【幼児教育コース】
 

  
鈴 木 情 一(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 学生が必要とする内容に照らし,教材の作成及び提示の仕方について取り組んだ。
 評価面では,出席回数(2/3)を前提とし,試験,レポートなど複数の視点から評価を行った。
【観点2】教育の達成状況
 おおむね目標とする水準に達している。教材作りや説明に尽力した。
研究指導
【観点1】学部
 研究テーマの選択について学生自身の希望を尊重し,テーマに沿った有効な方法を指導するよう特に心がけた。方法についても質的分析法を紹介し,実践的にも優れた成果を上げた卒論ができた。
【観点2】大学院
 1名は免P,他の1名は留学生扱いの院生であった。研究計画作りに重点をおいて指導し,必要に応じて観察カテゴリーを具体的に提案するところまで指導した。
その他の教育活動
 教育実習(幼稚園専修教育実習)における学生指導では,4年生のクラス担任として事前・事後指導をそれぞれ1コマづつ実施した。実習前の事前指導では「課題」を提示し,その課題についての報告・検討会を事後指導で実施した。
特色ある点及び今後の検討課題等
 学生・院生諸君が自分の課題(授業〜研究)を自覚し,自発的に取り組むよう,指導することが課題とされた。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年8月:『読書生活,読書,リテラシーに係る課題』(単著) 読書科学, 第52巻, 第4号, pp.179−183.
学会活動への参加状況
(1)3月26日〜28日:日本発達心理学会第21回大会出席
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)8月:学校図書館司書教諭講習会講師, (2)8月:教員免許状更新講習会講師
 

  
丸 山 良 平(教 授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 幼稚園と保育所における実践の映像資料を提供し,乳幼児の生活の実態と保育者の指導法の具体的な理解を図った。教材作成と実践計画の立案,そして実践という一連の作業の実行を通して実践力の育成を図った。各授業において核となる課題と試験の評価基準を明示することで達成目標を明らかにして評価した。
【観点2】教育の達成状況
 学部卒業生のほとんどが,公立保育士採用試験に合格した状況から,幼児教育における専門的知識と技能,そして高い実践力を習得し,同時に指導者となる意欲も高まったと判断する。
研究指導
【観点1】学部
 教育実践を観察して収集した資料を事例にまとめて分析,考察し,研究推進能力の向上を図った。パネルシアターの作成と実演などを行って保育実践スキルの習得を図り,教育実践力の向上をめざした。
【観点2】大学院
 最新の研究成果を取り上げて文献研究を行い,その成果を口頭発表と討論によって思考力とコミュニケーション力の増進,および研究推進能力の向上を図った。研究計画の立案と観察資料の処理,論文作成を指導した。
その他の教育活動
 学部2年生の幼稚園実習,学部4年生の幼稚園専修実習,学部2年生の保育実習T及びU,学部4年生の保育実習Vにおける実習先である幼稚園,保育所,児童福祉施設に伺って,実習指導教員と面談を行った後,学生に対して指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 教育実践を意識し内容を精選している。多様な実践場面を映像資料で示して学習と研究の動機を高かめ,資料の内容を理論的に裏付けて解説している。あらゆる場面で学生と教員は対等に率直に意見を交わせるので学生の学習と研究に対する意欲は非常に高い。今後は,附属幼稚園の教諭との連携を図り,より多面的な視点からの考察を試みたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
業】(1)平成21年10月:『幼児の生活と仲間関係「なかまとともに」』(共著) 上越教育大学附属幼稚園平成21年度研究紀要
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)4月〜3月:上越市少子社会を考える市民懇談会委員, (2)4月〜3月:社会福祉法人みつばち福祉会(新潟市)保育アドバイザー苦情解決第三者委員, (3)7月:糸魚川市立青海幼稚園研修会講師(教育実践参観後の協議会で指導), (4)8月:糸魚川市立田海幼稚園研修会講師(教育実践参観後の協議会で指導), (5)4月〜3月:平成21年度幼稚園教員資格認定試験委員(文部科学省)
 

  
杉 浦 英 樹(准教授)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
・題材に適合した視覚に訴える教材を編集し適切な頻度で使用した。
・小規模の授業は相互的なやり取りを重視しながら行った。
【観点2】教育の達成状況
・ほぼ達成したとみている。
研究指導
【観点1】学部
・ 卒業論文の指導:「幼児の睡眠に対する保護者の意識と行動の検討−幼児の適切な睡眠を確保するために−」・「父子手帳が育児にもたらす影響」・「これからの在宅子育て支援のあり方−『マイ保育園登録制度』を事例として−」・「幼小連携における『就学支援シート』の意義と役割」・「『森のようちえん』の教育的意義」
  関連する自治体・園の協力を得て,5名各自がユニークなテーマのもとに真摯に取り組んだ。
【観点2】大学院
・ 学位論文の指導:「保育所給食の今日的意義と課題」
  5名の学部生の研究成果とあわせ『平成21年度学位論文・卒業論文抄録集』を編集し,協力者に配布した。
その他の教育活動
教育実習における学生指導
・教育実地研究TA(観察・参加)における巡回指導
・教育実地研究V(初等教育実習)における巡回指導
・幼稚園専修教育実習における事前・事後指導と巡回指導
・保育実習Tの事前・事後指導と保育実習Uの事後指導,保育実習T・U・Vにおける巡回指導
非常勤講師
・飯田女子短期大学「教育方法の理論と実践」
特色ある点及び今後の検討課題等
・授業全体としては昨年度のように時宜に合わせ一部内容の更新・入替を行った他は基本的に前年度の内容を踏襲したが,特に比較的多人数の授業ではプロジェクタを活用する等してわかりやすい教材提示に努めた。
・実地研究の事前・事後指導の充実のために,幼稚園教育実習部会において協同で幼稚園教育独自のスタンダードを開発した。運用上の理解を得ることが今後の課題である。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
著】(1)平成21年10月:『名著解題』(共著) 協同出版
論】(1)平成22年2月:『明石女子師範学校附属校園における幼小連携−「保育方針並ニ幼稚園内規」と幼稚園カリキュラム−』(単著) 上越教育大学研究紀要第29巻
発】(1)平成21年12月:『明石女子師範学校附属校園における幼小連携−プロジェクト法導入前の幼稚園カリキュラムの検討−』(単) 幼児教育史学会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)幼児の生活と仲間関係連続した個の育ちをみつめる 代表者:丸山良平(上越教育大学) 上越教育大学附属幼稚園
学会活動への参加状況
(1)5月16日〜17日:日本保育学会第62回大会出席(千葉大学), (2)7月11日〜12日:日本カリキュラム学会第20回大会出席(神田外語大学), (3)12月5日:幼児教育史学会第5回大会出席(法政大学)
◎特色・強調点等
1 プロジェクト学習論史研究:これまで合衆国におけるプロジェクト学習論の史的ルーツを解明する作業やレッジョ・エミリア等における現代の幼年期におけるプロジェクト学習論の検討を進めてきた。
2 幼小関連・連携の問題史的研究:1の初期理論の我が国への紹介及び展開という視点から戦前の女子師範学校附属校園における連携の実態をめぐる調査,戦後における幼稚園の普及に伴う幼小連携の具体化に向けた各地の取組み(連絡協議,合同研究等)の内容を明らかにする作業を行っている。2007年度に地元の元幼稚園教諭の協力を得て旧高田市における取組みの一端を調査報告し,2008年度からはカリキュラム連携の視点から我が国で最初に幼小教員共同でプロジェクト学習を実施していたとみられる明石女子師範学校附属校園史料の調査を開始した。本年度,プロジェクト学習導入前の同校園における明治期の史料の検討が一段落したので,報告を行った。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)10月〜12月:糸魚川市子ども一貫教育方針策定委員会幼児教育部会講師, (2)8月〜3月:妙高市子育て支援会議委員, (3)4月〜3月:附属幼稚園研究協力者, (4)8月:教職免許講習「幼児教育における基本的事項の改善に向けてV」, (5)平成21年度幼稚園教員資格認定試験実施委員
 

  
香曽我部  琢(講 師)
 
<教育活動>
授  業
【観点1】教育方法及び成績評価面での取組
 教育方法については,幼児の音楽表現活動の実際の場面のVTRや,パワーポイントなどを用いることで,より理解しやすい授業づくりを行った。また,授業内容の理解だけではなく,理解を深めていく過程において,ディスカッションや協働でのレポート作成などの場面を多く取り入れることで,教員の資質として求められる同僚性,問題解決能力を高めようと考えた。成績評価については,レポートを作成したものを評価する際には,評価の基準やポイントについて説明を行った。また,結果だけではなく,レポート作成のプロセスにおける意欲的な態度についても評価の対象とした。
【観点2】教育の達成状況
 ほとんどの授業では,シラバスに記載した目標を達成することができたが,学生が協働することで,身につけていく思考力や発想力については,さらに学生一人ひとりの個性やレディネスに配慮し,適切な教育方法を用いていくことで目標を達成していきたい。
研究指導
【観点1】学部
 学生一人ひとりの研究的な興味関心を高めるとともに,自分の研究テーマの先行研究をまとめていくことで,テーマを絞っていった。研究を実施する際に求められる,先行研究の成果やその知識について身につけることも重点的に行った。また,院生や他の学部生の発表をきくだけではなく,その発表について質問をする機会を多く与えることで,ディスカッションを重ね,批判的な思考の向上を目指した。
【観点2】大学院
 先行研究について調査を行う過程で,自分の研究テーマにそった研究方法の選定だけではなく,その研究方法を用いる学術的な背景についても指導を行うことで,社会学的な想像力が高まるように指導を行った。
特色ある点及び今後の検討課題等
 自らの研究活動で得た成果をもとに,シラバス内容を再編成していくことで,より先進的な内容を学生に教育する体制を構築していきたい。また,学生が単独で行う場面と,協働で取り組む場面のバランスをとりながら,これから教員に求められる資質の育成を目指していきたい。
 
<研究活動>
研究成果の発表状況
論】(1)平成21年5月:『保育者に求められる身体−身体の共振と行為的直観−』(単著) 『人体科学』第18巻第1号, 人体科学会
(2)平成21年11月:『幼児が“音を介した表現”を生み出すに至る認知過程とその意義』(単著) 音楽表現学第7巻, 日本音楽表現学会
作】(1)平成21年7月:『ビブラション(振動)・カホン』作曲・指導 中部大学音楽室
(2)平成21年12月:『身体表現作品「水の冒険」』作曲・指導 最上町大堀保育所発表会
発】(1)平成21年5月:『遊びにおいて幼児が無意識に生み出す音の世界とその意味』(単) 日本保育学会第62回大会
(2)平成21年6月:『幼児が生み出す音の意味を探る−音をもとに遊びを解釈する“サウンド・エスノグラフィー”の試み』(単) 日本音楽表現学会第7回大会
(3)平成21年7月:『幼児教育の独自性に即したPDCAサイクルの改変と保育の質の向上』(共) 日本子ども社会学会第16回大会
(4)平成21年10月:『幼児の音を“生み出す”行為と“聴く”行為の関係とその意味−社会文化的アプローチによる砂遊び場面の検討』(単) 日本音楽教育学会第40回大会
共同研究(幼,小,中,高等学校及び特別支援学校教員との共同研究を含む)の実施状況
(1)PDCAサイクルを援用した幼児の自発的な音楽表現を生み出す保育実践の理論的枠組みの構築 代表者:田宮千加子(最上町大堀保育所) 最上町大堀保育所
(2)打楽器インターフェースを楽しむビブラション 代表者:小寺きしこ(武豊町議) 打楽器インタフェースを楽しむ ビブラション
学会活動への参加状況
(1)平成21年度:日本オルフ音楽教育研究会運営委員, (2)2009年7月11日:日本カリキュラム学会第20回大会出席
◎特色・強調点等
 研究においては,常に保育現場へのフィードバックについて意識をおいている。そのため,研究の成果をどのようにして保育者に伝えるか,その成果がどのように保育実践に影響を与えたのか,そこまで研究を行おうと考えている。このように,これからの保育者に求められる資質や専門性の育成について考慮している点が特色である。
 
<社会との連携>
社会的活動状況
(1)7月:春日井市保育士講習会講師, (2)11月〜12月:最上町大堀保育所表現ワークショップ, (3)2月:上越教育大学附属幼稚園講演会講師, (4)2月:最上町保育研究会講師