6 附属施設等
 
(1)附属図書館
@ 附属図書館
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
附属図書館は,教育及び研究活動に資するため,図書・雑誌・その他の資料を一元的に収集・整理・保存し,本学の学生及び職員の利用に供することを目的として設置されている。組織は,附属図書館長(副学長が兼務)のもと,学術情報課長,学術情報チームの中に情報管理,情報サービスの各主査を置いている。
イ 運営・活動の状況
学習・教育・研究に必要な図書・雑誌等の収集・提供を引き続き行うと共に,電子ジャーナルを含む電子的情報資源へのアクセス拡大や利用指導にも努めた。入館者総数は96,212人,開館日数は345日であった。
今年度実施した主な事項(企画)は以下のとおりである。
(ア) 基本学術研究図書・学習用図書の選定及び収集
昨年度同様,全学の教員に対して推薦依頼を行い,それに基づき基本学術研究図書,学生用図書及び雑誌バックナンバーを収集した。また,シラバス掲載図書の網羅的収集とともに,チーム内で学生用図書,学生リクエスト図書,参考図書,地域資料,寄贈資料などの選定を行った。本年度に学習用図書・教養図書は1,824冊,シラバス掲載図書は入手可能な61冊をそれぞれ購入した。
(イ) ガイダンス等の実施
昨年度と同じく,新入生図書館利用ガイダンス,文献の探し方ガイダンス,電子ジャーナル講習会などのほか,教員の希望による個別のガイダンスを実施した。さらに,学部共通授業「教育情報科学概論」に協力し,主に著作権について解説した。
(ウ) 機関リポジトリの構築と運用
今年度は以下のような事項を実施した。
(1) 平成21年6月19日から学内公開を,10月7日から学外への試験公開を始めた。
(2) 平成22年2月から国立情報学研究所JAIROへのデータ提供を始めた。
(3) 平成22年3月から教育系サブジェクトリポジトリハーベスト実験に参加した。
(4) 平成22年3月から新潟県地域共同リポジトリへのデータ提供を始めた。
(エ) 学生選書ツアーの開催
厚生補導特別経費の配分を受け,「学生生活に役立つ本」をテーマに資料の収集を行った。この中で,学生の参加による選書ツアーを3回実施し,221冊を購入した。
(オ) 新潟県立看護大学図書館との相互協力
文献複写料金と貸出条件を学内者扱いとすること,図書館主催の利用講習会への相互参加,レファレンスの相互協力について,具体的な取り決めを行った。
(カ) 新型インフルエンザによる臨時休館
新型インフルエンザ罹患者の急増に伴う学生の入構制限に伴い、図書館も11月5日から4日間臨時休館した。
ウ 優れた点及び今後の検討課題等  
(ア) 図書館資料購入費
電子ジャーナルや外国雑誌の購入価格が毎年値上げされる現状においては,現在の図書館資料購入費では,最低限必要な図書類も購入が困難となることが予想される。教育・研究・学習に必要な資料購入予算を安定的に確保する方策の検討が急務である。
(イ) 学生の情報リテラシーの向上支援
図書館利用促進のため,各種のガイダンス等を実施した。また,学部1年向け授業「教育情報科学概論」における図書館担当部分への学生の反応は良かったが,情報リテラシー向上のためには,講習会の方法,内容をさらに検討する必要がある。また,より積極的な授業参加についても検討すべきである。
(ウ) 地域社会への貢献
平成21年度は565名の学外者の利用登録があり,1,833冊が貸し出された。平成22年度中に上越市立直江津図書館が移転・開館することから,今後地域住民の利用動向に変化が起きることが見込まれる。
(エ) 資料の配置,保存,収納
平成21年度に,設置から30年を経過した電動集密書架の改造更新を行ったが,収容力の増加には繋がっていない。
当館の資料収容力は約30万冊であり,既に満杯となった書架が増えてきている。荷解室,情報処理室を書庫に転用し,利用頻度の低い資料を除架する等の対応を取っているが,効率的な資料再配置や新たな保管スペースの確保が必要である。
(オ) 機関リポジトリの構築と運用
平成21年度は,本学研究紀要をはじめ,約530件の論文を登録した。また,学外に公開するとともに,新潟県地域共同リポジトリ等へのデータ提供も開始した。
(カ) 図書館サービスの変化による利用形態の変化
電子ジャーナル,各種データベースの導入・維持を図る一方,文献複写等の各種サービスの申し込みをホームページからも受け付ける等,図書館サービスの電子化を推進している。その結果,来館しなくても図書館サービスを受けられるようになり,また,学外へ複写依頼しなくても電子ジャーナルで閲覧できる等,利用形態に変化が見られる。
今後更に,利用者の求めるサービスの提供に努めるとともに,利用統計等に現れる図書館サービスの指標についても再検討を行う必要がある。
A 運営委員会
ア 設置の趣旨(目的)及び組織
i) 組織設置の趣旨(目的)
館長の諮問に応じ附属図書館の運営に関する重要事項を審議するために置かれている。
ii) 組織の構成及び構成員等
附属図書館長,各専攻長,及び学術情報課長の計5名により構成され,附属図書館長が委員長となる。
イ 運営・活動の状況
i) 委員会等の開催状況
平成21年度は2回開催した。
第1回:平成21年4月24日(金)
第2回:平成21年10月20日(火)
ii) 審議された主な事項
第1回:平成21年度附属図書館業務計画,平成21年度附属図書館経費(図書購入費,附属図書館運営費),開館時間延長,新潟県立看護大学との連携,資料の配置・保存・収納
第2回:第2期中期目標・中期計画素案に係る年度計画,新潟県立看護大学との連携強化
iii) 重点的に取組んだ課題や改善事項及び前年度の検討課題への取組状況等
図書館の開館時間延長について,前年度に実施したアンケートに基づき検討した。
第2期中期目標・中期計画素案に係る年度計画たたき台について検討を行い,委員の審議を経て案を作成した。