健に関連する課題は近年急増しており,同時に,現場からこうした内容についての講演依頼が増えている。できるだけ地域の要請に応じることを心がけ,さらに,単に講演を行うだけでなく,講演をとおしてデータ収集,分析を行うことや学校ヘルスケア分野としての研究にも役立つネットワークの構築にもつなげたいと考えている。