【学校教育実践研究センター】
 


小 林 志 郎(特任教授)
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
作】@平成20年度:『継続して指導教育実践』 附属中学校
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@上越数学教育研究会講演講師
 


笹川 惠美子(特任教授)
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@公孫会高田支部全員研修会, A柿崎小学校「子育て講演会」
◎社会への寄与等
@これまでの教職経験を生かし,これからの教育を担う教職員に,「学び続ける教師をめざして」と題し,現在の学校教育の課題を如何に解決していくかを投げかけながら,自己研鑽,自己の力量形成の必要性を訴えた。
A新1年生の保護者を対象に「愛はやさしさ 愛はきびしさ」と題して,基本的生活習慣の徹底には適時性があることや親としての基本的な養育姿勢が子どもに与える影響等について,具体例を挙げて話をした。頷きながら聴く保護者の姿勢に共感を得たと感じた。また,最後にいくつかの質問等も出て,真剣にお聞きいただいたとも感じた。
 


伊 佐 貢 一(特任准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
・教育実地研究については,「特色GP」でまとめ上げてきた,教育実習ルーブリックを活用し,事前,事中,事後の取組を学生に内省的に評価させるようにした。
・教職実践演習・臨床教育課程論,教育実地研究U・体験学習等においては,教育現場で行われている学級経営や学習指導,また,実際に起こりうる問題事例を提供し,即応力の育成に努めた。
【観点2】教育の達成状況
・教育実習ルーブリックの活用によって,学生が実習に向かう際,事前に自己の課題を明らかにし努力する姿が見られた。また,実習中においては,自己点検として活用し,事後においては自分の取組を内省する指標として活用した。これらは,教職キャリア発達を促す有効な手立てとなった。
・教育現場の実際の内容を提供することによって,学生が真剣に討議し,追究する姿が授業の随所で観察された。また,授業後の感想からも,これらの授業からの学びの多さを記述する学生がほとんどであった。
研究指導
【観点2】大学院(修士課程,博士課程)
 修士課程の学生3名について,指導教官の許可を得て調査に来た学生の指導に当たった。内容は,「学校におけるソーシャルスキル教育」であった。具体的には総合的な学習の時間におけるソーシャルスキルトレーニング,中学校における学級集団ソーシャルスキルトレーニング(英語),集団社会的スキル訓練が児童の学級不適応に及ぼす影響の3研究であった。集団に対するソーシャルスキル教育について,約10年間の臨床実践を踏まえて指導・助言を行った。
その他の教育活動
教育実習における学生指導
○1年次・免P1年
・観察参加実習の事前・事後指導
○2年次
・幼稚園観察参加実習の事前指導
・教育実地研究Uにおいて,教育実習ルーブリックのFirst stageに到達させるためのカリキュラムに基づく授業を実施した。
○3年次
・初等教育実習の事前・事後指導
・分離方式の研究期間における指導案の個別指導
・教育実習中の巡回指導における授業参観と指導
○4年次・免P2年
・中等教育実習の事前・事後指導
・教育実習中の巡回指導における授業参観と指導
・総合インターンシップの事前・事後指導
・総合インターンシップにおける定期ミーティングと学校訪問における指導
◎特色のある点及び今後の検討課題等
 国内外の大学調査に基づいてまとめた「上教大スタンダード」を今後,教職キャリア発達の中核とし,コアカリキュラム等に位置づけていく。具体的には,本年度完成した「教職キャリアファイル」を各授業や活動の中で活用させる。
 さらに,本年度は,上教大スタンダードと関連を図った,「教育実習ルーブリック」がまとまった。次年度は,これらを活用した教育実習を本格的にスタートさせる。その際,学生・大学・地域(実習校)の三者にとって,有効な活用方法を実践を通して検討することが課題となる。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年11月:『「温かいメッセージ」のソーシャルスキル教育』(単著)明治図書
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@学校規模のソーシャルスキル教育 代表者:春日小学校長(上越市立春日小学校長)SSE研究プロジェクト
学会活動への参加状況
@8月10日:日本学校心理士会2008年度大会,A9月14日:日本教師教育学会第18回研究大会,B11月22日:日本カウンセリング学会第41回大会,C11月29日:第6回日本教育カウンセリング学会研究発表会
在外研究の状況
@10月11日〜10月20日:アメリカ,「特色GP」アメリカ3大学調査
◎特色・強調点等
・アメリカ3大学と国内の大学の調査をもとに,上教大スタンダードを多角的に検討して作成した。
・教師教育学会では,教育実習ルーブリックをはじめ「特色GP」の成果を発表し,教師教育の最先端として高い関心を寄せられた。
・教育カウンセリング関係では,ソーシャルスキル教育における幼・小・中一貫プログラムの知見を得ることができた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@5月:国立妙高青少年自然の家 自然体験活動指導者要請事業講師,A6月:長岡市立浦瀬小学校校内研修講師「学校規模のソーシャルスキル教育」,B6月:上越市立春日小学校校内研修講師「ソーシャルスキルの授業の実際」,C7月:糸魚川市立木浦小学校校内研修講師「学校で行うソーシャルスキルトレーニングの実際」,D7月:三条市立大島小学校校内研修講師「学校規模のソーシャルスキル教育の継続について」,E7月:小千谷市教育委員会カウンセリング研修講師「Q−Uを用いた学級集団の診断とその対応」,F7月:新発田市立外ヶ輪小学校校内研修講師「Q−Uとソーシャルスキル教育」,G7月:新発田市立竹俣小学校校内研修講師「縦割り坂活動の推進」,H8月:上越市立谷浜小学校校内研修講師「学校で行うソーシャルスキル教育」,I8月:新潟市立白根小学校校内研修講師「学校規模のソーシャルスキル教育」,J8月:上越市教育センター夏期カウンセリング研修講師「学校で集団に対して行うソーシャルスキル教育」,K8月:南魚沼市教育センター研修会講師「学校で行うソーシャルスキル教育」,L8月:頸城中学校区生徒指導研修会講師「学校課題とソーシャルスキル教育」,M8月:上越市立諏訪小学校校内研修講師「Q−Uを用いた学級集団の診断」,N10月:上越全主事等連絡協議会講演会「学級集団づくりと学力向上」,O10月:国立妙高青少年自然の家 自然体験活動指導者要請事業講師,P10月:上越市立春日小学校研究発表会講師,Q11月:三市北蒲原郡特別支援教育推進委員会「特別支援教育の校内組織体制づくり」,R11月:南魚沼市教育支援センター研修会講師「Q−Uを用いた学級経営講座」,S12月:新発田市立菅谷小学校校内研修講師「K13法を用いた事例検討会」,(21)平成21年1月:上越市立春日小・中学校合同研修会講師「Q−Uの基礎講座」,(22)平成21年2月:糸魚川市立浦本小学校校内研修講師「K13法を用いた学級事例検討」,(23)文科省指定 いじめ未然防止に向けた社会性育成事業のサポート(上越市立春日小学校),(24)文科省指定 伝え合う力を養う調査研究事業のサポート(上越市立春日小学校)
◎社会への寄与等
 子どもたちの人間関係が希薄になり対人関係能力が低下している。学校では,学級集団をはじめとする子ども達の人間関係づくりに難しさを感じている。この課題解決のために提案しているソーシャルスキル教育やQ-Uを用いた学級集団づくりは,目に見える成果をあげている。各学校からの支援要請が非常に高い。
 


古 閑 晶 子(特任准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 「人間教育学セミナー」では,教職キャリアファイルをもとに,自己の教職適性に対する省察と教職の意義にかかわる学びの軌跡を確認できるポートフォリオ評価を開発し,初年次教育の充実に努めた。「体験学習」では,教育活動創造の基盤となる基礎的体験を通して,実践力を身に付けることができるよう,総合的な多様な体験活動と振り返りを繰り返し実施した。「教育実地研究U(授業基礎研究T)」では,国語科と生活科を中核とした授業づくりの視点を獲得するように,20名程度の少人数による演習形式で具体的な教材や指導案を活用しながら実施した。また,事前に評価基準を提示した上で,小集団での朗読・漢字・教育用語テスト・模擬授業を実施,補習も充実させた。さらに,「教育実習ルーブリック」を基に自己の教育課題を意識したり,教育実習に対する思いや願いを共有する場として「教職キャリアガイダンス」を個別に実施した。「教育実地研究U(授業基礎研究U)」では,学習指導案作成にかかわるテキストを作成・提示した上で,初等教育実習(本実習)担当授業の学習指導案の作成・提出を課し,朱を入れた後,数日間にわたる個別指導を実施した。「教育実地研究V(初等教育実習)」「教育実地研究[(中等教育実習)」「教育実地研究TA(観察・参加実習)」「教育実地研究IB(観察・参加実習)」「総合インターンシップ」では,事前・事後指導を徹底するだけでなく,事中においては担当した全ての学校を訪問し,ほとんどの学生の授業を巡回指導した。また,免許P院生の「教育実地研究IB」は,まんべんなく低・中・高学年の授業観察・協議ができるよう,附属小学校と綿密な打ち合わせを実施した。「臨床教育課程論」では,増井三夫教授と実務家教員とのジョイント授業として,教育現場での具体的場面を想定したロールプレイング等の演習形式になるよう,シラバス作成から共に構想・実践・評価を実施した。「教職実践演習」では,教育現場での問題場面を想定した演習形式で実施したり,教職科目・教科指導法担当教員との協同授業をコーディネートしたりすることにより,実践的指導力の定着を目指した。
【観点2】教育の達成状況
 上述した教育実習を中核とした教職キャリア教育関連科目では,少人数による演習,「教育実習ルーブリック」をもとにした個別指導・評価やポートフォリオ評価を志向した「教職キャリアファイル」の開発により,学生は構想・実践・評価・改善を繰り返しながら,実践的指導力に対する自己課題を意識し続けることができた。特に,初年次教育の中核となる「体験学習A」では,授業内容・方法・満足度共に学生による授業評価が「5」であり,自由記述に「教員になるという目標に向かってしっかりと活動することができた」とあり,初等教育現場に必要な実践的なプログラムを設定した効果が伺える。学部1年次〜4年次まで,各自が教育実習関連科目をもとに「教職キャリアファイル」を活用しながら自己の教職観を更新させていく姿が垣間見えた。
その他の教育活動
・教育実習は,観察参加実習,初等教育実習,中等教育実習,総合インターンシップ等を担当し,大学での指導案作成等の個別指導のみでなく,担当校へ出向き,全ての担当学生の実習授業を参観・指導した。教育実習委員会に属し,実習協力校との会議や学校訪問による校長・担当者との打合せ・情報収集などを実施した。
・上越教育大学のブリッジ科目,指導法科目の実地指導講師を務めた。「初等国語科指導法」「ブリッジ科目 総合・生活」を担当した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 特色GPテーマ「教職キャリア教育」の視座から教職キャリア教育関連科目において,学生の実践的指導力育成を目指した授業内容や授業形態,「教育実習ルーブリック」や「教職キャリアファイル」の開発による評価活動の充実に努めた。また,その実施・達成状況を「特色GP」のインターネットコンテンツとして作成・公開発信,シンポジウム開催,報告書発信することにより,地域の教育実習協力校などへ成果を還元した。さらに,現代GPテーマ「教員養成のためのモジュール型コア教材開発」のもと,「成長する実習生」と題した,実習生の成長過程を分離方式初等教育実習プログラムに沿って教材化したDVDを実習協力校に配布し,実習での活用を促した。今後は,特色GPで作成した「上教大スタンダード」をもとに,教職キャリア関連科目だけでなく,あらゆる科目の到達目標や確認指標を作成し,体系的な教育課程を構築する必要がある。「上教大スタンダード」に基づく4年間のトータルな教職キャリア形成を促す,幅広い学びを保証するためにも「教職キャリアファイル」の活用,学内外の連携等を強化する必要がある。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】@平成20年11月:『思考力をはぐくむ授業〜構想と展開のポイント〜』(共著)日本文教出版,全191頁
A平成21年2月:『夢の国語教室シリーズクラスのすべての子どもに「生きて働く言葉の力」を育む国語授業』(共著)東洋館出版,全134頁
業】@平成21年3月:『教職キャリア教育による実践的指導力の育成−分離方式の初等教育実習を中核として−』(共著)上越教育大学特色GPプロジェクト報告書 p17-24,25-30,41-42,49-52,61-62,91-96
A平成21年3月:『上越教育大学(上越・妙高地域連携)スタンダード』(共著)上越教育大学スタンダード p11-23
B平成21年3月:『学校教育実践研究センター研究報告書』(共著)上越教育大学学校教育実践研究センター 平成20年度版 p38-39
C平成21年3月:『教職キャリアファイル』(共著)上越教育大学教職キャリアファイル p13-18,21-55
D平成21年2月:『成長する教育実習生−教職キャリア教育における実践的指導力の育成をめざした教育実習プログラムとその効果』(共著)教員養成のためのモジュール型コア教材−教育実践編− DVDコンテンツ 1-25
E平成21年3月:『「教職キャリア教育による実践的指導力の育成〜分離方式の初等教育実習を中核として〜」』(共著) 特色GPインターネットコンテンツ p1-35
発】@平成20年9月:『上越教育大学における「分離方式」初等教育実習の質的充実−教職実践演習の到達目標と関連を図った教育実習ルーブリックの作成と活用−』(共)日本教師教育学会
A平成20年9月:『「習得・活用・探究」に着眼した国語学習のあり方』(単)日本国語教育学会新潟県支部研修会シンポジウム アトリウム長岡
他】@平成20年8月:『教育実践論文発表会/各分科会の実践論文発表や参会者の様子など』 上越タイムス
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@教職キャリア教育による実践的指導力の育成〜分離方式の初等教育実習を中核として〜 代表者:高田喜久司(上越教育大学)特色ある大学教育支援プログラム
A即応力を育成する教職大学院教育課程の構築−教育委員会・学校と連携した教職大学院における実践的な教育課程の充実− 代表者:戸北凱惟(上越教育大学)専門職大学院等教育推進プログラム
B教員養成のためのモジュール型コア教材開発 代表者:村松泰子(東京学芸大学)現代的教育ニーズ取組支援プログラム
C「教育実習ルーブリック」を活用した教育実習生の指導 代表者:内藤守校長(上越市立大町小学校)上越教育大学学校教育実践研究センター研究プロジェクト
D授業研究法を開発するための基礎的研究−質的研究法と量的研究法の統合をめざして− 代表者:田中枝利子教諭(上越市立大町小学校)上越教育大学学校教育実践研究センター研究プロジェクト
E文章を正しく読み取る力を育てる指導法の工夫と改善〜国語科・叙述に即して読み取る力の育生〜代表者:町田庄司校長(上越市立下黒川小学校)新潟県小学校教育研究会指定校研究
F心豊かに生きる子どもをはぐくむ教育課程の創造〜「関係力」で変わる子どもと教師〜 代表者:佐藤芳徳校長(上越教育大学附属小学校)第7期教育課程研究2008年研究
G思考力をはぐくむ授業の構想と展開 代表者:内藤守校長(上越市立大町小学校)国立教育政策研究所教育課程研究
H考えや思いを伝え,かかわり合う子どもの育成 代表者:西山義則校長(上越市立春日小学校)文部科学省指定道徳教育実践研究事業
I教員養成のためのモジュール型コア教材開発「成長する実習生」 代表者:石黒和仁教諭(上越市立大町小学校)現代的教育ニーズ取組支援プログラム
J授業研究法を開発するための基礎的研究−質的研究法と量的研究法の統合をめざして− 代表者:恩田忍教諭・松岡博志教諭(上越教育大学附属小学校)上越教育大学学校教育実践研究センタープロジェクト研究
K授業研究法を開発するための基礎的研究−質的研究法と量的研究法の統合をめざして− 代表者:武井由香教諭(上越市立春日小学校)上越教育大学学校教育実践研究センタープロジェクト研究
学会活動への参加状況
@5月31日〜6月1日:全国大学国語教育学会茨城大会出席,A9月14日〜15日:日本教師教育学会発表,B9月21日:日本国語教育学会新潟県支部研修会出席,C11月22日〜23日:全国大学国語教育学会北九州大会出席,D2月28日:上越国語教育学会出席,E日本国語教育学会新潟県支部研修会シンポジウム,
在外研究の状況
@10月11日〜17日:アメリカ,アイオワ大学・ウィスコンシン大学におけるスタンダード運用の調査研究
◎特色・強調点等
 国語科教育・教師教育の両分野において,実務家教員として参画し,特色GPや現代GP及び学校教育実践研究センター研究プロジェクト等の研究テーマに基づいて実践的・臨床的に研究推進した。そのことにより,大学と学校現場の連携・協力の推進や今日的な学校教育課題の解決,及び上教大スタンダード構築・運用を志向した教員養成大学の質保証にかかわる臨床的研究に寄与できた。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
@出前講座:学びを深める力を育む「対話」を核とした授業改善,A校内研修:読解力を育成する説明的文章の読みの授業づくり,B糸魚川市教育委員会教職員研修会,C新潟県立教育センター主催12年経験者(小・中・特)コース別研修(学習指導コース),D校内研修:新学習指導要領の趣旨を生かした国語科授業づくり,E十日町市・津南町教育振興会国語部夏季研修会,F妙高支部教育実践論文研修会,G出前講座:学びを深める子どもに培う伝え合いを核とした授業改善,H上越教育大学附属小学校「2008年研究会」,I文部科学省指定道徳教育実践研究事業上越市立春日小学校研究発表会,J十日町市国語サークル研修会,K直江津青年部会教育実践論文研修会,L初任者研修,M国立教育政策研究所教育課程研究上越市立大町小学校研究発表会,N出前講座:「学び合い,自分の考えを確かにする子」に培う授業改善,O教員免許状更新講習事業,P宇都宮大学フォーラム,Q上越市教育委員会授業改善支援訪問:「読むこと」の授業づくり,R現代GP「教員養成のためのモジュール型コア教材開発」フォーラム,S上越国語教育連絡協議会夏季研修会,(21)上越国語教育同好会平成20年度例会
◎社会への寄与等
・出前講座では,事前に各校の「平成20年度研究の概要」を読み,ニーズに応じた実践的な講座内容になるよう学校ごとに再構成して臨んだので,現場学校と共に対話的な出前講座になった。
・継続的に4校,校内研究にかかわる学校支援に入った。継続することで成果と課題が明確になり,双方の研究改善につながった。
・地域の学校や教育研究団体,県・市教育委員会主催の研修において,学習指導要領改訂をもとに国語科教育再考の視点を実践レベルで伝えることができた。
・学校教育実践研究センターでは研究プロジェクトを立ち上げているが,現場学校の校内研究と協同で今日的な教育課題に対応した授業デザインを構築することができた。
 


佐 藤 佐 敏(特任准教授)
 
<教育活動>
授 業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 実地研究や教育実践演習,臨床教育課程論では,演習形式の授業を取り入れた。成績評価では,毎回授業後に学生にレポートを課し,それを評価の対象とした。
【観点2】教育の達成状況
 授業で担当した学生全員ということは有り得ないが,かなりの授業場面で,その授業でねらいとしている「教員として必要な資質や能力」を高めることができたと考えている。教員となった時に,生徒や保護者,同僚からの信頼を得る学生に近づかせることができている。
その他の教育活動
 教育実習の事前指導,並びに事後指導を丁寧に行った。また,教育実習期間には,年間に担当した学生20人以上の授業を参観し,その場で指導を行った。教職講座関係では,臨床教育課程論,実地研究などで,教員として必要な資質や能力を高めた。
◎特色のある点及び今後の検討課題等
 特色GPの取組にかかわって,様々な教育活動に尽力した。また,報告書の編集を中心となってすすめた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】@平成20年6月:『場の空気を読んで話す技能を習熟させる―提案「マイクロディスカッション」―』(単著) 『国語教育研究』 No.434 pp.16-21
A平成21年3月:『読みの方略が転移する可能性―作品を解釈する仮定スキルが他の読みの場面で活用される条件―』(単著) 『国語科教育』 第六十五集 pp.59-66
B平成20年4月:『大人の善意が子どもをダメにしている』(単著) 『現代教育科学』誌 No.619 明治図書pp.77-79
C平成20年5月:『校内システムで補充的な学習を行う』(単著) 『授業研究21』誌 No.619 明治図書pp.55-56
D平成20年7月:『PISAショックにどう対応するか』(単著)『現代教育科学』誌 No.622 明治図書 pp.26-28
E平成20年8月:『第2学年「書くこと」の授業構想』(単著) 『実践国語研究』誌 No.290 明治図書pp.62-65
F平成20年10月:『活用力は学習を転移させる力である』(単著) 『授業研究21』誌 No.624 明治図書pp.31-32
G平成20年10月:『話合いをメタ認知する武器』(単著) 『教育科学国語教育』誌 No.698 明治図書 pp.88-91
H平成21年2月:『ロジックツリーの習得と活用』(単著) 『教育科学国語教育』誌臨時増刊 No.704 明治図書 pp.140-142
I平成21年3月:『活用で「学ぶ意味」を復活させる』(単著) 『教育科学国語教育』 No.705 明治図pp.35-39
J平成20年10月:『ためらわない添削で,表現力を高める』(単著) 『ことばの学び』 No.17 三省堂 pp.16-17
業】@平成21年3月:『上越教育大学特色GPプロジェクト報告書』(共著)上越教育大学特色GPプロジェクト報告書
発】@平成20年6月:『思考スキルが転移する条件―文学作品を解釈する思考スキルの成果と限界―』(単) 全国大學国語教育学会
A平成20年9月:『上越教育大学における「分離方式」初等教育実習の質的充実―教職実践演習の到達目標と関連を図った教育実習ルーブリックの作成と活用―』(共) 日本教師教育学会第18回研究大会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
@上越教育大学学校教育実践研究センター研究プロジェクト「授業研究法を開発するための基礎的研究 ― 質的研究法と量的研究法の統合を目指して― 国語」 代表者:佐藤佐敏(上越教育大学 学校教育実践 研究センター) 国語科実践研究会
学会活動への参加状況
@5月31日〜6月1日:全国大學国語教育学会第114回茨城大会出席(発表),A9月14日〜15日:日本教師教育学会第18回研究大会出席(発表),B11月22日〜23日:全国大學国語教育学会第115回福岡大会出席
◎特色・強調点等
「読み方略の転移」にかかわって長年研究してきた成果が,国語教育の分野では最も研究業績の高い全国大學国語教育学会の学会誌である「国語科教育第六十五集」に掲載された(学術論文A)。発表した論文は,研究者から高い評価を得ることができた。また,「国語教育研究」(学術論文A)に掲載された論文に対しても,現場の実践者からの反響が大きかった。また,教師教育にかかわっては,研究同人である釜田聡を筆頭に,上越教育大学が行っている数々の教育実践について,全国にアピールすることができた。
 
社会との連携
社会的活動状況
@新潟県国語セミナー,A十日町市津南町国語セミナー,B三条市立三条小学校校内研修会,C新潟大学教育学部附属新潟中学校 「未来を拓く『学ぶ力』を育む授業」研究,D新潟市オンリーワンスクール事業 新潟市立白新中学校「地域の方が参加,参画する授業」
◎社会への寄与等
 積極的に地域社会にアピールをするといった活動を全く行わなかった。声が掛かれば,それに応ずるといった形での貢献しかしていない。今後は,自分が地域社会にどのように貢献できるのかといったことを真剣に考えて自分の研究を社会に還元していく必要がある。